糖分を溶かしたエリート

パンクしてませんよ。言ったでしょう、依頼はないと。(離れてしまった相手に眉を下げて「…依頼がないと動かないとみたので依頼をやってもらいましょうか。万事屋の仕事として何でも引き受けるのでしょうから。」と、戻る相手の腕を掴み)私を癒しなさい。貴方の仕事ですよ。

っ…わーったよ！依頼なんだから金はきちんと払えよな？んでもよぉ、癒すったって何すんだよ(依頼にされたらするしかなく諦めた様子で言えば。相手の方を振り向き「マッサージとかそんなんか？」と首を傾けては腕を組み考えて。何がしたいんだ？と相手の本心を探ろうと目を見るがなにも分からず)

分かってくれて安心しました。そうですね、やはりギューッとしてくれると私の心は癒されます(相手の赤い瞳を見詰め「もちろんお金の方はお支払いいたします、前払いで」と告げて顔を変えず再び端末を取り出して)

おま、ハグかよ!?…勿論エリート様なんだからそれだけの額はあるよな？(相手の思考が更に分かりにくくなり。相手の姿を見ればニヤリと笑えば嫌味にも聞こえるように言って)

えぇ、万事屋なんですからできますよね？もちろんその分の額を言って下されば(端末でカメラモードにすると相手に向けてカシャッと撮り。撮った写真を保存すれば其の儘胸ポケットに終い「依頼成立です」と口角を上げて)

ご丁寧に写真まで…まぁ、額はメールで送っとくから(写真を撮られるとはぁ、と溜め息をつき言うと。少し相手に近づいては目を見詰めてみるが恥ずかしいのか目を泳がせつつハグをしようと手を広げては)

メールも碌に返さない人がいいますね。(バラガキの時にメールもくれない相手にくれるのだろうかと口角を上げて。目を泳がせる瞳に此方から近寄り腰に腕を回しては抱き締めて「坂田さんが私を抱き締めてくれるのに数秒掛かりましたので私から」と告げると擦り寄り)

あ、ちょ…(抱きしめられると戸惑いながらも相手の背中に手を回し優しく抱きしめ。「これだと銀さんが頼んだみたいなんだけど」とｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ言えば。緊張か何かで心音が速くなり焦るなと自分に言い聞かせては)

頼んだのは私なので。貴方は大人しくしていればいいんですよ(腕に力を入れ、顔を耳元に寄せると囁き「体温が高いですね。まだ恥ずかしいですか？坂田さん」と、軽く首を問い掛けて目を細め。ふわりとした銀髪に手を添えるとそっと撫でて)

…ッ、お前の考えてること本当わかんねェわ。(撫でられつつぼやくと。俺は子供か、何て思ってはﾁﾗﾘと相手を横目で見て。ふ、と笑うとそのままでいて)

分からなくて結構です。私は坂田さんのこと理解してますし(クスリと笑みを零すと、相手の頬に思わずチュッと口付け。其の儘髪を撫で続け乍、「…坂田さんは誰かを好きになったことはありますか？」と己の気持ちを悟られないように聞いて)

何だよそれ…ってお前!?(頬にキスされると顔が真っ赤になり。うぅ、となりつつも「ま、まぁ…あるｯちゃあるけどよォ…そりゃ銀さんモテるしね!」と仕方なくそのままで少し考えてこの空気を変えようと冗談混じりに言えば)

真っ赤。林檎みたいですね。というか、キスは初めてですか？(真っ赤な林檎の様な頬に目を細めては首を傾げ聞き「御自分でいいますか。それ。まぁ…目は死んだ魚のような目ですし、性格よければモテますね」なんて、相手の顔を採点する様に言い放ち)

初めてというより男にされた方が重要だわっ…!(眉間の皺を少し寄せながら言うと。はぁ、と溜め息をつけば「銀さんは美形だからねェ。モテようとしたらモテるんだよ」なんて自慢気に言い)

重要なのはそこですか？まぁ、坂田さんみたいなウブな人はなれないかも知れませんね(眉間に皺を寄せる部分をツンっと突っつき「自信満々に言われても。そんな女性に人気ならなぜ貴方に寄ってくる女性は乱暴もの…失礼。活気のいい女性ばかりなんでしょうね」と、思い出して話し)

普通あり得ねェよ…なんか調子狂うなぁ(頭をﾎﾟﾘﾎﾟﾘと掻けば、うなだれて。「それ言っちゃったら銀さん落ち込んじゃうよ？」といつもの死んだ魚のような目が更に引き立て、深刻な顔をしては)

調子を狂わせてるので。貴方は単純ですからね(相手の単純さに目を細めて「落ち込んでも持ち直すでしょう？坂田さんなら」と、能天気なら落ち込んでも気持ちを持ち上げるだろうもとククッと喉を鳴らし笑ってみせて)

単純で悪かったな！ったくよォ…何、そんなに俺嫌い？(そうだけど、と自分でも思いつつ。首を傾げ問い掛けては「簡単に言う…確かに合ってはいるけど!」と反論しようとしたがよくよく考えるとなにも言えないので言い直すと)

嫌いなんて一言も言ってませんよ。寧ろ好きって言ったらどうします？(己の気持ちを伝えては相手の瞳を見詰め「合ってるんですか。まぁ、貴方らしくていいじゃないですか」と、相手の腕を掴んで)そろそろ行きましょう

は…?(相手の言っていることにポカンとしては首を傾げ「お、おう」と頷き行こうとし。今考えると何故自分にこんな事を頼んできたのか、と思い相手を少し見れば。やはり違うよな、と思い軽く頭を横に振ると)