桜 2018-04-27 07:32:15 |
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(>1続き)
《地獄の学び舎》
「いいですね……。式神が使えて____私は使えないようです……。」
ふぅ、とひと息吐いた同じ学び舎の小鬼は、俺の隣で羨ましそうにそして嬉しそうに俺の式神を見る。
「何度やっても出てきてくれません……。式神を扱う才能がないようです。」
眉を下げてしょんぼりとする小鬼。けれど小鬼は頭が回る。力も強い。
「私は別の事を出来るようになりましょう。そしてこの地獄を一緒に良いものにしていきましょうね。」
ふわりと微笑む。
のちに[微笑みくん]と渾名される小鬼は、やはり優しい微笑みを俺に向けるのだ。
「帰りましょうか、エンマ。」
そう言って俺の手を引き家路へと。
小さな義兄はいつも俺の手を引き前を歩く____。
(続く)
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