半堕刀剣 2018-04-15 23:28:01 |
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そういうのは返してくれなくて良い。素直に受け止めて胸に仕舞っておけよ。( 相手の胸元に指トン )
う……わ、分かっている。――ッ御免、くださ、い…。( 建物の戸を開け、尻すぼみにごにょ )
…じゃあ何処でなら良いんだ?それとも俺とはしたくないと…?( じとり )
そうか、それなら良いんだ。お前を俺で一杯にしたかったから。( へへ )
( 不意に毛先を擽る指先の感触に少し意識が覚醒したかと思いきや微かな呻き声を上げた後にもぞりと横に寝返りを打ち始め。意識は未だ虚ろで、寝惚けているのか彼の方を向くや否やその細い腰に両腕を絡めてぎゅ、と抱き着き、うつ伏せの頭は彼の膝の上。そうして相手の匂いが直に感じられるとより安心するのか、再びそのまますー、と寝息を立て始めて )
ッ、…そ、そんなの無理に決まっている。もう一杯、一杯で収まらないのだから。( あう、 )
…、( はあ / あの勢いはどうしたのか、と心配に / " ん?どうした二振りそろって…しかも手も繋いで仲が睦まじいなあ。 "あっはは、と呑気な審神者← )
い、いや…そうじゃないが…、( もご )こうしている間に誰か来たらどう説明するのかと思って、だな( ちら )
もう十分過ぎるほど腹一杯だ。…あんたにも俺で染まってほしい。…愛してる、国広。( ふへ )
くにひ――ッ、…んなっ?!( もう一度声を掛けようとしたその時、呻き声と共に自身の腰元へ腕を回したかと思えばそのまま引き寄せられ所謂、膝枕…なのか怪しいところだがその他にどう説明がつくのだろう。だが、そんな彼の仕草にドキッ、とした己は一体なんなのか。未だに謎のままである感覚にどう向き合うべきかあたふたするしかなく。居心地良さそうに己の膝の上で寝る彼を起こすのは可哀想だと思いつつもここを通る刀が場合によればこの場面を見られるかもしれず起こすか、起こさないか…そればかり悩んでおり )
まあ、受け取るも聞き流すもお前次第さ。別にあんたを困らせようとして言ったわけでもないしな。( 相手の傍を通り、自本丸へ向けて歩き出し )
…っいや、あの、これは…何でもない。それよりあんたに話があって来た。( 指摘されると慌ててぱっと手を離し )
…それもそうだな。節操に欠けていた。続きは部屋で、な。( 耳元へ囁き微かに笑んで )
…っ、急に何を言い出すのやら。俺はもうとっくにあんたの色に染まっていると思うぞ。( くるり背を向けたその耳元はほんのり赤く )
( 相手の混乱もよそに刀は起きる気配も無く膝に身を委ね彼を捕らえたまま。すると突然稽古場の引き戸が開かれ、息を呑む小さな悲鳴がこの場の空気を震わせて。五匹の子虎を連れ、そのうち一匹を追いかけて来たと思しき少年がタイミング悪くも二振りの衝撃的な光景を目の当たりにしてしまい、顔を真っ赤に染め今にも泣きそうな顔で後退る。" ご、ごめんなさいっ…"か細い声で謝罪したかと思えば相手の返答も聞かずに仔虎を抱き抱えつつぴしゃりと戸を閉めてしまい。二振りの噂もいよいよ真実味を伴い、本丸中に広がるのも時間の問題かと思われ )
…それでもあんたの事、受け止めたいのだから仕方ないだろ。( ぽそ、 / 一足遅く歩き始め )
え?俺に、か?( 首ゆる / 離された手にしゅん、とする打刀 )…ここで話を聞くのもなんだから、俺の私室に来なさい。( 手招きちょいちょい / 玄関前で草履を脱ぎ私室へと向かって )
っ、…ばか。( ぽ、ぽぽぽ )体洗うから先に風呂に入ってろ。
思う?思っているのなら駄目だ。本当に俺で染まっているか不安だな。( 後ろからぎゅう、耳を甘噛し )
っえ…ちょ、ま、ま、待てごごた…い…あ。( どうしよう。このままではイケないような気がしてきた。表情には出さないものの内心では焦りが見え隠れしたせいでもあり虎と短刀の気配を読み取れず突然、襖が開くな否や後ろへと振りかえると小さな少年があやふやしつつ今の光景を目にしてしまい。それを慌てて訂正しようと少年を止めに入るも空しく消えぽつーんと再び自身らだけになり。もうこれは大変な事になったのではないか。もう彼を起こすのは可哀想だがいたしかたあるまい。相手の肩を叩きつつ彼の名を呼び )…くにひろ。国広っ、
…なら、好きにしろ。俺もあんたの全部を受け止めてやる覚悟だ。( ちら、と振り返り )
ああ。失礼する。( 目礼した後に靴を脱いで丁寧に揃え、彼らの後を着いて行き )
そうだな。綺麗に洗っておけ。後で沢山痕付けてやるから、なんてな。( くす、大人しく湯船へ浸かり )
っん……、疑り深い奴だ。もし、そうでなければお前はどうする?( ぴく、軽く身動ぎ )
( 肩を揺り起こされ気だるげに目蓋を擡げて目を覚ますと同時に彼の膝から起き上がっては未だ夢現にふありと欠伸を一つ。相手の顔を見るなり何をそんなに焦っているのかと不思議そうに首を傾げ、寝起き故に記憶が戻らず完全に自身のペースで気持ち良さげに伸びをして。呑気に開口一番、抑揚のない声で一言 )…ん…何だ、もう朝か…?
…ああ、好きにするさ。あんたが受け止めきれないほど、沢山してやる。( ふふん / 相手の手をさりげなく握り )
――さあ、どうぞ。なんもないとこだが、ゆっくりしていけ。( ふむ / 私室に到着。自身の特等席へ座りこみ相手を此方へと促し )…して俺に何か話があるのだろう?
んなっ…?!( ぶわわわ )っ、ばか。国広のばかっ、( ぽぽぽぽ / 乱暴に体を洗い始め← )
そんなの簡単だ。…俺にもう一度染めればいいんだ。何度でも、な。( ちゅ )
ばか…!目を覚ませっ。まだ昼前だ…!( いつこの本丸内に自分たちの噂が流れるかもしれない状況に此方としては焦るばかり。ここへ噂を聞き付けた刀達がくるやもしれない。そうなる前に彼に理解しておくべきだと、夢現の中に居る彼の頬を軽くパシ、パシと二、三度叩き自身が慌てふためく理由をサラリと )いいか。よく聞け国広。あんたが寝惚けて俺に抱きついた光景を短刀に見られてしまった。…だから、これはもしかしたら…噂が広がるかもしれん。
ふ、それは楽しみだな。だが俺は貪欲だから、満たすには骨が折れるぞ。( その手を固く握り返し )
え…あ、…その…。切国のことで、少し。( 審神者の前に正座し、隣の相手へ目配せ )あの…っ、その、俺っ…切国と……かに…、…た…。( 徐々に俯きごにょごにょ )
おい、あんたこそ何を慌てている。そんなにしたら肌が荒れるぞ。( デリカシーの欠片も無い一言 )
――…言うじゃないか。キスの仕方も知らなかったあんたが。( 自らの唇を艶っぽく指でなぞって見せ )
いっ…やめ、…やめろ…ッ、一体何なん――…、…は?( 完全に寝惚けていたところに軽く頬を張られ、寝起き故少し苛立たしげにしっしっとその手を振り払えば次いで告げられた現実味を伴わない言葉に思わず真顔で聞き返し。時間差で居眠りする前の記憶を徐々に取り戻していく中、手合わせをしていたはずの相手刀は居らず何故そこで短刀が登場するのか、彼の話に疑問を持ち始め。聞けば聞くほどに頭の中は焦りと羞恥で混乱し )…俺が寝惚けてあんたに抱き着いた?そんなの嘘だ。昨日の酒はもう抜けている筈だ。…大倶利伽羅はどうした?
ほう…それは確かに骨が折れそうだ。だが、それでも俺なりにしてみせるさ。( ふふ )
ん?切国と…なんだ?( きょとん、 / ” 国広。 ”ぺしぺしと背中を叩き )
うるさい。こんなことになったの誰の所為だと…( うぐぐ / 湯銭を掛け泡を流してはさっさとタオルで体を洗いつかつかと出ていき )
ッ、( ぞわ )あんたの口…口づけてもいいか。( そろり近づきちゅ、 )
…あんたが寝入ってしまったから何処かへ行ったんだろう。( ふい、と相手から顔を逸らし自身が内番を終えここへ来た時には手合わせ相手はもうそこにはおらず彼がいるだけ。自身に抱き着いたことは信用されていない様子でどう説明するべきかとしばらく沈黙。自分自身彼があんな行動に出るなんて思いもしなかった上に短刀まで目撃される始末。噂好きのあの刀が来るのではないかと内心冷や冷やするしかなく彼に信用されるような言葉を口を開くな否やバンッ、と勢いよく開いた襖に振り返るとそこには伊達刀の一振りである白き刀が” おお。五虎退の言っていたことは本当なんだな。こりゃ驚いたぜ。 ”その言葉にもう手遅れだったか、と額に手を添え深い溜息をつき )
…期待している。――さあ、見送りは此処までで良い。あんたは帰れ。( 自本丸も近くなると分かれ道で立ち止まり )
あ…、う……。( 背中を叩き急かす手に更に顔は羞恥に染まり、布を深々と被って顔面を防備 )き、きりくにと……こ、恋な、かに…なったん、だ。その、ご報告、にと…思って…。
あっ…!おい、照れているからといって俺を置いていくな。( 慌ててざぱりと上がり彼を追い掛け )
ふふ、仕方ないな。…ん、どうぞ?( 妖しく微笑み、目を閉じ触れられるのを待って )
( 馴れ合いを嫌う彼の事ならば確かに居眠りする己をこの場で待つ道理も義理も無いだろう。納得したような未だ信じられないような不思議な心地で居ると再び勢いよく開け放たれた扉の向こうに白き鶴を思わせるひらりとした衣を纏う刀剣の姿が見え、皮肉にも彼の一言で相手の言葉を裏付ける事実が証明され。また己の寝相の悪さで相手に迷惑を掛けてしまうと焦った自分は、彼を庇うべく咄嗟に白き刀に嘘をついて )っ違う、誤解だ。…こいつとはそんな関係じゃない。俺が、…俺が切国を一方的に襲ったんだ。そこを五虎退に見られた。切国は運良く助かった訳さ。
…本当に大丈夫なのか。( じぃ )またあいつの所為で傷つくのは嫌だ。( 手ぎゅ )
――えっ、えっ…?!( ぱああ )そうか!そうか!切国と…ふふ、やっとだな。どうなる事かと心配していたが、そうか…おめでとうっ( 相手の手を取りぶんぶんぶんry / 落ち着け )
うるさい。照れてない…!( うがっ )追いかけてくるなっ、( うう )
ん、( あむ、 / 彼の唇に甘噛み )
( 彼が自身を庇ってくれている言葉だと分かっていても何故だかその言葉にチクリ、痛みを感じた胸元へ手を持っていくと皴がいくほど服を握り締め。そんな様子を尻目に白き鶴は見逃すわけもなく秘かに口角を上げつつ” ふうん…そうか。それならいいんだが、な。まあ、何もなかったのならそれでいい。…君はもう少し言葉を選んだ方がいいかもしれないな。 ”と告げてからひらりと軽やかな足取りで去る白き刀を目で見送った後は、暫く沈黙が流れて )
俺は平気だと言っているだろう。それで主の気が晴れるのなら安いものだ。( ぼそ )
――怒らない、のか…?刀が人間の真似事みたいなことをして…、( されるがまま、布の奥の瞳を丸くし )
…着替えがあんたの籠の隣にあるんだ。方向が同じなだけだ。( 半ば呆れ気味に嘆息 )
ん…っ、…、( 薄く目を開け、小さく唇を開いてみて )
…?( 刀の意味深な指摘にきょとりと頭上に疑問符を浮かべ。何がいけなかったのか、持ち前の鈍感さ故に白き刀の言わんとしているところが分からず、彼を見送った後は二振りぽつんと広い道場に取り残され。ふと、相手の方へと視線を移せば胸に手を添え切なく苦し気に表情を歪ませる彼の姿があり、何処か身体の具合でも悪くなったのかと心配そうに数歩歩み寄り )……どうした。
…本当なんだな。何かあれば言うんだぞ、絶対。( じぃ、両手ぎゅう )
怒る?なんで怒らないといけないんだ?いいじゃないか。切国の事そこまで想ってくれているのだからそれでいいじゃないか。( きょと、 )
…、( う / 自身の衣類がある籠の傍へと寄れば背中を向けそそくさと着替え始め← )
っ、は…、( その口の中へ舌を入れ絡ませ )
――あっ…、いや…別に何もない。( 考えても考えてもこの胸の苦しみが理解できず途方に暮れているところへ彼の一声にハッ、と意識を持ち直すと其方へ顔をやり小さく首を振り。その胸の苦しみも一瞬の出来事だったようで今は何ともないもののあのチクリとした妙な痛みはなんだったのか、それだけ疑問に持ち始めており。道場に居座っていても仕方がないのでこの場を一旦出るべく )…一度、私室に戻るか。
ああ、ありがとう。また文でも送るさ。( 一度手をぎゅ、と握り返し静かに外して )
…案外あっさりしているんだな。あんたの刀、大切にする。( それとなく分霊と手を繋ぎ )
…( そんな相手を尻目に堂々と浴衣に着替え )
――っは……、ン…ぅ、( 迎え入れ、己も舌を絡ませつつ相手の背に両手を回し )
( 己も彼の前では似たような現象が起こるもののそれが恋煩いであることは自分で分かっていて、然し彼も同じだとは断言できない。何か不具合を抱えている可能性が高く、今朝も同じような症状を訴えていたことを思い出せば、相手の提案を否定するように首を横に振り )お前、一度審神者に診て貰った方が良いんじゃないのか。急に胸が苦しくなるなんて普通じゃない。
ん、じゃあ…またな国広。( 控えめに笑いつつ相手とは違う道方向へ歩きはじめ )
そうか?だが、切国を傷つけたら怒ちゃうかもな。( 相手の額へ控えめにでこぴん / ” 国広はそんなことしない。 ”手を繋ぎ嬉し気に恋人繋ぎにしてみたり )
…よし。( 浴衣姿に着替え終えるも背中を向けたまま )国広、終わったか。
ぁ、ン…ぅ、( 水音が響く中何度も何度も舌を絡めては甘噛みをし )
っえ…いや、だが…これは一時に感じるだけだぞ。…それでも俺は可笑しいのか。( 彼からそう指摘されてしまえばより不安に駆られてしまうと、胸元へ手を持っていくもやはり今はそんな苦し気な現象は感じられずにいるのに…と首を傾げ。だが、このモヤモヤしたままでは自分でも嫌なのもあり彼の言う通り審神者に相談すべく私室へ行くのは止め審神者の私室へと足を運ぶことにし )…そ、うだな。あんたの言う通り主に相談してみる。
…さよなら。切国。( 相手の背中が見えなくなるまで見送ると、ぽつりと暗い声で呟き自本丸へ足を向けて )
――っぅ……それはおっかないな。あんたを怒らせたら怖そうだ。なあ、切国。( 空いた手で額擦りつつ、繋いだ手を己の膝上に乗せて )
ああ。…ところで何故此方を見ようとしないんだ?( 相手の前に回り込んで )
ふぁ…っ、ンン…ッ、( びく、回した手で彼の服を掴み舌を引っ込め )
( 確かに少し大袈裟かとは思ったが人間の身体というものは脆く壊れやすい事を身をもって知っているため、相手の背中を軽く押して審神者の部屋へ行く事を促し )ああ、それがいい。その間俺は湯浴みにでも行って来る。汗もかいたしな。( 背から手を離せばひらりと片手を振り、相手とは違う方向へ足を進めて建物へと一足先に消えていき )
――…国広?( ぴく、 / 歩を進めていると何となしに相手の声が聞こえたような気がしその場で一度立ち止まり振り返るももう姿はなく )…っ、( いやな予感がしたのか元に来た道へと戻り走りだし相手の後姿を見つけると )国広っ、( はあ、はあ / 腕を掴み悲し気な表情で見詰め )
ん、あまり主が怒るところは見たことはないが…怖いと思うぞ。( くすす、肩口に頭を乗せ / ” はっは!そう思うなら俺を怒らせないことだ。…そういやあ俺はいいが、君の主には言っているのか? ” )
っ、!( びくぅ )い、いや…べ、別に?何もないんだ。( 視線すす )
はっ…ン、( 追いかけるように舌を彼の口の中へ割り込み歯列をなぞり )
( 不安げな面持ちのまま審神者の私室の前まで来ると襖の向こうから声を掛けすぐ返事が返ってくると同時に襖を開け中へと入っていき。資料を手に持ち筆を滑らしていく作業を一度その筆を置き自身を見やるとその面持ちな上に心配げに” どうした?そんな顔して…何かあったか? ”と聞かれるともじもじ” え ”やら” あ、の ”と何処から話せばいいかわからない様子。ますます自身の行動が分からなくなった審神者は名を呼びかけやっと口を開く )――…俺、もしかしたらなんらかの病、かもしれないんだ。そ、の…国広と話したらここが…こう…なんというのか…心の蔵が激しくなると、言うか( 胸元を抑えそう訴えかける近侍に嗚呼、成程。と納得いったように小さく笑み浮かべ審神者に簡潔に” 治すものではないから大丈夫だ。これはお前が気づかないとならない。 ”と教えられるもいまいち意味が解らないまま部屋を出て )
――…!?どっ…、どうしたんだ、あんた…?( もうじき自本丸へ着く、といったところで急に腕を引かれ瞠目。目をまんまるに見開いて彼の顔を視認すれば心配そうに見詰め )
…そうだな。ただし、審神者が怖いからあんたを大切にするのではなく、俺の意思であんたを幸せにしてみせるさ。( 数回分霊の頭を撫で、審神者へ視線を戻すとその質問に困ったように眉を下げ俯いて )それは…まだ言っていない…。
…?そうか。( 短く返せば、無言で相手の手を取り恋人繋ぎに )
ぁ…っ、ん…、ぅ、ふ…ッ、( くしゃりと相手の後ろ髪を撫で、ちょん、と自らの舌で相手の舌に触れて )
( 此処の本丸にもだいぶ慣れてきたようで、相手と別れてからは迷わず浴場へと進んで。脱衣所にて服を脱ぎ浴室へと向かえば、湯気に紛れて誰かの人影が見え。湯船に近付いて行くにつれその先客がはっきりと視認出来るようになると、その姿に嬉しそうに破顔しては男の元へ近付いて。丁度修行帰りだという大きい方の兄弟。実際は別本丸の兄弟に変わりないのだが、それでも気兼ねなく世間話に花を咲かせる内に、ふと分霊のことが好きだと彼の前では素直に打ち明け相談すれば、帰って来た答えはこの男らしく前向きなもので )…、気持ちを、伝えろと…?そんなの、無理だ。出来るわけがない。嫌われるかもしれない。( 然し己の心に向き合えない自分は兄弟の導きを振り切り、もやもやとした感情を残したまま早めに湯浴みを切り上げ、脱衣所を出て )
っぁ…そ、その…嫌な予感がして…それで戻ってきたんだ…、( 俯き加減でぼそぼそ )
国広…俺は幸せだ。( ぱああ、嬉しそうにすりすり / ” …んー多分君の審神者はどういうかは何となく検討はつくからなあ…落ち着いてから言ってみなさい。切国、山姥切を助けてあげるんだぞ。 ” )ん、分かっている。( こく )
?…んなっ、( ぶわ )うぅ…これ…誰かに見られたらどうするんだっ、( あわわ )
ッ、は…ん、( びく、そろり舌を引っ込めて )
俺が気づかないといけない感情、ってどういうことなんだ…?( 自身の私室へと向かうべく廊下を真っ直ぐ歩いていれば、審神者に言われた言葉を復唱するかのようにその言葉を呟くも何度考えても意味が解らず首を傾げるばかりで誰かに聞いた所で” いつか分かる ”しか言ってくれないだろう。どうすればこの意味が分かるのだろう。それがもやもやとしたまま考えていたのもありいつの間にやら自身の私室から通り過ぎてしまっており慌てて元の所へ戻り部屋に入ってはごろり畳の上に寝転んで )
――…全くあんたという奴は…。平気だと言っているだろう。ついて来るな、ばか。( 言葉とは裏腹にぎゅ、と抱き締め )
…あの、どうしても言わないと駄目か…?確かに、主に秘密事を作るのは本意ではないが…。( 言葉を濁し憂鬱そうに俯き )
見せつけておけばいいんだ。( 軽く繋いだ手を振って )
……っはぁ…、…ッ、( 漸く口内を解放されると一度唇を離して呼吸を整え )
( 私室へと足を進めながら今一度兄弟の言葉を反芻し。想い人に気持ちを伝えられる勇気がないのは自信の無い己の心の弱さ故だろう。出陣や手合わせなどこれまで散々肉体的な強さを求めてきたが、どれだけ戦を重ねようと本質的な強さは何も変わっていなかったのだ。そのことに漸く気付くと、今一度己自身を見つめ直す為のある決断を心に決めつつ、一旦私室へと戻り )――…どうした、浮かない顔だな。( 部屋へ入るなり危うく寝転ぶ彼を足蹴にしてしまいそうになり、驚いたように目を瞠るも平坦な声音で尋ね )
?!く、くにひろ…?( きょと / 突然抱きしめられたことに驚きを隠せず )
…俺は言うべきだと思う。だが俺がそういうからと無理強いて切国と付き合っている事は言わなくてもいいが、君次第だな…。( 困ったように笑みを浮かべ )
ぅ。これをあんたの審神者が見たらどうするんだ…?( 不安げにちら )
はっ…は…国広…大丈夫か?( 乱れた息遣いを繰り返しつつそう問いかけ )
――ん…国広、( ぼんやりと天井を見詰め未だあの審神者に掛けられた言葉に悩んでおり相手が戻ってきたことさえ声を掛けられるまで気づかずにいた様子。視線だけ其方へ向け相手にあのことを相談してもいいのかと口籠ったものの漸く口を開き )…、俺…病であって病ではないそうだ。それで…この病は自分で気づかないといけないのだと、そう主に言われてしまったんだが…何度考えてもよくわからないんだ。( 相手なら少しでもアドバイス等をくれるかもしれない。そんな期待を込め寝ころんだまま不安げな声音でそう審神者から言われた言葉を口にし )
…。( 一頻り相手の体温と匂いを感じればゆっくり身を離し )そら、行けよ。さよならだ。此処から先にお前の居場所はない。
う…分かった。言えたら…言ってみる。主も薄々勘付いているとは思うがな。( 目逸らし )
あんたとの関係を主に告げる手間も省けるってものさ。( そっぽ向き )
ッ、ああ。…それにしても、本当に口吸いが上手くなったな。( ちろり、赤い舌を覗かせ )
…そうか。取り敢えず病ではなくて良かったな。別に焦る必要は無いんじゃないのか。ゆっくり自分なりの答えを見付けていけば良い。( 相手からの返答は安堵より寧ろ己に期待と不安を抱かせるもので。自分と同じ恋煩いならば彼は誰に懸想しているのだろう。それとももっと深刻な悩みを抱えているのだろうか。それだけの情報では判断がつき兼ねるも、相手の側に腰を下ろすと愛しげに指先で相手の額を撫でつつ言葉を続け )俺も、自分を見つめ直す旅に出ようかと思っている。
…え、( 一時期は驚いたもののすん、と相手の匂いを嗅いで落ち着きを取り戻し )…い、嫌だ。俺も一緒に行く。( 咄嗟に手を取りじぃ )
…俺もそう思う。( 苦笑 / ” 国広、 ”これからどうするんだ、という様に目線を向け )
…それでも見つかる前に早く行こう、国広。( くいくい、と恋人繋ぎの手を引っ張り )
ほ、本当か?あんたがいつもしてくれているようにしたんだが…良かった。( ほっ、ぱあ )
…それで…いいのだろうか。( 目を伏せ彼の言う通り慌てず自身なりの答えを出せるようになりたいが、それが恋煩いだと気づくのはいつになることやら。次いで出た彼の言葉を耳にすると、徐々に目を見開くと同時に体を起こし其方へと振り返り )っ、た…旅?それはいつ行くんだ。今すぐに行ってしまうのか…?!
…しつこい奴だな。酷いこと、言われるかもしれないぞ。( む )
…ん、んんん…、( 隣の分霊の視線に気付くも、主の元へ挨拶に行く決心がつかず困ったように腕組み唸り声 )
そんなに急かすなよ。どこへ行くんだ?俺を何処かの部屋に連れ込むつもりか?( 冗談めかしてくす、と笑い )
まあ、俺には敵わないがな。なんて。( 相手の唇指でなぞり )
( 己の声掛けでもまだ解決策を見つけられず迷っているような相手に心配は残るが、修行に出ようという決意は固く真っ直ぐに見つめ返しつつこくりと頷いて )そうだな。早ければ明日にでも発とうと思っている。兄弟と共に修行に出るのとは訳が違う。長い旅になるだろう。
あんたと一緒ならどうということはない。( じ )
山姥切、なんだかすまなかった…。急かすつもりはなかったんだぞ…!君がこう思った時でいいんじゃないかな。まだまだ時間はある。( こくこく )
ばか。そんな処俺が知る訳もないだろう。( むむ )あんたの部屋だ。行かないのか。( むすぅ )
っ、ん( あむ、とその指を銜え )
…、…そのこと主には言ってあるのか?( 此方を真っ直ぐ決意したような翡翠の力強い瞳に耐え切れず布を下へと下げ顔を逸らしそう問いかけ。彼がそう決意したのなら此方が口出しすることはないものの寂しい感覚と、修行に出て何かあった時が心配で仕方がなく )
……強情っぱりめ。好きにすれば良い。( 手を離しくるりと背を向ければさっさと歩みを進め )
ああ、それは分かっている。でもいずれは行かねばならんだろうな。…今宵はもう失礼しよう。( ぺこ )
俺の部屋だと?切国、部屋はあっちなんだが…。( もじ、反対方向指差し )
…!?なっ…ばか、変な悪戯するな。( ぶわ、桜を舞わせフリーズ )
…まだ、誰にも言ってない。( 突然、それも黙って出て行こうとしていた後ろめたさから痛いところを突かれたと言わんばかりに少し苦い顔をして再び視線を下方へと落とし。然し、説得するまでに別れが惜しくなり決心が鈍りそうな気がして不意に顔を上げれば軽く頭を垂れて )俺が修行に出たら、あんたから言っておいてくれないか。
ああ、好きにするさ。( ふん、先々に行く相手に慌てて後ろをあわあわと着いて行き )
ん。あ、山姥切。伝えてくれてありがとうな。切国の事宜しく頼むぞ、( ふふ )
!?そっ、そんなこと言われなくても知っている…!( うう / 強がり← / 反対方向へ体を向けずかずか先へ進め )
ン…嬉しいくせに。( ちゅ、とワザとリップ音を付けちらり目線で訴え )
……何を言われても俺は、知らないからな。( そこまでしてまで誰にも言わず一人修行に行く決意が固いのならば、此方とて何が何でも彼の見方でいよう。口に出た言葉は強がりなことを言うも本心は行動で示しそっと彼を抱き寄せ耳元へ口を寄せると応援とも取れる言葉を囁き )――…気をつけて行ってこい。俺は待っているから。
――…。( 本丸へ辿り着くと、主を警戒するようそろりと玄関の戸を開け中に踏み入り )
勿論だ、任せておけ。…切国、行こう。( す、と立ち上がり、ちょいちょいと手招き )
――そっちも嘘だと言ったらどうする?( により、目を細め )
う、嬉しくない。そんなことされたら、誘っているのかと…勘違い、するだろ…。( 目を逸らしごにょごにょ )
( 不意に抱き寄せられ、途端に鼓動が高鳴るのを実感しつつもその温かさに後押しされれば表情を柔く破顔させ、愛し気に彼の背中に手を回せば此方もぎゅ、と抱き締め返し。耳元に吹きこまれる心地の良い声音に今更となって別れを惜しむ気持ちに駆られると肩口に顔を埋めてすりすりと鼻先擦り付け )――ああ、ありがとう。必ず強くなって帰ってくる。そしたら、俺の話を…聞いてくれ。
…、( ちょい、と相手の布をやんわり掴み続いて中へ入りきょろきょろ )
あっ、ああ…!すまない主、失礼する。( ばっ、と立ち上がりぺこりと頭を下げ相手の元へ駆け寄り部屋を出ていき )…国広、主が認めてくれたぞ。良かった。( ぱあ、嬉しそうに抱き着いてぎゅう )
……あんたがこっちだと言ったのが嘘だというのか?( じとぉ )
勘違いではない。あんたが察した通りだ。…やろう、国広。( 掌にちゅ、ちら )
話…?ん、分かった。無理、するなよ国広。( 此方もドキドキと何度も鼓動がなるのを気付かないわけではなくまた、この時といい彼と話す時といいいつも同じ様な高鳴りを覚える。本当に一体俺はどんな病にかかってしまったのだろう。自身も彼が修行へ行って帰ってくるまでの間にこの病を問い詰めなければならないな、と課題を決め。そして彼の言う話とは何なのか気になるところだが、それはまた彼が帰ってきてから聞こうと更に力を強め抱き締め )
主…?あるじ…、( 名を呼んでもしんと静まり返っており、それが一層不気味さを醸して )
――…っき、緊張した…、( 部屋を出るなり彼を抱き留めるも緊張の糸がほつりと切れたのこへなへなとその場に膝から崩れ落ち )
さぁな。あんた、知っているんだろう?それともあれは強がりか?( 目を細め意地悪 )
えっ、う…や、やるって、その、でも、まだ明るい昼間のうちから、か…?( 動揺、じわりと手汗滲み )
…ふふ、何も今から旅立つわけじゃないぞ。( 言葉とは裏腹に離すまいと強めてくるその両腕に、大袈裟だとばかりに幸せそうな笑みを零して。相手と暫く離れるのはとても寂しいのが正直なところだが、だからこそ気持ちの整理もつけられる事だろう。それは恐らく彼も同じ。抱擁した手をやんわりと外せば、どちらからともなく身を離し )…さて。そうと決まれば旅立ちの準備をしないとな。
…な、なあ…国広。審神者が居ないのは何かおかしくないか。( 咄嗟に彼の手を握り不安げな声で )
!…国広、( 此方も同じようにその場を屈んで彼の頭をなでなで )
…意地悪。( む )早く連れて行ってくれ…あんたに甘えたい。( うぅ )
…駄目か?( しゅむ )
…俺に何か手伝えることはないか。( もう少しだけ抱擁を堪能したかったなんて思ってしまうのはやはり寂しいと思うこの想いを一旦閉じ込めるかのように首を左右に振り。さて、彼の修行の準備の手伝いをするべく何か自身に出来ることはないかと問いかけてみて )
居ないと決まったわけじゃない。何処かへ隠れているのかも…。( ぎゅ、と手を握り返し一先ず自室へ相手を連れて )
切国…これでずっと一緒だ。( すりすり、ぎゅ )
ふ、初めからそうやって素直になれば良いのに。( くす、相手の手を取り再び歩みを再開 )
…駄目だ。( 自らの口元でばってん作り )
え、っと…そうだな。明日でも良いんだが、俺の弁当を作ってくれないか。( 少し悩む素振りを見せ、思い付いたのが道中の昼飯。彼の手作りの料理は食べたことがなく、寂しさも少しは紛れるだろうと提案し。自身は私物の中から旅装束やら手紙一式やらを用意し始め、これらか揃うといよいよ旅立つという実感がわいてきて )
何処か…って何処に隠れているんだ。( 引かれるまま自室の前に着くと同時に刀ではない気配を感じ取り )
ん?…ああ、国広。俺は嬉しい…これであんたと共に。( ぎゅぎゅ、少し身を離し髪に触れるだけの口づけ )
ふん。( つん、 )
…何故だ?( 眉下げちら )
弁当でいいのか?分かった。あんたがそういうなら。( 彼の提案に大袈裟な程嬉しげな表情を浮かべそうと決まれば何を作るべきか。彼の為に弁当を作るのならいくつか好物の物を入れようと思い立ち真剣な眼差しを向け )…国広、何か好物はないか?それも弁当に入れようと思っているんだが…、( と聞いたものの何処か照れくささもあるようで )
…!ある、じ…?――…、ッ、!( 己も気配を感じ取ったのか、恐る恐る自室の扉を開ければ目前に仁王立ちの審神者が立っており、ひ、と小さく悲鳴をあげるもいきなり胸倉を掴まれ捕らわれてしまい )
――…そうだ。一緒に祝いの酒でも飲まないか?( 甘んじて口付けを受け入れつつ )
…。( 自室前まで来ると、不意に相手の腰を抱き寄せ乱暴に部屋の中へと相手を連れ込み。ぴしゃりと戸を閉めると同時に強引に唇を奪って )
口吸いだけじゃ満足出来ないからだ。( 目を逸らし )
好物、か。何でも好きだが、洒落たものよりもしんぷるなものが好きだな。塩むすびに漬物とか卵焼きとか…。おむすびと付け合わせ程度で良いぞ。( とてもはりきった様子の相手に可愛らしいとは思いつつも、豪勢なものは望まず素朴な好みを正直に相手へ伝え。自分の為に其処まで親身になってくれる彼が愛おしくて堪らず、相手への好意を再認識すれば手を伸ばし別れを惜しむ様に相手の頭を布越しに撫で遣り )
――…ぁっ、国広!( 一瞬何が起きたかわからず唖然としていたのも束の間、彼の小さな悲鳴に意識を戻しては審神者の腕を掴み )や、めろ…!離せっ、このっ( ぐるる )
!飲む。そうと決まれば俺の自室分かるか?其処で待っていてくれ。厨から酒を持ってくるから( ぱあ )
?!ぇ、っぉ、ぉぃ…!く、くに――…ンッ、ぅ、( そろり彼の胸元まで手を持っていきぎゅ、と服を握り )
…、いいぞ、俺は。その先まで行っても。俺もあんたと同じでそれだけでは満足できない。( ぽそ )
…ふむ、成程。分かった、しんぷるなものだな。( 無邪気な子供の様に嬉しそうに撫でを受けつつ彼の好みを聞けたからというもの明日は早起きをし彼の弁当を作らないと、とはりきりを見せ両拳を作り” よし ”ふんす、と気合を入れ。内番の仕事も終え、特にすることはないので明日には旅に出てしまう彼と共にこの時間が許す限り今日は一緒にのんびりしようと考え )後は…準備するものあるか?なければこの後…あんたとのんびりしたい。
げほっ…、よせ、切国…。( 付喪神の力には敵わないようで彼のお陰で審神者の手からは解放され。男は相手に視線を移し、小さく舌打ち “まーたお前か。国広を連れ出したのもお前か?”)
分かった。ゆっくり待っている。( こくこく、ひらりと手を振り何方からともなく別れ )
――これでやっと二人きりだな。( 唇を離し耳元へ囁くとふ、と吐息を吹き込んで )
足腰立たなくなっても良いのか。手加減できるか分からないぞ。俺も、不慣れなんだ。( 布深く下げ )
楽しみにしているぞ。切国。( まるで弟の成長を見守る兄のような心持ちで気合を入れ直す相手の微笑ましさを優しげな眼差しで見守り。突然決めたこと故にまだあまり現実感が無いものの、彼と過ごせる時間は確実に失われていく。次ぐ相手の提案には快く頷き、残りの時間を大切にしようと考え、相手の意思を尊重し )いや、特に大掛かりな準備は必要ないからな。ああ、良いぞ。何をしようか。
…ああ、俺だ。俺が国広を連れ出したんだ。殴るならこの俺にしろ。( 彼の前に庇う様に出てくるとキッ、と睨み )
――…国広、待たせたな。( お盆にお猪口をのせ襖越しに彼を呼び” 開けてくれ ”と )
ふぁ…っ、くにひろ( ぴくりと擽ったそうに顔を横へ少し傾け。名を呼んでは頬へちゅ、 )
いい。手加減なんてしなくていい。俺はそれを受け止める。…それでも駄目か?( ふ、と小さく笑って )
…そうだな…、なにしよう、か。( 彼と共に有意義な時間を過ごすにはどうすればいいか。此方の提案を快く受け入れてくれたのにも関わらずそう言われてしまうと悩みに悩んでしまう。このまま自室で何もせず過ごすか、それしか思い浮かばずにうーん、と腕を組んで彼にも意見を聞こうと )…国広は何かしたいことがあるか?
“…どこまで俺を怒らせりゃ気が済むんだ。俺が殴っても面白くねえしなァ。…国広、こいつを殴ってやれ。主命だ。”( 残酷な命令。主の言葉にびく、と反応するも当然拳を握れずその場に硬直し )
切国、ありがとう。今開ける。( 相手の声に嬉しそうに駆け寄り、すぱんと襖を開いて )
ん、何だ?( 此方も頬へ口付けを返し、背から腰を撫でて )
駄目、じゃない、が…傷付けてしまいそうで、怖いんだ。( チキンハート )
…んー、そうだな。二振りで茶会でもしようか。( 特に何も希望がないのであれば無難に茶でも飲みながら思う存分語らうが良いだろうと考え。相手に伺いを立てつつも気分はすっかりその気なのか荷物の中から羊羹を一棹取り出して相手に見せ )丁度甘味もあるんだ。一緒に食べないか。
…あんたは何処までも狡賢い男だな。( ぼそ )そうやって国広が困るようなことをするところが気に食わないんだ。( ギロリ )
ん、ありがとう国広。( ぱあ、自室に入り卓子の傍まで来るとそれを置き )あんたと酒を飲むのは初めてだな。( るんるん )
…沢山、痕付けてくれるのだろう?( ひく、と微妙に背から腰を撫でられた瞬間反応をし握りしめていた彼の服から手を離し首元へ腕を絡め )
……何であんたはやるとなればそう弱音になるんだ。( きょと )平気だ。俺はそれをあんたの愛情として受け止める。( ふ )
!羊羹…!( 一棹の羊羹にこれでもかと目を輝かせ嬉しそうにその甘味の名を口にして。それも甘党の審神者の影響でもある故か、甘味処へ連れ出してくれたりしてもらうことがあり最初に初めて食べた甘味がえらく美味しくそれ以来甘味が好物になったことで、審神者もそれが嬉しく度々甘味処の新発売がでれば共に食べに行くことも屡々。なので彼の提案に賛同するようにすく、とその場から立ち上がり )茶を淹れてくる。( ささ、と自室を後にし早足で厨へ向かっていき )
“てめぇに好かれようなんざ思ってねえよ。チビ。…国広、さっさとやれ。”( 威圧的な視線を己が刀に向けるも、刀は相手の背に隠れ首を振るばかりで )
そうだな。…あんた、酒は強いのか。( まあ飲めとばかりに相手の杯へ酒を注いで )
いつからそんなにお強請りが上手くなったんだ。( 挑発的に笑むと相手の頭巾をするりと外し )
別に、弱気になんかなってない。…据え膳食わぬは何とやらだ。そう言うからには覚悟しろよ。( ちゅ、と額に口付け )
( 甘味と聞いて何より喜ぶ相手。その反応の良さに内心少しばかり驚くも微笑ましさは変わらず厨房へ駆けていく相手を見送り )…甘味が好きなのだろうか。( 先程の彼の笑顔を思い返し、手の中の羊羹をぼんやり見つめつつ一人憶測を呟いて。また一つ相手の一面を知ることが出来、自然と口元緩めては小さな喜びを胸にしつつ小刀で羊羹を切り分けておき )
フン、はなからそのつもりもない。勘違いするなのっぽが。( ずば )
…まあまあといったところ、だな。国広は?( 此方も同じように相手の盃へ酒を注いで )
さあな。( ふふ、と小さく笑い早くと急かさんばかりに目線で訴え )
ああ、全力で受け止めてやるさ。( 仕返しとばかり微笑口付け )
――、…持ってきたぞ。( 厨房から二人分の湯呑と急須を盆の上に置き慎重に慎重に早歩きで自室へと向かい。自室へ着くとひょこり襖から顔を覗かせては中へと入り卓子の上にそれを置くと、そこへ正座をし二人分の湯呑へ茶を分けるように淹れ終えると、相手の前に湯呑を置いて )
…!切国、だめだっ。( 剣呑な空気に慌てて後ろから相手の口元を両手で覆い。審神者の苛立ちは募る一方 )
それ程強くない。…から、人前ではあまり飲まないようにしている。だが今日は特別だ。( ん、と盃を掲げ乾杯の合図 )
そこは俺のおかげだと言え。( かぷ、と首筋を甘噛み )
…では、部屋へ行くか。( 相手を掬い上げ二度目の姫抱き )
ありがとう。羊羹も切り分けておいたぞ。おかわりもある。( 湯呑みを受け取る代わりに綺麗に切り分けた羊羹を相手に差し出し。頂きます、と小さく呟いてから湯呑みを手に取りまずは一口啜って。相手が淹れてくれた茶の味。次はいつ飲めるやも知れぬその味を吟味するかの様、ゆっくりと嚥下して。そして、しみじみと独りごち )…美味いな、切国の茶は。
ぬぐっ、( 何するんだ、と其方へ視線をやりもごもご )
ほう…そうなのか。と言いつつ俺もそこまで強くはないがな。( ふふ、と小さく笑っては盃と盃をこつ、 )
んっ、…嫌だ。そういえばあんたは調子に乗るだろ。( くす )
…これであんたにこれをされるのは二度目だが…未だに慣れない。( 真顔。からの肩口に顔を埋めあうあう← )
…大袈裟だな。普通に茶を淹れただけなのに。( ありがとう、と手渡された羊羹がのった皿を受け取り此方も手を合わせ一先ず先に羊羹に添えられていた黒文字で半分に切ると、それを口の中へ入れては味わう様に咀嚼。口の中に広がる控えめな甘さにほんわか心が安らぎ自然と笑みを浮かべていると、彼の口から茶の感想を述べられては何処か照れくさそうに答え )
切国は、悪気があって言っているんじゃない。どうか、切国を許してやってくれ。罰なら俺が受ける、から…。( 相手の口元を手で覆ったまま審神者に進言し )
ほう。酔うとどうなるんだ?酔わせてみたくなるな。( くす、ちびりと酒を啜り )
ふ、よく分かっているな。ならば、もっとお強請りが上手くなるように焦らしてやろうか。( 首筋から耳裏へちろりと舌を這わせ )
…ふん、これくらいのことで。怖気づいたか?( そのままの姿勢で寝室まで運び )
何、次にいつあんたの淹れた茶を飲めるかも分からんからな。( 相手の言う通り、我ながら大袈裟だったかと思いつつもその気持ちは本心で、再び茶を含みほっと一息吐いて。己も黒文字で羊羹を一口大に切って食するが、明日旅立つ不安も入り交じってかあまりそれを味わうこともなくごくりと嚥下し、深刻な顔で話を切り出して )――なあ、切国。俺が修行に出て、変わってしまったらどうする?俺が俺でなくなったら。
…!ん、っんん、( 最後の言葉に否定するように訴えかけ )
さあな。俺にもわからん。…というより記憶が無い。( 真顔 )
っ、ばか。やっぱりそうやって図に乗るだろあんたは。( ぴく、ちらり相手を見 )
べっ、別にそうじゃない…が慣れないだけだ。( む / 寝室まで運ばれるとそのまま寝かせられ )――…国広、( 両手を伸ばしこい、の合図 )
…え。( 突然の話の切り出しに口に運ぼうとしてた羊羹が口元で止まり。それもそうだ明日には彼は長旅に出てしまうのだから自分自身どこまで変われるかわからない旅先に不安を感じるのも無理はない。だが、己自身も彼が何処まで変わってしまうのか想像ですらできない。それでも彼なりの修行の成果であるのには違いはなく、帰ってきて彼が彼でなくなっても違う姿だったとしても何も性格が変わるわけではないのだから己が知る彼で間違いない筈 )――…それを修行から得たことで見つけた国広の”答え”なら、俺はそれを受け止める。嫌いになったりなんかしない。( 羊羹を皿の上へ戻してはその場から立ち上がり彼の元へ。そこへ正座して座り込むと彼の手を自身の手を重ねて置き真剣な眼差しでそう答え )
…切国、ごめんな。( 手を離しゆっくりと審神者の元へ。“お前じゃ満足できねえよ。”そう言いつつも審神者は刀の肩に馴れ馴れしく腕を回し )
だろうな。俺も同じだ。でも…、( ふと言葉を噤み )
別に。好きな者を自分の色に染めたいと思う事はいけないことか。( じ、と瞳を合わせ )
――ん。( 相手の合図に応じるよう寝台へ上がり、彼を組み敷いて )…本当に怖くないのか?
そう、か。…そうか。( 自分でもどういう心境変化があるか分からない為に自分が自分でなくなるのは恐怖でしかなかったが、相手からの優しい言葉にそんな心持ちは軽くなり、彼の台詞を反芻するように何度でも頷いて。真剣なその眼差しに偽りは無い事を知り、相手への愛おしさ増せば手を繋ぎ合うだけでは足りず不意に相手ごとぎゅ、と抱き締めて。強く強く腕の中に閉じ込めた温もりに、嬉しいやら切ないやらの感情が綯い交ぜになり早くも少し涙ぐんでしまい )――大好きだ、切国。これからもずっと、その気持ちは変わらない。
――国広、…ッ( 肩に回された手に嫌な表情を浮かべるも審神者を睨み付け )
?でも…なんだ?( 首傾げ )
…っ、別にそうではないが、( うう、視線逸らし )
ふふ…まだ気にしていたのか。平気だ。怖くない( 頬を撫でやり小さく笑んで )
――?!くに…ひ、ろ?( 不意に体が前のめりに出てはいつの間にやら彼の腕の中にすっぽりと収まっており。なにやらなんだか分からぬ状況に彼の名をポツリ動揺が隠せぬ様子。だが、彼から微かに香る石鹸の匂いにもう少し感じていたいと、すりすりすり寄り )…俺も。国広が好き。
“ 分かっただろう。国広は君より俺に構って貰いたいんだとさ。 ”( 本当は君を虐めたかったんだけど、と相手の耳元へ囁いた審神者は彼の元を離れ、己の刀の手を引いて何処かへ去ろうとし )
――い…いや、何でも無い。( くい、と杯の中の酒を一気に呷って誤魔化し )
……じゃあ、良いだろ。( つつ、と首筋指でなぞって擽り )
――そうか。( 頬に触れた相手の手と手を重ね合わせた刹那、ゆっくり顔を近づけ唇を食み )
…ふ、ありがとな。( 相手の言葉に嬉しそうに破顔し、暫く相手を抱き締めたままの体勢で静かに目を閉じ。甘い沈黙に身を委ねていると、不意に廊下を駆けて行く数振りの刀達の足音が聞こえ。稽古場での出来事が蘇り、大袈裟な程びくりと身体を揺らすと同時に慌てて相手から身を離し )――ッ、こんなところ、次に誰かに見られたら変に誤解されてしまうな。すまない。
――…悪趣味め。( ぼそ )思いあがっているのも今の内だぞ、のっぽ。( 咄嗟に彼の手を掴み此方に引き寄せようと力を入れて、す、と目を細めては審神者を睨み )
なんなんだ?なあ、国広。その後の言葉の続きはなんだ。( ぐい、と飲み干すと彼の方へ近寄りじー )
んっ、( ひく )ばっ、ばか…擽ったいだ、ろっ( う )
ぅ、ん( その重ね合わせた手の間の隙間にやんわり入れては控えめに口を開け舌を出してはぺろり舐めて見て )
…、もう少し身を委ねていたいんだが…駄目か?( ふるふると小さく首を振り廊下を掛けてゆく刀達の足音も遠ざかってきた頃合いをみかねもう一度抱きしめてもらいたいとちらり見ては珍しくおねだり。明日には旅立つのだから少しくらい甘えても…彼の体温を今日だけ感じていたいからこそのおねだりであり、嫌ならばそれはそれで諦めるつもりでいるようで )
切国…。( 繋がれた手に其方を振り返り、救いを求める様な弱々しい声で相手の名を呼び。審神者は己の刀を繫ぎ止める相手を忌々しげに睨み返し“ その手、離せよ。 ”と )
いや、その…た、大したことじゃないんだが…。どうも俺は悪酔いするらしくてな。( 苦笑 )
はは、すまんな。何処に痕を付けようか。ここか?それとも――( 指先で鎖骨の辺りをなぞり、次なるは彼の脇腹の辺りをぐり、と指先で押し )
ン…っ、( 捕らえた手を寝台へ押し付け、舌を絡めて )
…ッ、お前な。俺の気も知らないで。( やけに甘えたな相手に戸惑いを露わにし、照れくさそうに頬を赤らめ視線を下方へと下げて。彼と密着している時の心臓の高鳴りは相手に伝わってしまいそうなほど激しく、変に意識してしまう己を知っているからこそ複雑そうな顔で少し迷う素振り。が、直ぐに視線を彼に戻し徐に身にまとった布をばさりと広げれば、自らの傍ら、布の中へと招き入れる様隣を空けて)――…そら。おいで、切国。
断る。あんたこそ国広の手を離せ。( 此方も負けじとにらみ返しぐい、と此方へ引き寄せ )
悪酔い…か。それは少し見て見たいと思ってしまうな。( ぽそ )
ッ…ゔぅ、!( ぞわ、と震えるも脇腹に違和感を感じては眉を顰め )お、おい…くにひ、ろっ、
は…っ、ぁ…ン( ぎこちなく舌を絡めていきたまに彼の舌を甘噛みし )
?( そんな心境があるとは知らない己は彼の表情を不思議そうに眺めて。すると、此方へ視線を向けられる際不意にどき、と高鳴りにまただ、あの時と同様に心臓が早打ちをはじめ。動揺するように瞳を揺らすもそれでも彼に甘えたい気持ちは変わらずゆっくり彼の元へ近寄り広げられた布の中に入り )
“ お前が離せば良いだろう。 ”( 反対にぐいぐいと引っ張り返し綱引き状態に。痛い、痛いと間の刀は肩の痛みを訴えて )
…やめてくれ。迷惑はかけないよう程々にするつもりだが。( ちびり、とまた一口 )
何だ?痛かったか?( 再度脇腹を指の腹で摩り )
んぁ…、っん…、( ぴく、此方も相手の舌を扱くように強く吸い上げ、唾液を絡ませ )
……兄弟とはこんな事はしないんだがな。可愛い弟ができたような心持ちだ。( 中に招き入れた相手をその布でぎゅ、と包み込み、体温を分かちつつ愛おしげに相手を見つめ。この胸の高鳴りを相手に悟られぬよう、恋人ではなく兄弟と接しているかの気持ちで相手も自分をも誤魔化し恥ずかしそうに笑って )
…離す気がないならこうするまでだ。( そう訴えかける彼をみかねパッ、と手を離したかと思えばズカズカと近寄り彼の肩を引き寄せ審神者の手をばし、と叩き )
たまには悪酔いすればいいじゃないか。俺は良いと思うぞ。( くす、一口飲んでは彼の隣へ。肩口に頭を乗せ )
んぅ!( びく )っ国広、も…もう、いいだろう。焦らすのは…( 薄っすら涙を浮かべ )
ふぁ…っ、ぁ…( びく、自身の唾液と彼の唾液で混ざり合い水音を奏で )
っ、俺だって…兄弟とはこんな風に甘えた事すらない。( 見詰められるとなんだか恥ずかしく感じるのか視線を逸らすも心地よい体温に小さく微笑みを浮かべて。相手の肩へ頭を乗せすりすりと何度も控えめに擦り寄り心地よい体温の影響か目が何処か眠たげで )
“…っ!…それで?国広を助けたつもりか。”( 一瞬驚くも不敵な笑みを浮かべ。一方、肩を引かれた反動で彼にぎゅ、と抱き着き不安そうに彼らを見詰める刀 )
あんたに迷惑をかける…から…。ん、切国?( 自然な素振りで甘えてくる相手を珍しく思うも背中なでなで )
…なら、此処に付けても良いか?( 衣服越しに脇腹とんとん )
ふ…ッは、…切国。( 糸を引きながら唇を離し、耳元で名を呼べばそのまま耳朶を食み )
じゃあ、俺の前でだけなんだな。( こんなに甘えたな姿も己だけが見られるという優越感。心底嬉しそうに緩んでしまう頬を故意に引き締めつつ、囁くよう呟けば相手の表情を窺い見て。どうも眠たげなその眼差しにくすりと笑い、彼の頭を撫でて )寝ても良いぞ。俺は何処にも行かないから。
……、国広が痛がっていたのに離さないあんたが悪い。( ふん、離すまいとぎゅううと抱き締め )
あんたとこうやって酒が飲めるのは…変に酔いしそうだ。( ふふ、すりと甘えもう一口酒を飲み )
…ここ?( 視線だけその示す方向へ向けると顔を赤くし小さく頷き )
ふ…ぁっ、…くにひ…ン( 反射的に顔を横へと反らしひくり、反応 )
っえ?…あっ、ああ、そう…だ、な。( 実際に兄弟にも審神者にもこうやって彼のように甘える素振りをしたことすらなく、寧ろ自身でもこの行動に出たことさえ驚いているほど。甘えるということはこんなにも心地いいものなのだな。――そう彼に甘える実感さに自然と頬を緩めるもなんだか恥ずかしいさも紛れ表情を伺うように見られると視線を逸らし、赤い顔を隠すべく彼の肩口へと顔を埋めてしまい。そうすれば、すん、と香る石鹸の匂いと分かち合う体感温度でもうそろそろ限界が近かったようで目は段々と閉じていき数分も経たず寝息をたてて )
“ 刀をどう扱おうが俺の勝手だ。国広を返せ。 ”( 二振りの元に詰め寄り )
――あんたの方が先に潰れそうだな。( 相手の盃に酒を注ぎ足してやりつつ、じぃ )
…少しだけ、脱がすぞ。( 相手の反応にふ、と笑い、するりと彼の腰布を外しシャツを捲り上げ )
好きだ。切国、( 小さく囁き、耳を甘噛みながら片手で自らのネクタイを緩めていき )
――…。( いつの間にか寝入ってしまった様子の相手。そっと彼の頭の布を外して髪の毛に触れ、撫でたり髪を指先に絡めたりと遊んでいたものの彼が起きるまでの間の時間潰しにはならず、退屈を持て余し部屋の中を今一度ぐるりと見まわして。書棚の中にはいくつか書物が並んでおり、歴史ものの本を手に取ってみてはまた書棚に戻しを繰り返していると一つタイトルの無い気になる本を見付け。製本されたそれを手に取ってみると、中身はどうやら相手の日記帳のようで、悪いとは思いつつも中身が気になってか少しだけ文字を目で追ってしまい )
断る。あんたになんか国広を渡さない。( 此方へ詰め寄る審神者に睨みを利かせ後退り )
…ふふ、どうだかな。飲み比べしてみるか?( ちら見、 )
っ、( ぶわわ、急に恥ずかしくなり捲られたシャツをぐいと手で防いで )…国広、やっぱり駄目だっ( 薄っすら涙目 )
ふぁ…ッ、おれ、も…す、き( ぴくん、途切れ途切れ乍気持ちを伝え )
( そのまま熟睡したまま彼が自身の書いた日記帳を見ているなどと夢にも思わず。その内容はと言えば最初に分霊と会ったことやその他にも色んな出来事が綴られていて殆どそればかり…そして次の最後のページは自身の気持ちの迷いに対して綴られており。” ――主に言われたことさえ理解ができずにいた俺は、気になって仕方がなく小さい方の兄弟にもう一度相談してみた。そしたら兄弟はそれは恋煩い、だと教えられた。今まで国広と話したり、目が合ったりすると胸の高鳴りがするのもそれが原因なんだと。もし…国広に対してその感情だとすれば、俺の様な写しがそんな感情を持ってしまっては迷惑でしかないだろう。だから、これは俺だけが分かっていればいい。…この気持ちをしまいこんでおこう。 ”と気持ちを抑え込んでいるようで )
“それは俺の刀だ。物の分際で審神者に楯突くな。”( 尚歩を進めれば相手の胸倉を掴み )
ああ、面白そうだな。良いだろう。( 自分のにも酒を注ぎ、くい、と一気に呷り )
…俺だけしか見ていない。それでも駄目か?( 相手の目を見、根気強く説得 )
あんたも俺に印を付けてくれないか。( ネクタイとシャツを緩め、胸元を開けつつ上から見下ろし )
恋…煩い…。( 少しだけ覗き見る程度のつもりだったのだが、思いの外自分の事について綴られている記事が多く彼の寝ている間熟読してしまい。最後の頁に綴られていた一文に、みるみる目を見開けば唖然とそう呟いて。その胸に秘められていた気持ちをこんな形で知ってしまった。きっとこれは己が気軽に手に取っていい代物ではなかったのだ。そう気付く頃には遅く、複雑な心境抱きつつも一先ず日記をそっと書棚に戻し )
物の分際でもこうやってあんたらの力で人の身を得たんだ。我儘の一つや二つくらい言ったところで罰が当たるわけではあるまい。あんたと違って俺は国広を大切にしている。( 怖気けつかず真っすぐ審神者の目を見て )
よし。そうと決まれば…、飲み比べに負けた奴は一つだけ我儘を言うのはどうだ。( じぃ )
ぅ、( どよ、 )……いい。あんただけ見ているなら。( 視線逸らし、シャツを捲り )
…っは…は…印?( きょと )――っえ…し、印って…どこにつければ…?( あわわ / ← )
――…ぅん…くにひ、ろ?( ふと、意識を浮上させると同時に肩口から顔を少しだけ上げてみれば、深刻そうな横顔が見て取れてしまうと、自身が寝ている間何があったのか。目を擦りつつ彼から体を離し欠伸を漏らしてもう一度彼の名を呼び掛け )…国広?
“俺だって国広を大切にしてるぜ。召使いとしてだが。”( はは、と卑しく笑い )
負けた方が我儘を言うのか?何でも言うことを聞くのではなく、か…?( はて )
気が変わった、は無しだぞ。( くす、徐に其処へ唇を寄せ脇腹の肌をちゅ、と吸い )
別に…あんたが付けたいと思ったところで良い。言わせるな。( 急に恥ずかしみが増すも、自らの首回りの衣服を肌蹴させ痕を付けやすくし )
…!…あ、…お、はよう…。( 気持ちを知ってしまった以上もう今までと同じようには接することは出来ないだろう。どうするべきか途方に暮れていたところ、不意に名を呼ばれ大袈裟に反応示せば寝起きの相手とは決して目を合わせず下方へ瞳を泳がせ。それは、勝手に日記を見てしまったことへの罪悪感からで、そのまま席を立つと適当に理由を付けて部屋を去ろうとし。書棚を漁ったことにより日記帳の位置がずれていることなど到底知る由もない )…ッ、か、厠へ行ってくる。
…俺はそんなんじゃない。俺と国広は付き合っているんだ。恋刀であり大切な恋人なんだ。( ぎゅう、と抱きしめ )
…すまん、言い間違えてしまったみたいだ。そう。負けた方が何でも言う事を聞くということで頼む。( 視線すす )
ッ、( ぴく、ぎゅと両目を瞑り彼の両肩に手を置き )
…ぅ、すまない。( しょぼん )本当に俺が思ったところで…いいんだな。( 空いた方の手で彼の首筋から鎖骨辺りを滑る様に撫でては顔を近づけちゅ、と鎖骨に吸いつき )
?なんだあいつ。どうしたというんだ。( きょとん。瞬きを何度も繰り返し部屋を慌てて出ていく姿に唖然とした表情で出ていった方を見詰め。彼の態度が急に先程までとは偉く違い動揺したように見えたのだが、本当にどうしたのだろ。んー、と呑気に手を上にあげ背伸びをしていれば、ふと書棚の方へ視線を向けてみるとある物の位置がずれていることに気付き。—―え、いや…まさか、そ、んな。とそろり其方へと手を伸ばしてその物をひっかけてみればその物は自身の書いていた日記帳で。どき、と高鳴りを覚えあの彼の慌てようは…これを見たから?そうとなれば合点はつく。彼に自身の気持ちが知ってしまったのだ、と。ばさりと日記帳を下へ落としみるみるうちに顔を染め上げまんまると布に包まり饅頭姿に )――っ~!
“ …物のくせに人間の真似事とは嘆かわしい。言っておくが、国広を刀解して消すも連結して消すも俺次第だという事を忘れるなよ。 ”( そう捨て台詞を吐けば審神者はくるりと踵を返し。相手の腕中で刀は不安げな眼差しを向け )――切、国。
分かった。何でも、だな?…負けない。( 酒を注ぎ足しぐい、と飲み干してみせ )
…ん、( ちろりと脇腹に舌を這わせ、指先で臍の辺りをそっと撫で )
――っ、ふふ、擽ったい。( 鎖骨を吸われる感覚と跳ねた毛先が首筋に当たり、思わず笑声が漏れてしまいつつ、相手の頭を撫で )
( 厠から出るとそのまま部屋へ戻る道すがら、縁側にて一度足を止めて脱力したようにその場に屈み込み。両想いだと分かったのは嬉しいが心の整理がつかず、ましてやあの本丸出身の自分と親密な関係になればまた迷惑を掛けてしまうような気さえして、複雑な心境で深々と溜息。日記の内容からして、彼が好意を己に伝えてくれることは無いだろう。今の関係を壊さない為には何事も無かったかのように振る舞うのが最善か。そう考えては意を決したようにゆっくりと立ち上がり、自室へと歩みを再開させ )
…大丈夫、だ。俺、あんたを守るから。( ぎゅうう、と抱きしめふるふると小さく震えて )
そんなの俺だって負けない。( む。盃をくい、と持ち上げ飲み干しまた酒をつぎ足して )
っ、ふ…くにひ…ろっ( 擽ったそうに名を呼び掛け、無意識に腹に力を入れ )
んっ…これで、いいのか?( 初めてした行為に何処か不安げな様子でじぃ、と彼を見詰め )
( どうしよう。どうすればいい。何事もなかったように振舞うにしても自身の今の状況では不自然な行動をとるように思えてきて仕方がなく。彼にどう説明すれば――嫌でも俺だけがそう想っているから気持ちを伝えたところで迷惑でしかないのに何故ここまで動揺する必要があるんだ。ゆっくり体を起こしフルフルと首を左右に振り気持ちを忘れてしまえなのに…なんでこんなに苦しいのだろう。 )
切国…。俺は平気だ。ずっと一振りで主に付き添ってきたんだ。あんたのその気持ちだけで、俺は救われる。(震える背中をそっと撫で、困った様に笑って)
…っ、やるな…。これならどうだ?(更に波々と酒を注ぎ足し、一気飲みし)
もっと力を抜いて良いんだぞ。(つつ、と腹筋をなぞり)
…ふ、ありがとう。これで俺もあんたのもの、だな。(自らの痕を撫で、妖艶に微笑み)
( 自室前へと着けば、一度深く深呼吸をしてから襖に手を掛けて。中の様子を窺うと、茶を口にするでも羊羹を食べるでもなくへたれ込んでしまっている大福が。その白い背中に心拍数は高まり、そろりと遠慮がちに部屋の中へ入ると日記を見たことを知られているとも思わず声を掛け )――切国、すまない。戻ったぞ。…どうした?
…そんなの嘘だ。あいつはやり兼ねない。いつあんたを刀解か連結するかわからないんだぞ。…そんなことさせたくない。( 肩口へぐりぐりと額を摺り寄せ )
国広、あまり無理はしないほうがいいんじゃないか?ほんのり頬が赤く染まっているぞ。( ふふ、此方も同様に波々にすると一気に飲みニヤリ )
ぅん…っ、( ぞわっ、やんわり彼の両肩を掴みようにし薄っすら涙を浮かべ )
…、( どき )…なあ、国広。俺も…同じところ付けてくれないか?( 彼の頬へ手を添え親指でその唇をなぞり )
――!( まんまると膨れた大福は彼の声を聞くな否や大袈裟な程びっくぅ!、と体を揺らし合わせる顔がないのかその体制のままだんまりを続けてしまい。一時的に沈黙が流れこのままじゃ彼に心配をかけてしまう。それだけは避けたいと口を開き )……お、おかえり。べっ…別に。なに、も…( そう答えるも震え声でしかも僅かにふるふる震えているようで )
主の言うことさえ聞いていれば解かされることは無いさ。嗚呼、でも、どうせ連結されるならあんたにこの身を差し出したい、な…。( 頬すりすり )
ふん、そう言うあんたこそ身体が真っ赤じゃないか。目も虚ろになって…( 戸棚の上のだるまに話し掛け )
……ン、( 腹部の至る箇所に印を着けてゆき )
ああ、良いぞ。何処へでも付けてやる。( 鎖骨へ口付け、水音を立てながら肌へ吸い立て )
――…。( 明らかに先程と様子が違うのは一目に分かり。だが、だんまりを行使する相手に今更どう問うてもはぐらかされるばかりなことは、長い付き合いを通して分かっていることで、そのまま無言で相手の前へ腰掛け。先程収納した筈の日記帳が無いことから全てを悟れば深々と頭を垂れて謝罪から切り出し )……すまない。
ッ、俺は…嫌だ。あんたはそのままの姿で…こうやって体温を分かち合いたいのに( 身を離しじわり涙を浮かべ )
…ふ、ふふ…何を言う。あんたこそそんなふにゃふにゃと動いて。相当酔っているじゃないか。( 机上の上にいるフラワーロッ●に話し掛け / もう完全に出来上がっているようだ← )
っ、は…は…( その様子を止めることなく好きにさせてあげ暫くの間見詰め乱れた息遣いを繰り返し、片方の手で彼の布をゆっくり取ると綺麗な金髪が現れ。すると、その髪を手櫛でやんわり撫でてやり )
ン…っ、…ふふ、これで…あんたと一緒だな。( ほぼ一緒であろう鎖骨にある痕を満足そうに微笑みを浮かべ )
ちっ、違う!国広の所為では…っ、( がば、と体を起こし何度も何度も首を左右に振り。書棚に分かりやすいようにしまっていた自身が悪いのだから彼が悪いわけではない。例の日記帳を両手でぎゅうと強く抱え込み顔を俯かせやはり自身から切り出すことは恥ずかしいのかだんまりで。だが、やはりこのままではいけないとぼそぼそと小さい声で )……俺の…俺の気持ち、知ってしまったんだよ、な。
切国、泣かないでくれ。変なことを言ってしまった俺が悪かった。俺は何処にも行かないさ。( あわあわ、目尻の涙を布でぐしぐしと拭ってやり )
馬鹿。それは俺じゃない。失礼な奴だな。( びし、他人の過ちには厳しい嫌味な刀の図 )
…?( 不意に頭を撫でられ、きょとりと相手の表情見れば嬉しそうに目を細め、腰回りに抱き付いて擦り寄り )
…なあ、切国。そろそろ良いか?( 我慢も限界のようで、するりと相手の腹部へ手を這わせ )
( 実際、相手の日記を見なければ関係が壊れずに済んだのだろうと思えばこそ、尚更勝手に相手の私物を読み漁った事が悔やまれて。気まずい空気にただただ項垂れたまま力無く首を縦に振り肯定するも、彼もまたショックが大きいだろうと気付き思い切って相手の両手を握り )今まで気付いてやれなくて、すまなかった。あんたのその気持ちは凄く嬉しいんだ。
ばか。本当にそう思ってしまっただろう…( うう、 )
――?あ。( 目を細めじーとそれを見詰めては自身の大事にしているフラワーロッ●だと気づき )…む。あんたこそそれを俺だと思っていたくせに…よく言えるな。( むむむ )
…っふふ、擽ったい。どうした?もう満足したのか。( 腹部に当たる彼の毛先が擽ったくて僅かに身を捩りつつも撫でやる手は止めないまま )
…待ってた。来てくれ、国広。( 頬に手を添えくす、と笑って )
っ、でも…この感情はあんたにとっては迷惑だし、不愉快だろ。だから…このことは忘れてくれ。頼む。
( 大袈裟にびく、と肩を揺らすも手は離さずにいて。それでもこの自身の持つ感情を忘れてもらいたいと我儘を言っている事は分かっているのだが、彼の気持ちを気付かずわけもなくその握られた両手を握り返し真っ直ぐ彼を見詰め )
――…切国、今日はもう帰った方が良いぞ。来てくれて、ありがとう。( 宥める様に頭ぽむぽむ )
…っうるさい。そら、まだまだ宵の口だぞ。もっと飲めるだろう?( 相手の盃へ酒を注ぎ足し )
――ああ、これ以上したらまた歯止めが利かなくなりそうで…。こうして見ると…はれんちだな。( 腹部に点々と付いた痕を見て、何故か己の顔面両手で覆った )
ん…――( 頬すり、もう一度口付けてから甘い一夜を共にして。行為は明け方までに及び )
…何であんたはそう、俺の気持ちも聞きもしないで勝手に決め付けるんだ。( 忘れてくれ、と一方的に切り上げられてしまえば相手へ抱いている恋情さえ否定されたような錯覚に陥り、行き場の無い想いを吐き捨てるように小さな声でぼやいて。繋いだ手をするりと離せば、その場から立ち上がり )…あんたが忘れてくれと言うのなら、そうしよう。俺は何も見ていないし、あんたも…今まで通りだ。( 相手の顔も見ずそう告げると、くるりと背を向けて部屋を出ていき。何故、素直になれないのだろうと自分を悔やみながら )
…いや…俺が急に押しかけたからな。何もしてやれないですまない。( 相手からす、と離れ素直に自本丸へ帰ることに )…見送りはいい。じゃあな。( くるり背を向け部屋を出ようと )
ふん、言われなくとも飲めるさ。あんたとてそうだろ?( 波々に盛られた酒を片手に此方も相手の盃に酒を注ぎ足し )
何を今更…あんたが言い出したことなのに。( くすくす )
――……、( す、と目蓋を開けぼんやりと隣を見れば幸せそうに寝息を立てる彼の寝顔が。そんな寝顔にくすり笑っては起こさないよう髪を撫でて )
っえ…?( 相手の心境を聞きもせず一方的に自身のことしか考えていない身勝手さ故に結果が招いたことで、相手の気持ちも何もかも踏み躙ってしまったのか?だって、仕方がないじゃないか。こんなことあるべきものじゃないのに禁断のことなのだと、何度も何度も言い聞かせては己の気持ちを否定し、押し込める。彼だって己の気持ちを伝えたところで不愉快に思うに違いないのだからとそう決めつけたのは間違いだったというのか。布に隠れ表情は見えないものの態度といい部屋を出るその後姿に気付いたのももう手遅れ。もう、前の様に仲睦まじい二振りに戻る気がしない、と気持ちを知られてしまったのだからどう接していけばいいのか。旅に出る前だというのに複雑な面持ちでその場で蹲り )
…。( ふるふると首を横に振り )俺を庇ってくれて、ありがとう。嬉しかった。…またな。( 背を向ける彼の手を引き、頬ちゅ )
ああ、飲めるに決まっている。だが、あんたは無理をしているんじゃないのか?お前は強がりだからな。( ずい )
然し…そうは思わないか?( 肌に残る跡をつんつんと指でなぞり )
――…んん、切国…。( 覚醒には至らないもののもぞりと身動ぎ、ぎゅううと抱き締めて抱き枕代わりに )
( 両想いだと分かり嬉しいはずなのに、素直にそれを受け入れ自らも心の内を告白出来ないのは何故か。どの道修行から戻ったら打ち明けるつもりでいたのだが、想定外の衝撃に今はただ混乱するばかり。写しであり半分闇に染まった身の上故に彼と結ばれるのが恐ろしく、相手から離れるように当てもなく本丸の廊下を進んで。時刻は夕暮れ時。広間には短刀たちの手によって配膳が行われており、じきに夕餉に呼ばれるだろう )
――…!( 頬に当たる柔らかい感触に目を見開いて其方へ見やり )…ああ、また。( 控えめに笑いつつ部屋を出て。審神者に気づかれないよう本丸の玄関口から出ていき自本丸へと帰る道すじへ歩き出し )
…フン。そんなこと心配ご無用だ。まだ飲める。それを言うならあんたこそ、強がりだろう。本当に平気か?( ずずい )
…まあ…だが、ここまでされるとあんたに愛されているんだな、と思う。( 恥ずかしげもなくさらっと )
…、( 少々声が出にくいのか答える代わりに彼の髪にちゅ、と口づけ )
( 卓子に顔をひれ伏せぼんやりと考え込んでいれば、襖の向こうから” 兄弟、もうすぐ夕餉だよ。 ”と小さい声の兄弟から声を掛けられ。二言返事で返すとその刀の気配も消え大広間へ行くとなると、あの出来事があった直後だというのに彼と鉢合わせになっては気まずくなる。彼とて自身とは会話もしたくないだろう。だから避けるようにすればいい、そうと決まればと広間へ向かうべく部屋を出て廊下を歩き )
――…。( 少し寂しげに見送った後、審神者の機嫌を伺いに主の部屋へ赴いて )
誰が強がりだって?誰が。生意気な事を言う悪い口は塞いでしまうぞ。( じとり、相手の頬摘みびよんびよん )
あ…愛され…ッ。ま、間違ってはいないが…。もしや、俺の愛は重いか?( 急に不安になって半歩後退り )
ん…。ふふ、( 夢でも見ているのか滅多に見せないような緩んだ微笑みを浮かべすりすり )
( 縁側に腰掛け、何もせずただぼうとしていた折、案の定夕餉へ向かう刀連中から声を掛けられ。広間には恐らく相手の姿もあるだろう。どんな顔をして会えば良いのかわからず、気乗りはしないが腹は減っているので渋々と刀達に着いて行き。部屋にはまだ少数の刀の姿しか見えず、一先ずほっと息を吐けば部屋の隅の方の目立たない席を選び腰掛けて )
――今しがたかえっ………、( 自本丸へと辿り着き正面玄関口から入るな否や審神者が仁王立ちで然も腕まで組んではなにやら表情は自身でも初めて見る顔。" 切国 "と満面な笑みを頭を浮かべぐりぐりされ )
?!ははへ…!ははへ…!ははへふひひほっ、( うむむむ )
?いや…別に。そんなことない。嬉しいんだ。こうやってあんたから貰うのは。( ふふ )
……、( そんな様子をちらり伺い見てくすくす。どんな夢を見ているのやら、なんて思いつつ撫でる手は止まらず )
( 大広間に着くと、始めに相手が居ないかどうか確認するべく辺りをキョロキョロと見渡すも相手の姿は確認出来ずほ、と一息。此方とて相手に合わせる顔がない上にどう話しかければいいかすら分からなくなってきてしまって。一先ず中に入り何処で食べようかと歩を進めれば不意にパチリと相手と目が合ってしまい )
…ッ、( 審神者は案の定不機嫌らしく、当たり散らされながらも近侍としての業務を遂行し。明け方には、疲労のあまり審神者の部屋で転寝してしまう始末 )
何を言っているか分からん。ふふ、可愛らしい顔だな。( みょんみょん、相当酔っているらしく額へ何度も口付け )
そうか…。でも、偶に不安になるんだ。俺、あんたの言うように意地が悪いからな。嫌われても不思議じゃない。( ずうん )
…?( 頭を撫でられる違和感に、遂に目を覚ましたかぱちりと薄眼を開けて )
…!( 相手が来るかどうか、警戒気味に部屋の出入り口を眺めていれば、数分の後に彼がやってきて。暫く硬い表情で眺めていれば不意に目が合ってしまい、一度は気まずさに目を逸らしてしまうもののあからさまに避けてしまっては関係は悪くなる一方だと考え、更に端へと寄って隣の席を広く空ければ、目配せで隣の席を促して )
――、( 何も言わず出掛けて行ったことに怒られ罰として今日は出入り禁止。審神者の手伝いをしたりと慌ただしく行い1日が過ぎいつの間にかぐったりと自室で寝てしまい )
っ、( あわわ )…ふひひほっ、( 涙目 )
…国広。…ふふ、ばかなやつだな。俺はそんなあんたが好きだから、一緒に居たいと甘えていたいと思う。( 額へちゅ )
……、( おはよう、と言うように微笑み浮かべ← )
…ぁ、( それには一瞬躊躇したもののこの気まずい雰囲気のままで相手を明日見送る訳にはいかい。何度も息を吸っては吐いてを繰り返し落ち着いた頃合いを計らい相手の座る席へ向かい。隣へやってくると控え目にぺこり頭を下げつつ席をついたが、どう話しかけるべきか悩み始め )
( 翌日、外へ出ようとしても審神者の監視により足を拘束され、自由に外出出来ず縁側から見える空を見ながら相手を想い )…切国…。
ふふ、( 飽きたのか手を離せば相手の膝上に頭を置いてそのまま寝てしまい )
…っ、あんたって奴は…。俺は甘やかしたりするのもあまり慣れていない、が、こんな俺で良いのか?( 眉下げふるふる )
……ッ!( 昨夜のことを直ぐに思い出し、頬を赤く染めがばりと起き上がり。ふと、違和感を覚え心配そうに相手の顔を見下ろし )…切国…?声、出ないのか…?
( 礼儀正しく会釈され、思わず自身も軽く頭を下げ。その余所余所しさが余計に緊張を掻き立てるなら背筋を伸ばしたまま俯き気まずい沈黙にひたすら耐えて。何か話さなければ、そんな思いからふと食後の甘味である栗饅頭に視線を移すと、それを隣の相手へそっと差し出し物で惹きつける作戦を )…甘味、良かったら俺の分も一つ食うか?
――…ん…?くに、ひろ…?( 何となしに彼に呼ばれたような気がし薄っすら目を開け名を口にし、腕を使いつつ上半身を起こすとぼんやり見つめ。あの後彼は何事もなかっただろうか心配で溜まらず部屋中を行ったり来たり )
…?!たく…宵の口だというのに先につぶれてどうするんだ、あんたは。( 綺麗な金髪をするり指に絡ませ愛おしそうにその寝顔を見詰め )
そんなあんただから…俺は好きなんだ。不器用な所も何もかも、な。( 両手を握りふふ、 )
……、( ふるふる )すこ…し、こえ、が…でにく、いだけ、だ。( 心配しなくていい、と頬をやんわり撫で )
…っえ…あ、いや…それはあんたの分だろ。俺はこれで十分だ。( 気まずい雰囲気の中食事を進めていれば相手の方から話しかけてきてくれたものの自身の好物である甘味を差し出され思わずきょとり見詰めてしまい。それをも視線を逸らし差し出された甘味を相手の膳に戻しては食事を再開し )
……。( 彼の名を呟いてみたものの誰も居ぬ部屋に虚しく響いただけで。会いたいな、と思いながらも足首には枷が繋がれて自由が叶わず、部屋の隅で小さく蹲り )
…んんぅ…、( 飲み過ぎたか若干青い顔で呻き )
不器用は余計だ…。でも、ありがとう。俺もあんたが大好きだ。( ぎゅ、と握り返しこてりと相手の肩に額を乗せ )
す、すまない。少し無茶をしてしまったか。何か飲み物を持ってくる。( 脱ぎ捨ててあった浴衣を彼に渡し、自分も浴衣を羽織りながら部屋を出て )
…そうか。( 気を紛らわせる為の話題作りを提供したは良いが、無理がありすぎたかと断念。断られると素直に引き下がり、再び訪れる沈黙に目を伏せて食事を見詰めながらゆっくりと箸を運び。以降、此方から声を掛けることはなく、さっさと食事を終えるとご馳走さま、とだけ呟き他の刀達が食事を終えるのをひたすらに待ち )
――…、( やはり相手が心配で仕方がなく主に事情を話した後、相手の本丸へ向かい。そこへ辿り着くと裏口からそこへ入り審神者にバレぬよう気配を消しつつ自室まで来ると、 )…国広、居るか。
…?お、おい…国広?( おろ )
ん、俺も…あんたが大好き。( 頭を傾けすりすり、と甘え )
…、( 起きたいのは山々なのだが腰に力が入らず何度か挑戦してみるも無念に終わり。彼が帰ってくるまで仮眠をとろうとウトウトし )
( 最後に取っておいた甘味を一口パクリ、食べては手を合わせご馳走さまと。ちらりと相手の方を見やれば何かを待っているようでじっとしたまま動かず上の空。視線を別の方へやれば楽しそうに話しつつ食事をしたり、食事を終えても尚話をする刀がちらほら。そんな光景が羨ましくて思わず小さなため息をついてしまえば、自身の部屋でゆっくりしようとその場を立ち大広間から出ていき )
…!…ッ、何で、( 居るはずのない想い人の声に激しく反応するも足枷により其方へ行く事が出来ずもたついて )
…ん…。( 相手の手を掴み、その指をぱくり )
はは、甘え子だな。今日は特別に甘やかしてやる。( 頭撫で、頬ちゅ )
切国。麦茶しか無かったんだ、が…。…寝ているのか?( 話しかけながら部屋に戻るも、鈍い返事に首を傾げて )
( 不意に隣の相手に溜息を吐かれ、ろくに気遣うこともせず話題提供もしない己に対し不満があるのかと勘違いしてしまい。やはり日記を勝手に見たことを怒っているのだろうか、部屋を出て行く相手を視線で追いかけるが、部屋へ戻ろうとはせず食事の後片付けを手伝い。料理当番の刀達と珍しく会話に参加するのは、何となく彼と二人居る時間を避ける為で、自室へと戻るのはそれから数時間後のこと )
!国広、( 奥の方から鎖の音が聞こえては襖を勢いよく開くと、なんとも無惨な姿のことか。そちらへ急いで駆け寄りぎゅ、と抱き締め )
?!( ぎょぎょ )くっ、くにひ…っ、( どうすればいいか分からずカチカチ )
ん…ありがとう。( すりすり、へらり笑って嬉しそうで )
……、( 布団を鼻先まで下ろし彼をちらり )
( いつまでも経っても戻ってくる様子もなく、俺は遠ざけられてしまったのだと勘違いしてしまい。それならそれでいい。あんな想いは自身だけで充分だから。さっさと風呂に入り手短に済ませ自身に戻れば、戸棚から布団を取り出しそれを引いてから自身は眠りについて )
……っ、…!( 再会を果たしたかと思えば突然抱き着かれ、ぽんぽんと背中を撫でて。彼の身も危ないというのに、と困った顔で迎え入れ )切国、何で来てしまったんだ。俺なんかの為に…。
……、( 食べ物と間違えているのか、はむはむ )
ふふ。俺にどうして欲しいんだ?( 子猫をあやすよう顎裏を撫でて )
…そら、麦茶だ。起きれるか?( 起きていると分かると盆を脇に置き、上体を起こすのを手伝おうと )
( 自室へ戻ると、灯りが消えていることからそろりと室内に足を踏み入れ。案の定すやすやと寝息が聞こえ、彼の愛らしい寝顔に微笑ましい気持ちになり小さく笑って。もう関係は戻らないのだろうか。明日、弁当を携え笑顔で見送ってはくれないかもしれない、そう思うと無性に寂しくなり相手の傍らに腰を据えると起こさぬ程度に金髪を撫でて )――すまないな…。
国広…、( 彼の存在を確認するようにすりすりと擦り寄り、一度その行為をやめ )…心配だったんだ。あの審神者に何かされていないかと不安で仕方がなかった。…あんたに会いたかった。( ぎゅうう )
ッ、国広…!くにひろっ、( 顔を真っ赤に染めどうすればやめてもらえるかわからず必死に名を呼び )
ん…抱きしめてほしい。それだけで俺は十分満たされる。( へら、 )
…っ、( 相手に背中を支えてもらいつつ起き上がり申し訳なさげに眉下げ )…す、ま…な、い。( しょぼん )
( ――翌朝。欠伸を漏らしつつ上体を起こしてふと、隣に居るであろう彼の方へと顔をやれば心地よさげに眠る寝顔に小さく笑って。そろりと相手の傍に来ては触れる程度に頬へ口づけると何処か悲し気に表情を浮かべ静かに自室を出ていき。しんみりとした厨には誰も居ないことを確認しては中へ入り彼のリクエストに応えるべく米を洗っては炊いている間に卵焼きを…と手際よく作り始めて数時間後。笹の葉でおにぎりと卵焼きを添えてから包めば出来上がり。ふぅ、と一息つき大事そうに弁当を持ち自室へ戻り )
…切国…。俺も会えて嬉しい。嬉しいが…主に見つかる前に戻った方が良いぞ。( やんわりと相手の肩を押し身を離せばじゃらりと鎖を引きながら後退って )
……( 名を呼ばれ、指を解放しぼうっと相手の顔を見詰めつつ、不意にずい、と顔を寄せ )
よし、分かった。そら、来いよ。( 両腕を広げて )
いや、無理をさせた俺が悪いんだ。すまない。その、止まら…なくて…。( 照れたように顔を背け、麦茶を差し出し )
( 鳥の囀りにふと目を覚ませば、伸びをしながら気怠げに起き上がり。既に相手は厨房に去った後で、誰も居ない事に疑問を抱くもさして心配はせずのんびりと布団を畳み。朝、修行へ出立する為に浴衣から正装に早くも着替えてしまい、それから旅装束を纏うのだが、布を置いて行くべきかどうか心底頭を悩ませ。そんな折、自室の戸が開けば其方へと視線をやり )――切国。おはよう。何処へ行っていたんだ?
…!それ…あいつがしたのか。( 足首に付けられた鎖を見ては目を見開き )それなら俺…あんたから傍を離れたくない。( ずいと近寄り彼を抱きしめ )
ッ、( びくぅ )く、くにひろ…?なにしてる、んだ…?( ずざざ、と後退り )
!( ぱああ、ぎゅぎゅぅぅ )ん、
…、( 麦茶を受けとると同時に頬へちゅ。何事もなかったように麦茶を飲み始め )
( パッチリ目が合うと無意識に弁当を後ろへ隠し顔を背け” おはよう‥。 ”と挨拶だけ。このままだんまりするのは如何なものか。今から彼は旅に出てしまうのにこのまま気まずい雰囲気のまま見送る訳にはいかないのに。もじもじとどう接しているべきか悩みつつもそろり、そろり彼の元へ近寄りそこへ腰を下ろすと )……これ…あまり上手くできなかったんだが…それでもよければ、持って行ってくれ。( すす、と弁当を差し出し照れくさそうに言いながら彼に渡そうと )
…、主は、俺とあんたを会わせたくないんだ。だからこんな物を俺に…。あんたも、見つかったら何をされるか分からないんだぞ。( ぐい、と胸元を押しやり首を横に振って )
綺麗だな、と思って。あんたの眼。…きす、しても良いか?( 問いかけの形を取るも問答無用で相手の腕をぐいと引き寄せ )
…っぅぐ、…お、おい、落ち着け。俺は何処へも逃げんぞ。( 苦しげにされるがまま )
…ッ!あんた…そういうことをするから俺は止まらなくなるんだ。また襲うぞ。( どかりと隣に腰掛け顔面両手で覆い )
( 返答に躊躇う相手を忍耐強く待っていると、徐に差し出されたのは昨日お願いしていた弁当で。一瞬、目を丸くするもみるみる内に表情綻ばせると嬉しさのあまり相手の首裏に両腕を絡めて唐突に抱き締め。気まずかった事など忘れ、此方にぎゅ、と引き寄せつつ耳元で )…ありがとう。約束なんか忘れられていると思っていた。( すり、と擦り寄りゆっくりと身を離せば、弁当を大事そうに受け取り )切国。あんたの気持ち、無駄にはしない。修行から帰ったら、俺なりに答えを出すから…待っていてくれないか?
…俺なんてどうなったっていい。あんたが傷つく姿なんて見たくないんだ。…だから俺はあんたの傍に居る。( 押し返されてもぐい、と腕を引き此方へ引き寄せ抱きしめ )
っわ…!( 勢いあまって彼の顔が間近に来ては唇へと引き寄せられ )ン…っ、
っあ。す、すまない…つい、嬉しくて。( あわわ、いそいそと身を離し苦笑い )
…、( くすくす、全部麦茶を飲み干し脇の方へコップを置くと、彼と向き合い顔面を覆っている両手首をやんわり掴み離させてはぐいと顔を近づけ口づけ )
ッ?!くにひ、ろ…?( 唐突に抱きしめられ困惑するように彼の名を呼び掛けこの体制をどうすればいいかわからずプチパニックを起こしてあわあわしっぱなし。それでも耳元に残る心地よい声と礼を述べられては嬉しそうに頬を緩ませ )……ん、待っている。だから…( 再度彼へと抱き着いてぽそり、耳元で )…無事に帰ってきてくれ。いってらっしゃい、国広。
…強がらなくても良い。本当は俺の主が怖いんだろう。今の俺には、あんたを守ってやることが出来ない。( 言葉とは裏腹に今度は拒まず抱き締め返し )
ん、( れろ、と唇を舐め、舌を強引に割り入れようと )
がっつき過ぎだ。( でこぴん、ぎゅ )
…!んぅッ…、な、にを…っ、ン、( 咄嗟のことに身を硬くし、もがきながらも欲に流され次第に唇を薄く開いて )
( 快い送り出しの言葉を受け取り、嫌われてなどいなかったことに安堵し。抱きしめる力を強め、気が済むと何方からともなく身を離せば先程まで修行に着て行くべきかどうか迷っていた布を相手に差し出し )…これ、俺が帰るまで預かっていてくれないか。あんたに持っていて欲しいんだ。( 自身の分身ともいえる、手放すことの無かったそれを彼に渡すことで何の未練もなく修行に旅立てる気がして )
つ、強がってなんか…っ、( びく )いい…そんなことはいいんだ。俺があんたを守るから、( 段々声が小さくなるも背中に腕を回し抱きしめ )
ッ、んぁ…( 唇に当たる温かいモノが当たるとびくり、だが口を小さく開け )
あう。…すまない。( ぎゅむ )
ん、( 掴んでいた両手首を離し、彼の首に腕を回して。彼の口の中へ舌を入れ深い口付けへ )
っえ…こ、れ…( 自身の大切で欠かせない物であり何が何でも脱ごうとしなかった布。それを自身に預けるということは、何かを決意をしたということなのだろうか。 )…いいのか?あんたの大切な物なのに…俺なんかが、( そこまで手を伸ばしかけるも自身もこの布がなければ落ち着くこともできないし、かといって手離すこともできない気持ちを分かっているからこそ躊躇いを見せ )
…ッ駄目だ。あんたは巻き込めない。俺にとっても、お前は大切な刀だから…。( ぐい、と押しやり顔を背けるも、不意に部屋外にて此方へ近付いてくる足音が聞こえ )
は…っ、ん…、( 初めから深く舌を絡ませ、弱い所を執拗に攻めて )
全く…。( 撫でなでなでなで、不満垂れながらも相当可愛がる彼氏の図 )
ぅ、ん…っ、は…、( 初めこそぎこちなく受け入れていたがぞくぞくとした刺激に歯止めは効かなくなり、積極的に舌を絡めつつ彼の細い腰をぎゅ、と抱き )
受け取ってくれ。強くなるのに、いつまでもそれに頼っていられないから。( あんたにもな、と小さな声で付け足すと布を相手の手元に強引に押し付けて手渡し、旅装束を纏って笠を目深に被り。帰るべきところを見失わないように相手の姿を目に焼き付けては )それでは、どうか…元気で。( くるりと踵を返し、そのまま玄関へと足を向け本丸を後にしようと )
…それを言うなら俺だってそうだ。あんたは大切な…ッ、来る…?( ぴく、とその足音が聞こえてくると心拍数が早まってきてどうすればいいかそのまま立ち止まってしまい )
っは…ぁ、ぅ…ぁン、( 薄っすら涙目を浮かべびく、びくと僅かに震え )
んわ…っ、国広、髪が乱れる。( なんて文句を言うも何処か嬉しそう← )
んぅ…っ、くに…ふぅ、ん( 息遣いをすべく一度唇を離すもすぅ、と一息吐いてからまた口づけ深く絡め )
…国広!( 彼の布を大切そうに両腕に抱きかかえて玄関の出口辺りで立ち止まり名を呼び。” あ…、っ…とそ、の… ”もごもごと言葉に詰まり強く強くその布を抱え込み俯き加減にもう行ってしまうのか。寂しい。そんな感情が次々に押しやられるも彼の決意を無駄にしては駄目だ。なのにこんな己の我儘を言うわけにはいかない。だからこそ彼を見送るのはできるだけ笑おう )…いってらっしゃい。
――…、( 息をひそめて己も身を硬くさせるが、どうやら足音の正体は短刀のものだったらしく。足音は次第に遠退き、ふと相手の姿を見て深々と嘆息 )…ほら。びびっているくせに。
は、ぁ……んっ、( ぎゅ、と相手を抱き締めて掴まえ、ぐいぐいと彼の身体を押してそのまま押し倒そうと )
俺は不器用だからな。…ふふ、( ぼさぼさになった相手の髪を見て思わず吹いた )
ンッ、はぁ…っ、んんぅ…!( 息継ぎする間もなく再び唇を塞がれ、身体は再び火照り始め。このままではいけないと、舌を引っ込め相手の肩を押し息継ぎの間に降参の声を )ゃ、め…待て、待って、…くれ…っ、
…。( 不意に呼び止められ、玄関の戸口に手を掛けたままゆっくりと振り返り。微笑む彼の表情は内心の本音を隠しきれておらずとても寂しそうで、溜息ともつかない吐息をふ、と小さく零せば無言で相手の元まで戻り、真っ直ぐな眼差しでじっと見詰めて。そして徐に顔を近づけると、いつかの時の様に唇を寄せて口端に触れるだけの接吻を残し。してやったりな小狡い微笑を浮かべると、旅装束をばさりと派手に翻し、今度こそ本丸を後にして )――行ってくる。遠くへ。
うるさい。びびってなんかいない。( 審神者ではないことが分かると無意識にホッ、と安堵してしまい。すると、彼にそう指摘されてはむむ、と不機嫌そうな表情を浮かべ )
っん…!( 弱い箇所をやられっぱなしで殆ど力も抜けていることもあり相手の思うがままに押し倒されてしまい )
それを言うなと言ったのはあんただぞ。( む、意地を張りお返しとばかり相手の髪を乱して )
っは…は…、( 肩で息継ぎを繰り返しつつ自身の唇をペロリ舐め。大丈夫か、という様に額へ口づけ様子を窺がい )
( 翡翠色の綺麗な眼差しに気を取られ此方も無意識にじっと見つめ返していれば、徐々に顔を此方へ近づけ瞬きする暇もなく一瞬の出来事だった故に呆然とした表情でいて。そう相手に何時ぞやされた行為だと気づいたのは旅装束で翳され時に意識が覚醒されて間もなくの事。わなわなと両腕に抱えていた相手の布を口元へ隠し力なくその場にへたり込むと )…っ~、く、くにひろの…ばか…っ、( なんて悪態つきつつももう彼は旅立った後で )
…どうだかな。( ふ、と嘲笑じみた笑み零せばずるずると足枷を引きずり部屋の隅へ。両膝を抱え蹲ったところでぐるるる、と腹が鳴り )
――可愛いな。( ぷは、と唇を離せば、酔いが回った虚ろな眼差しで相手を見下ろし頬を撫でて )
そうだったか?……ッわ、やめ…っ( 調子よく惚けていると不意に掻き撫でられ、あわわ )
ど……、したんだ、急に…ッ。いたずらがっ、…過ぎるぞ…。( 息も絶え絶えに顔を背け、口元を手の甲で隠し )
( 口付けた感触を思い出すように、無意識に自らのそれを指先でなぞる。吹き抜ける風が心地よく空を仰いだなら遠くの鰯雲をぼんやりと眺めて。此処は本丸から遠く遠く離れた過去の世界。本科と写し、自らに課せられた宿命と向き合うべく旅立ったは良いが、そう簡単に史実を受け入れられずに旅路は行き詰っており。丁度昼時で、城下町で買った握り飯を口にするも何処か味気なく、不格好ながらも愛情のこもった彼の握り飯を恋しく思いながら相手の事を考えており。あれから数か月、相手の近況も知りたい所で、彼宛てに一筆文を書いて。息災にしているか、という質問から、旅に行き詰っている己の近況も書き記して伝書鳩を飛ばし )
…腹が…減っているのか?( きょと。そうだと分かればごそごそと懐から紙に包まれた何かを取り出し )…そら、これ。そうだと思って持ってきたんだ。( 紙をそろり取ってみれば中身はパンで )
ふぁ…っ、は…( やっと解放されるとめいいっぱい息を吐いて吸っての繰り返し、そろり相手を見詰めては完全に酔いが回っていると気づくと )…国広、もう駄目だ。寝よう。( 頭撫で )
…フン、お揃い。( くすくす、満足げに跳ねた髪を見詰め )
…( しゅん。”すまない。”と目を伏せもそもそと布団の中へin )
( 此方は自本丸。パタパタと近侍である故に資料を纏めたり、分けたりと審神者の補佐をこなしそれは昼前までになり。” ありがとう、もういいぞ切国。 ”と彼のお陰でもありなんとか仕事を終わらせ一息ついている審神者に少し話があるんだ、と話を切り出す。それは分霊のこと、早朝に旅を出たということを話しては何処か表情が寂し気にみえるも” …そうか。あの子の帰りを待っていよう。大丈夫、あの子は強い。 ”と受け入れた様子で。自室に戻ろうと廊下を進んでいれば突然、羽をばたつかせる音にビクリ肩を揺らしているのにもかかわらず肩へちょんと止まる鳩。脚に括りつく紙を見つけては慌ててそれを取りその文を読めば慌てて自室に戻り机上へ腰を下ろすと文を書き出し。息災している事、此方は何かと忙しくしている事。旅に行き詰っているなら何処か気分転換に他の所へ行くのはどうかと、アドバイスを書き入れ鳩の足に括り付け飛ばし )
…?何だそれは?西洋人が主食に食うというアレか?( パンと言いたい )
あんたがそう言うなら…。( ぎゅ、と相手を抱き締めその胸元に頭を乗せすりすり )
……大人げないぞ。( じとり、不満げに訴え )
いや、あんたからしてくるのは珍しいから、少し驚いただけだ。 また、襲ってやりたくなる。( 自らの唇を指でなぞり顔を背け )
( 文は存外直ぐに返事が来て、逸る気持ちを抑えられず急いで紙を広げ。彼もまた息災にしているようで一先ず安堵し、相手の助言もあったことからこれからの行き先に少し悩んで。元主のところへ行こうかとも思ったが、己を知るにはもっと広い視野から見つめ直す必要があるとみて隣町へと進路を変え。己が写しとしての宿命から吹っ切れるまで、それから半年ほどの時間を費やし )
ああ。ぱん、というんだ。燭台切がそこに興味を持ったらしくてな。( こく )
…国広。俺は何処にも行かないから布団に行くぞ。( 背中ぽむぽむ、優しく声かけ )
フン。やり返しただけだ。( ふい )
…っ、( そろ…り布団から顔を出しては顔を赤くさせ )
( 内番や遠征、出陣――と本丸での日常を過ごして早半年が過ぎ。今日、自身は非番。自室にてぼんやりとあの文を眺めており。最初に文をくれてからは一向に彼から文が来ず何かあったのではないかと、心配と不安でいっぱいになっていて。その文を大事そうに抱えぽつり” 国広…、 ”と虚しく響くだけで )
ああ、そんな名だったな。ぱんとやらは種類が豊富なのだろう?これはどういうものだ?( 興味津々 )
…ン、分かった。( もそもそと起き上がり、自室へ戻ろうとするがまともに歩けず千鳥足で )…?何故だろう、床がふわふわとする。
…生意気だ。( 相手の布の裾をぐいーっと引っ張り )
――フン、冗談さ。( 満更でも無さそうな相手の反応に小さく笑み零せば、己の理性が働くうちに退出するべく寝台から腰を上げ )
( 主や仲間、己を必要とする者の為の刀で在ればそれが幸せなことなのだと気付くまで、随分と時間が掛かってしまった。自分はもう、あの頃の卑屈な己ではないが仲間や主、そして想い人である彼はそんな自分を受け入れてくれるだろうか。思い新たにハチマキ締めて、いざ赴くは彼の待つあの本丸。過去を飛び元の時代へ帰ってくると、あまりの懐かしさに目を細めつつ、かといって久々に彼に会うのは照れくさいので刀の気配を確認しながらそろりと正面玄関に足を踏み入れ )
めろ、ん…ぱん…と言っていた。外はさく。中はしっとりしていて甘くて旨い。( 食べてきたばかりであるのかほわわん、と味を思い出し乍相手へ伝え )
?!お、おい…国広待て。俺の肩に捕まれ。一緒に行くぞ。( 慌てて起き上がり相手の元へ行くとそう促し )
っ、やめ、…ろっ!なにするんだ。はな、せっ( あわわ )
……!( がし、と相手の手を掴み行かないでくれ、と目で訴え← )
( 一時的に預かっている彼の布を鼻先まであげては微かに香る石鹸の匂い。もう少しこの感じを堪能していたいと猫の様に丸くなって心地よくいてはいつの間にやら畳の上寝ていたようで。はっ、と起きた頃にはもう既に夕刻。洗濯物をとりこまなければと慌てて自室を出ていき玄関に向かうべく急ぎ足で廊下を進んでいると、不意に懐かしい刀の気配を感じとり。早足でかけていたのも次第に速度を落とし玄関前まで来て鉢合わせした刀は―― )…っえ?
めろんぱんなのにめろんは入っていないのか?( 説明を聞きつつ受け取ったそれを恐る恐る口に含み )
俺は酔っ払いなんかじゃない…。( ぶつぶつ、大人しく相手の肩に腕を回し )
――…。( 何の前触れも無くぱ、と手を離し )
…!…、…?な、何だその目は?行くな、…と、言いたいのか。( 訴えかける眼差しにたじたじ )
( 足を踏み入れた刹那、布の影に隠された見知った金髪が自身を出迎え。その懐かしい姿に一瞬息を呑み、驚いた顔で見つめ合う。強さを求め進化を遂げた己の全てを見せるのは照れくさいものがあったが、磨き上げた自分を見て欲しいという矛盾した気持ちも持っていて、一度軽く深呼吸したのち誇らしげに胸を張れば真っ直ぐの視線を彼へ向けて。もう、卑屈だったあの頃の自分は何処にも居ないのだ )――…久し振りだな。切国。
…俺も最初はどう思っていたんだが…、これと言ってそういう物は入っていなかった。見た目がめろんに見えるからそう名付けられたようだぞ。…どうだ?( じぃ )
一言もそんなこと言ってないだろ。( はあ、ゆっくり布団へと近づけば一言声掛けその場をしゃがみこみ )
っあ…!( 突然離されたことにより前のめりで相手の胸元へぽす )
ん。( ぱあ、こくこくこry )
…く、国広、なのか?( 分霊の筈なのにここまで変われるものなのだろうか。何処か自信ありげな眼差しで堂々とした立ち振る舞いに額にあるは紅い鉢巻を締める彼の新の姿に動揺を隠せず目を見開いたままそう名を呼び。それでも無事に此処へ戻ってきたことと、新の強さを手にした彼をこの目で見た瞬間じわり、涙を浮かべ思いっきり抱き着いて )――…お帰り、国広。
なるほどな。…ん、美味い。ぱんとはこんなにも美味いものだったんだな…!( 余程腹を空かせていたのかがつがつと食いつき、一瞬でぺろりと完食 )
…、切国。一緒の布団で寝ないか…?( のそ、と相手から離れ布団の上へ腰掛けては物欲しそうにじっと見詰め )
ふふ、捕まえたぞ。( ぎゅぎゅ )
はあ…、仕方ないな。( ばふ、相手の上へ再びのしかかり頬へ口付けて )
…ただいま。待たせてすまなかった。( 相手を抱き留め、背中に両手を回し静かに囁いたなら控えめにすり、と擦り寄り懐かしい彼の体温を目一杯に感じて。変わった自分を彼がどう受け止めてくれるのかが、正直怖くもあったが今はただ久々の再会がそれ以上に嬉しく、軽く身を離すと愛しげに相手の頬の輪郭を手の平で撫で )元気そうで何よりだ。
ふふ、余程腹が減っていたんだな。…だが、すまない。それしか持ってきてなくて、( しょぼん )
…はあ…仕方ないな。一回だけだからな。( のそりと相手の前に来てはぎゅう、と抱きつき )
…抱きついてほしかったならそういえばいいだろう。( ちら、むむ )
ん…、( 近くにある相手の顔を更に近づけ口端にぺろ、と舐め )
…国広こそ。随分…変わったな。( やっと待ち望んでいた彼が帰ってきたんだ。夢なんかじゃない、この体温も何もかもが前に抱きしめあった事が懐かしい。ここを誰が通ってもおかしくはないが、今はまだこのままで居たい。嬉しげに表情を柔らかくさせ頬にある手を重ね合わせ控えめにすり寄り )
良いんだ。何も無いよりは腹の足しにもなる。…このザマでは、主から飯を与えられるのを待つしかないからな。( 自嘲的な笑み浮かべ )
一回だけなのか…?( ぎゅう、相手ごと布団に引き込み子犬の如きうるうるとした瞳で見詰め )
何のことだ?あんたから捕まりに来たんだろ。( くすくす確信犯 )
ン…、( ビク、相手からの悪戯を誘いと受け取りじっと見つめた後徐に唇を重ね合わせ )
変わらないままでいた方が良かったか…?( 一番心配していた事。自分がどれ程変わってしまったのか、客観的に知ることは難しく相手のお眼鏡に叶うかどうか不安げに問い掛け。彼は彼で甘えたな子猫のような愛らしさは昔と変わらず、微笑ましげに表情緩めると頬から手を滑らせ懐かしの布地越しに頭を撫で遣り )
……国広、…この足枷なんとかして取れないだろうか。…助けたいのに何も出来ないなんて、な。( 目伏せ )
ぅっ、( どき / ← )…わ、わかった。わかったからそんな目で見ないでくれ…っ( 視線ふよよ )
なっ!ば、ばか…!そんなわけがないだろっ( うう )
ぅん…っ( ぴく、悪戯でしたつもりがまさか接吻されるとは思わず驚くもそのまま受け入れ )
…いや、そんなことはない。写しだと囚われずそうやって堂々としたあんたを見てると…なんだか眩しい。変わったんだ、とその姿を見たら誰とてそう思う。( 自身は未だに写しだというのがコンプレックスなところは相変わらずなわけで、目前の彼を見れば一目瞭然、何もかも吹っ切れてあそこまで変わったんだと。自身もいつか自信が付くだろうか、なんて夢のまた夢だろなんてふ、と自嘲的に然り気無く笑い )
鎖が錆び付いているから、もしかしたら断ち切れるかもしれないな。…だが、逃げたら主の機嫌を損ねることになるだろう。( 鎖へ一瞥を遣るも、ジレンマに嘆息 )
…!ふふ、切国はたやす……げふん、優しいな。大好きだ。( 言い直した )
俺は何もしていない。あんたが布を離せというから離しただけだ。( どや )
…は、っ…、( 相手の両肩を強く抑え、唇のあわいから舌を差し入れて欲望のままに荒っぽく口内探り )
…ふ、そう見えるか。でもな、切国。変わらないものも、あるんだ。( 眩しいだなんて、自分からしてみれば少し大袈裟で照れくさい気もして、恥ずかしそうにはにかむ。確かに、見目だけでなく従来の卑屈さが抜けたことは大きな変化といえるだろう。だが、彼に対する気持ちは依然と変わらずずっと胸の奥に閉じ込めてきたわけで、意味深に翡翠を細め熱の含む視線で相手を見遣りそう呟くと、改めてひょこりと本丸の奥を覗いて )――部屋へ上がっても良いか?土産話をしたいところだが…此処では何だから。
…難儀だな。( じゃり、と鎖を手に持ち溜息 )…それでもあんたをこのままにしてはおけない。あいつの機嫌が損ねようが俺があんたを守る。( 柄に手を置き切ろうとして )
今何と言った…?( むむ、相手の両頬を摘まんでにっこり笑い / 聞こえてた )
その決まり顔が腹立つのだが。( 相手の頭を弱々しくぺし )
っん、ぅ…( 息苦しそうに眉を顰めおずおずと口を小さく開き、口内を探る様に舌を追いかけるように舌を動かし )
っ、…ああ、それは構わない。( その意味も視線も何もかも悟ってはつい先ほどまでなんともなかったのに今頃になり心の蔵が高鳴り始め。動揺を隠す様に出来る限り表情を硬くしくるり向きを変え早歩きで自身の自室へ向かうべく一言告げてはそそくさと行こうと )――そら、こっちだ。
…!待てっ…俺、は…ッ、( 慌てて鎖を手繰り寄せ後退り、何かを言い掛けたところで国広、と己の名を呼ぶ主の声と共に部屋へと向かってくる足音がやや遠くから聞こえ )
……だ、だいすきだ、と…。( ぞぞ、目を逸らし誤魔化して )
本当のことだろう?いつも自分から抱き着いてくるくせに。( ぱし、と相手の手首掴み )
ん…っ、( 絡めた舌を扱くように吸い、快感を与えつつ教え込むように口付け深め )
( 己の一言でやけに彼から緊張感が伝わってきて、此方まで胸を高鳴らせてしまう。だが、好意を知られていようといまいとどの道想い伝えるのだから構いはしないだろう。相手の後を追い、かつて己の自室でもあった其処に赴くと後ろ手に襖を閉めて。修行へ行く前と何ら変わらない部屋、その中央に広げられた白の布に目が行き。先程まで彼が抱いて寝ていたとは露知らず、それを拾い上げて )…懐かしいな。この布、俺がお前に預けたものか?
…っ!( 少し刃を抜いていたものの審神者の声を耳にしては一度刃を仕舞い。バレてはマズイと押し入れの中へ身を潜め )
違う。その前に言ったことだ。( むに、と頬を強く摘まみ )
っ、離せ。意地悪が、( むむ )
ンン…っ、は…ぁ、( 気持ちよさげにとろん、とした瞳で見遣るもそのまま瞳を閉じ相手の首に腕を絡め )
ぁっ。そ…そ、うだ。すまない、丁重に扱えって…思う、よ、な。( そうだった。己はここで一度寝てしまったのだ、彼の布を抱きながら。それも忘れて彼を自室へ招き入れてしまった上に、広げられた布に疑問を持ってしまうのではないかと口を開こうとするも彼の方からそう指摘されてしまっては大袈裟に肩を揺らしては視線を逸らしもじもじ。これ以上恥ずかしい目にあいたくないとばかりに話を逸らそうと )…っ、で?俺に…話、とは?
( 部屋に入ると、何処となく緊張した表情の我が刀。部屋の様子に変化は無いが、何かが可笑しい。直感的に空気の流れの異変を悟ると不機嫌そうに眉を寄せ、我が刀の金髪を乱暴に掴み“ ……何か臭うな。獣一匹紛れ込んだか? ”)――…っ、何の、ことだ…。( ふるふる )
…ぅ…、や、やしゃし……い、っへ言っは…。( あうう )
意地悪なのは主譲りかもな。( 自嘲的に笑み、ぱ、と手を離し )
……、( 快感を共有するうちに理性は溶かされ、唇を離せば間を置かずに相手の耳裏や首筋へ貪るように唇を這わせゆき )
いや、仕舞い込まれるより使って貰えた方が嬉しい。( 布が此処にあるということは、彼が自身の代わりに身に纏っていたか、或いは毛布代わりにでも使用していたのか。何方にせよ寂しさを紛らわせるために敢えて自分のものを使ってくれていたのだろうと想像出来、嬉し気に表情綻ばせるも束の間話を急かされては今度は己が狼狽する番で。緊張気味に身体を硬くし、ぎこちなく部屋の真ん中へ腰掛けると座布団を己の前に置き相手に座るよう促して )――あ、ああ。いや、大した話では無いんだが…。…取り敢えず、座ってくれ。
( あの声は間違いなく審神者だ。押し入れの中で息を潜め彼と審神者の会話を聞くしか他にはなく何か策はないか考えており )
…ほお。で?その前に言った事はなんだ?国広。( にっこり )
……あんたはアイツとは違う。俺はそんなあんたが…す…いや、なにもない。( ふい )
っは…ぁ、ん…ま、待て…( 首元に絡んでいた腕を解放してはやんわり相手の胸元をおしやり )
っ、( そんな事を言われては元もこうもなくなり顔を真っ赤に染め上げわなわなと震え。彼の想像していた通り自身の寂しさを紛らわしていたかったこそしてしまった行動。今思い返さしてみればなんとも恥ずかしい事をしてしまったのだろうか。布を片付けておけば良かったと後悔していた最中、急な空気の変わりように此方も緊張を感じつつ置かれた座布団へきっちり正座し )
(“ はぐらかしても無駄だ。お前の嘘は分かり易い。 ”忙しなく泳ぐ翡翠が先刻の出来事を物語っており、我が刀を引き倒し馬乗りになると首を締め上げながら言え、と命じ )――ッ!ひ、、…ぅ、ぐ…ッ、( 然し唇から零れるのは吐息と苦し気な呻き声だけ )
えっ…と、わ…わす、へは…。たやすひなんへ、ひうわへないひゃろ…。( 汗だらだら、墓穴掘った )
――…?…意地悪だと言ったのはあんただ。自分でもそう思う。主の意地悪と俺と何が違うんだ。( 何か言い掛けた相手に一瞬疑問符浮かべるも不貞腐れたようにくるりと背を向けてしまい )
…、何だ。( 興奮した獣の如き瞳で顔を上げ、息荒らげつつ邪魔臭そうに相手のその手を掴んで )
( しん、と静まり返る部屋。もっと自然の流れで告白するつもりだったのだが、こうも改められては益々切り出しずらくなって。暫く怖い顔をしたままじっと畳を見つめて押し黙っており、沈黙は続く。だが、此処で言わなければ修行に出て強くなった意味が無いと意を決して相手の前に向き直り、蚊の鳴くような小声で告げて )――…好きだ。ずっと、俺もお前が好きだった。それが、どんなに苦しかったことか…。( 顔を赤らめ、手癖は抜け切れていないのか布を被って顔を隠すような仕草をするも今はそれが無い事に気付き、額の前に翳した行き場の無い片手を一旦膝上に戻すも始終落ち着きなく両手を握ったり開いたりしながらもじもじと視線を泳がせて )
!くにひ…っ、くそっ( 押し入れの中でも彼の苦し気な声を耳にしては其方へ振り返りギリッ、と歯を軋ませ。自身の所為で、これ以上彼を傷つける姿は見たくない )――…離せ。そいつに手を出すな。( 勢いよく襖を蹴り飛ばし、柄に手を置いては布は自身の顔半分を隠しちらり除くはこれでもかと審神者を睨み付け心なしか声が低く )
…ほう…?俺が容易い、と?( にっこり / 目が笑ってない← )
…あいつとは格が違う。あんたは…優しい。意地悪で頑固だが、…どう言葉にすればいいか俺はよくわからない。だが…これだけは言える。そんなあんたが好きだ。( 彼の背にそろり近づき頭を乗せ )
っ、…も、もう…今日は…これで…や、やめな、いか…?( びくっ。視線を逸らしつつ恐る恐るといったようにやめさせようと )
( 先程よりも遥かに緊張したこの空間に慣れずかと言ってどう話を切り出すべきなのかわからず俯き加減のまま沈黙が流れ。どうしよう。どうしようと。内心オロオロと動揺を隠しきれずに皴ができるほど拳を握り締めていると、不意に聞こえた微かな声に瞬きを繰り返し、彼の方へ顔を上げて向いて見やり。—―今、何と言った。俺の事…が?何度も何度も彼の言葉を復唱していくとやっとその意味が理解でき不可抗力で頭上に桜の花弁が舞い )…っへ?あ…っ、ぅ。( 魚の様に口をぱくぱくさせ言葉にならないことを発し始め )
( 己の刀を上から押さえつけ、締め上げていた最中突然の物音にびくりと肩を揺らし。男はゆっくり其方へ振り返ると負けず劣らず冷たい目で侵入者を睨み据え、相手の手の中に収まる本体に一瞥を遣り“ ――…やはりテメェだったか。へェ、ソイツで俺を斬ろうっての? ” )――げほっ、がはッ…!きり、く、……( 喉を傷めたか上手く言葉を紡げず潤む瞳で助けを乞うて )
……めっ…、めっほうもごさひまへん……。( ふるふると首を左右に振り、がくぶる )
俺が…優しい…?俺は優しくなんかない。あんたは誤解している。…俺が優しくするのは、あんたに……、( 好きだと言う言葉に顔を赤らめ、尻すぼみにごにょ )
――このまま生殺しにする気か。俺をこんな風にさせたのは、お前だ。切国。( はあ、はあと苦しそうに息乱しつつも欲望には抗えず彼の鎖骨へ舌を這わせ行為を続行 )
( 床へ這わせた視線の先にひらりと舞う綺麗な花弁。それをそっと拾い上げたなら愛おしそうな優しい眼差しで花弁を見詰め、徐に長い睫毛を伏せてはその花弁へと口付けてみせ。嫋やかに、そしてゆっくりと唇を離せば、先程から動揺しっぱなしで譫言を紡ぐ彼に思わずふ、と笑み零し )…この想い、許されないことは分かっている。でも、俺はあんたと一緒になりたい。まだ、お前が俺を必要としてくれるなら…!( 恥を忍び、純粋で真っ直ぐな気持ちを相手へとぶつけ。その表情は彼に劣らず情けない赤面だとしても、修行で得た自信と覚悟は揺るぎなく己を勢いづかせ )
…斬られたくなければそいつを離せ。( 本体に手を添えたままゆっくりとした動作で其方へと歩を進め凄まじい殺気を身に纏い睨みはそのまま )
…全く、酒を飲んだらそう悪酔いするのは本当だったんだな。( 溜息、ぱっと頬を離し )
誤解じゃない。あんた自身が気づいていないだけだ。…前にも言っただろう、あんたは不器用だから…?国広?( ひょこり顔を覗かせじぃ、とその続きが気になり名を呼び )
っへ…?まっ、ま…待て…くに…っ、( 顔を横へ背けぐぐ、と力のある限り胸元を押し )
はっ…ぁ、く…く、くに…っ( ムダのない綺麗な動作で自身の頭上で舞う花弁を口付ける行為を何も恥ずかしげもなくする彼を一部始終見てしまうと思わず頭上でひらひらと舞う花弁は更に量が増して畳には満面の花弁が広がり。もう駄目だ。このまま彼の想いを真に受けてしまうと自身でもこの彼への想いを伝えたい。伝えてもいいんだよな、もう我慢しなくてもいいという事なんだよな。傍にあった彼の布を手に取り口元へもっていき潤んだ瞳で其方へ真っ直ぐ見つめ )――…お、れ…俺は…あんたが居ないと、駄目だ。だから…だから…一緒に、なり、たい。好き、好きなんだ、国広っ
( “ そんなにコイツが大事かよ。 ”本気で怒らせた付喪神相手では流石に分が悪いと判断し、渋々立ち上がれば相手の方へ向けて己の刀を蹴り飛ばし )……ッぁ、ぐ…!( 衝撃で無抵抗に相手の足元へ転げ )
あんたは怒ると鬼みたいになるな。( 余計な一言 )
な、何でもない。ただ、俺はあんたに弱いからな。優しいと感じるのもあんたが相手だからかもしれない。( ふい )
…なあ、良いだろう?もう、止められない。( 存外強い抵抗も手首を捉え寝台に捩じ伏せてしまえば興奮にぎらつく瞳で行為を迫り )
( 時季外れの美しい桜吹雪の中、打ち明けられる告白。まるで夢でも見ているかの心地で、真摯に相手の言葉を受け止める。舞う桜吹雪は最早どちらの物とも分からず交じり合い、二振りが恋仲に発展したことを祝福するかの様 )…夢、ではない…ん、だな。( あまりの嬉しさゆえ現実感がなく、思わず自らの頬を抓るもその痛みが現実であることを示し。相手の両手を取って優しく握り )嬉しい。…では…一緒に、なるか。
――っ!( それによって今迄凄まじかった殺気も少し治まりその場でしゃがみこむと彼を抱き寄せては睨み、がるる )
うるさい。( 頭へちょっぷ )…そら、寝るぞ。( もぞもぞ布団の中へ / 寝る気満々 )
……ふふ。( 相手の台詞にくすくす )ぁ…いや、すまない。つい…だが、そう言ってもらって嬉しい。( くす )
ッ、っ…!( 力の差はほぼ一緒の筈なのに頭上に手をねじ伏せられても尚抵抗はビクともせず。今の彼の状態が怖く感じこのままだといけないと )っ、い、や…だ!いや…!はな、せ…っ。国広!頼む、目を覚ましてくれ…!国広ッ
( そうこれは夢ではなく現実に起こっている事。此方とて夢なんかじゃないかと思う程に未だに降りそそぐ桜吹雪によって見せる幻覚なのではないかと。だが、この手の温もりと感触といい夢ではないことが明らかにわかる。今迄この胸の内に想いを隠して苦しい思いをしたのもこれでやっと彼に自身の想いを伝えられた。伝わったのだ。こんな嬉しいことはなく溜め込んだいたものがすべて吐き出されたことにより自然とぽろり、ぽろり涙を流し )……国広。( 握られたその両手をやんわりと返し名を呼ぶ代わりに頷いて )
…っ、( 相手の腕の中でふるふると震えながら二人の冷戦を不安げに見つめ。暫く睨み合っていたかと思えば、折れたのは審神者の方で舌打ち混じりに“ 欲しけりゃくれてやるよ。そんな不良品。 ” と )
う…。…なあ、切国、きりくに。( つんつん )
…はあ、やはり敵わないな、あんたには。あんたの事、好き過ぎて困る…。( ぎゅう、充電 )
――っ!…、すまん…。こんな筈では…。( 相手の拒絶の叫びにはっと我に返れば押さえ付ける力を緩め弱々しく謝り。大切なものを自ら傷付けようとしたショックに、酷く落ち込んだ様子でその場を離れようと )
切国、( 相手の頬を濡らす涙の露。それ程までに自身のことで思い悩み、苦しませていたかと思うと心が痛み、切ない面持ちで彼の名を呼び。優しく頭を撫でようか、否、涙の雫を拭い取ってやろうか。頭では彼を慰める術を色々と考えていながら、気付く頃には身体が勝手に動いており、ゆっくりと顔を近付けたなら唇をそっと重ね合わせていて。優しく触れ合わせるだけの口付け、桜の舞う一室に束の間の静寂が降りて )
…いいんだな。あんたが悔やまないのなら国広は貰うぞ。( 然り気無く背中をぽんぽん叩きつつそう問うて )
ん…、なんだ?( もぞり彼の方へ向けばじぃ )
ふふ、それは俺だってそうだ。…あんたのこと、愛してる。( ぎゅぎゅ )
っ、く、にひろ…!( 腕を掴み乱れた息遣いを繰り返しつつ )
――…っ、( 徐々に顔が近づくのに気付いた頃にはもう既に唇には柔らかい感触。驚きのあまり目を見開くもそれも段々と目を閉じそれを受け取り。 )
( “ 国広がそれを望んでいるのならな。 ” にやりと意味深な笑みを残し、審神者は早々に部屋を立ち去って。それを見届けると、沈痛な面持ちで相手の胸元に擦り寄り )…切国。すまない…。
――あの…えっ、と…こう、ぎゅっとしながら寝ても良いか?( 身振り手振り )
…そう、か。( 嬉しそうに破顔するも、視界の端で此方を見ている短刀と目が合い、硬直 )
離せッ!…お前だって悪いんだっ!( 思い切り振り払い、そう口走りながら襖をぴしゃりと閉めて部屋を出ていき )
( 抵抗されるかとも思ったが、唇の柔らかい感触は離れる事無く己の鼓動を更に早まらせ。ゆっくりと唇を離し目を開くと、やや照れくささの滲むはにかんだ笑みを向けて )……、皆には、まだ内緒にしておこう。な?( 噂好きの連中に囃し立てられるのは本意では無く。まだ二人きりの時間を楽しみたいという気持ちで )
……いや…気にするな。( ふるふる )…彼奴に蹴られたとこ、大丈夫か?( 腹部部分をやんわり撫でては心配げに問いかけ )
…ふ、仕方ないな。そら、こい。( 布団捲り小さく笑って )
?国広どうかしたか。( 短刀が見ていることも気づかず相手の様子が可笑しいことに気付けばきょと )
くにひ…っ、( びくぅ。布団へ顔を伏せしゅんとしてしまうと、このまま居ても彼が怒るだけだと思い放り投げられた服をかき集めさっさ、と着替えては部屋を出ていき )
…ん、( 柔らかい感触が離れると何処か物足りなさそうな瞳を向け。それでも好きな彼とこうやって幸せな時を過ごせるのはなんだか勿体様に思い始め。彼の言う言葉に賛成し告り小さく頷くともっと密着してはすりすりと甘えて )
――ああ。だい、じょうぶ、だ。血が出ているわけでもない。( 触れられた箇所に鈍痛を感じ、軽く衣服を捲ってみれば蹴られた部分は青痣になっており。だが致命傷でもない為ふるふると首を振り )
ん、( 部屋の外に誰かの気配が無いか確認してから徐に相手ににじり寄ってぎゅ、と抱き着き )
(“ お戯れは弟達の目の届かぬところで、頼みますよ。山姥切殿と…近侍殿。 ” 短刀の背後から現れた粟田口の長兄。弟の目を手で隠しながらにこり微笑み )……すまん。( 相手の背後に隠れつつ顔赤らめ )
――…はあ。切国は悪くないのに…何であんな事を…。( ぶつぶつ。庭に咲いていた秋桜に話し掛けて )
( 甘えたな子猫の様に擦り寄って来る相手を些か意外そうに見詰め、受け止めて。近侍としての顔も、戦場で戦う顔付きも何方かと言えば男前な印象を持っていた己からしてみれば今のような彼はとても新鮮で、それが自身の前でだけ見せてくれる顔だと思うと内心嬉しさに気持ちが緩んで。軽く抱き締めながら頭を優しく撫でて甘やかし )…あんた、そんなに甘えん坊だったのか。
……痛いだろうに我慢をするな。( 眉下げて僅かな反応を見逃すわけがなく )…痕が残るだろ。救急箱はどこだ。( きょろり )
…こうやって体温を分かち合うのも…いいな。( 此方もぎゅうう、と抱きしめすりすり )
…………い、以後気をつける。( ぶわ、と顔を赤くし頷けば粟田口の長兄は弟と去っていき← )
――…、( 通りかかった所で彼を見つけては違う道へ行くべく早足で逃げようと )
…かも、な。自分でも驚いている。兄弟や主にもしないことを( それもあるが、やっと帰ってきた彼であるから甘えたい気持ちが強まったのもゆうまでもなくこうやって二人っきりの幸せな空間を思う存分堪能したいのかもしれない。旅で疲れているのにこれでは彼が疲れるだけでは、と惜しみつつも一度身を離し )…国広、疲れているだろ。少しばかり寝たらどうだ。
……、( 確かに熱を持ったような痛みがあり、渋々箪笥の中から薬箱を取り出して。中には冷湿布から包帯などが一通り揃っており )
そう、だな。最近は寒くなってきたから、人肌が恋しい。なんて。人間の言葉を借りるならそんな気持ちだ。( うとうとと目を細め )
…すまない、こんな所で俺があんたに抱き着いたから…。( しゅん )
あ……、( 一瞬相手の姿が見えたが、声を発する間に逃げられてしまい。だが、気まずさに後を追うことが出来ず )
ああ、そうしたい所だが…審神者に挨拶がまだだからな。( 相手からの提案に少し考える素振りを見せるも、これからまた世話になるこの本丸の主に帰還を報せないのは如何なものかと考えて。何処か物欲しそうに見える彼を宥めるよう布越しに頭を撫でると、その場から立ち上がり額の鉢巻をキュ、と締め直し )また後でな。あんたを愛でる楽しみは後に取っておくさ。
…国広、もう少し痣が分かる様に服捲るぞ。( ちらり、相手を一瞥しては許可を得ようと )
ふふ…それはよく考えたものだな。また一段と寒くなるようだから、もう少し…( もぞ、布団の中へ潜り込み欠伸を一つ漏らし、胸板へ顔を寄せ )
い、いや…俺も気づかなかったのが悪かったんだ。( 頭ぽむぽむ )今度はアイツらにばれない所で、やろう。( 悪戯に微笑 )
……、( やっぱり怒っているんだ、と相手が追いかけない所を見ては勘違いしてしまい。未だ多少の違和感をあるもののゆっくり玄関先へと進め )
っ、な?!め、めで、る…?( 一々彼の発言が恥ずかしいやら擽ったいやらでぶわわと顔を赤く染めたかと思えば二度目の頭上からは桜が舞い散り。ふるふると首を振り素早く立ち上がると同時に彼の背中をぐいぐい押して )…っ、ば、ばか…!早く行けっ
じ、自分で捲る。( 痛々しい痣を見せるだけでも抵抗があるのか、のろのろと腰巻きを外し衣服をたくし上げて )
今よりも寒くなるのか?それは困るな。あんた無しでは居られなくなる…。( すりすり、眠たそうに目蓋を擦り )
――破廉恥、だ。でも、嫌いじゃない。逢い引きというやつか?( 少し頬を赤らめ、くす )
…、( ずっと此処に居ても仕方がないと、一度自室へ戻り彼の温もり残るその布団に身を横たえ )
( 様々な反応を見せる彼が新鮮で面白く、背を押されつつもクスクスと揶揄うような笑みを零して素直に退散。向かう先は審神者の私室、かつてならば審神者という者の存在に会うだけでも少し緊張を覚えていたものだが、今ではそれを感じさせぬ堂々とした足取りで部屋の前まで赴き襖越しに声を掛けて )…山姥切国広、今しがた修行から帰還した。入っても良いか。
ん?そうか、…( 痛々しく残る青痣に一度は目を伏せてしまうも救急箱から冷湿布を取り出しその痣へ湿布を張り付ける前に )…国広、少しひんやりするぞ。
俺なしに、か。ふふ…なんならいつでもここに居ていいんだぞ。( ちら )
っ、逢い引き…( ぼふん )あんたがいいんなら…俺はそれでも…( もごもご )
……、( やはりこのまま帰るのはいけないと感じ彼の自室に戻ると襖の前で突っ立ったまま )
――…えっ?!や、山姥切?山姥切なんだな!( 資料と睨めっこしていた最中、ふと聞き覚えのある声音、それと同時に懐かしき名前を耳にはいれば資料から顔を上げ驚きと嬉しさで滲んだ声で張り上げ。" ああ!構わない!入ってくれ山姥切! "と向こうから返し入ることを促して )
あ、ああ、頼む。( 緊張からか身を強張らせ、頼むと言いつつも腰が引けているまま )
ばか。あんたが甘やかしたら俺はもうあの本丸へ帰れなくなってしまう。…おやすみ、切国。( そっと身を離せば布団をたくし上げて )
誰かに見られて冷やかされるよりずっと良い。俺達は、きっと悪い子だな。( くす )
――…、( 相手を待っている間にいつの間にか眠ってしまい、彼の気配に気付くこともなく熟睡 )
失礼する。( 一声かけてから襖を開き、進化を遂げた自身の姿を審神者の前に披露目て。彼の笑顔は変わらず包容力のある優しげなもので、懐かしいそれにほっとするような気持ちで表情を緩ませ。仕事最中であったらしい彼の向かい側へどっかりと腰掛けつつ )あんたも、元気そうだな。
……国広。そこまで緊張しなくても、いいんだぞ?( 相手の青痣へ湿布を貼ろうとするも腰が引けていることに気付けばちら、と相手を見上げ )
……冗談であり本気、だったりしてな。( ぽそそ )おやすみ、国広。( 身を離されても動じずさり気なく相手の元へ寄り添い )
ふふ、だな。だが、俺はあんたと一緒だからそういうできるんだ。…なあ、もう一度あんたに抱き着いていいか?( ちら )
( そろり相手の部屋へ入ってみると、ぐっすり眠る相手の姿を捉え。起こさないよう近づきそこへ腰を下ろすと、髪を撫で )
君こそ元気そうで良かったぞ。…それにしても山姥切、逞しくなったなあ。( ここまで相手の変わりように驚きを隠せない様子。布もなく堂々とした立ち振る舞いに写しであることさえもうとらわれないという事だろうか。あの頃の彼とはなんだか別人のように思いつつそれでもこうやって無事に帰ってきてくれたことが嬉しくてたまらず頬を緩ませっぱなしで )
き、緊張なんかしてない。ほら、早く煮るなり焼くなりしてくれ。一思いに。( ずい、と患部を突き出し )
…?……ん、( 聞き取れず一瞬怪訝な顔をするもそれも束の間、寄り添いあって直ぐに深い眠りに落ち )
…場所を変えよう。何処か二人きりになれるところで。( ぐい、と彼の手を引き自室へ向かおうと )
んん…っ、( 人の気配によりほんの少し覚醒し、髪に触れられ眠りの妨げとなる彼の手をぎゅ、と両手で握り込みそのまま眠りを再開 )
ああ。もう写しだとか、そういうしがらみに囚われるのはやめたんだ。( 相手の言葉に嬉しそうに破顔し、己の心境変化を誇らしげに語らい。彼は自身の主では無いが、この本丸で暮らしていく限りそれと同等の者のように思っており、彼の為の刀である事、使われる事が今の己の望みでもあって。だが、分霊の話題を出すと、先程恋成就したばかりでもあって少し恥ずかしげに瞳彷徨わせながらさり気無く問うて )切国にも寂しい思いをさせただろうか。あいつ、何か言っていたか?
えっ…何を言い出すんだ。…大袈裟な奴だな。湿布貼るだけで( 苦笑。そっと患部に湿布をペタリ )
――…ぅん、( ちゅんちゅんと鳥の囀りを遠くから耳にするも呻き声を小さく上げただけで起きる気配はなく )
ああ。( 彼に引かれるがまま歩を進めては自室へと辿り着き。共に自室へ入り適当な場所に座り込むと )…国広、いいか?( ちら、もじもじ )
……、くにひろ( 起きる気配のない彼に小さく笑ってしまい。握られてしまった手はそのまま顔を耳元へ近づけては名をぽそり、 )
ふふ、そうか。君がその答えを見つけたなら俺は何も言わないよ。( 己の近侍である切国の話題が出てきたと思えば、彼の様子が先程よりも動揺しているように見えてしまい。はて、何かあったのだろうか。仲睦まじいことは知っているがそれ以外の事というのは、彼と切国が恋刀同士だとはまだ気づかないでいる審神者である。近侍としての仕事はしてくれていたものの彼の事をぽつり、言ったことを思い出しては苦笑いを浮かべ )切国か?そうだな…いつも通りと言ってはいつも通りだったんだが…ん?待てよ。そういえば君からの文が来ないって嘆いていたことがあったなあ。えらく拗ねてしまって…何か変な事書いたんだろうかとか写しの俺なんぞに興味が消えたんだとか卑屈な方向へ言ってしまってな…余程心配だったんだろう。
――…っ、冷たい…。何だかぞわぞわする。( うう、と子供の様に表情顰め貼られた湿布を剥がそうとして )
( 鳥の囀りに薄く目を開け、むくりと起き上がり。二日酔い故か酷く頭が痛く、思わず呻き声を上げて頭を押さえ )…ぃっ、……つ……。
ふふ、待ちきれない様子だな。そう急かさずとも、俺は逃げないぞ。( 後ろ手に襖を閉め、焦らすようにゆっくりと其方へ歩み寄り )
んぁ……切国。おはよう…?( 起床、一時的に先程までの記憶を失った状態で寝惚けぼんやりと相手を見詰め )
ああ、それは悪い事をしてしまったな。修行に出る前、あいつと少し揉めてしまったこともあって…どう返事をしたらいいか分からなかったんだ。( 文を待つ彼が鮮明に想像出来ると、申し訳無さに胸が締め付けられるような思いで頭を垂れて。この修行は自らを高める他に彼への気持ちを整理するための旅でもあった故に必要以上の干渉は避ける必要があったのだ。何も連絡しない後ろめたさはあったが、その甲斐もあって結果彼と結ばれたのだから後悔はなく。口元には意味深に微笑を浮かべつつ、一片の桜の花弁がはらりと畳に舞い落ち )だが、今はもう大丈夫だ。あいつとは…仲直りもしたから。
こら。( 相手の手をぺし )我慢しろ。治らないものも治らなくなるぞ。( ふぅ )
…?くにひ、ろ?( 薄っすら目を開けぼんやり寝惚けた目で相手を見上げ )
うぅ…国広、( 両手を伸ばし早く来いと目で訴えて )
…ん、おはよう。( 耳元へ口づけを落としてから顔を少しだけ離し、薄っすら笑みを浮かべ )
…!ふふ、そうか。そうか。やっと、仲良くなってくれたんだな。( その意味を漸く理解しては畳の上に落ちた花弁を一片手にとってはそういう仲になったことになったことに対して嬉しくて仕方ない様子。その場から腰を上げ彼の元へ傍に寄り頭をポンポン撫でつつ )…切国の事、宜しく頼むぞ。( にっこり笑ってそういうな否や立ち位置に戻り )
……、( 不貞腐れたようにぶす、とそっぽを向き膝を抱えて )それで、これからどうするんだ。
ああ、おはよう。怠くて頭が痛いんだ。( ごろん )
ふ、仕方の無い奴。( くす、相手の元へ歩み寄り強めに抱き締め )
ん…。…っ!切国、あの、さっきは酷い事を言ってすまなかった。( 間をおいて喧嘩していたことを思い出すと、がばっと起き上がり頭を下げて )
…なっ…!べッ、別に恋仲になったとは言ってないぞ…!( 頭を撫でられ、審神者の意味ありげな言い様に此方も気付かれてしまったと早とちりし。彼はまだそういう仲になったとは一言も言ってないにも関わらず否定の言葉として口を滑らせてしまえばいその事に気付かぬまますくっと立ち上がり、くるりと踵を返して )で、では、俺はこれで。
…これから…、( ぽそ )――…あんたが此処を出たいというなら俺は一緒にここを出るし…嫌なら俺はあんたと一緒にここにいる。( 目伏せぽそ )
頭が…?( のそり上体を起こし頭を撫でて )…ちょっと待っていろ。( 布団から出ていき棚の方へ歩み寄り。引き出しを引きごそごそと何かを漁っているようで )ほら、これ。二日酔いに効く薬だ。俺も前になったことがあって薬研に処方してもらっていたんだ。
ん…やっと来たな。( ぱあ、ぎゅぎゅと抱きしめ )
?あ…いや、俺も…その、あんたの気持ちを…分かってあげられなくてすまない。( 彼を包み込むように抱きしめてはしゅん )
っふふ、そうかあ。( この彼の動揺に思わず吹き出してしまうと口元へ手を翳し落ち着きを取り戻そうと、一呼吸置いていたのだが、思わず口を滑らせてしまったらしいその言葉にまたも笑ってしまって。そう誤魔化すように上記を言い返しつつ手をひらり振り )今日はゆっくり休むんだぞ。
…俺にそこまでの義理は無い筈だ。不良品とまで言われたこんな刀を救う価値なんて無いぞ。( 主に言われた言葉を気にしている様子で )
二日…酔い…?ほう、薬研からの薬か。本当に大丈夫なんだろうな?( 受け取った小瓶を不審げに矯めつ眇めつ眺め )
あんたはすきんしっぷとやらが好きだな。いつもこうしている気がする。( 首筋にすりすり )
いや…理性を保てなかった俺が悪いんだ。あんたから、その、口吸いとかされるの、は…別に嫌いじゃない、から。( ごにょごにょ )
…また、俺を使ってくれ。( 去り際、温かい審神者の声掛けにちらりと其方を一瞥すれば小さな声で出陣願望を口にし。それを最後の挨拶の代わりにそのまま静かに襖を閉め部屋を後にすると、深々と溜息。秘密にしようと言ったのは己であるにも関わらず、審神者に彼との関係を悟られてしまった。ような気がする。面目が立たず憂鬱な足取りで彼の待つ自室へと向かい )
…何を言うんだ。あいつがあんたの事を分かっていないだけだ…!俺はあんたを救いたい。…一緒に居たいというのは…駄目か。( 眉下げ )
…俺は平気だったぞ。だから大丈夫な筈。( こくこく )
ン…あまり自覚はないが、あんたとこうするのは好きだ。( 擽ったそうに身を捩りつつ幸せそうに微笑んで )
っ国広、( ぎゅぅぅう )俺、嫌われたのかと思っていた。良かった…( すりすり )
( 自室にて、箒を手に持ちつつ辺りを見渡してみれば、畳の上に綺麗なピンクの絨毯が広がっており見る度に彼と恋仲になったことが表明されているように思うと恥ずかしさにヘロヘロと箒を軸にそのまま腰が抜けたように座り込んでは” あう ”だの” おぅ ”だの恥ずかしさを間際らすように声を漏らし始めて )
――切国…。駄目、なんかじゃ…ない。俺も一緒に居たい。でも俺、こうして偶にでもあんたの顔が見られたらそれで良いんだ。( ぎゅ、と相手の手を握りこの本丸に残る旨を暗に伝え )
そうか。…では、( ごくり、薬を一息に飲み干しおえ、と舌を出してみせ )……にがい…。
…虐められるのも好きなんだろ。( 首筋を甘噛んで )
あのくらいの事で嫌いになるわけ無いだろ。ばか。( 撫でなで )それより身体はもう大丈夫か?
( 自らの部屋でもある為気兼ねなく戸を開ければ、中では我が恋刀が箒を手に蹲っていて。どうやら二振りが出した桜の花弁を片付けようとしていた最中のようにも見えるが、この有様は一体どうしたことか。特別具合が悪そうでも無ければ部屋外からも聞こえた妙な呻き声を発する声主に、心配するような訝しむような顔をして伺いを立て )――何をしているんだ…?
…っ、俺は…嫌だ。ずっと…あんたと一緒に居たい。我儘なのはわかってる…( 空いた片方の手で彼の手を包み込み )
薬だからな、直に良くなるだろう。( 頑張ったな、と頭を撫でて )
ぅん…っ、ばか。( ぴく。弱々しく頭ぺし )
ああ、大丈夫だ。( こく )…国広、湯浴びしたいんだが借りていいか。
ッ、!あ…あ、いや…何もない。( 大袈裟な程肩を揺らし今迄緊張したこともないのに恋刀となったこともあってか動揺が隠せず。素早く立ち上がりささ、と箒で花弁を集めつつ審神者との話はどうなったのだろうと )…主とどうだった?
…あんたと俺では、住む場所が違う。慕う主も違うし、本丸も。( じわり、瞳を潤ませふるふる首を振り )
ん…。そういえば、飲み比べの結果はどうなったんだ。やはり俺の負けか。( 大人しく撫で受け、ぎゅう )
否定はしないんだな。( クスクス )
ああ、構わない。これ、俺ので良ければ貸してやる。( 着替えの浴衣とタオルを用意し相手へ差し出し )
ああ、あんたの事も聞いた。…俺の文を心待ちにしていたそうだな。すまなかった。( 先程審神者に聞いた情報を口にし、今更ながら謝罪を述べて。だが、彼が己を必要としていてくれた事は素直に嬉しく照れくさそうにはにかみ )でも、嬉しい。相思相愛とはこの事だな。なんて。
…俺は…あの本丸を出ていく覚悟はある。あんたと一緒になれるなら、( 控えめに彼を包み込むように抱きしめ )
ん…そうだ、な。引き分け、というのはどうだ。俺も大分酔っていたからな。( ふふ、ぎゅぎゅう )
うるさい。( むぅ )…急にするなばか。( 肩口へぐりぐり← )
ありがとう。( 着替えと浴衣、タオルを受け取り )じゃあ、湯浴びだけ済ませてくる。( たた )
……っへ?え、あ…っ~主なんで言うんだっ( そのことは秘密にしてくれ、と主に話していたのにも関わらずこうも容易く彼の方へ情報が流れてしまうとは。更に林檎の様に真っ赤に染め上げ手に持っていた箒にパキッ、と小さな罅が入り(←)その音にハッとすれば慌てて罅がある方へ手で隠したが、追い込まれるように彼の言葉に恥ずかしすぎて手に力がこもると箒はとうとう真っ二つに )ッ、ぅ…もう、二人してなんなんだ…っ( 色んな感情が込み上げてはじわり涙目になりつつふるふる震え始め )
ばかを言うな。本丸を抜けることはお前の主も仲間も裏切ることになるんだぞ。( どうして良いか分からず、ふるふると身体を震わせ )
引き分けか。何か一つ言うことを聞かせたかったんだが。…次は負けない。( きりっ )
嬉しいくせに。…おい。こら、( 肩を地味に攻撃してくる相手を優しく窘め )
ああ、行ってらっしゃい。( 相手を送り出すと、一息ついて )――飯でも作ってやるか。
( 泣かせるつもりもなければ勿論箒を折らせるほど動揺させるつもりで言ったわけでもなく。ただ、彼の話を聞いて嬉しかった気持ちを伝えようとしただけなのだが、小さく震え羞恥に耐える彼を見ていると可哀想な気さえして、そっと背後から抱き締めれば優しく耳元へ囁いて )落ち着けよ。そんな一途なあんただから、俺は惚れたんだ。
……、それでもいい。主に何を言われようが俺は考えを取り消すつもりはない。( すり、と寄り添い今度は強く抱きしめ )
…ふん。それはどうだかな。今度は俺が勝つ。あんたは一口、二口で酔う癖に( くす )
ちがう…っ( うぅ )うれし、くなんてないんだからな!( 顔を上げうがっ、 )
――…、( 浴槽にて体を洗ったり長く湯に浸かって数分後、上がると着物へ着替え一旦彼の自室へ )
っ…?!( 真っ二つに折れてしまった箒をぽとり、畳の上に落としてしまう。それは彼のその言葉に動揺も更に悪化してしまったらしく頭上には少な目だが桜の花弁が降り始めふるふる震えるのはそのままに顔を俯かせ )…っ、ばか。
俺は…お前を裏切り者にしたくない…。そこまでしなくとも、いつでも会えるじゃないか。例え少しの時間だとしても。( 控えめにぎゅ )
一口二口とは心外だな。日本酒の一合くらいは飲めるぞ。あんたこそ相棒に話し掛けていたくせに。( 都合のいい記憶力でフラワー●ック指差した )
では俺が下らない事を言うから、怒っていると?( 首こてり )
( その頃、相手が風呂に入っている間厨房にて遅めの朝餉を作っており。ただ普通の物では詰まらないと、少し細工も施して )
( 相手の気持ちを代弁するように舞う桜が微笑ましく愛おしく、静かに微笑んでは彼の頬へ軽く口付けて身を離し。そして何事も無かったかのように手作業にて部屋に散った花弁を拾い集め始め )ほら、早く片付けるぞ。
…あんたの審神者がもう合わせてくれないかもしれないだろう。( ぽそそ )俺の所為でこんな姿にさせたくないんだ…だからっ( 涙じわり )
なっ。あんただって人の事言えないだろ。棚の上にあるだるまに話し掛けていたくせに。( むむ )それを俺だと思い込んでたんだろう。日本酒なんてあんたには無理だ。( きぱ )
怒ってない…!もういいだろう…!離せっ( ゔぅ )
( 国広が居ない。シュンとした表情で寝台へ腰を下ろし頭の上にのせていたタオルをわしゃわしゃと拭き始め )
ッ、( 駄目だもう既に心臓に悪い。それも彼が帰ってきてからというものの想い刀だった彼に告白を受け、そしてそれが両思いだということが分かると嬉しくて即返事をし恋刀に。主に話すなというっていた事を彼にバレてしまい恥ずかしい思いをしたこと、と色んな事が起きすぎてなんだか今日はやけに心臓の音が煩い。頬に当たる柔らかな感触にもうどう反応すればいいかわからずその場で蹲り落ち着くまで数分後。折れた箒を持ちさっさ、と花弁を集め塵取りでそれを取り一度ゴミ箱に入れて )
…何度でも、あんたが鎖を断ち切ってくれればいい。俺を守ると言ってくれたろう?俺も、外出を許された時にはあんたの元へ行くから。必ず。( 相手の両頬を手で包み )
は?いつ誰がそんな間抜けな事をしたと?酔い過ぎて幻覚でも見たんだろ。あんたこそ日本酒なんか百年早い。( ふんす )
――何なんだ、あんたは。( やれやれ、すっと身を離し )
( ぱたぱたと部屋まで戻り、相手が戻って居る事を確認し喜々と目を輝かせ )…切国。腹減っているだろ?にぎり飯を作って来たぞ。
( 彼を今まで以上に意識してしまっているせいかやけに沈黙が気になり。密室に二振りきりという状況に、男として邪な考えが脳裏を過ぎらなくもなく。もっと触れていたい、あわよくば―― ぶんぶんと首を振りそれ以上を考えないように努めると、部屋を片付ける事に集中し。掌で搔き集め捨てる作業を地道に繰り返していくと、相手の協力もあって漸く元通りの部屋に戻り。修行の疲れもあって深々と溜息をつくと、畳の上にごろりと仰向けで横たわり )…やっと片付いた…。
っ、必ず…必ず来てくれよ、俺の元に。( 瞳から涙がポロポロ零れ )
あんたしか居ないだろ。…あんたよりかは大分ましだった筈、だが?( じと )それを言うならあんたこそ千年早い。( むっすう )
ふん。( ぷい )……あ。国広、とりっくおあとりーと。なにかくれ。( ぱあ、唐突← )
!ああ、丁度腹が減っていたんだ。( ぱああ )
…お疲れ様。修行から帰って来たばかりなのに…悪いな。( 彼が手伝ってくれたおかげで花弁を片付け終えては此方も溜息をぽろり。彼の隣へ腰を下ろしそちらへ振り向いては申し訳けなさそうに眉下げては )…少し仮眠を取るのはどうだ。体も大分楽だと思うぞ。
泣くなよ。……なあ、切国。この鎖を、断ち切ってくれないか。( 足枷をするりと撫で )
それがお前の幻覚だと言っているんだ。俺がそんなことする訳ない…。フン、そこまで言うなら今夜もう一度勝負するか?( 目細め )
…その言葉は仮装をして言うからこそ効果があるんだぞ。やり直し。( 相手をくるりと回し背中を押して← )
ふふ、ただの握り飯じゃないんだ。この何方かに唐辛子がたっぷり入っている。( 一口サイズの握り飯を二つ見せて )
いや、お互い様だろう。( 大の字で寝そべり、虚ろな目で天井を眺めながら呟いて。この時既に酷い睡魔に襲われており、相手の促しをきっかけに彼に背を向ける形で寝返りを打つと、少し仮眠を摂る旨を告げてから直ぐに規則正しい寝息を立て始めて )ああ、そうだな。おやすみ、切国。適当な時間になったら起こしてくれ。
っ、( ぐず )――!いい、のか…?そんなことすればまたあんたは…( 足枷と相手を交互に見やり )
ふん、望むところだ。後悔してももう遅いからな。( ふん )…今度は俺が勝つ。
っえ、仮装…と言われても何をすればいいんだ。( ぽつん。兄弟に相談してみよう、と自室へ向かい数時間後 )……、これならどうだ。( どや / 布を全体に被っただけのお化けの仮装← )――国広、とおりっくおあとりーと。( じゃじゃーん / ← )
……国広、あんた…おにぎりになんて事しているんだ。( 冷静な突込み )そんなもの辛くて食べられないだろ…!( ぷるぷる )
ん、分かった。( ”おやすみ”と返したのも束の間隣からは規則正しい寝息が聞こえると、小さく笑って。このまま体育座りのままいるのも疲れるので彼の隣にごろんと寝転がり何故だか随分と大きく見える背中を起こさない程度に腕を伸ばしそっと触れて。夢じゃない本当にここに恋刀である彼が居るんだ。彼が居ない間恋しくて、寂しくて、いつも寝るときは布を抱きしめ寝ていたのが恥ずかしいやらなにやら。もっと彼を感じたくて寄り添いここにいることを確かめるようにじーっとそのままの体勢で )
枷があったら、自分からあんたを抱き締めに行けないし、泣いているお前を慰めに行くことも出来ないから。( 控えめに笑い )
……精々美味い肴でも用意することだな。酒が進むように。( ちゃっかり催促 )
変わらないじゃないか。いや、……変わらないじゃないか。( 大事なの事なので二回 )狼の耳でも付ければ少しはサマになると思うんだが…まあいい。…ほら、菓子をやれば良いんだろ。口を開けてみろ。( 懐ごそごそ )
だから面白いんだろう?ろしあんるうれっとと云うんだそうだ。この遊びは鶴丸から教わった。そら選べ。( それらを差し出し )
( 旅をしながら一振りで眠る夜と比べ、相手と空間を共にしながらの居眠りはとても心が安らぎ。心地良く寝息を立てながら睡眠を貪っていると、不意に背に触れた何かにぴくり、僅かばかりの反応を示したかと思えば相手の方へ向かってごろりと寝返りを打って。それまで彼に向けていた後ろ姿とは変わり、布の無い素顔を惜しげなく彼の目前に晒しながらそのまま無防備に眠り続けて )
…国広、( じわ )すまない。絶対、あんたを守るから。( その場から立ち上がりすらり、刀を抜くと素早く鎖を断ち切り )
仕方ない。用意してやる。( ふん )
…だって、兄弟が…その、猫の仮装はどうだと言われたんだが、俺にそんなもの似合うわけがないからな。なんでこの方がマシだと思ったんだ。( 遠い目 )――!くれるのか…!( ぱあ、素直に口開け )
あいつから教わることはただ事ではないぞ。( じと )……これで辛かったら…あんたがなんとかしてくれるんだろうな。( おにぎり一つ手に持ち )
( 目前に晒された彼の素顔、長く伸びた睫に綺麗に整った顔やらその素顔を堂々として眠るその寝顔に思わずドキリ脈打ち。布を取れば自身もそんな顔をしているのだと、なんでだか興味をそそり目元にかかった前髪を払ってやりつついつの間にやら自身から顔を近づけ控えめにその唇へと口づけて )
( 鎖断ち切れると、緩やかに首を横に振り )いい。あんたが居てくれさえすればそれで。それ以上の事は何も望まない。…ありがとう。
――……フン。( 挑戦的に鼻で笑えば、そのまま部屋を立ち去り )
…あげようかとも思ったが気が変わった。その猫の仮装とやら、見てみたい。( にや )
水くらいは用意してある。遊びとはいえ正々堂々勝負しよう。なるべく一口で食うんだぞ。そのために小さめに作ったんだからな。( 己も余った一つを手に持ち )
( ふに、と触れた柔らかい感触。ほんの少しだけ寝息を阻まれると覚醒には至らないまでもくぐもった声を口端から零して。その感触を食べ物とでも勘違いしたのか、唇が離れた途端むにむにと口を動かしつつ、幸せそうにはにかみながら自らの唇をちろりと舐めて。その後、少ししてから漸く薄目を開けぼんやりと彼の方を見詰め )……ん……?
…礼には及ばない、が…これからあんたはどうするんだ。…出るのか?( 刀を鞘にしまい彼の目線に合わすようにしゃがみ込み )
…さて、つまみは何にするかな。( ふむ )
っえ。( ぎょ )ッ、い…いや、それはもう忘れてくれ。これで我慢してくれ、頼む。( あわわ )
分かっている。では、いくぞ。せーの。( 一口ぱく、 )――……ッぅ、( ぷるぷる )
…ぁっ、( 己がしたことは今になって理解してしまうと同時に顔をこれでもかと真っ赤に染め上げ、視線はふよふよと迷い思わずやってしまったことなのだが、彼にどう説明するべきかわからず布を下へ下げて下げて何事もなかったように体を反対に向けてしまうと狸寝入りをはじめ )
――…いや、俺の本来の居場所はこの本丸なんだ。命令でも無い限り勝手に出て行きはしない……が、( 言葉尻を濁し )
( 相手が悩んでいる間、酒呑みな刀達から酔わぬ秘訣を聞いて回り。抜け駆けではない、これも戦術である )
……、少し用事を思い出した。行ってくる、あんたの兄弟の所へ。( すちゃ )
…んむ…、( 相手の掛け声と共に握り飯を頬張り、もぐもぐと咀嚼するもその中身はおかか。嬉しそうに口元緩め )
( 朧げな視界の先には見慣れた布饅頭。どれ程眠っていたかは分からないが、彼までも隣に居るということは己が仮眠を取っている間余程寂しかったか、或いは構って欲しかったのだろう。そう見当をつけると小さく笑みを零し、衣擦れの音を立てながらするすると相手へ近寄り、起こさぬよう背後からそっと抱き締めて。そのまま再び二度寝をするべくうとうとと目蓋を開閉させていて )
…国広?( その次の言葉が気になり首を緩く傾げて )
( 厨にいる伊達刀に声を掛けつまみは何がいいか、と相談をかけ。それから夕刻が過ぎお盆にのせたつまみや酒を持ち自室へ )
っえ、ちょ…ま、( 止める間もなく言ってしまう相手。ぽつん )
ゴホッ…っぅ、ぅ( 涙目、相手の肩ぺしぺし← )
…?!( どうしよう。どうしよう。彼に口づけしてしまったことバレているかもしれない。内心動揺と恥ずかしさでどうにもならない所で不意に背中越しから別の体温を感じ取り。それも隣で寝ていた彼の体温で間違いなくこの身動きが取れないこの状況にまた更に動揺が増し。だけど、この懐かしい体温に何故だか安心しきっている自身がおりこのままでもいいか。考えるのは止そうと腹部辺りにある彼の手を自身の手と重ね合わせ目を閉じて )
……何でもない。( それを言えば彼を繋ぎ止めることになるような気がして、思わず目を逸らし。ふい、 )
( 夜。寝支度も済ませ部屋へ戻ると、準備万端と言わんばかりの相手に目を瞠り )…流石だな。
( 兄弟から猫耳やら尻尾やらを借りて部屋へ戻り って )――…切国、
ふ、ふふ…あんたの負けだな。( ぷるぷる、敢えてゆっくりと水を注いで差し出し )
( 三度目が覚める頃には夜も更けていて、暗闇の中で目を慣らしている間はただ腕の中の相手の存在を感じており。闇に浮かび上がる布をそっと脱がせてみれば薄闇の中で煌めく綺麗な金糸と白い頸が現れ、悪戯心よりその首筋へとそっと口付け。寝起き故に羞恥を覚える余裕もなく、ちゅ、と軽く吸い立ててみれば其処には薄らと鬱血痕が残り、満足げに目を細め )
?何か言いたいことがあれば言えばいいじゃないか。…言えないことなのか?( 視線を逸らすことなく真っ直ぐ彼を見詰め )
ふふん。用意したぞ。( どや )
…なんだ。( いやな予感がしたのか其方へ振り返ることなく布饅頭お化け← )
っ、はや、げほっ…( 素早くコップを受け取り一気に飲み干し一息 )…、…( むっすう / 涙目ギロリ )
ン…ぅ、?( ふよふよとした意識の中で首辺りに何かしらの違和感というのか擽ったいというのか不思議な感覚に小さな呻き声一つあげ薄目を開けてみれば、もう既に夜も更け部屋は真っ暗闇。自身がしたことさえ今は寝起き故に覚えてはおらずぼんやり意識が覚醒するまでその状態のまま。少し意識が覚醒しては隣にいる彼の方へ顔だけ振り向くも表情は寝惚け面で )…くにひろ…?
……。俺が此処に残ると言ったら、あんたはまた俺に会いに来てくれるか…?( 言葉を変え、不安げな縋るような目で彼に問うて )
何でも言うことを聞く覚悟は出来ているのか?( どっかりと腰を据えつつ軽口を叩き )
……。( 相手の布を払い、頭に猫耳を装着 )
…ッく、ふ…っひ、ぅ…、( 慌てて水を飲み干す様を見て我慢の限界、吹き出しそうになる口を両手で押さえ涙目で見つめ返し )
( 振り向いた相手と視線が合えば、何を言うでもなく静かに微笑んで、印を付ける為に一度は外した彼の頭巾をそっと頭に被せ直し。むくりと起き上がれば欠伸を一つ、真っ暗闇の部屋をぼんやりと見詰めながら寝起き特有の掠れた声で誰にともなく呟き )少し眠りすぎたな…。
――ああ、勿論だとも。あの審神者に何を言われようが足止めされようが…あんたに会いに行く。( フッ、と小さく笑って )
フン。それは此方の台詞だ。…あんたこそ覚悟はできているんだろうな。( ちらり横目で彼を見やり )
ッ…!な、なにするっ( 払われた布を素早くかぶり直すも猫の耳の形が現れ )
ぅえ…っ…けほ…( 水を飲んでから少しは辛さもましになったもののまだ違和感はあり。フイ、と彼から顔を逸らし )
…?( ぼんやりとした視界の中で見た彼の微笑の意味が解らずのまま寝る時に頭巾がずれてしまったのだろうか被せられた頭巾に手をやり首を傾げ。此方ものそりと起き上がると同時に襖の向こうから小さい方の兄弟の声が” 兄弟居る?夕餉の時間だよ。 ”と知らせてくれて。欠伸を漏らし軽く” ああ。今行く。 ”とだけ伝えるとその刀の気配も消え )…国広、行けるか。
――…あり、がとう…。すまない。優柔不断な俺を許してくれ。( ぎゅ、と相手に抱き着き )
ふ、その必要は無いさ。あんたをどうしてやろうかと考えてはいるけどな。( 挑発的に目を細め )
なかなか似合っているぞ。そら、菓子が欲しいんだろう。それとも煮干しがお好みか?( ぺろぺろきゃんでぃー差し出し )
……、まさか本当にあんたが引っ掛かるとはな。( しれっ )
――皆に会うのも、久し振りだな。( 首肯の代わりにそう呟き、照れくささ半分嬉しさ半分といった表情で緩慢に立ち上がって。皆は己に対しどう反応するのだろうか、潔く布を外したこの姿を見て本丸内に衝撃が走ること請け合いであろう、それでも布を被る素振りも無く相手の前に手を差し伸べると、ふわりと柔らかに笑い掛けて )行こう、切国。
…俺も…俺もあんたと同じだから。あの本丸からは離れられない。けれど、あんたとこうやって会うことも会いに行くことも苦じゃない。( すり、と控えめに擦り寄り一度身を離すと頬へちゅ )
そうやって呑気に考えているのも今の内だぞ。負けるつもりもあんたの言う事も聞く気はないのだから。俺が勝つ。( フッ、と笑んでは負けじと挑発 )
うるさい。( む )…誰が煮干しなど食うか。それだ。それを俺にくれ。( むすぅ )
…あんたこれ俺がそう選ぶように仕向けただろ。何をした。( じとぉ )
…ああ。( 前の彼ならば他の刀や審神者に対し警戒心を剥き出し誰一人心許さずだった彼がここまで堂々とした立ち振る舞いを前にし寂しいやらなんだかもやもやした気持ちに。もう俺は必要ないのではないか。守らなくても――なんて頭の隅でそれが出てきてしまうと一瞬だけ表情を曇らせてしまい。フルフルと首を振りなるべく笑んで見せ彼の手を取り )
切国…。…ぅ…、( 安堵から気が緩み、両目からぽろぽろと涙が零れ落ち )
いつまでその強気が続くのやら。……ではそろそろ飲むか。折角つまみも用意してくれた事だしな。( 徳利を手に持ち )
…仕方ないな。猫のように好きなだけ舐めれば良い。そら、( ぺろぺろキャンディーを手に持たせ )
そっ…そんなことしていない。言いがかりだ。( ぶんぶん、激しく首を振り )
( 一瞬、相手の表情が翳ったようにも見えたが今はまだ深く考えることなく、相手の懸念に気付かないまま繋いだ手を引いて彼を立ち上がらせて。繋いだ手はそのままに堂々と部屋を出ると、広間へと足を向けて。既に何振りかの刀剣達が揃っており、皆一様に此方を見て驚いた表情を見せたかと思えば直ぐに好奇心旺盛な短刀達に取り囲まれる事となり。過去の己ならば注目されることも刀と関わり合うことも避けたであろうが、今では彼らに優しい目を向けて丁寧に修行の事を簡単に語り聞かせ。相手と繋いだ手は、対応に追われる内に自然と解けてしまい )
っえ…?!お、おい…( おろろ )…泣くな国広。俺は傍に居るから、( 困ったように笑みを浮かべては顔を近づけ頬を伝う涙をペロリ舐めとり )
そうだな。( 盃を手に持ち酒が入るのを待ち )
…ん、( ちろちろとぺろぺろキャンディーを舐めているとちらり彼の方へ視線を向け。何を思うてかそれを舐めるのを止め相手の方へのそのそ。ずいと顔を近づけ相手の唇をぺろ )
ほう…本当か?( じとぉ )
( 一度離れてしまった手はもう元には戻らず宙に浮いたままの手は力なくこう垂れ。繋いでいた方の手を見詰め次に短刀達の対応に追われている彼へと視線を向けたかと思えば自嘲気味に笑い今でさえ脳裏につい思い浮かんでしまう” もう、俺は国広にとって必要ない。 ”その言葉が過ってしまう自身が嫌になる。でも、本当にそうだとしたら。俺はもう用済みなのでは――布を深々に被り目も徐々にハイライトも消えその場を立ち去ろうと先に広間に入らず )
――っ、そんな、に…っやざじぐ…ッしないでぐれ…、( 涙声、止め処なく涙が溢れ床を濡らし )
ん。…乾杯、( 相手と自分の盃に酒を注ぎ、それを掲げて )
…ッ!?なっ、なん…ッ、どういうつもりだ?( びく、思わず壁まで後退った )
俺がインチキをしたとでも言いたいのか?( むっ )
( 短刀達の相手をするのに気を取られ、相手の感情の機微に気付かないでいて。視界の端に、広間から遠ざかって行く彼の後ろ姿を捉えると、不思議そうな顔で漸く相手の方へ視線を向けて。それでも尚、忘れ物でもしたのだろうかと思う程度の軽い気持ちで構えており、首を傾げるばかり )…おい、何処へ行く?
何故だ?俺ができる限りあんたにこうやってするつもりなのに。( ぎゅうと抱きしめ頭を優しくなでなで )
乾杯。…ん、( 盃を口元へもってきては一気に飲み干し )
…猫はこうやって甘えるものなんだろう。ただ、それだけだ。( のそのそ追いかけ彼に抱き着くとすりすり )
…違うのか。( じぃ )
――…別に。一人になりたい、それだけだが。( 彼に呼び止められ歩を一度止めてはくるりと其方へ体を向きを変えるも布は深々と被ったまま表情は読み取れずただ口から出た言葉は出まかせ。だが、本当に彼に今は合わせる顔がなく早く離れたくて仕方がなく )
涙…ッ止まらなくっ、ぅ…なる、だろ…っ、ばか。( 相手の肩にぐりぐりと顔を埋め )
良いのか?初めからそんなに飛ばして。( ちら、ちびりと酒を啜り )
……乗り気じゃなかったくせに。あんたは普段から子猫のようだがな。( されるがまま、背中ぽんぽん )
そんなことしない。あんたは俺をそんな男だと思っていたのか。( ふい )
…?飯を食いに来たんじゃなかったのか?気分が悪いのなら俺も共に…、( あまりにも突然な態度の変化に戸惑いを覚えながらも、具合が悪いのであればそんな彼を放ってはおけず。心配そうに其方へ近寄り、布の下に隠された表情を覗こうとして )
ふふ、俺の前では存分に涙を出せばいいじゃないか。少しは楽になる。( 頭なでなで )
俺は俺のやり方があるんだ。( ふん、おつまみ摘まんでもぐもぐ )
子猫…?まあ、あんたの猫になるなら悪くない、かもな。( すりすり )
……いいや。あんたを信じる。( 後ろからぎゅ )
ッ…、( 反射的に彼の肩を強くドンッ、と押やり後ろへ一歩、二歩後退った影響か布が少しだけズレた影響で目元は虚ろな目が覗かせており。それを素早く隠すように布で深々と被り直し自身がしてしまったことに後悔をしてしまうもう遅く )ぁ、ッ…来るな。…放っておいてくれ…!( そう吐き捨てては彼とすれ違う形でその場から立ち去って )
――こんな情けない姿、あんたには見せられない。( ずぴ、無理矢理涙を押し込め、顔を伏せながら相手の肩を押し遣り離れようと )
意地っ張りめ。( 相手の酒を注ぎ足し、此方はちびりちびりと焦れったい程にゆっくり酒を飲み干し )
ほう、言ったな。ならばにゃあと鳴いてみろ。( 首裏を撫で、顎くい )
……何なんだ。全く…。( ぷく )
( 押された拍子に後方へよろめき、一瞬何が起こったのか分からず時が止まったような錯覚。相手を怒らせるような事をした覚えもなく、突然のことに頭は混乱するばかりで。ただ一つ分かる事は、強い拒絶を秘めたあの瞳が己に何らかの原因があることを示しており、暫く彼が去って行った方を振り返り見ながら途方にくれるばかり。だが、今宵の夕餉は帰還した己をもてなす為に開かれる宴であることを知り、皆の期待に応えるべく渋々広間に戻り、宴に加わって )
…見せたくないならこれならどうだ。( ぐい、と此方に引き寄せぎゅうう )情けなくない。たまには泣くことも必要だぞ、国広。
…あんたこそ。そんな飲み方をすれば変に酔わないのか。( じぃ )
……っ、言わないと…駄目か?( ちら )
ふふ、別になにもない。( ぎゅう )
( 遠くから聞こえてくる彼らのどんちゃん騒ぎを耳にしながら己はその騒ぎが聞こえぬ逃げ場を探し速度を早める。玄関を出て遠く離れた庭先に一本の大きな桜の木があり今となっては殆ど葉もなくなりかけていても一番、気に入っている木で。そこへ近づき腰を下ろすと体育座りで踞り何をすることなくただ大人しく居るだけで )
わっ…。…あんたのが、涙で汚れる…。離してくれ、少し落ち着いた。( 肩ぽんぽん )
空きっ腹に一気飲みする方が酔うに決まっている。…これは何だ?( つまみを手に説明を要求← )
俺の猫になら、なっても良いんだろう?( 目細め )
…それで、口の中はもう大丈夫なのか?( ちら )
( どれだけ周りが盛り上がろうと、相手のことが気掛かりで堪らず。己が一番祝福して欲しいのは彼だというのに、宴の場に居ないのは酷く寂しいもの。卑屈を克服した事を共に喜んでくれると思っていたが、やはり変わらぬままで居た方が良かったのか。酒の酔いを冷ますべく、夜風に当たろうと頃合いを見て席を立ち、庭先へ出ると天高く昇る月を仰ぎ見て )……祝い事の夜に一人というのは寂しいものだな…。
別に構わないのに…本当に大丈夫か?( 少し身を離し心配げにじぃ )
これ?これは…何と言ったかな。…燭台切が殆ど作ったんだが( ぽそ / ← )あ、ぼかどのいたりあん風だとか言っていた。とまととあぼかど、ちーずをおりーぶおいるで絡めたものらしい。( こく )
……ぅ、( 目ふよよ )鳴いたからと笑うなよ。—―…に、にゃ…( 恥ずかしそうに鳴いてみせ )
少しひりひりするが…平気だ。( きり )
――…くしゅ、( 段々と寒くなってきた気候の中、ひゅうと冷たい風が吹き込むと同時に小さく嚏をかましふるり身震いを。体に纏った布を出来る限りとり囲んで暖を取るもそれでも肌寒く不意に上を見上げてみれば綺麗に輝く月を見、あの時自身の態度をとってしまったことに後悔と申し訳なさで一杯で自然と目からは涙を流し )…すまない、国広。
…ああ。すまない、取り乱したりして。( こくこく、涙を拭い力なく笑って )
トマトとちいずなら辛うじて分かるが…後のは何だ?日本語か?毒でも入っているまいな…?( 横文字苦手系男士 )
――…っんぐぅ…。( 謎の呻き声、眉間に指先を添え俯き嫁が可愛くて辛いというポーズ )
…すまん。もうあの遊びは廃止しよう。鶴丸にもきつく言っておく。( 眉下げ )
( しんと静まり返った夜。己の呟きに答うる者は無し。だが、不意に耳に捉えたのは誰かのくしゃみの声。確か、庭の片隅の物陰の方で聞こえたような気がして其方を見遣るも、この暗闇ではその正体を確かめることは出来ず。そろりと其方へ近付きながら怪訝げに眉を潜め )……誰か居るのか?
…ばか。そうやって無理に笑うな。( 両頬弱めに摘まんでは苦笑い )
後…?あ、あぼがどのことか?俺にもよくわからん。( きぱ )毒なんて入っていない。ほら、食べてみろ。( あぼかどを箸で取り彼の口元へもっていきずずい )
えっ、国広?( おろろ )きっ気分が優れないのか?!それともやはり俺には似合わないから頭痛がするとか、か?!( ずずん / 嫁大パニック← )
…いいや、いい。たまにはこういうふざけた事するのもいいと、思う。( ぽそ )あいつは何を言っても聞かないと思うが。( 酷 )
――…そういえば国広、( 裾くいくい )これを話しかけていいかどうか迷った挙句気になって、な。聚楽第、進んでいるか?俺達に関りがあるらしい謎の人物をどう思っているかと思って…。俺の方は何とか進んで、報酬やあの刀を手に入れたが…、( 目伏せ )
!( ぴく。誰かの声が耳に入ってくると其方へ顔を向け今は暗闇の中で姿が見えずともわかる彼の声で。今はまだ会いたくないのにどうして。慌ててその場から立ち上がり逃げようとするな否や今迄雲覆い被さっていた月が顔を出し辺りは明るく照らされ二振りの姿をもまるわかりでそれを見た自身は目を見開き一歩後退りつつ )……っ、くにひろ。
――っ、しゅまなひ…。れもほんとうにらいじょうぶだ。( あう )
自分でも分からないものをよく人に勧められたものだな。( 半おこ )――っぬぐう…、ぅ……っ、( 身を引きながらも観念してぱくり )
い、いや、そういうわけでは…。――そうやって可愛く媚びるのも、俺の前でだけにしておけ。( ぎゅ、頭撫で )
あんた、お人好しそうに見えて案外辛辣だな。俺は好きだが…この遊び。( にこやか )
…ああ、聚楽第か。俺の方も無事に攻略し、二振り目を手に入れるべく周回中だ。どう…って…、奴とは仲良くなれそうにないが、俺は嫌いじゃない。修行前のあんたにはさぞ複雑な心境だろうがな。
( 月明かりに照らされ露わとなった相手の姿。その頬には先まで泣いていたと見える涙の轍が薄く浮かび上がっており。理由は分からないが誰しも情緒不安定になることはあるはずで、彼の感情の何もかもを受け入れるつもりで困ったように微笑み、努めて優しい声音で離し掛け )……、こんな所に居ては風邪をひく。部屋へ戻ろう。( 嘗ての己ならばこんな状況に動揺するばかりであっただろうが、敢えて何も聞かずくるりと踵を返し、先に部屋へ戻ろうと歩み始め )
…はあ、あんたがそういうなら、( 両頬をぱ、と放して溜息 )
燭台切が説明してくれていたがいまいちわからなかったんだ。…仕方ないだろう。( しょぼん )…どうだ?( じぃ / 期待の眼差し )
ぅ?え、俺…いつそんなことした?( きょと / 無自覚 )
にこやかに言うな。そんなあんたなんて嫌いだ。( ふい、むぅ )…腹が減った。( ぽそ )
そ、そうか…それなら良かった。( ぱあ )ああ…二周目、か。俺の世話係と違って頑張っているんだな…。一振り目で満足してしまってから出陣がなくてだな。( 遠い目 )…ぅ、それは…そう、だが。あいつもあいつで複雑なんだろうな…と思ってな。
……、すまない。まだ、ここにいたいからあんたは先に…戻って、くれ。( その様に優しい声音で話しかけられても涙を誘うだけで、一度止まった涙でさえまた溢れてきそうになると、無理やりにでも抑え込みつつまた一歩、二歩と後ろへ後退るもののその後ろには木がありどん、と背中をぶつけもうこれ以上表情を見せまいと布を深々と被り今にも消えそうな声音で彼の誘いをも断ってしまい )
…顔を洗ってくる。( ぐしぐしと目や頬を擦りながらふらりと立ち上がり )
燭台切は物知りな刀だな。流石だ。ばぼがど?というのも食ってみると意外と美味い。口の中でとろける。( ほわほわ )
飼い猫は人間に媚び、餌をもらって生きる生き物だ。あんたが俺の猫になるというのなら、今みたいに可愛く鳴いて俺にだけ媚びればいい、と、そう思ったまで。…すまん、独占欲が強過ぎるな。( 目逸らし )
…今食べたばかりじゃないか。( 嘆息 )
一振りでも手に入ったのなら良いんじゃないか?楽しみ方は人それぞれだからな。ただ、もう一振り在れば習合が可能だ。( きりっ )…ああ、そうだな。奴もいずれ修行に出れば、何か心境変化があるかもしれないが。
駄目だ。風邪を引くと言っただろう。そら、行くぞ。 ( 着いて来る気配のない相手に歩みを止め其方を振り返れば、頑固に言い張るその様を甘やかしてはなるまいと先程よりはきつく諭して。つかつかと迷いなく相手の元に歩み寄り、手首を掴んで強引に自室まで連れて行こうと )
…俺も着いて行く。( ふらつきを見せた相手に心配げに見上げては、一足遅く立ちあがり相手の腕を掴み支えてあげ )
ふふ、そうか。なら良かった。( ほっ )俺も一口…、( あぼかどぱく )んー美味い( ほわ )
……、( 彼の言葉にぱちくり瞬き )――…にゃあ、( するり頬擦りしては甘え始め )
何を言う。あれは食べたことにならんだろう。あんたはともかく俺は一口しか食べていないのだからな。( む )
それなんだ。それに今気づいたんだ世話係が…( 遠い目 )まだ間に合うが…気力がなくなった世話係をなんとかしてくれ( ちら / ← )…だといいんだが。まあ…だが、まさかこのたいみんぐで本歌がくるとは思わなかったがな。
ッ、( びく、と肩を揺らし後退ろうとするものの後ろは桜の木に遮られ身動きができず容易く彼に捕まってしまい。修行後の彼と自身の力の差があるのか振りほどこうとしても解けずにいても負けじと” っいや、だ…!離せ…っ、離して、くれ…! ”声を荒げ抵抗はしたまま自室へと向かっていき )
…、催促するのもどうかと思ったんだが、やはり気になって仕方がなくて…すまない。( しゅん )
急に温度が急変したりして風邪ひいてないか…?体気を付けてな。
…数日何も言わずに日を空けてすまなかった。
どうしても筆が取れなくて、な。あんたは悪くないのに、俺の気持ちの問題で。すまない。
…!国広、いや…謝らないでくれ。俺の方こそ急かしたようですまない…。あんたはなにも悪くないし、そんなこともあるから、な…。本当にすまない。
急かされただなんて思っていない。何故お前が謝る?謝らなければならないのは此方の方だ。
そ、の、実を言うと、まだ気持ちの整理がついていない。お前のことが好きなのに…、いや、好きだからこそ自信が無くなってしまった。
今の俺には、あんたに上手く気持ちを伝える事も出来ない。これでは何のために修行に出たのか分からんな。はは。
…本当は変に言葉を書き違えたのかと、そう思ってしまって不安だった。嫌われた。こんな俺なんて興味が失せた。そう、…思ってしまった自分が、情けなくて。だから…その、すまない。
――不器用なところは…変わってない、な。( 控えめに笑み )俺とてあんたにどう気持ちを伝えるかなんて、どうすればいいかわからない。だが、俺はあんたから前に言われた言葉ではなく行動で表してくれればいいと、言ってくれた。だからこそ行動で俺はあんたに気持ちを伝えてきた。それだけじゃ…駄目なのか…?上手く言葉が伝えられなくても…俺はあんたと共に居れば幸せだぞ。
――いや、不安にさせた俺も悪いんだ。だからどうか、謝らないでほしい。( 頭撫で )
行動で表してくれれば良い、確かにそう言った。これだけ会話を重ねているというのに、よく覚えてくれていたものだ。あんたの気持ちは、ちゃんと伝わっている。とても有難い事だ。俺もあんたの気持ちに応えたい。けれど…自信が無い。あんたを幸せにするのは、別に俺でなくても良いんじゃないのか。なんて、思ってしまって。
…面倒くさくてすまない。自覚は、あるんだが。
…国広こそ、そうやって自分を責めないでくれ。
面倒くそいなんて思ってない。そこまで悩んでいたと言うことは俺のこと、考えてくれていたんだろ?
あんたとこれだけ会話を重ねてきて何もかも全部俺にとっては…宝物、なんだ。俺、不器用だからあんたに気持ちを伝えられてるか不安だった。…けれど、あんたにそう言われて安心した。
こう言っても納得するか分からないが…俺はあんたから沢山の幸せをもらっていたんだぞ。幸せすぎてどうしようもないくらい。
…その言葉、信じても良いのか。
俺は案外独占欲というものが強いらしい。だから、それであんたに嫌われるくらいなら…此処を離れようと思った。俺がいなくても、お前は愛される刀だ。幸せにしてくれる者は他にも居るだろう。
俺は、別れを告げようと思って此処に来たんだ。でも、駄目だな。生半可な覚悟では。
いざお前と顔を合わせたら、とてもそんな気にならない。もっと話を、紡ぎたいと思う。
――嗚呼、信じてくれ。言葉数が少なくてすまない。だが、これだけは本当の事なんだ。
っはは。馬鹿だな。俺があんたを嫌うわけがないだろう?そう笑ってしまったが、俺も…あんたと同じで独占欲というものがあるようだ。離したくないし、俺だけのものにしたい、と。不器用でいい。そのままのあんたでいい。俺の傍に、居てくれ国広。もっと。もっと、あんたと一緒に話をしていたい。
切国。また不安にさせてしまったな、済まない。
俺を求めてくれてありがとう、純粋に嬉しく思う。俺もあんたの気持ちには応えたい。応えたい、んだが……実を言うと、以前からすらんぷなんだ。気持ちがぐちゃぐちゃで、筆を取っても、それを纏めるだけの言葉が何も思い浮かばない。こうして文章を認める集中力も続かなくて、結局放り出してしまうんだ。
今後いつ回復するかは分からない。今の俺には、やはり以前の様にあんたと遣り取りを続けていける自信が無い。きっとお前を不安にさせるし、待たせることにもなると思う。――俺の、力不足だ。本当にすまない。…これ以上お前を振り回す訳にはいかない、から。だからどうか、あんたには俺よりも良い刀を見付けて、幸せになってほしい。
…ッ国広…!いや、またこうやって会えたこと嬉しく思う。
えっ、すらん、ぷ…?馬鹿。何故それを早く言わな――…すまん。前であんたとのやり取りをいち早く気づくべきだったんだ。…!そんなこと嫌だと言ったらあんたは…困るんだろうな。けれど、俺、そんな奴そうそう居ないし出逢わないと思う。幸せになれと言われてもあんたを置いて幸せになんてなれない。
お前からの言葉、嬉しく思う。俺は、とても愛されていたんだなと実感した。俺もあんたが好きだ。…好きだぞ。けれど――そんなあんたを俺の都合で待たせることに、疲れてしまって。誰かを待つ辛さは俺にも分かるから、そんな思いをお前にはさせたくない。
…もうこれ以上待つのはしたくない。だけど、…あんたにもう二度と会えなくなるのは嫌だ。嫌なん――ッ、すまん。取り乱してしまって…。そうやって我儘なことを言ってあんたを苦しめていることは分かっているのに…すまない。
…すまない。お前の事が気になって、な。近頃寒い日が続いているが大丈夫か?いんふるえんざ、という厄介な病も流行っているようだから気を付けろよ。…国広、逢いたい――なんて叶わない願いかもしれない。けど、俺は待ってるから。あんたが落ち着くまで…、
ずっと…待っているから。俺は待つことに異存はないんだ。そういえば、お前を追い詰めている言い草かもしれない。だけど、俺は…お前とまた話したい。本当に、俺は…お前を待ってる。落ち着くまで勝手だけど、待っているから。…体気を付けて、
すまない…また上げてしまって。でも、あんたに会いたいんだ…。
体、壊していないか?あまり無理しないでくれ…それだけが俺の願いだ。
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