すずな 2018-04-24 21:57:43 |
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この前起きた事件は下着泥棒の事件であり被害者は若い女の子いや男の娘(こ)、……いわば女装した男の子。
しかし解決してみると犯人は彼女いや彼に恋焦がれていた男装の少女。
つい出来心から彼の下着を彼女は盗んでいたらしい。
やれやれ、こんな事件を解決しなくてはならないとようやく今朝は落ち着いて珈琲を執事の明神に淹れてもらったところへ次の依頼人がきた。
その相手がまた厄介だった……。
その相手は谷岡と名乗った。
"この辺りの名で谷岡といえば…"
と思考を巡らす。
そうだ、思い出した。こいつは巷でも有名なとある暴力団の団員であり、組織一の悪だ、と。
そんな奴が僕に何のようだ?と彼は思った。
黙りを決め込んでいると谷岡はぽつりぽつりと話し出した。
内容はこうだ。
ある日黒塗りの高級車で道を走っていると後ろから白のおんぼろ車に追突された。怒りを顕にしながら車を降り、白の車に乗っている学生らしき男子達の免許証を奪い取るとその男子達が"免許証を返してください!お願いします!"と乞い願ってきたので示談の条件をどうしたらいいか。
との事だった。
明神、この件はまかせた。
私ごときこのような件に関わることではない。
下着泥棒の件?
あれは被害者や加害者がカワイイものだったからつい手を貸したに過ぎない。
「くれぐれも明神」
「力で解決するな、でありますな」
よくわかっている執事だ。言っとくが私はどこかの“貴族探偵”や“ハーフボイルド”を気取る探偵ではない。
地味に執事明神に身の回りをまかせちいさな町の犬や猫探し、人探し、財布を届けたり少し町の平和に貢献してるだけさ。
しかし執事明神もいいが美人のアシスタント探しに私は屋敷を後にした……。
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