匿名さん 2018-03-09 02:12:00 |
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はい、畏まりました…!此方こそ宜しくお願い致します。
性別は一応どちらも扱えるのですが、男性キャラを扱った経験の方が少なく不慣れです故、僭越ながら宜しければ女性をやらせて頂けたらと…!
若し上記以外にも気になる点や確認すべき点、希望や要望等御座いましたらなんなりと仰って下さいませ!
分かりました!それでは男性でやらせて頂きますね!早速作成を手掛けている途中ですが質問しても良いでしょうか?年齢はどのぐらいに致しましょう?何か希望は御座いますか?
実年齢は数百年単位ですが、人間時の姿も考えておりまして互いに16程の少年少女にするか20以降の男性にするか悩んでおりまして名無しさん様のご希望はありますか?
当方としましては、互いに16程の少年少女という案の方が良いかなと!同じ様な年齢である方が物語上接し易そうだと思いまして…。
一つ聞き忘れてしまったのですが、現代人の少女に対して何か萌萎が有りましたらお聞きしても宜しいでしょうか…!
確かにその通りですね、それでは16程度の少年少女にしましょうか!ご返答有難う御座います!
萎は泣き虫さんや極度の怖がりさんです、萌は好奇心旺盛であれば他は何でも構いません!此方には何か要望や萌萎はありますか?
萌萎把握致しました。ご解答有難う御座います!
そうですね…基本的にはどのような子でも大丈夫ですが、強いて言うなら過度な女々しさやツンデレ等は苦手です。それ以外は大概萌えに入りますので自由に制作して頂ければと思います…!
「ほら、_____…あれはカシオペア座、あれはアンドロメダ座、その隣は…無名の星さ。そうだ君の名を付けよう、そうしたらいつでも君を思い出せる。」
「何か言いたげな顔だね。でも真実を知ったら君はきっと泣いてしまうから、今は君を待つ世界の事だけを考えよう。」
名前/ミルティアディス( Miltiadis )
性別/男、雄
容姿/姿はこの世の生物とはかけ離れたもの。唯一近しい姿を例えるならばジャッカルに近しい。しかし全体を見れば他にも様々な動物の一部が混ざり合っているようで鷹やオオカモシカなど存在を思わせる容姿。具体的には顔や胴体はジャッカルだが手足は鷹のもので鋭い爪を持ち背には片方折れた大きな翼を持つ。オオカモシカの長く欠けたツノを持ち、毛並みの色は薄汚れてはいるが雪の様に白く足首から爪先にかけては徐々に黒くなっている。胸元には解読不明の紋章が刻まれており、所々毛並みには血痕があり茶色く変色している。瞳は赤く猫のように縦長の瞳孔、光の角度によって七色に輝く。大きさは羽を伸ばせば3mはあり、胴体だけでは2m程。頑丈で大きな錆びの付いた鎖は複雑に翼に絡まり最早除去は不可能、首にまで巻かれ封印の為の南京錠には大量の札が貼り付けられている。
人間に近しい姿になる事が可能。16歳程の青年の姿。髪は毛並みと同じ白色に焼けた小麦色の肌、長さは普通で左側の髪は編み込まれ二、三本細い束が出来ている。瞳の色も変わらず目鼻立ちははっきりとしている。胸元には例の紋章が刻まれ、首元が緩い薄い布の服を着用。頬には古傷が目元から顎下まで。170cmとまだ幼さの残る顔立ちだが実年齢は数百年も数千年も経過している。身体付きは16歳の男子のもののまま。元の姿で翼に絡みついた封印の鎖は人間時では首元に巻き付いており、片足首に繋がっている。服は変化時も不思議と破れる事は無い。
性格/穏やかで温厚だが感情の起伏も乏しく、怒りや恐怖の感情は特に浅い。時には冷徹な行為や言葉も厭わず人間らしさが欠けている部分がある。物は物、動物は生き物、という概念が無く全てのものに命が宿っていると考えているので無駄な破壊や暴力は好まない。というよりも必要性を感じれない。故に猛獣であっても必要最低限の抵抗しかせず逃がしてやる事もあるが貴Cが助けを必要とすれば命を奪う事は何ら容易い。この秘境の地について動物や昆虫の事から文明の始まりから終わりまで全てを知り尽くしており、求められれば答えるが自ら解説する事は無い。また自ら追求する事も無い。木々や動物と会話とまではいかないが意思疎通をする事が可能、数千年も一人であったが最早それが孤独だった事も忘れてしまっている。貴Cの事はその見た目から口に発話せられる言葉や情報まで物珍しく、教えようとしてくれるのであれば素直に受け入れる事も。人の姿になってもやはり獣でもあり、止む終えず血の気の多い争い事には本能的に牙を剥く事もあるが平和な地である限り滅多に無い。
備考/数千年前に誕生した超古代都市『シネスティア』は不思議な力を持って生まれる貴重な人々を世界から隔離した地で繁栄。その場所は、現在青く非常に美しい海に囲まれた孤島の遥か数千メートルある海の下。その孤島は「死の島」と呼ばれ青く美しい海水は島の火山から吹き出た有毒の硫化水素によって汚染され近付く者は死に至るため漁師でも寄る事の無い危険な場所。『シネスティア』に行くには海を渡り、猛毒な牙を持つ蛇の島の中心まで行かなくてはならないが嵐や巨大な竜巻などの自然災害で時折人を飲み込み招き入れる事がある。その多くは道中に死を迎えるが奇跡的に生き延びる事が出来た者もいる。
『シネスティア』は海の下、正確には何層もの地層を抜けたその先に存在する。地球の中心に近いと言うのにその地は涼しく頭上には満点の星空が広がり、日中には外の世界となんら変わらぬ眩しい太陽が姿を現わす。太古の巨大な植物が幾つも光に向かって伸びている。かつては美しい神殿と都市が存在したが今は崩れて植物が多い茂っている。
その地で生まれる人々は唄によって文明を発展させる力を持ち、ある者は唄で治癒をある者は建築などに携わり海の下に巨大な都市を築く事となる。ミルティアディスは”守り神”として当時祀られていた人にも動物にも属さない生物。唯一都市を滅ぼす為の唄を知る者であり文明が滅んだのも意図的なもの。外の世界に焦がれる者とこの地に拘る者の争いの故に滅びに向かったがその真相は定かでは無い。現在この地に存在するはミルティアディスと昆虫と鳥類、滅多に姿を表さないが猛獣が森林に生息している。人間も同族も居なくなった今でも尚、『シネスティア』を守り続けている。
(/出来上がりましたので載せておきます!ツンデレや女々しさを皆無にした生物になりましたが如何でしょうか?他に何か付け足しや訂正があればご指摘の方お願い致します!)
「 立派な翼に鋭い爪や角、雪みたいな毛並み、全部私にはないもの…!微塵も恐ろしいだなんて思わないわ。貴方は力強くて、綺麗で、美しくて…とても言葉には表せないほど素敵な生き物なの。 」
「 民の命が無残に消えていく戦争もなくて、壮大な自然と長閑な地が広がっている。…此処で貴方と生きていくのも、楽しいかもしれない。──なんて、冗談よ。 」
名前 /Thea・Lupino・Rowlands( ティア・ルピノ・ローランズ)
性別 /♀
年齢 /16y
容姿 /今は亡き両親譲りのイエローブロンドは柔らかな太陽光を連想させ、綿密な手入れが施されているのか美しい直毛を保つ。お嬢様結びとも形容される所謂ハーフアップに髪を結い上げ、飾りとして一つ大きな青のリボンを中央に。前髪に確かな分け目は見られないが、常に少しばかり中央で左右に分かれている。穏やかな線を象りながらも同時に利発そうな雰囲気も放つ、年相応に大きい二重瞼の双眸は眼窩に翠玉を嵌め込んだかのような色彩を湛え、それをひた隠すように長い睫毛が覆い被さる。白人らしく滑らかな白皙、頬と唇は淡く桃色に染まり年相応の顔立ち。身長は158cmで体重発育共に平均的なものではあるが、同年代の女性と比べると若干細身で華奢。如何にも上質そうな白いブラウスとクロスリボンタイ、ハイウエストの青いフレアスカートとクラシカルロリィタを彷彿とさせる衣服を身に纏う。自身の見目に頓着はしない為衣服が汚れる事は厭わない。
性格 /淑やかや嫋やかという言葉が似合う佇まいや振る舞いでありながら、相反して非常に好奇心旺盛な一面を持つ少女。本能で行動を起こす事はなく、逐一先の物事を視野に入れた行動をする理性的な人物ではあるが、如何足掻いても好奇心と知識欲には勝てない様子。秀でて賢く、何処か達観した物の見方をしたりと理知に富んだ聡明な娘として周囲には認知されているものの、時には思い切り感情を爆発させたい時も有る等と年相応な側面が窺える。子供らしさと大人びた二つの性質が同居する精神的に不安定な時期故の危うさが有るにしろ基本的には強かで凛々しい芯のある性格の持ち主。幼少より一切物怖じせず、一縷でも可能性や希望が見えたなら挑戦を繰り返して来た為に根性と果敢さは充分なくらい備わっている故に恐れという言葉とは無縁の存在。人一倍心根は優しいが、他者に頼らず一人で全て背負い込む悪い癖があり、人知れず涙を流す事も少なくはない。古代都市で出会った太古の生物(貴C)に様々な事を教えたり、又は教えられたりと交流を続ける内に本当に元居た場所に戻るべきか否か悩んでいる節がある。
備考 /時代は激動の第一次世界大戦が終結し、一時の平和と安寧が齎された英国の地。比較的富裕層で且つ都市部近郊の地に住居を構えていたが、戦争のよる被害でその地を離れ都市部より離れた地に移動した。当時は11歳、戦死者を多く出した戦争であったものの、軽い傷を負っただけで済み富裕層であった為飢餓により死に至るという事もなかった。然し代償として両親を失い、今現在は養親に養ってもらっている。この事から戦争を酷く憎み、争いごとも嫌う。両親を失い悲嘆に暮れていた彼女を気遣い養親に連れられ船に乗り、他国へと赴こうとした矢先、蛇の島近海を通ったところ自然災害に見舞われ、海に飲み込まれそこから意識が途絶えた。次に目を覚ますと見た事もない植物や生物が存在する古代都市だった…というのがシネスティアに来た経緯。最初こそ文明の違いや異種族との初めての面会に驚きを覚えたものの、繁栄した痕跡の見られる物珍しい建造物や美しい地に感銘を受けこの古代都市を心地好い場所だと思う様になる。貴Cに対しても例外じゃなく、積極的に話しかける等少しでも心を通わせようと努力をしている。因みにシネスティアに来るまでシネスティアの存在は全く知らなかった。
( /緻密に練られた設定に目を奪われ、とても興奮しております…!太古の生物と言うに相応しい正に理想通りの息子様で感激です。不備も付け足しもありません…!同時に、此方も少女が出来上がりましたので提出させて頂きます。時代背景は日本で言う大正辺りで西欧人にさせて頂きました。不備等ありましたらお申し付け下さい! )
( /名無しさん様のお眼鏡に適い大変光栄です!上品ながら好奇心旺盛の美しい娘様で不備等御座いません、是非このままの娘様でお願い致します!
早速始めていきたいと思いますが何か聞いておきたい事はありますか?ちなみにどの場面から始めますか?出会ってすぐの頃か、お互い慣れ始めて共に過ごす事が多くなった頃等何か希望がありましたら教えて下さいませ!)
( /お褒めの言葉光栄な限りです、有難う御座います!今の時点で聞いておきたい事はありませんが、何か疑問等が生まれましたら質問させて頂きます…!
始める場面は宜しければ出会って直ぐ、初対面の場面からにして頂けますと嬉しいです…! )
(毛並みを逆だてる涼しい風は仄かに甘い香りを乗せて鼻腔を擽り、暖かい日が差し込む木陰で居眠りをしていた生物は瞳を薄っすらと開いて丸まった身体から重々しく首を起こし森林の深部へと視線を向け。上空には漆黒の鳥達が慌ただしく飛び立ち円を書くようにぐるりぐるりと飛び回り、虫達は羽音をより一層奏でて風を起こし普段とは違う”何か”に恐れ慄いていて。何か良からぬ予兆が寝起きの脳裏にちらつけば不意に寄り掛かっていた岩に爪を引っ掛け2m以上ある巨大な身体をゆっくりと起こし鷹の前足でその身を支え。同時に森林の方から甲高い悲鳴が響き己の鼓膜を震わせれば脳裏にちらついていた違和感は明確なものへと変わりこれまで抱く事が無かった警戒心というものが久しく訪れ、地響きのような低い唸り声を上げ。弾けるように四本足で森林に向かい次第に濃く鼻腔を刺激する匂いを辿って深部へ、鬱蒼と生い茂る木々の隙間から姿を見せたのは悲鳴を上げる小さな生き物とそれに襲いかかる2,3mは軽くある猛獣の姿で。速度は変えずに猛獣の首元に喰らい付く勢いで小さな生き物の頭上を越えて飛び掛かれば鈍い音を立て猛獣は地面へと倒れ込み子犬のような声を上げて。咥えた口元から漏れる息を吐き出しながら動かなくなった猛獣を見つめればやがて口を離し血液が付着した唇を舐めてゆっくりと小さな生き物へと振り返りながら瞳孔を縦に細めて)_____……。
(/誠に勝手ながらシネスティアに到着したばかりの娘様が猛獣に襲われる所に現れる場面にしてしまいました…!やりずらかったら申し訳ないです…!質問は無いようなので問題がありましたらまた声を掛けて下さい、改めまして宜しくお願い致します!)
( 明確な数値は定かではないが、此の異郷の地で目を覚ましてから三十分が経過しようとしていた。記憶が少しばかり混濁しているものの、つい数刻前迄美しい大海原を渡り、然し不幸にも嵐に見舞われたのは記憶に新しい。意識が途切れる寸前に見た光景は深く青い海底だった筈なのに、今自身の双眸が映すのは一度も目視した事がない植物や建物達。澄み切った蒼穹には夥しい量の奇怪な鳥がけたたましく鳴き声を響かせ、心做しか此方に向けて発声している様にも思える。全く濡れていない衣服に髪、加えて自身を囲う森林と思しき場所、全てが奇妙さを構成している。視覚情報が些か少なく、この場を打開するには散策する必要があるだろうと逸る心臓に言い聞かせ、僅かな不安を抱きながらも裸足で地を踏みしめ。──其処でふと異様な気配を背後に感じる。咄嗟に後方へ振り向くと矢張り図鑑には載っていないであろう新種の猛獣が今にも襲いかろうとばかりに跳躍し、防衛本能の表れか無意識的に甲高い悲鳴を辺り一体に谺させ。死を覚悟した刹那、襲って来る筈の痛みや衝撃は何時まで経ってもやって来ず、恐る恐る瞳を開けると眼前には先程までいなかった一体の別の猛獣が徐に此方を振り返り。九死に一生を得て呆然としている上、様々な動物の肢体や要素を備えたまるで伝説上の生物の如き相手の見目に驚きを隠し切れず、言葉は通じないと理解していながら反射的に単純過ぎる問いを投げ掛け。 )
───…貴方は、なに…?
( /いえ、全然構いません…!寧ろ誘導して下さってとてもやり易かったです、有難う御座います!此方も何か絡み辛い、やり辛い等ありましたら遠慮せず仰って下さい。はい、此方こそ宜しくお願い致します…! )
( 甘ったるい匂いの持ち主は黄金色の蜂蜜に浸した様な艶やかな髪色と硝子玉を連想させる瞳、触れるには惜しい程にきめ細やかな白い肌の小さな訪問者から。通常の何十倍もある嗅覚を研ぎ澄ませつつ驚愕している様子を細まった瞳孔を通してじっくりと眺め。先程まで殺気立った空気は何処へ消え去ったのか、頭上からは衝撃で散った葉が数枚舞い降りて今や酷く静まり返った樹木の間で互いの呼吸音と何処からか聞こえる川のせせらぎが支配している。彼女が此方に釘付けになるのと同様に物珍しい訪問者に興味が向かない筈も無く、何処か懐かしい姿形に数千年の歳月によって錆び付いた記憶がほんの一部だけ蘇り。“人間”と言っただろうか、己が知る“人間”より衣服も雰囲気も異なるが走るには細過ぎる足と握り潰してしまいそうな小さな手と表情豊かな顔付きは紛れも無くかつてこの他にも存在した者と同等のもので。____最初に静寂を切り裂いたのは訪問者によるもの、猛獣の急所を仕留めた事により少しばかり荒ぶった感情が薄れていた警戒心を再び強くさせ咽頭から小さな唸り声を上げ鋭い牙が覗き訝しげに首を傾けて更に鼻先を近付けコツンと小さな鼻先に当てがい。余りに単純過ぎる質問は基礎に返るような気分にさせられ寧ろ難題となる。構造上人の言葉を発する事が出来ない故に口元は開きはせずに咽頭の辺りから深く響くような声で一言。「……ミルティアディス。 」暫くして反応を待つように首を起こせば腰を下ろしてゆったりと尾を揺らしながら見下ろし )
( 聳え立つ深緑の樹木は息を潜め、まるで木の葉の擦れる音さえ己の耳朶には響かない。内緒話をする幼子の囁き声の如く、遠方の遥か彼方の微かな流水の音しか聴こえぬ森林の中央、圧倒的な静寂の支配する場に異様な生物と人間の少女が対峙する奇妙な空間が成り立っており。狼狽からか真面に焦点の合わぬ視界は朧気な輪郭を映し出しているものの、対峙する相手の姿形のみ濃く確りとした輪郭を象り。ジャッカルの様な屈強な体躯と精悍な顔を持ち、鷹の様な鋭利な爪。鷹揚な片翼に欠けた角、真白な毛色と眼前の生物を構成する全てが美しく、又酷く不気味であった。眼窩から溢れんばかりに碧を瞠目させ、微動だにせず屹立する傍ら、ぼんやりと脳裏を過るのは昔日の悲惨な光景。天空には鳥に代わり航空機が縦横無尽に飛び回り、猛獣に代わり戦車が襲い掛かる。対照的な二つの光景が点滅する様に交互に現れては彼女の脳内を侵食していき。──不意に思考の海から彼女を呼び戻したのは相手の地響きの如き唸り声、兵器の扱いは心得ているが動物に関してはからっきしである。怒っているのだろうか、と訝しんだその時、近付いた鼻先に驚愕を覚え。続いて小さく鼓膜を震わせた低い声音に驚愕は蓄積するばかりであったが、次には既に柔らかな微笑を口元に湛え乍「そう…、ミルティアディス。ミルティアディスっていうのね。」幾度もその名を反芻させる様に呟き、極力相手を安心させようと一歩近付くとそうっと毛並みを撫ぜて。軈て周囲に目を配ると、凛とした声音に一抹の懇願の色を含ませ目上の相手を一瞥し。 )
──ねえ、ミルティアディス。この森から抜ける事は出来るのかしら?どうやら私、迷ってしまったみたいなの。
(最後に名を他者から呼ばれたのは何時だったろうか、数千の時を遡るには余りにも永く声色さえ思い出すには不可能に近い。最早耳にする事は永遠に無いとさえ断定もしていた。然し乍ら訪問者は柔らかな笑みで真っ直ぐ此方に向き何度も何度も己の存在を形付ける様に呼ぶのだから不思議なもので、まるで曇天に一寸の光が射したかのような錯覚に。此れに腹を立てる奴は癇癖野郎か大間抜けのどちらかであろう、摂理を乱す為に訪れたのでは無いと理解すれば胸元の毛並みが揺れる程の荒い呼吸は徐々に落ち着きを取り戻し細まった瞳孔も弛緩し。触れた小さな温もりには気が付くのに時間が掛かかってしまった。何しろ率先して触れてきた者は後にも先にも見知らぬ訪問者が初であり吃驚仰天の鳴き声を一つ零して。次いで懇願混じりに紡がれる言葉を耳にすると改めて訪問者を猜疑の瞳で見遣るがどうも純粋な懇願にしか聞こえずこれ以上の事はせずに下ろしていた腰を持ち上げて。森林を抜けるには己の足で数分程度、小さな人間の足では踵を擦り減らす程の距離であるとも分からずに身を翻してついて来いと言わんばかりに一瞥すれば元来た道を引き返し。____時折彼女の速度に合わせつつ先陣を切って歩き森林を抜けたその先から見えてきたのは臙脂色を織り交ぜたような夕方の太陽に照らされた秘境、崩れた神殿と太古の文明の数々であり、涼しい風が出迎えるように通り過ぎて森林へと消えていき、ふと彼女の方へ視線を向けて)
( 問を投げ掛けてからはた、と疑問点に気付く。意思疎通が可能な事を前提とした行動に出てしまったが、果たして本当に人間の言語を理解しているのだろうか。一抹の不安が胸中を掠めたのも束の間、生物に目を遣ると粗暴な光を放っていた双眸には落ち着きの色が垣間見え、威嚇するかの様に上下していた胸元は今や緩りと穏やかな呼吸を取り戻している。その上低い唸り声しか洩らさぬ口元からは人間でいう吃驚を表した様な素頓狂な鳴き声が漏れる。如何やら対峙する生物から攻撃を受ける事は万一にも無さそうだ、と脳の片隅で早々に結論を出すと次の反応を待ち。軈て胡乱気な視線はちり、と感じたものの案内役は務めてくれるらしい相手が軽やかな足取りで深緑の木々の谷間を抜けていくと、縋る様に必死に背中を追い。大分道程は険しく、足裏の皮膚が擦り切れていく鋭い痛みと激しい疲弊感にその身を焦がし乍、己の様子を伺う相手の優しさを糧に細い脚を懸命に動かす事、幾許か。森林内の自然的な美麗さと雰囲気とは一転、眼前に広がる空間は十六年間生を謳歌してきた中でも一度たりとも経験した事のないものであり。金色と真紅が複雑に混じり合い、混濁したかの如き夕陽の色彩が限りなく空を覆い尽くし、まるでその色をした幕が降りているかの様だった。所々には未知の神殿跡や文明の起こりを想起させる物が点在し、微風に髪と衣服を乱される事さえ厭わず一目散に相手の傍らまで駆け寄ると、さながら玩具を貰った幼子に似た純粋な輝きを双眸に宿し興奮気味に連々と言葉を紡ぎ。 )
──わあ、とっても綺麗…!海の底に沈んでいったかと思ったら、無人の島に漂着して、その島には美しい遺跡が沢山あっただなんて…!私ったら、きっと夢を見ているのね。…ねえ、そうよね、ミルティアディス。
(振り返り様に視界に飛び込んできたのは幼子のように穢れを知らぬ純粋無垢な笑みを、燦然と輝く太陽の如く陽気に湛えながら此方に駆け寄る彼女の姿。元より輝かしい髪が橙黄色の光に照らされる様はまるで黄金の透き通った溟海に潜む自由な畝りを連想させられ、更に細長く煌びやかな睫毛の下から興奮によって光沢を増した翠玉の二つの瞳に真っ直ぐ見つめられれば長らく氷結した心に温かな絵の具で色付けられる気分になり。風光明媚な土地から吹きゆく風や揺れる草木の音色、昆虫や動物達の惑いの感情、空の海でさえどういうわけか新鮮味があり、まるで希覯の訪問者を歓迎しているかのようで薄らいで行く警戒心と彼女への興味が胸の内から湧き出すのを感じ。側による様子を一瞥し意気揚々と紡がれる言葉の一つの”海の底に沈んだ”に反応して片耳を向け、城壁とも言える有毒の硫化水素の海と猛毒を持つ蛇蝎の島を思い浮かべれば改めて外の世界からの訪問者であるという事を認識し。物欲に駆られた盗賊や開拓者にしては無雑であり華奢で端麗な娘一人が企みを持って訪れたようには到底思えず、自ずと声帯を震わし「___“シネスティア”、唄によって築かれ唄によって滅んだ秘境の地。死の海は城壁に過ぎない、…君も見たはず。此処は紛れも無い現実世界のものさ。」左右も分からず嘸かし恐ろしい思いをしてきただろうと思考を巡らせるが彼女の双眸に微塵も恐怖が浮かんだ事は無く、強いのか隠蔽上手かどちらにせよ実に風変わりな訪問者であると感心し。背後が未だ森林であり、猛獣どもが珍しい匂いに釣られて蠢く様子を感じ取ると徐に一歩前進するが彼女の細長い四肢を思い出すと漸く小さな身体では限界がある事を思い出し。見遣れば矢張り擦り傷だらけの下肢に窶れた顔色が伺え、申し訳無く身を屈めれば折れた翼の目立つ背を差し出し)もって三日の命。此処に居ればやがて裂かれて喰われ二度と元の世界に帰る事は出来ない。尽きたくなければ共においで、_______…名は?
( /申し訳ありません、本当なら今すぐにでも返信したいのですが、少々背後が忙しない状態でして…!未だ幾日かお待たせしまう事になりそうなので、こうしてご一報させて頂きました。誠に申し訳ないです…。 )
(/かしこまりました、ご丁寧に有難う御座います!何せ体調の崩しやすい季節ですのでどうぞお身体にはお気を付けて下さいませ…!気長にお待ちしておりますのでお手隙の際でもまたお相手願えたらと思います、それでは今暫く待機しておりますね!)
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