xxx 2018-06-03 19:25:29 |
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>31 夏目 央
あらあら、それも素敵な第一歩ね。オシャレしたあなたの姿、あたくしとっても興味があるわ。是非見てみたくってよ。
(今の彼女が自覚出来る変化、それがどんなものであろうと彼女が踏み出す第一歩に変わりはないとそう考えてはいたが、それでも思わずくすりと笑みが零れた。確かにヴィペールの事だから、大凡何か装いに関する駄目出しでもしたのだろうと容易に想像出来てしまうのだ。化粧を必要とせずに過ごせるのは、若い内だけ――ひとりの大人の女性としてはそう思わずにはいられないのだが、彼女の健気さにはまたひとつの魅力を感じたらしい。瑞々しく張りのある肌を心成しか羨ましそうに見詰めながら言葉で背中を押して)
その気持ちが変わらないと良いけど。まあ、のんびり暮らすと良いわ。どの道時間は幾らでもあるんだもの、先は長いわよ?
(彼女の口から発せられた前向きな言葉にひとつ頷き、ぱちんとウインクしながら告げる言葉は冗談にも似た軽さを孕んでいる。気まずくなりかけた空気を乗せて何処かへ飛び立っていこうとでもしているかの様に、満天の星空が広がる室内できらりと星が流れていったのが彼女の目には映っただろうか。フォークを置き、何かを呼び寄せる様にすうっと指を動かせば部屋の奥からテーブルの上に置けるような、やや小振りの宝箱が宙を漂ってくる。やがてそれは静かにテーブルの上へと降り立ち)
さて――そろそろ、ヴィペールへの贈り物を用意しましょう。
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