黒門の中で会いましょう【 ✿指名制✿学園✿初心者歓迎✿ 】

＞蛇川

…ねえあんたプライド捨ててんの？
（　彼女をみる目が本格的に軽蔑の意を含んで来た。何だろう、とんでもないバカなのだろうか。中等部にまで押しかけて土下座してる絵面って相当アレだし俺はもう確実に仲良くなれない気すらしてるし、ここは丁寧に断るのがやっぱり得策なんじゃないかって思う。そう考えて口を開こうとしたところで、廊下のずっと奥に人影が見えた。いくら人通りが少ないとはいえ全く人が来ないってわけじゃないし、あの距離からなら何も見えないだろうけど近寄られるとまずい。土下座してる高等部の姿とか見られたら俺がまずい。俺が。　）
チッ、…。あーも、分かった！分かったから顔上げなよめんどくさいなもう！
（　今後の生活とモデルのどちらかを天秤にかけ、半ばヤケクソになりながらも勢いで承諾する。でも今はとりあえずさっさと顔を上げてほしくて、ぎゅうと自身の下唇を噛んだ。　）



＞綾瀬

いーよ、別に。
（　何となく丁重に扱わねばならない気がした。理由を問われれば泣いていたからとしか言いようがないのだけど、思い返してみれば幼稚園かなんかの先生に女の子は丁寧に優しく扱えと言われた気もする。そうと決まればいくら甘いものが苦手だからと言って苺味の飴を断るわけにはいかず、その手から飴を取れば包装紙を破って口の中に放り込み。　）
んなたいそうなことしてねーよ。
（　疲れたと言ってもただたまたま部活にやる気があっただけだ。普段なら練習が終わった瞬間帰ったりそもそも出なかったりと散々で、今日はやたらと珍しそうに見られた。…他の部員より部活に出なきゃいけないのは重々承知しているのだけど。「綾瀬は？」と尋ねたのはここで何をしていたのか知るためで、もう真っ暗な窓の外に目を向ければ軽く首を傾げて。　）



＞桜庭

（　食いたくないとは思った。確かに食いたくない。でも素直に取り下げられるのは腹が立つし、食中毒だなんだって言ったのは間違いなく俺だが間に受けられるとそれはそれでうぜえ。無視られてもうぜえ。無理やり食わしてくんのがお前だろうがなんてやり場のない上無茶苦茶な思いと共に苛立ちを抱えながら近付けば、眉間に皺を寄せたまま口をへの字に曲げた明らかに不機嫌そうな顔で「オイ」なんて声を掛け。　）
…食わねえとは言ってねえんだよ。察せ。
（　何の反応も持たなかった差し入れのはずだけど、クソトロミミズ女が作るとなると話が違ったらしい。別に情が湧いただの気になったとかじゃなくて、こいつ相手にビビって手を出さなかったら俺のプライドが傷つけられたことと同義だからだ。だから俺はこいつに退いちゃいけないわけで。　）