ムカデ 2018-03-12 10:42:14 |
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さて、作ったはいいものの暇だねぇ(溜息)空は青い、風も強い。加えて、花粉も飛んでいると来ている(窓の外を眺め)花粉症にはキツそうな天気だ、幼子には関係なさそうだが(苦笑)さて、独り言もいいがここは別の子に譲るとしようか。余り彼女に構われていると、他の子は血気盛んだから面倒に巻き込まれそうだから、ね(微笑/踵を返し)じゃあ、また(手をヒラリ)
(曇天が広がる空模様。その下、薄暗い路地裏で一つの影が揺れる。その主は三十代半ばの男。手品師のようなふざけた真っ黒なシルクハットのおかげで目元は見えずとも、一つ確かに分かるのが口元に浮かべられた冷笑。彼は、目の前に転がる肉を讃えていた。己が主に歯向かった愚か者を、やっと危機を察知し逃げ出した馬鹿者を、愚直な若者を。その愚かさを彼は讃えていた。「いやはや、人というものはここまで愚かになれるのですねぇ。馬鹿ですねぇ、アナタ」ねっとりとこびりつくような声はもう肉となった彼の耳に届くことはなく、地面へと落ちた。足音が狭いこの場所に響き渡る。隠そうともしない隠密性に欠けた音、だが無駄が排除された音でもあった。それが誰か、彼には振り返らずとも分かる。「主、任務完了致しました」はちきれんばかりの笑みで、彼は主と言った一人の年若い女性に一礼を。そうして、その態勢のまま彼は彼女の言葉を待つ。)
何か胡散臭い物語のような口調だったな(何処からか現れ/一つ溜息、遠い目)ムカデに代わってもらいたいが、それどころじゃなさそうだ(幾つもの影に追われる赤髪の女性を見て苦笑)あぁ、見事な新月だ。あの方のような…(コホンッ)さてさて、私は鞘へと戻ろうか。また(背中が見えたかと思うと直ぐ様姿が消え)
こりゃあ、綺麗なネェチャン!俺の相手っと……おぉおぉコワイコワイ。
(世間では老後を謳歌しろと有り難いようなそうではないような言葉を囁かれる歳になり、世間に従うまま旅に出た。違うそうじゃないと慌てて引き止めに来た友人と別れ、どれぐらい経っただろうか。たまたま立ち寄った大きな街は、年若い旅人、豪快な同世代であろう商人、陽気な酒場のオバちゃん、それにとびきり綺麗なお姉さんが様々な色彩を身に纏いどんちゃん騒ぎ。年甲斐もなくまだまだ現役である己は何人か閨に誘い、面白可笑しいこの街を楽しんでいた。偶々迷い込んでしまった路地裏には、似つかわしい真白の衣を身に纏った小さな背中が目に入る。おやと違和感を抱きつつもいつもの調子で不埒な誘い文句を一つ。いいかけたところで飛んできたのは、承諾や怒号ではなく鋭い拳。若い頃の経験のおかげか、なんとか避けることは出来たが思わず体がよろけ。キッと睨みつけられるがその顔は歪むことがない美しさ。神々しいと感じ、恐怖よりもこんな美人に出会えたことの嬉しさがこみ上げる。あぁ、生きててよかったな。態とらしく恐怖の言葉を上げながらも、ニヤリと笑うその顔はさぞ彼女を刺激するのだろうか。愚直までのストレートさで、懲りずに彼女への誘い文句をまた一つ。「その衣、宿屋で汚す真似はお嫌いかい?」
ハァ、もうあの面子との鬼ごっこは勘弁したいかな(息も絶え絶え/髪クシャリ)あ、あのジジイ新人の癖に出しゃばってんねぇ、次のターゲットはアイツかな?(クスクス)あぁ、彼女からこれ置いて行くように言われてた(ふと思い出し/小さな紙切れをポケットから取り出し)えーっと、C情報。アダ名ジジイ。灰髪、金目。変態ジジイ、化物行動力。猪。酷い言われよう(ケラケラと笑い出し。一息つくと紙を置き、手を振り。)お邪魔した
(足飾りの鈴が己の動きと一拍遅れてその音を響かせる。それはとっても軽やかで自らの心情とは全く正反対。それもそうだ、黒い巫女服が赤黒く汚れ絶え間なく鋭い痛みがこの身を蝕んでいるのだから。これで晴れやかな気分なのなら、私は狂人か何かだろう。追手である妖怪の気配を感じ取る、どうやら血を追っているらしく気配を殺す意味はなかったよう。小さな舌打ちが溢れる、あぁなんでこんなヘマを踏んでしまった。まさか、討伐の依頼自体が罠だなんて。前なら確認していたのに、平和**もいいところだ。悔やんでいる暇はない、目には目を歯に歯を。腰まで伸びた髪を躊躇なく切り裂けば、呪詛を口ずさみながら舞を舞う。血が滴る、それでいい。神楽舞ならともかく、これは呪い。私を害するものに贈る贈り物。彼らに見つかる前に、完成すれば万々歳。なんて、甘い幻想は胸を貫く鉄の塊が打ち砕いた。「……は、ハハッ」乾いた笑い、それとともにこみ上げる熱い何か。だけど、一歩足りず。私の方が一枚上手だ。呪いはこの身を代償に完成したのだから)
オジサン、不在だから一足先に私から挨拶。(ぺこり)不在の理由?死にかけだからじゃないかな。(当たり前のように言い放ち)上のに関しては、絡み不要とのことだから。それだけ、あ?あー、はいはい。見てる人いないだろうけどって付け加えておく。じゃ(ヒラリと落ちた何かを気にすることなく立ち去り)(紙の内容:黒巫女。呪術に長け、妖怪を祓うまたは消滅させる役割を担う。そのため、疎まれ敵視されがち。何かを代償に呪いを作り、かけることが可能。物はなんでもいいが、人の身に近いほど力は強くなる。)
(風に弄ばれる肩口に触れる藍白の髪を指で掬う。それはすぐに風にさらわれ、手から離れる。自然とそれを目で追えば、見慣れた紅色が視界に入る。雛鳥か金魚のフンかそんな錯覚を覚えながら、ヒラリと手を振り。顔に花を咲かせる彼女に、思わず口元が緩む。いつもなら、いやあいつに会う前はこんなことなかったのに、随分と毒されたものだ。あいつの毒に侵されているのだろうか、そうでももう悪い気はしない。父のことも、争いのこともどうでもよくなる。だが、それではいけないのは知っている。二人きりになった今、いつかは決着をつけなければいけない、どちらかが死ななければならない。無情な現実は、目を背けている限り変わらない。手に握られた無骨な短剣を覚悟を決めると共に強く握りしめる。もう何も後悔はない、隠していたそれを彼女の目に晒せばそのまま
己の胸へと突き立て。)
ハァ…あの人どいつもこいつも殺したくなる癖やめてほしい(血塗れになったチャイナ服風の上着を肩にかけ/溜息)ただでさえ、あいつ涙脆いのに…って今のは聞かなかったことにしてくれ(ハッと我に帰り、恥ずかしげに)私の情報とやらは載せたくないのだが(渋々紙を置き)って、あいつ!(どこからか声が響き、慌ててそちらへ駈け出して)
C情報 ヒル 肩口まで伸びた緩やかな癖のある髪。色は藍白。瞳は透き通る青色とどことなく冷たい雰囲気を持つ。中華風の服を好み、特に気に入っていた上着は死後唯一無二の友人である×が所有する。
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