“嘘つきは希望と出逢う”　

【原作沿い：サンプル】


――お前のせいだ！　お前が狂ってるから、あいつはおかしいんだ！

（そこらじゅうの酒瓶を投げつけ、テーブルの食器を粉々に叩き割り、沸騰する血で視界が真っ赤に染まるのを感じながら、怒り狂ったその男は目の前の妻へと大声で怒鳴りつけ。
前々から何を考えているのかわからなかった不気味な娘。そのレイチェルがとうとう、子犬の死体を持って帰ってきた――だけでなく、丁寧に切り裂いてから針と糸で縫い合わせているのを見て、ついに全てに耐えがたくなり、一気に怒りが爆発した。
俺の不幸はこいつらのせいだ。頭の可笑しい女たちにこれ以上俺の人生を狂わされてたまるものか。これ以上奪われてたまるか。今夜こそ、全部をこの手で終わらせてやる！
そんな思いにはらわたを煮やしながら、ヒステリックに喚き散らす妻を血走った目で睨みつけると、男は台所のシンクにあった長いナイフを鷲掴みにし、耐えかねたように叫びながらそれを大きく振りかぶって。）

――あぁ……我慢ならない！！

【原作改変：サンプル】

レイ、おまえ……はっ。
なんて、顔して……やがんだよ。

（ずっとずっと欲していた。冷たく暗い牢の中から青い満月を見上げては、湧きあがる衝動で壁を殴りつけるほどに、その存在に飢えていた。
――手に入れたくて仕方なかったそのレイチェルが、今、己の腕の中にいる。
堰を切ったようにしゃくりあげている少女の頭を不器用に撫でながら、荒い息をつきつつその様子を笑う己もまた、かすかに声が震えていて。レイの手前、恰好をつけずにはいられないが、レイのことを言えないほどには、己も感情の激流の中にいた。
……欠けていたものが、満ちた。この瞬間を、ずっとずっと待っていた。共に過ごすうちにいつからかなくてはならない存在になった相手、例え彼岸からでも殺しに行くと誓った相手だ。もう絶対に手放してやるものか。
施設の職員が扉を乱暴に叩く音が聞こえる。ふと顔を上げてそちらを見てから、もう一度腕の中を見下ろし、華奢な体を震わせている少女に向かって掠れ声で囁き。懐かしい言葉を口にしてから、少女を元気づけるように笑みを浮かべると、叩き割られてきらきらと割れ目を輝かせている大窓の方を振り返り。）

……もう時間がねえ。ほら、今度は１秒も待ってやらねえよ――行くぞ、レイ。

【平和なパラレル：サンプル】


――あぁ、まったく！　これはいったいどういうこと！？　断罪人たるこの私が、罪人どもを見失ってしまうなんて……！

（愛用の鞭をしならせて地面をピシャリと叩きつけ、怒ったように叫んでみるが、生憎とここはビルの外。ボタンひとつで全てが思いのままになる自分のフロアとは違い、いつも通りのことをしても何ひとつ解決できず、道を行き交う人々の不審な視線を買うだけだ。
あぁ、こんな状況に陥るくらいなら、神父様の珍しい御誘いに易々と乗るんじゃなかった――「メディア展開の打ち上げとして、ビルの住人皆で旅行を楽しもう」だなんて！　自分がそれに乗ったのはもちろん、おぞましいことに、神父様の許可のもと住人入りを果たしてしまったあの小娘……レイチェル・ガードナーの断罪の機会を狙うためだったのだ。なんといったってあの売女は、素敵な怪物だったザックを人に堕としてしまったのだから！
そう、あの小娘を断罪すること、それを楽しみに来たはずなのに……少しウィンドウショッピングしてから元の場所へ戻ってみたら、住人たちはだれひとり残っておらず、自分ひとりが見事にはぐれてしまっていたのだ。携帯は持っていないから連絡がつくはずもなく、どこへ向かえばよいのかすらわからない。忌々しく思いながら指の爪を赤い手袋越しに噛み、緑の瞳を憂えるように伏せながら、どうしようかと考える。その時ふと脳裏を過ったのは、優男の皮を被った罪人の男の顔――まさか、と打ち消すように呟くも、不安げな表情はその虚勢を繕えておらず。）

……まさか、ダニー先生はどうせあの売女を性懲りもなく追いかけているだけだわ。あの男ごときに頼るような私でなくってよ、そうでしょう？

（/『殺戮の天使』がお好きな方に需要があることを願いつつ。
　　ご質問などもお気軽に！）

初めまして。大好きなゲームなのですがあまりトピックを見かけず悶々としていたところ、素敵な場所を発見し声掛けさせていただきました……！
終止や心情、改行や罫線の使用などロルの形式も当方の書き方と共通している点が多く、ぜひともお相手させていただけると嬉しいです。

こちらの提供はレイチェル、主様にはザックをお願いしてもよろしいでしょうか？
世界観としては原作改変、>2からしばらく過ぎた頃を描けたらなと思っております。世間から隠れながらも二人で力を合わせて生活し、自分たちのことを取り上げているニュースを見てふと我に返るようなほのぼの＋シリアスな感じでお話しできたらなと思っているのですが、どうでしょうか。

もちろん、主様の好みから外れているようでしたら蹴っていただいて構いません。
またレスペースもゆっくりめになってしまうと思われるのですが、それでもよろしければご検討よろしくお願いいたします。