xxx 2018-06-03 19:25:29 |
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>34 夏目 央
央はまだ若くて肌も綺麗なんだから、化粧なんて薄らで良いのよ。きっとすぐ上手になるわ。
(一瞬脳裏に思い浮かべたのは、己と同じ化粧を施した彼女の姿――いや、とんでもない。彼女の顔にこの化粧は似合わない。直ぐにそんな風に考え直す程度には、真面目に彼女の要望に応える気になっていた。両手を頬に添え、掌で頬を摩る様な仕草と共にそう告げては片目を瞑って見せて)
いいえ。この中に入っているのはね、贈り物を"作る"為の材料よ。…ほら、見てご覧なさい。
(テーブルの上に着地した宝箱に対し必然的に注目する彼女に、勿体ぶるように優しく宝箱を撫でながら口元に緩やかな弧を描く。黒塗りに金枠のその宝箱の鍵穴をとん、と人差し指の先で突くと、中でカチャリと鍵の開く音がした。そしてゆっくりと開かれたその箱の中に詰め込まれていたのは、一見するときらきらと色とりどりに輝くビーズ状の小さな粒。大きさも形も様々で、光の加減と言うより粒そのものが自ら小さな煌きを放っている様に見える。宝箱は更に前面部分を左右に開ける様になっており、一段目二段目三段目、と色や形ごとに分けて収納されていた。そして、開いた箱の中心部分に収納されていた糸巻きを手に取ると、そこに巻き付けられているのは見る角度によってその色を変えて輝く虹色のテグスで)
――綺麗でしょう?これはね、この部屋に広がる星空から降ってきた星の欠片と、流れ星の軌跡から紡ぎ出した糸。
どんな場所でも輝きを失わず、どんな力を加えても千切れない…ヴィペールの収集品の様に強気で逞しい輝きはもたないけれど、あんな物よりもっとずっと美しく価値があるわ。
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