xxx 2018-06-03 19:25:29 |
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>26 夏目 央
今のあの子が求める扱いは、"誰よりも美しいと認められる事"ただひとつ。もしあなたが、あの子との最良の接し方を探しているのなら、あの子を美しいとただ認めてあげることね。
(彼女と会話をしていると、彼女にとってヴィペールがどの様な存在であるか、その全てを正確に読み取ることこそ出来ないが見当をつける程度ならばそれはあまりに容易なことだった。何を考えるにも、彼女の心には彼の存在がある。これまでに幾度となく繰り返した死にたがりとの交流を振り返ってみても、彼の事をこうも慕ってくれる者は矢張り珍しい。だからこそ彼女への興味も膨らんでゆくと言うもので、投げ掛けられた問いにまずは分かり易い答えを返した後、彼女の名を復唱して)
央、良い名前ね。自分の名をもっていると言う事は、とても素敵な事よ。大切になさい。
(少しずつ飲み易い温度になり始めている紅茶を少しずつ飲み進めながら、彼女の答えに耳を傾ける。この館へ招かれる死にたがりはそれこそ十人十色、慣れる早さもそれぞれ違う。比較的早めに館での暮らしに適応してみせたその姿からは、彼女の秘める強かさを感じた様な気がした。そして、聞いて良いものかどうか…そんな迷いの見え隠れする質問をまるで予知していたかの様に、くすくすと笑いを零して)
矢張りあなたもそうだったわね、此処へ招かれた死にたがり達は皆あたくし達にそう聞くのよ。
あたくしの答えはいつも同じ。だからあなたにも、他の死にたがり達へ答えた時と同じように答えるわ。
"当たらずとも遠からず"――よ。ただひとつ言える事は、この館の中に存在出来るのは、一度でも死を願った事のある者だけって事。
同じではないけれど、似たような存在…差し詰め、そんな所かしら。
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