赤の女王 2018-03-10 15:26:43 |
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(アリスが来たことを知らされれば、繰り返されるだけの毎日がそれだけで顔を変える。思うように動かない身体は情けなく、情けなさを痛感するたびに気持ちまでもがふさぎ込む様になるから不思議である。そんな日常を変えたのは簡単で、しんと静まり返る空間でも気を遣うようなメイドの話でもなく、誰よりも外をよく知る人物"アリス"の登場だからで。自身の反応を窺うように指示を待つトランプ兵に”__通して頂戴”と命じ、扉が開けば姿を現すだろう少女の姿を思えば、会いに来てくれたことを喜ぶように眼を細める。そうして姿を現したアリスは見覚えが有り、その甘くやわらかな金色は心を穏やかにしてくれる。自身の目の前に椅子を用意して貰えばその場をそろりとした腕の動きで示してから「いいえ、貴方に会えることの方が嬉しいわ。__きっと、アリスに会えると分かっていたから朝から調子が良かったのね」ふふ、と口元を緩める様に柔らかな笑みを零し朗らかに微笑んで見せつつ歓迎の言葉を送り。「もうこの国での生活は慣れたかしら、__もし不便が有れば遠慮せずに何でも伝えて頂戴ね。その方がわたくしも嬉しいわ。アリスが幸せに過ごせること、それが何よりも幸せよ」何か理由が有って此処に来たのだろうか、何が理由だとしても関係ない。今は彼女の顔を見れたと言う事を喜び嬉しむように表情を明るくして)
はい、お陰様で。優しい住人の皆さまには日頃から良くしていただいております。不便なんて微塵も感じない程に。
( 彼女の言葉は読めない。お世辞や建前の様に無駄に飾るそれが無い分、本当に本心からなのか疑ってしまう。もちろん彼女の性格上、掛けられた言葉の全ては嘘偽りの無い本音なのだろうけれど、アリスが幸せなら自分も幸せ、なんて本当に真っ白な優しさだと思う。それが少しむず痒いとは私だけの秘密。目に見えて分かるほど明るくなった表情に目を細めつつ、在り来たりな返答を幾らか続けた後に " それはそうと "と本題を切り出した。「 今日は、不躾だとは承知の上で女王様に相談したいことがあり、こうして参りました。___ その、何と言ったらいいのか分かりませんが … 最近、時々ですがアリスをやめたくなるんです。 」一つに束ねた髪を撫でつけながら、合わせていた目を伏せた。切り出した話、これからする話は次期女王を求めている人たちの前で本来するものではない。しかし今言っておかないと、きっと言うのがもっと怖くなる。この数日で築きあげた決心が鈍らない内に話さなければいけないと急く気持ちが口を開き、しかし躊躇っては閉じて … そんなことを何度か繰り返しつつ、「 此の国は素敵。住民の皆さまも、本当にお優しい方ばかり。だけど、… いいえ、だからこそ、万に一だったとしても、女王様に選ばれる可能性があるのが怖い。それに、アリスだからこそ出来ないことがあって … それがとっても、苦しいの 」一つ一つ言葉を選びながら伝えていき。最後の言葉が喉から出ていくと同時にぎゅっと両手で強く胸元を押さえては、「 どうしたらいいのか、分からなくて 」そう告げ、逸らしていた視線を恐る恐る彼女に戻して。嗚呼、怒られるだろうか、嘆かれるかも知れない。幾つもの不安が頭に過るのは幼いころについた悲観癖の所為か。 )
___。ねぇ、アリス。よく聞いて、私の可愛い子。(伝えられたのは、きっと今日ここまで来るのに悩んで沢山の日を重ねた事だろう。そしてやっとの思いで伝えてくれている、その気持ちが伝わるからこそ最初はぐ、と言葉を飲み込み真摯に彼女の思いに向き合って。直ぐに笑みを取り戻せばゆるゆる、と頭を左右に揺らして「貴女は未だ自由を選べるわ、選択肢だって沢山あるのよ。赤の女王になる道も、アリスを辞めて――"リディア"としてこの国で過ごす道も、……寂しいけれど、元のクニに帰る道も。」彼女が勇気を持って伝えてくれた気持ちを無下にしてしまわないように、言葉を選びながら彼女が過ごす為の選択肢を述べると少しだけ眉尻を落とし、「私はもう元の名前を忘れてしまったけれど、私が未だアリスで"誰か"だった頃、黒兎の事を特別に想っていたの。でもね、私が選んだのは"アリス"でも"個人"でもなくて"赤の女王"の名前だったわ」アリスだからこそできないこと、と言うのが何を示しているのかは分からない。分からないが、それでも今伝えるのは女王としてではなく、アリスとしての先輩からの意見である。「私は、今こうしてこの座に存在する為に沢山の身勝手も我儘も散々通して来たわ。そして今、こうして助けを求めては沢山の子に我儘を述べているの。__だから、貴女だって我慢はしなくて良いのよ」告げる言葉に嘘偽りは無い、現実的に己と言う不甲斐ない存在のせいで数多もの人を振り回し、そして今また目の前の少女はそんな振り回しに優しくも悩み気を病んでいるのだから。根は何処までも身勝手である、という自己分析は強ち間違いではなく、事実なのだ。開き直るべく、ふふ、と笑みを落とせば瞳を細め眼を揺らせば彼女が抱え込む内の少しでも良い、軽くなりますようにと思いを込めて慈愛の満ちるそんな眼差しで顔を見つめ。)
( 朝日が窓ガラスを越えて、あちらとこちらの間に光と影を落とす。―――― 考えてはいたけれど口にはできなかった"帰る"という選択肢の肯定、アリスとして先輩である彼女の少しだけ悲しい体験。彼女の言葉はまるで薬のようだった。一つ、また一つと結び目が解かれていくに従って苦しかった胸が嘘のように軽くなっていく。声色、視線、表情。全てに見えない大きな掌、あるいは柔らかな羽のような雰囲気を纏わせる彼女は、孤児院の院長先生にどこか重なって見えた。「 …… 、分かりました、女王様。私、少し気負い過ぎていたのかも 」 ゆっくり両目を瞬かせ、一転した景色を視界に映しながら頷く。アリスの三文字はこの国に於いて合言葉であっても、私にとっては呪いでもあったのだろう。いつしか雁字搦めにされていたのだと思う。それを解いてくれた彼女に最上級の経緯を払って頭を下げては心からのお礼を。一秒、二秒、三秒の間をたっぷりとおいてから顔を上げると、女王様、もとい先輩アリスの名も知らぬ女性へ口を開き、「 あのね。リディは貴方の名前を知らないけれど、――― あなたはきっと、アリスに相応しい名前のレディだったと思うな。 」 なんて、微笑みと共に。 )
(当然のこと、そう、当然のことなのだ。唐突過ぎるこの環境を簡単に受け入れられる方が変なのだ、そんな彼女が生む不安は決して可笑しな事ではない。下げられた頭と共に伝えられたお礼の言葉は、自身に向けられるほどのことを自身は行っていないのだから。微笑みと共に伝えられた言葉に瞳を伏せてより一層と表情を和らげれば「もしも、貴方がアリスを降りたなら。その時は"リディア"としての貴方と一緒に美味しい紅茶を飲みながらお話をしましょう」約束を紡ぐように続けるのは、もしもそれが彼女との別れになってしまうとしても一度繋がれた縁なのだからと、彼女の名前を呼びつつ続け。とんとん、と扉を叩く音が聞こえれば其方に顔を向けてから「お迎えかしら、__またいつでも会いに来てね」最初は独り言のように小さく呟き、後者は確りと彼女へ顔を向けて本心の其れを送り。)
(/読みやすく素敵な文書を有難う御座います!、キリが良さそうですので迎えに上がった息子にてこのまま交流を続けさせて頂ければと思います…!誰か希望が有りましたら是非とも!)
ふふっ、ぜひ!
( 女王様直々のお誘い、断るわけもない。両手の指先を合わせ顔の前に持ってくると、ふふふと楽しみを隠せないように笑み。他の誰でもないリディアに戻ったときなのだから本当は喜んじゃいけないのたろうけれど、けれどそれは自分にとって納得のいく選択が出来たのとイコールだから。その時は、うんと美味しいお菓子を調達しよう。なんて考えていれば響いたノックの音。振り向いたと同時に迎えが来たことを女王様から知らされると、またそちらに向き直って頷き。「 Всего хорошего( ごきげんよう )、女王様。また会える日を楽しみにしてます。 」来たときと同じように片足を折ると、深々としたお辞儀と一緒に別れの言葉を口にして。踵を返し、扉の両端に佇む衛兵さんに会釈をしつつ開いた扉の向こうに一歩踏み出せば、背後で閉まる音を聞きながら深呼吸を一つした。「 んふふっ、お迎えに来てくれたのぉ?ありがと、素敵な王子様! 」そうして開いた双眸で見知った顔を捉えるや否や、いつもの調子で腕を絡ませると口元を緩めて見せ。 )
( / こちらこそ、慈愛に満ちた美しい女王様とお話できて光栄でした…!また、回収もありがとうございました!悩むところなのですが、トゥイードルディーさんが空いておりましたら、是非一緒に夏祭りに行ってみたいなと…!
そして少し話が変わるのですが、現在二人目のアリスを試作しておりまして…!!無口で不器用な男性、もしくは猫系で自由な男性を考えているのですが、良ければ設定を見た上で主様のお好みでどちらか決めていただけませんでしょうか…?? )
(何時ものように仕事を抜け出して、そろりと侵入するようにやって来たのはアリスの住まう部屋の場で。ノックを数回トントンと行っても返事が無いのはいま正に女王の元へ向かっている彼女の部屋で、返事が無いことに頭を傾けていれば気を聞かしたメイドの一人にて、"先ほど女王陛下の所へ向かっていましたよ"と教えられる。何をしに女王の元へ向かっているのだろうか、そんな疑問を持つ傍らにて引っかかったのは"そう言えば、何やら深刻そうな雰囲気でした"と付けられた情報でもしかしたら、いやまさか、と彼女が元のクニに戻ってしまうかもしれないと言う不安が脳裏をよぎり。そうなっては居ても立っても居られない、もしも彼女がこのまま戻ってしまうなんて、それが自身の我儘だとしても嫌なのだ。もしも今、このまま引き留める間も無く帰ってしまったら、そんな不安は冷静さを欠くのに十分で失礼を承知のまま女王の扉を力強く叩く。そして、扉が開いた先には見慣れた柔らかい笑みを浮かべる彼女の姿。ほ、っと安堵が落ちる。「素敵な祭りがやってるからさ、俺にエスコートさせて欲しくて。女王陛下が相手でもエスコート役は譲れないから慌てちゃった。__格好着かないね」扉の開くその瞬間、ひどく必死な顔だったことだろう。取り繕う様に口元に笑みを浮かべて軽口を添えれば「俺と一緒に花火を見に行こうよ」並んだ彼女へ確りと顔を向けて今一度誘いの言葉を送り。)
(/それでは早速ディーにてお迎えに上がらせて頂きます!是非、可愛らしいリディアちゃんとお祭りを楽しませて頂ければ…!。そして二人目のアリスさんと言う事でとても楽しみです…!、そして二人とも好みゆえにとても迷ってしまいます…!背後様の扱いやすい方が一番なのですが、無口な方のアリスさんとお話しできる機会が有れば幸いです…!勿論猫系なアリスさんも好みですので、本当に背後様のやり易い方で大丈夫です…!お会いできる日を心待ちにしてます!)
( 慌てたなんて口先三寸、かと思いきや、どうやら彼は本当に慌てて此処へ来たらしかった。息こそ切らしていないものの、ズレた帽子と崩れた髪で裏付けは十分。いつも余裕たっぷりな彼の口からそんな本心が聞けるだなんて、とひしひし優越感を抱きながら手を伸ばして帽子を直すと、「 リディがエスコートを頼むのは貴方だけだよ、ディーさん 」くすくす、堪えきれなかった優越を笑みに隠しつつ帽子から落ちた指先で赤が混じった髪を掠めていき。「 ね、それってもしかしてデートのお誘い? 」花火の二文字にも心は踊るが、彼と一緒に見る状況は微かな期待を持たせる。散々使い回したデートという単語も、相手が彼ならば心なしか特別感さえ生まれる気がして。細めた瞳で彼を見つめること少し。その口が答えを告げる前に前を向くと、「 もちろん、そーじゃなくても一緒に行くよぉ 」と彼に逃げ道を与えると共に防衛線を張り。直接答えを聞くのが怖くてそうしたことは内緒にしていてもきっとバレるだろう。だからこそ否定の言葉を聞く前に、絡ませていた腕を離して先に歩き出し。「 お祭りに行くのはどんな服でもいーの?それとも、ちゃんとしたドレスが必要? 」ころっと表情を変えて、ついでに話も変えると、後ろを振り向きながら気になったことを尋ねて。 )
( / 有難う御座います…!不思議の国での催し物に参加させていただくのは初めてですので、とっても楽しみです!娘共々、存分に楽しませていただきます…!
2人目のアリスにつきまして、まずは上げた両方の性格が主様の好みでしたことにホッとしております。個人的には扱いやすさは同じくらいかな、と思っておりますので、此処は是非無口不器用アリスを提供させていただければなと…!ただ、その他の設定が萎に当たってしまう可能性もありますので、次レスにて投下致します設定を御覧いただいた上で登録の承認をいただけますと幸いです。お手数をおかけしてしまいますが、どうぞ宜しくお願い致します…! )
指名(初回交流の拾い主)/ 性格的に合いそうな方ですと有り難いです…!
登録、無登録/ 登録
名前/ Nathan=Forsyth( ネイサン = フォーサイス )
年齢/ 26歳
性別/ 男性
性格/ 癖づいてしまった素っ気ない言い方と元来のテンションの低さにより関り辛い人間と思われてしまいがちな根っからの不器用人間。なお器用さは全て手先に集中した。感情の起伏が全く無いという訳では無く、ただ其れを表に出すのが驚くほど下手糞なだけ。表情筋の硬さも相まって気が付けばすっかり真面目或いは無愛想の評価が定着してしまった。本人曰く慣れれば変わるそうだが、表情の変化が実行されている場面を見た人は未だかつて居ない。対人会話に慣れが無い所為で己の失言に一瞬で気が付けない一方、恥ずかしい気障な台詞などもさらりと言える強みを持つ。ちなみに如何いう訳か人外とは人並の会話を嗜むことが出来るそう。人と思うように喋ることが出来ないストレスを発散しているのか、物に対しての八つ当たりが酷く、抑えきれなかった感情や暗いあれこれは其れ等にぶつけることが多い。小さい頃から身近に合った花に対しては特に顕著で、口や手で引きちぎったり食したりするのはそっとしておいて欲しい合図。
容姿/ 生来より直らない強い外ハネの癖がついたハシバミ色のミディアムロングヘア。多めの毛量と癖の為か全体的にふんわりとしており、質感も軟質寄り。解くと鎖骨付近まで伸びている其れは平素から大き目の三つ編みに編まれている。時々編目や根本付近に花が刺さっていることも … 。決して其れはお洒落ではないため揶揄われると不機嫌になるので注意が必要。濡羽色の双眸は二重の線がくっきりと付き、目を伏せると長い睫毛が少し幅の狭い涙袋に影を落とす。所謂"桃花眼"と呼ばれる瞳。整っている側に分類される顔立ちだが完全に持て余している。絶賛視力低下中に附き仕事中や読書中は眼鏡姿になることが多い。184cmの高身長に見合った体格。本人の服はモノトーンやシックの落ち着いたデザインが多いが、他人が着ているのならマリン調の爽やかなデザインも好き
備考/ 全く知らない言語でも聞くと即座に理解し、自身も喋ることが出来る「砂の耳」という特異な体質持ち。例えると同時翻訳者が脳内に搭載されている感覚に近い。人語のみならず人外の言葉も拾える万能さだが聞きたく無い事まで拾ってしまう難儀さが付きもの。生まれつきの能力だが公言はしておらず、周囲に誰も居ない状況での暇潰しなどに利用している。出生はイギリスの一般家庭。五歳の誕生日の前日に火災が発生し、両親および兄弟を失った。幸いにも引き取り手が見付かったため孤児院住まいにはならなかったが、気を遣う義家族との距離感がつかめず無口気味に。学校では無口と高身長が所以で常に一匹狼の評価が付きまとい、家庭内外共に満足なコミュニケーションが取れなかった結果このような大人に。現在は時折フラッシュバックする火事のトラウマとコミュニケーション能力を養うため精神科に通院している。自立済みで花屋さんに勤務中。常連のオネエが唯一きちんと会話が出来る相手であるため、オネエ系の人間には若干心を許しやすい。
ロルテ/
―――― 、…… 赤い。
( ここまで見事な赤をした薔薇たちを見るのは初めてだ。思わず口端から零れ落ちた感想は幾度となく使用してきた簡潔なそれだったが、生憎その一言に己の感情の全てが凝縮されてしまったようで、二の句は喉の奥に現れさえしなかった。それを嗤うかのように聞こえる笑声 ――― いや、恐らくこれは実際に嗤われている。それも明らかに莫迦にされている。どうやら眼前で咲き誇る真っ赤な花、もとい彼女たちはお喋りを好む質らしい。一瞬の静寂は紛れ込んだ己の存在がそれを一時的に止めていただけらしかった。次第に諸所から聞こえてくるあれやこれ。アリスが迷い込んだだの、今度のアリスは口が無いみたいだの、声色から察するに良い話はされていないだろう。女性のお喋りは始まると長い。一度溜息を吐きながら視線を外すと、屈みの体勢から立ち上がり辺りを見渡した。薬の副作用で記憶が飛んだり頭が可笑しくなったりしていなければ、確か己は夕暮れを見ながら花屋からの帰路を辿っていたはずだ。しかし今こうして見える空は何処までも青く、踏みしめている地面は灰色ではなく茶色。おまけに、咲き乱れる花々が彩る深紅の路の先には城が聳え立っている。いつもとは帰る道を変えたのが不味かったのか、処方された薬を昼時に飲まなかったのが悪かったのか。答えを教えてくれる人は近くに居そうにもない。居たところで聞けたかどうかはさておき、何度目かの溜息交じりに目の先を城から手元の薔薇へ戻すと 「 あれこれ喋っているところに悪いけど、此処が何処か教えてくれないか 」瑞々しい色をした花弁を軽く指の腹で摘まみながら声を掛けた。喋る薔薇は相当可笑しいが、薔薇に話しかける己も傍から見れば同等なのだろうな。 )
( / 連投失礼いたします。ロルテ中では花(人外)相手のため淡々と喋っておりますが、人型相手ですともっと寡黙で直接的な物言いになると思います。また、心身ともに男性にしては中々にクセの強い見た目をしています。お眼鏡に叶えばいいのですが、もし萎や不備など御座いましたら訂正もしくは練り直しますので、ご遠慮なくお申し付けくださいませ…! )
(帽子を直されたことで初めて乱れてしまった見た目に気づき、容姿を気遣えぬほど慌ててしまっていたと言う事実に恥ずかしさを覚え。更なる恥ずかしさを煽るのは己惚れてしまいそうになる彼女の言葉であり、ゆるりと口角を持ち上げて笑みを強めては「そう、俺とデートしてよ」首を伸ばすようにして顔を寄せれば額へ軽く口付けを行って、与えられた逃げ道なんて必要ないと肯定を。そんな返事を告げるより先に彼女が離れてしまえば足並みを揃え、隣に並んでから「ドレスは必要ないけど"浴衣"って言うのを着るのが良いんだって。__ほら、あれ、あのヒラヒラしてるやつ。アリスの浴衣は俺に選ばせて」隣に並べばこれから祭りに向かうのだろう違うアリスが纏っている浴衣をクイと顎を使い指し示し、「涙の湖が会場で、出店も沢山出てるんだって。花火を見る事も出来るし、手で持つ花火を自分でやることもできるって。楽しそうだったけど、俺はアリスと一緒に行きたかったんだ」彼女を探して行ったデートの誘いはただの誘いじゃない、彼女だから一緒に連れて行きたいと思った特別な誘いなのだと暗に隠しつつ、浴衣の貸し出しを行っている間へ彼女を連れて。そこでは掛けられるように沢山の種類の浴衣が並べられており、沢山並んでいる中から一番に目を引いたのは白地に赤紫の花がデザインされたもの、他ならないその色が彼女は自分の連れなのだと主張するようなそんな水面下の独占欲が満たされるそれを真っ先に手に取り、「これ。__これが良いな、髪飾りにこれを使って。絶対似合う、」気持ちは今すぐにも選んだ浴衣を纏う彼女を見たくて仕方が無い、逸る思いを抑え込みつつ、先ずは選んだそれが彼女の好みじゃ無いかもしれないと言う不安から反応を窺って)
(/此方こそとても楽しみにしておりましたのでリディアちゃんの巡れることが嬉しいです…!、そしてネイサンさんの確認をさせて頂きました!萎えや不備など無く、とても素敵な息子様に今から絡めるのが楽しみです…!後程登録を行わせて頂きます!)
( 額への口づけと共に発された肯定は心を浮かせるには十分すぎる程で。着るものの説明をする彼が他のアリスへ視線を逸らした数秒間だけ、そこに手を当てると微笑みを溢した。次いで追い掛けるように視線を伸ばした先に見えた服は見た事の無いもので、スレンダードレスとはまた違った形状を食い入る様に見詰め。その際、耳に入ってきた説明とおねだりには勿論の言葉を返して。聞くだけでも本当に楽しそうなお祭り。だがそんなわくわくとした気持ちに霞まないドキドキは目前の彼の言葉の所為。彼が指す " アリス " は役割なのか、個人なのか。率直には捉えきれないそれだったけれど、単純な嬉しさはどちらにしても変わらない。「 途中でお仕事だっていって抜けちゃヤだよ? 」なんて冗談を交えつつ、導きに従って歩いていけばやがて先ほど見た服が沢山並べられている部屋へと到着し。色とデティールで違いを出すドレスとは異なり、色と柄で違いを出すそれらはなんとも新鮮で目移りしてしまう。彼は一体どんなデザインを選んでくれるのか、楽しみにしていれば程無くして渡されたのは白地に赤紫の花が映えるユカタと髪飾り。思わず、" わあ " と感嘆の声を上げながら受け取っては、「 とーっても可愛い!すごい、ディーさん、リディの好み分かってくれてるっ 」と興奮隠せぬままきゃっきゃとはしゃいでしまい。にこやかに笑むメイドさんに促されて仕切りのある奥へ行くと、浮ついた気分のまま彼女たちとお喋りをしながら着替えを。―――― 結い直したポニーテールの末端を摘まみ、結び目を隠すように束を一周させると選んでもらった髪留めで固定する。すっと手を離して正面の鏡を見ると、いつもとは違った雰囲気の自分と目が合った。胸元で締められたオビの直近に大きく咲く花に視線を落とせば其処を軽く指先でなぞり、" 分かってて選んだのかなぁ " と、拾われない独り言をぽつり。鏡台の前を立ち仕切りの前に移動したはいいものの、着慣れないものを着た緊張によりあと一歩の勇気が出せずに。メイドさんに何度か後押しされた末に仕切りの向こうへ出ると、「 ど、う ?変じゃない、 ? 」そろりと視線を上げ、緊張を隠せない声色で尋ね。 )
( / ネイサンの確認ありがとうございました…!不備など無いようで安心いたしました。それでは是非登録を御願い致します…! / 蹴り可 )
(見たいと言う理由で選んだ浴衣は彼女の好みに合うだろうか、結局は自分本位だった其れを彼女が伝わる様に喜んでくれた事で安心すれば着替え室へ向かうその姿を見送って。暫しの間、時折話しかけられる声に応じつつ大人しくその場で待っていればお節介役のメイドより、折角のお祭りならディーさんも着替えなきゃ。と持ち掛けられたのを切欠に、あれよあれよと気づいた頃には深い海のような紺色をベースに白いラインが入る浴衣、腰で締める帯は自信の髪色に近い深い赤紫色で。髪型も綺麗に纏めて貰っても、矢張り簡単な男物。着替えに要する時間はさして必要では無くて。彼女が戻って来る頃には確りと待つことが出来、迎えたその姿に思わず見惚れ。時間が止る、と言えば大袈裟かもしれないがドキンと心臓が高鳴り周囲が目に入らなくなる感覚は、やぱり大袈裟では無いと思い直す。きらきらと彼女の回りだけが輝いているような、そんな感覚に思わずごくりと息をのみ「___、驚いた、」ぽろり、と落とした言葉は初めての感覚に戸惑うそれで。散々見惚れるように向けた眼差しは今度は生まれる緊張感に思わず逸らされて、隣に並んでも今度は顔を向けることが出来ず。しかしそんな青臭い緊張で誤解を生んでは大変だと「凄い似合ってる。美人過ぎて慣れないくらい、__あんまりにも可愛いから緊張しちゃって、……あーっ。ごめん、俺、いつもと違う」ドキドキと煩い心臓のせいで考えが上手くまとまらない。首の後ろをかり、と掻く刺激と痛みに落ち着きを取り戻そうとし。改めて咳払いを一つ、未だ少し照れてしまう羞恥によって顔に熱が集まるのを感じながら、片手を差し出して「行こっか、」に、とはにかむように笑みを浮かべる。普段と違い、纏められる髪の毛先が揺れるそれだけの事にだって心臓を掻き乱される気になるのだから、浮つくその感情を何とか抑え込んで)
( 驚いたとは一体どういう意図なのか。尋ねるより前に彼の服装へ目がいっては、思わずぱちぱちと瞬きを繰り返した。白を基調に赤紫が映えるこちらとは反対に、彼の服は暗い色の最中に白が眩しい構成。あれも、彼が自分で選んだものなのだろうか。真偽のほどは聞けずに、ぎこちなく心地いい静けさの中で見惚れていれば、ふと間を裂いて発された言葉は余りにも嬉しすぎるもので。その詰まり具合が何よりも本音であることを表していれば、言われ慣れた褒め言葉がやけに輝いて聞こえた。彼に可愛いと、綺麗だと云われたのは嬉しいが、この髪型では熱くなったそれらが隠せなくて少し不便だ。「 ___ 何時もと違う貴方も、とっても素敵だよ。ありがとう、褒めてもらえて嬉しい 」垂れた横髪を耳に掛け乍ら、緩んだ頬で礼を。からからといつもとは違う足音を鳴らして近付いたあと、差し出された手を取り直ぐに指を絡めてみせた。「 離れちゃ大変だもんね、? 」してやったり顔でそう言ったのは彼の照れ顔を見たいからであり、自分のペースに乗せたいからでもあり。あとは少しの気恥ずかしさを隠す為でもあり。彼の反応を伺いながらくすくす笑って足を勧めた、矢先メイドさんに呼び止められる。何かと首を傾ければ、渡されたのは大切なリングのついたネックレス。ああ、忘れちゃってたみたい。メイドさんにお礼を言ってから受け取り、彼に一言断ってから手を離すと首にチェーンを通し、いつもより風の通しの良い後ろで止めて。服の中に仕舞いこんで外から見えないことを確認すると、彼を見上げて今度はこちらから手を差し出し。半分は期待、半分は揶揄いの意を込めてみたけれど、どっちを選んでくれるのかな。なんて。 )
(心を奪うような可憐な彼女にすっかり意識を取られていたが、続けられた褒め言葉によって自分もまた普段とは違う服装だと言う事を改めて実感する。”ありがとう”とお礼の言葉を送りかけた時に、呼び戻されて離れてしまった手が少し寂しくなる。自由になってしまった手は物寂しさを訴える様にぐーぱーと数度繰り返し、戻って来た彼女が持っている物が"指輪"だと言う事に思わず口を結んでしまう。己には彼女の交友関係に口を挟む権利はない、そうは頭で理解しているのに納得がいかないのは単純な程明快な嫉妬で。大人げないとも、心が狭いとも、頭の片隅では確り理解しているが、ああ、駄目だ。堪えろ、と繰り返すストップの指示に従うことは出来ず、彼女の首に通された指輪を指先でクイと引っ張って「ねえ、これ。誰から貰ったの?」通されるリングは彼女の細い指に嵌るような大きさじゃない。それに、取り扱いが有るとすれば出店街のアクセサリーショップだろう。「アリスには似合わない」ぴん、と弾くように触れていた指先を離せば何とも餓鬼臭い嫉妬を向けて。こんな餓鬼臭い想いで八つ当たりをするべきじゃないと分かっている癖に空気を悪くしたことに対して反省の気持ちと決まりの悪さに思わず次の言葉は詰まり、先を歩くように数歩進めば「___ごめん、」と顔だけ振り向いて何とも小さくぼつりと呟く様な声量でかっと頭に血が上ってしまった情けない前述を詫びる様に続けて「アリスが男物持ってたから、ヤキモチやいた」折角楽しみにしていたお祭りなのに、彼女が素敵な浴衣を着てくれたのに、と浮かぶのは反省点ばかり。申し訳ないと浮かぶ思いのままに素直なその気持ちを告げて)
( 突然、彼を取り巻く雰囲気が変わったかと思えば取られたのは手ではなく首に掛かった指輪で。思わず瞠目してしまったのは余り意識していなかったためだろうか。問われたことに答える前に、リングに触れていた指先が素っ気なく離れていくと、あからさまな不機嫌が入り混じった声に漸く理解が追い付き。どうやら彼は嫉妬をしているらしかった。まるでお気に入りのぬいぐるみを取られた子供の様に、むくれた雰囲気を纏ってさっさと先に進もうとする彼は何と言うか、すごく新鮮。駄目だとはわかっていながらも三日月を描いてしまいそうな口元を手で覆い隠していれば、ふと呟かれた謝罪と理由に視線を揺らして。――― 全くもう、なんて可愛い人なのだろう。言葉にしきれない暖かさがじんわりと胸に広がるのを感じながら、先ずは落ちた肩の隣にそっと並んで。「 素敵な素敵な人魚さんがお手伝いのお礼にくれたんだよ。綺麗なデザインでしょー? リディの御気に入り 」 顔は前に向けたまま、リングの輪郭を優しく撫でながら言葉を紡ぐ。この指輪は女王様以外が私の名前を呼んでくれた日の大切な思い出を閉じ込めたもの。だから勿論簡単には手放せない。そう前置きした上で続けざまに口を開いては、「 でもね、ディーさん。貴方と居る時間だって、私のお気に入りだよ。何よりも大切で、大事にしたい時間なの。 」喉を抜けていく言葉は全て打算抜きの本心で。「 それでもまだヤキモチを焼くのなら、いつかもっと素敵な贈り物をリディにちょーだい? 」少しの気恥ずかしさを隠す様に冗談口調でそう告げると、彼を見上げ片目を瞑って悪戯っぽく笑んで見せ。)
(送り主が人魚だと教えられればそのキザったらしい性格を思い出し、プレゼントの品にも納得がいく。納得は行くがこの男らしくないヤキモチは、はいそうですか。と納得がいくほど簡単でもなく、無意識の内に唇を一の字に結んでしまえばつい言葉が詰まってしまう。然し、そんな嫉妬心も心の狭さも、続く彼女の言葉によって少しばかり姿を薄めると瞬きをぱちり。追い打ちを掛けるようなその言葉に救われると僅かに口元を緩ませて「__アリスには敵わないなぁ。俺の格好悪い所ばっかり見せてる、」初めて出会った時だってそうだ、格好着かない情けない姿から始まっている。と思い出しては小さく笑い飛ばし「俺、自分がこんなにちっちゃい事で嫉妬するなんて知らなかった」隣に並んだ彼女の手を今度こそ離さないよう確り繋ぎ、もう片方の手で指先を使い頬をぽり、と軽く掻く。「アリスと一緒だと色んなことに気付けるんだ」自分がこんなにも小さいと言う事にも、思っていたよりも人にやさしくなれると言う事も、良い事も悪い事も、今まで気づくことの無かった自分に気づくことが出来るのだと瞳をゆるりと細めて続け。城を抜け、森の中を進めば少しずつ賑わいが見えて来て。到着した涙の湖には多くの人が、時計を確認して花火の時間を重ねると「丁度良かった、待たないで直ぐに花火が見れるよ。__みんなが見る場所はそこのベンチなんだけど、アリスには一番いい場所を教えてあげる。」繋いだ手を引きながら少しばかり人込みを外れて、湖の淵の傍にて連れてくればそこにはシートを引き飲み物や食べ物を用意した特等席を作っていて。「今日はアリスの事をデートに誘う気だったから、一番きれいに花火が見れる場所で用意してた。フラれたら一人で此処を使うところだったんだ」"どうぞ、"と片手で示しては軽口を添える様に、決して大袈裟じゃない彼女とのデートを楽しみにしていたと言うのが分かり易い雰囲気で「先ずは乾杯しようか、アリスは何が良い?」なんて氷を溜めたトレイの中に入るドリンクを数種類向けて)
… そう?
( 緩く首を傾けてみたが、確かに格好いいと言い張れる出会い方はしていない。彼はラフな姿だったし、話した内容もロマンチックなそれとは程遠かった覚えがある。言われ見れば確かにそうかも、なんて頷いてはくすくす、細やかな笑いを溢し。確りと握られた手に意識を奪われながらも瞳は依然として彼を映していれば、思いがけない優しい表情も見落とさずに。彼のくれる言葉一つ一つに充たされていく感覚は、一体何なのだろうか。一点の陰りを落とした疑問は一応脳内に留めたものの、到着した場所の賑わいに呆気なく興味はそちらへと移り。どこを見ても楽しそうな顔ばかり。今からそこに紛れるのかと思えば楽しいような、寂しいような、と思ったことを見抜いた様に人混みを外れていく足。" 一番良い場所、 " と不思議な気持ちで復唱していれば、徐に見えた特等席にぱちぱち目を瞬いた。彼はいつから準備をしていたのか。フードからドリンクまで置かれた用意周到さに感嘆するあまり軽口には碌な反応も出来ず。一先ず手で示されるがまま足を崩して座ると、ドリンクを尋ねられた処で漸く実感が沸いて。「 んー …、これがいいなっ 」悩む素振りを見せてから手に取ったのはフルーツジュース。今日ばかりはお酒も自制して、溢さないように両手で持ったまま一口分を喉にくぐらせた。「 リディに断られたら1人で此処を使うつもりだったって言ってたけど、…… 他のアリスを誘うつもりは無かった、の? 」ふう と息を吐いてから、遅ればせながら少し、いや随分と気になったことを尋ねてみる。花火がまだ上がっていないのを良いことに、視線はジュースの水面を緩慢に揺蕩い。 )
(フルーツジュースが選ばれれば自身も同じものを選びグラスに注ぐ、彼女が一口飲んだところで「これ、さっきメリーの所で買って来たんだ。星の欠片なんだって」小瓶に詰められたサラサラとした粉状の物をグラスに一振り、途端に雲一つない日の綺麗な星空のようにきらきらと輝きを放つドリンクは今日と言う日にピッタリで。自分のグラスにも同様と振りかければ固まらないようにグラスをゆらゆらと数度回すように揺らし、其処で向けられた問い掛けには小さな疑問符を浮かべ。「此処は、アリスの為に用意したんだから他の誰かなんて連れてくる気無かったよ。ただのお茶会より素敵でしょ」彼女と約束をしていたお茶会の代わり、それは相手が彼女じゃ無ければ成り立たない。グラスを持てば彼女へ向けて「乾杯、」口角を吊り上げるお得意の笑みを浮かべ。グラスの淵に唇を添えれば一口分を喉に流し、「それに、折角のお祭りも花火もアリスが他の誰かと一緒に行くのは嫌だったから、邪魔したくなった」本音で間違いないその気持ちをゆるりと眼を細めてから伝えれば「こんな可愛い姿、皆に自慢したいけど見せたくないし。男心も複雑なんだよ」浮かべる笑みは次第ににいと強まって、「__この髪型、いつもより確り顔が見えるから凄い好き」瞳を瞑ってしまう程きゅうと表情を緩めれば戯れるように揺れる毛先を指先でつい、と一束分掬って)
( ぱらぱら、水面に巻かれた小さな星たち。この国では星まで売っているのかと物珍し気に眺めてから、「 願いを込めて飲んだら叶ったりしないかなぁ? 」 からりと軽く笑いながらちょっとした冗談を口ずさみ。メリーさんは見たことがないけれど、これだけのためにお店に行ってみたい気がおきるのは自分が単純なのか、品物が素敵過ぎるだけか。シャンパンだったら正しく此の湖のようだったが、生憎フルーツジュースでは冬の夕暮れどきが良いところで。" 連れて来る気はなかった " ただのそれだけで安堵した気持ちが何なのか、それは聞かなくても分かった。ゆるりと持ち上がった頬に今日は笑いっぱなしだと思いつつ、ようやく彼を視界に戻す。同じような笑みを浮かべた表情の彼はすっかり吹っ切れたのか、恥ずかしがる素振りもなく本心を口にしている。口調こそいつもの軽さを装っているけれど、繰り出される言葉は何もかもが熱情を思わせるそれで。狡い、本当に狡い。「 男心かぁ …… 男の人の気持ちは全部、ぜーんぶ知ってたつもりだったけど、そんなに複雑だったなんて吃驚 」 冷たい風が頬を撫でていくのが何時もに増して心地いい。平常心を保つためにそんなことを態と考え乍ら返事をしても、彼の一言は呆気なく乱していく。髪型のことだとは分かってるのに、どうしてこんなにも反応してしまうのか。失くした声を探す間を取り繕うように髪を掬う手先を一瞥しては、そっと自身の手を上から覆わせ。ぎこちなく滑らせた視線が彼に行きつくと外すことは出来ずに、シートに片手を付くともどかしい間を埋めて ―――― 掠める程度に、頬へ一つ。「 さっき、貴方の嫉妬心を揶揄ったばかりなのに。、 私、揶揄える立場じゃ無かったみたい 」 考えるだけで胸が苦しくなる仮定は口にせず、ただ彼と同じ感情を持ったことをひっそりと囁けば、名残惜しさを押し込めて静かに距離を開け。 " 他の人を誘わないで呉れてよかった " 、そう言葉を付け足す前に大きな音が静寂を切り裂くと、柔く微笑んでから空に咲く花へ顔を向けようと。 )
叶えたい願いが有るの?、__なら星に頼むより俺に頼んだ方が効果的だと思うな。アリスの願いなら俺が何とかするよ(冗談として綴られたその言葉には胸を張り"任せて"とウインクを行って。きっと、確実に、自分は彼女の事を特別視している。それを認めてしまえば後戻りする事が出来なくなると言う事も理解しているし、何よりも認める為の勇気が足りない。その癖で嫉妬する事だけは一人前だと言うのだから自分でも身勝手だと自覚が有る。__頬に受けた刺激よりも、何よりも心を動かしたのは囁かれたその言葉。己惚れるな、と言う方が酷だろう。酒を呑んだときの様にかっと顔に熱が集まり、茹だる様に考えが纏まらなくなると心拍数は早くなり如何して自分が人魚の指輪に嫉妬をしたのか、逆を考える様に何故相手が見もしない他のアリスに嫉妬をしたのか、もしもこれがイコールならば?。夜空に広がる花火はもう蚊帳の外、花火なんて一切意識から外れてしまった。「__アリスが俺を好きになりますように、」ぽつり、花火の音に掻き消されてしまいそうな程小さな声色で呟けば星の煌くドリンクを喉に勢いよく流し込み、すべてを飲み切り。"願いを込めて飲んだら叶う"なんていうのは今彼女が作り上げたもしもの冗句、年甲斐もなくそんな夢幻に縋ってしまう程焦がれている想いは姿を強め、こほん。と小さく咳払い。隣に並ぶように目線を揃えれば「綺麗だね」ぱちぱち、と夜空を彩る鮮やかなそれに感動するように、と言うよりは伝えきる勇気が無い自身の情けなさに小さく息を付いて)
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