$10884 2018-05-13 15:49:18 |
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夢を見た、生まれた時のことだ。遠く、美しく生きてねと優しい声で言われた。暖かい街の中、抱き締められたくて恐ろしく脆く、その腕を伸ばした。
何を持ってして 落ちてきたのか。何を望まんとし 息をしてゆくか。一人ではもう 生きられぬと言う。一人ではないと生きては行け無いのに。
あたたかい光に、笑い合おうか。震える足を嘗ての友の詩で刈り、今問いてみようじゃないか。
どうして生まれた?
ユートピアへの片道切符がここにある。
少女は靴を投げ捨て裸足のまま駆け出していく。髪を振り乱し、取り憑かれたようにステップを踏み始める。新たな人生の幕開けを祝うかのように、祈りにも似た喜びの舞いは続いていく。
ユートピアの片道切符を握り締め。
空の色のよう、すべてが水に沈めば良いのに。青い星は悲しい星。ずっと、誰かが、いつでも泣いている。雑踏に消え、隠れ、擦りきれた息が聞こえる。青い空は悲しい色。空いた色、寂しい色。泣いた空の水ですべてが水に良い。そうすれば、きっと、星は泣かなくて済む。楽になる。
生きてきた事に異論は無い。抗うも抗い切れぬ、汚く不器用な惨めったらしい日々だが、それは人として生きている以上致し方ないと多少なりとは了解している。恵まれ、幸せな環境な方だとも理解している。ただ、生まれてきた事には異論がある。何故生まれたと熟思う。決して認めたくは無い。忌々しい。許さない。
結んで開いて、結んで開いて。縺れ合う片割れ。絡んだ糸をほどきに掛かれば、さらに絡まり肉に食い込み血が流れる。見つめる貴方は其見て何思う
底の底で沈殿していたい。けれどもそれは一と同じ。最も、など回転させれば幾らでも変えられる。自身は沈めない。また、中途半端に漂うのか
淡い花びらが零れ落ちる季節。柔らかい香りに焦がされれば、酷い建前も醜い言い訳も。何もかも全て、淡さに埋もれ暖かな景色の中に溶けると言うのに。
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