半堕刀剣 2018-04-15 23:28:01 |
通報 |
ああ、今日の為に色々と調べたからな。――潜れるのか?( はて )
俺が嘘を言っていると?( む )
っうるさい、黙れ。世辞を言っている暇があったら手を動かせ。( 相手にシャツを着せ、ネクタイを首に巻いてやり何だかんだ世話を焼く男 )
――っあ…、( 心の整理は追い付かないままで、我に返ったらしい彼が慌てて演練場を出て行くのを唖然として見送る他はなく。だが今は恥ずかしいという気持ちよりも折角再会できたのに、と惜しむ気持ちの方が強く、自らの唇に触れて物憂い表情で嘆息。この一件で彼との仲は周知の事実となり、演練が終わってからも仲間からは冷やかされ続け、それを兄弟に助けて貰うという構図が常となり。…これが主や政府の耳に入るまで、そう時間は掛からない )
…潜れる…筈た。( じー )国広も一緒に潜ろ…?( ちら )
そうじゃないのか…?( 首ゆる )
ふふふ…っ( くすくす / ネクタイに手をかけ括り )
( 自本丸へと無我夢中で早足で帰ってくると、主に声を掛けられても今はあの事で頭が一杯で返事が出来ずただただ自室へ向かい襖を勢いよくあけ布団の中に潜り唸るばかり。――そして次の日、いよいよ彼の居る本丸へ行くべく主と共に本丸を後にし )
……泳ぐのは、苦手だ。( 小声 )
ち、違う。意地を張っていたのはお前だけだろう。( ぺしぺし )
――…ッ、何が可笑しい?( ぐぬぬ )
( 翌日。政府の圧力により精神的な疲労の為かすっかり痩せ細ってしまった主の世話をすべく、近侍として審神者の部屋で働いており。どんな理不尽な命令にも慎ましく従順に従う自身の姿を主も評価しているのか、唐突に例の一件についての真偽を問い質され。分霊と恋仲なのか、また会いたいのか、そんな事を執拗に聞かれると、困ったようにはぐらかすばかり。己に対しこんなに興味を示す主を見るのはとても珍しいことで )
……え?( きょと )あ…あ、っと…その…俺、このままあんたと居る。( こくこく )
ふふ、そういうことにしてやろう。( くす )
いや、別に何も?( 着替え終え何事もないようにその場から立ち上がり )じゃあ俺、そろそろ本丸に戻る。
( 彼のいる本丸へ辿り着くと、相変わらず門前には番人が二人待ち構えており。そんな圧力をも怯むことなく主は門前へと足を進め番人の問いに淡々と答え。番人の案内で玄関前まで導かれ他の政府の者に主と共に本丸内へ進みあの男の居るある部屋へと案内され )
いい。そんな気遣いは要らん。見ていてやるから、好きなだけ潜って泳いで来い。( やんわり背中を押し )
…んぐ……あんたも少しは言うようになったな。( 悔し気に唇を噛み )
――そうか。また会おう。途中まで見送る。( 相手に続いて立ち上がり )
( 演練の記録を記し、報告書を纏めていた折政府の下っ端の男より訪問者の報せを受けると興味深そうに立ち上がり。主に一言断りを入れ、廊下へと進めばすぐに彼らの姿を確認することが出来 )――切国、…審神者、( こうも早く来訪するとは思っていなかった為、呆然と呟くその表情は硬く強張っており。特に分霊についてはあの一件があって以来。主にも政府にも、自分たちの関係を知られてしまって間もない為に何処か焦った様子 )
……ん、( ちら、と相手を心配げに見つめつつ浮き輪を取るとめいいっぱい息を吸い込んで海の中へ潜り。海の中は小さな岩や色とりどりの魚たちが泳いでおり、そんな綺麗な光景に見惚れて )
してやったり、だな。( くすす、頭ポンポン )
…ありがとう。( そろ、り相手の部屋から出ていき )
おお、山姥切。久し振りだな。( 審神者にしては久方振りに見る彼の姿に嬉し気に頬を緩めるもその強張った表情に一早く気づくと表情は真剣な眼差しに変え。自身の隣に居る刀でさえ山姥切と顔を合わせることなく目を逸らしたまま。この二振りの関係はなんとなしに察している為に彼の表情といい、自身の刀といいこれは政府の許可を取るには難しくなりそうだ。そんなことを思い乍 )…もしかしたら君の力が必要になるかもしれない。一緒に来てくれないか、山姥切。
――上手に泳ぐものだな。( 相手が放った浮輪を掴み、彼が潜っていくのを感心したように眺めつつ。自身も顔を水に付けるものの数秒後にゲホゴホと激しく噎せてしまい )
生意気だ。( げし、と相手の脛を蹴り )
切国、( 名を呼ぶと共に相手の手を取り恋人繋ぎ )
俺なんかでも役に立てるのなら構わない。――あの男に、交渉するのか?だったら、切国は席を外した方が…。( 目の合わない分霊にもどかしさにも似た感情を抱きつつも、審神者からの願いには快く頷いて。向かう先は勿論政府の中枢を取り仕切る幹部の元。即ちあの男のところだろう。だとすれば、男にトラウマを抱いている分霊を同伴させるのは忍びなく、審神者へと申し出て )
――国広、( 勢いよく海の中から上がると、相手へ近づきなにやら手の中に何かいるようで )…不思議なもの見つけた。( そう手の中を見せれば星の形をしたヒトデ← )
っ、?!( 涙目になりつつ相手をじとー )
ん?――ッ、( 後ろを振り返れば流れるような動作でいつのまにやら恋人繋ぎ。それを見た瞬間顔を赤く染め )
…ん、そうは言ったんだが大丈夫だの一点張りでな。何かあれば言えとは言い聞かせてはいるが…( そう。ここへ来る前は僅かに震えていたのを知っているために彼同様の事を言ったのだが、首を左右に振る一方で。本音を言えばあの男とは会わせたくない。またあの時のようなことにされたら此方とて我慢の限界だから。心配気に隣に居る刀へ視線をやるも此方には目も合わせてくれず )
……ぬえっ、な、何だそれは…っ!び、微妙に動いているじゃないか!( ぎょっ、初めてみるそれに距離を取ろうとするも泳げずばしゃばしゃ )
あ…すまん…。( 泣かれるとは思わず、よしよし )
ほら行くぞ。( 相手の様子にくす、と小さく笑み零し、ぐいぐいと腕を引いて )
( 此方としては怯えて震えあがる分霊を見るのは心苦しい物があるが、審神者がどう気遣っても来ると言うのならばその意志は変わらないだろう。頑固な性分を知っているためにそれ以上は口にせず、審神者から相手へと視線を映しひょっこりと顔を覗き見るように )――切国、あんたが無理することは無いんだからな。耐えられなくなったら、直ぐに俺か審神者に言うんだぞ。
俺も初めてみるんだ。だが…変な形してないか?( うにょ、ヒトデ地味に動く← )…それにしても国広、一度泳ぐ練習するか?( ちら )
…ぅ、少しからかっただけじゃないか。( む )
っうわ…ちょ、国広、( 引かれるまま歩み進め。恋人繋ぎをじーと見つめ離したくないのかぎゅ、と握り )
……、( 本当はまだ怖い。あの時の記憶が刻まれて今の部屋を目前にしては自身でも分かるように震えていて。だけど、ここで引き下がるわけにはいかず彼との約束"一緒に戦ってくれ"そう言ってくれたから此処に居れるんだ。だから負けるわけには行かない。小さく深呼吸していれば、至近距離にある彼の顔にびくぅ、と肩を揺らすも次いでた言葉にうっすら涙が出るも強引な涙を拭き取り真剣な眼差しを向け )…ああ、ありがとう。俺は大丈夫だ。
ああ、そうだな…。五芒星のようだがこれは生き物なのか…?食えるんだろうか。( 気色悪がりつつも、つんつん )――え、いや、俺は、別に…( わた )
だから謝っているだろう。機嫌を直せ。( ぎゅ )
――どうした?( 本丸の裏口から出たところで強く握られた手と彼の顔を見比べ、きょとり )
( 大丈夫と言いながらも震えを堪えている相手が痩せ我慢をしているように思えてならず、一抹の不安はあったが己が彼を護れば良いと覚悟を決め、審神者に目配せをしてから意を決して部屋の扉を開き。中央にはやはり座卓の前に正座をした礼儀正しい男――時の政府の幹部に属する男が用意良くも四人分の茶を茶器に注いでいたところで、目が合えば両者睨み合いが始まり。然し沈黙を破ったのはやはり男の方で、“待っていましたよ。お座りなさいな。”上品な声掛けと共に男は審神者に向かって静かに促し )
生き物、だと思うが…どうだろう。食ってみるか?( ちら )…少し泳げた方があんたの身にもなるだろうし、何かあっては大変だぞ…、( うむ )
…俺も、その…やり過ぎた。すまない。( ぎゅう )
……まだ一緒に居たい。( ぽそ、 )
――貴方ならばもう察しているでしょうが、単刀直入に言わせていただきます。この、山姥切国広を私の本丸で預かりたいのです。闇堕ちであることも…、そしてもう既にご存知でしょうが私の近侍である切国との関係性をも十分理解しております。それを含め貴方の許可を頂きに参りました。( 幹部の男の声掛けと共に三つ用意された座布団、端の方へゆったりとした動作でその場に正座をしふぅ、と小さく息を吐き顔を上げては真っすぐその男を捉え淡々とそう言葉を繋ぎ )
…刺身にしたらそれっぽくなりそうだな。あんたが見つけたんだ、お前が食え。( 真顔 )――そう、か。そうだな。よし、( こく、と頷き )
良いんだ、俺だっていつもあんたを揶揄って遊んでいるしな。( あっけらかん )
……切国。帰らないと、あんたの審神者が心配する。( 困ったように眉下げ )
…その刀に何を誑かされたか知りませんが、なりません。堕ちた刀は周りの者を巻き込んで更なる災いを呼ぶのです。貴方はその刀の恐ろしさを知らない。故にそんな勝手が言えるのです。( 注いだ茶を其々の前に置き、落ち着いた声ながら断固とした響きを纏ってその申し出を拒否し。男は一口茶を啜り、呑気にほう、と息をついて言葉を続けると彼の近侍の方へと鋭い目を向け )それにしても、困った子ですね。貴方の近侍は。
え。( 呆然 )い、いや…俺はまだ…その…腹が減ってない、から…こいつは元の場所に戻す。( こく / 急いで海の中へ潜りヒトデを元の場所へ戻し← )…無理だと思ったら早めに言ってくれよ。( 眉下げ )じゃあ…まず、水に顔を付けることから…と言ってもすぐできるわけではない。だから…水になれる為に顔や頭をかける。( ぱしゃ、と自身の顔に水をかけ )
………、国広なんて嫌いだ。( 力加減なく肩にがぶっ、 / 嗚呼 )
分かっている。…分かってはいるが、まだ…居たい。( しゅん、 )
それがどうというのです。それも何もかも私共は受け止める所存です。貴方方の言う災いを呼ぶ堕ちた刀だと言うこの子を恐れていては私の本丸へ預かる等と貴方にそう許可を申し出ないでしょう。…それに私の近侍がこの子に想いを寄せて何か問題でも大有りで?( 自身の刀へ鋭い視線を向けられていることに気付くと近侍の前に腕を翳し反撃するように睨み返して。男の睨みをも動揺してしまい顔を俯かせふるふる、と震え始め )
あ…貴重な食材が…。美味しかったら主の手土産にしようと思ったんだがな。( しれ )…わっ…、いや、そのくらいは出来るぞ。湯浴みでは頭も自分で洗えるしな。( さり気なく腕でガードし )
いっ…!おい、やめ…っ、俺が何をしたというんだっ!?( げしげし、暴れて抵抗 )
――切国……、( 何か言い掛けたところで本丸から己の名を呼ぶ主の声が聞こえ )…すまない。
貴方の為を思って言っているのに。堕ちた刀は一度我を失えば手が付けられません。貴方も仲間も、見境なく襲う。そういう刀なんですよ、その子は。( 淡々と述べるその瞳は氷の様に冷たく彼らを見据え、堕ちた刀剣に指先を向けて。と同時に、視界端に映るのは何かに怯えるように身体を震わす近侍の刀。己が一瞥をくれただけでこの反応、あまりの弱々しさにくすりと嘲笑零せば頭でも撫でてやろうと近侍に手を伸ばし )いえ?ただ、人前で接吻するような淫らな子を近侍にしている貴方の品位を疑っているまでのことです。ふふ、震えていますね。まるで仔犬のようだ。
…じゃあ、その腕退けたらどうだ。( じー )それが出来たとしても水に顔を付けることはできるのか…?
あっけらかんな態度が気に食わない。( ずば、がぶがぶ / ← )
…いや、俺も我儘を言ってすまない。じゃあ…また。( 手を離し自本丸へと帰ろうと )
ええ、それはお気遣い感謝致します。ですが、それも私の刀達にそのことは話した上での覚悟をしております。そんなことになろうが私達はこの子を止めます。( そんな瞳でさえ怯むことなく真っ直ぐ見つめ睨み付けることは忘れずに。この男はまた自身の近侍を精神的にも追い詰めるつもりだろう。この言い草といい嘲笑うかのような瞳に耐え切れなくなった近侍は震えを抑えようと両手で身体を包み込むようにしても意味はなく震え。目前に男の手が伸びるのを瞳に捉え不安げに声を漏らしぎゅ、と目を瞑り )
――…いや、多分、出来ない…。水に顔を浸す感覚が、恐ろしい。( 渋々と腕を離し )
ッ痛い、痛い……やめてくれ、頼む…っ、( 主によるトラウマからか本気で怯えたように震え出し )
切国、またいつか…会えるか?( 寂しそうに呼び止めて )
( 審神者の関心が大事な分霊に向けられた事で彼の怯えは増し、その哀れな姿に耐え切れず半堕刀剣は彼を護ろうと反射的に凄まじい殺気を放ち、刀の柄に手を掛け今にも男を斬りかからんばかりに腰を浮かせ。獲物を捕らえるその刀の息は荒く、翡翠の瞳は獣の如くぎらついてこの刀が異常なものであることを物語っており。気付いた男は半笑いを浮かべて伸ばした手を引っ込め、審神者に顎でしゃくって彼の変貌ぶりを指し示し )…ほら見なさい、すぐに手が出る。そこまで言うのならば止めませんが、どうなっても我々は責任を負いませんので。預かるのなら此処の主にも一声掛けることですね。
ぐ…俺としたことが誤字を…。( 机に頭打ち付けた )
“ 審神者の関心が大事な分霊に向けられた ”ではなく“ 男の関心が ”と認識しておいてくれ。にゅあんすで分かると思うが…すまん。
…やはりか。( むむ )まあ…焦らず無理敷いてすることではないからな。ゆっくり慣れて行こう。( 頭ぽんぽん )さ。そろそろ上がろうか。
――!っす、すまない…!やりすぎ…国広?( ばっ、と顔を上げ様子の可笑しい相手に気付くと声を掛け )
…会えるさ。またな、国広( ふ、と小さく笑い帰って行き )
――山姥切、落ち着きなさい。…ありがとうございます。では、失礼致します。( 異常な殺気を感じた切国は怯え等忘れ隣の彼へと顔を向け刀の柄に自身の手を添え落ち着かせようと”国広、俺は大丈夫。大丈夫だから…!”と必死に声を掛けている姿に審神者も続いて声を掛け。す、とその場から立ち上がると同時にぽん、と近侍と彼の肩を置き一旦出ていくぞの合図をし軽く会釈しその場を後にしようと )
ああ。湯浴みの際にでも訓練してみる。……もう良いのか?って、おい。切国。俺も何か拾った。( 足元に違和感があり、手に取って拾ってみると其れは綺麗な形をした白い貝殻で )
――悪い。気分が優れない、から、帰っても…良いか。( 首を抑え、相手とは目を合わせようとせず俯いたまま後退り )
ああ、また。( 小さく手を振り、相手の姿が見えなくなるまで見送り。その数日後、枕を抱えて悶々 )――切国不足だ…。
( 分霊と審神者に宥められても尚、一度リミッターが外れると自分で自分を制御するのは困難で、ふー、ふーと肩で荒い息を繰り返しながら必死に殺意を押し殺し。漸く鞘を納め、彼らの後に続いて自らも立ち上がれば男を最後まで鋭く睨み付けた儘部屋を後にし。冷静な判断が出来るようにまでなると、審神者に迷惑を掛けてしまった事実に深く反省し落ち込んだ様子で )――さっきは見苦しい真似をしてすまなかった…。あの男の言う通りだ…。自分で自分が抑えられない。
トピック検索 |