東郷美森 2018-03-05 10:00:06 |
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ふふ
ユーナちゃんったら、お行儀悪いよ?
(彼女がベッドにダイブするのを微笑ましく、少しの羨ましさを感じながら見守っていて)
どう、気持ちいい?
う、うんっ
(ユーナちゃんに誘われると体がうずうずして、いても立ってもいられなくなり
車イスをベッドに寄せると、んしょっと懸命に移動しようとして)
えい!えへへーーねえ、東郷さん、布団が気持ちが良いでしょう。
(ベッドに近づいた東郷さんの手をひいて東郷さんと一緒にベッドに倒れこむ様な感じになり
ちょ…ゆ、ユーナちゃん?!
きゃっ
(ベッドに乗り移ろうとしているところを手を引かれるとバランスを崩して、ユーナちゃんと抱きあうような格好であお向けにベッドに転がってしまい
間近で彼女の息づかいを聞き、心臓の鼓動を感じながら見つめあうと、かぁっと顔が紅くなって胸が爆発しそうなくらいドキドキして)
…友奈、ちゃん
(彼女の言葉にハッと我に返って)
な、なんでもないよ!
ほ、ホントだ
すごくふわふわだね、このベッド!
(あははー、とごまかそうとするけれど紅い顔のままで動揺は隠せずにいて)
東郷さんがなんでもないのならば良かった……
うん、このベッドふわふわしていて気持ちが良いよね!
(東郷さんの横でベッドの上にのったままポンポンってジャンプをして
気持ちよすぎて…
なんだか眠くなっちゃうよ
(隣ではしゃいでいるユーナちゃんを微笑ましく眺めながら、小さなあくびをするとウトウトしてきて)
うーん
まだ探検は半分しか済んでないから…
少しだけ、ね?
(隣のユーナちゃんと顔を見合わせて
しかたなさそうに笑うと彼女と手をつないで目を閉じて)
(──……ここは?
気がつくと周囲は木々や様々な植物で覆われ、空は極彩色に染まっている不思議な空間に立っていて
…立って?
足元を見ると自分の足で立っているのではなく不思議な服から伸びるリボンがまるで足のように自分の体を支えていて
…ユーナちゃん?
さっきまで隣で寝ていたはずのユーナちゃんの姿はどこにも見えず
彼女を呼ぶ自分の声さえあやふやで
不安と寂しさと寒さに耐えきれず自分の身を強く抱きしめて
それでも心細い気持ちは消えるどころかますます強さを増していき
そのとき、足元の木の根が不気味に蠢き、なにかを形作るように隆起して
恐怖のあまり逃げ出すことも声を発することもできず
やがてそれは人の顔のようなモノになり目の部分が開くとニヤリとこちらに笑いかけるように目が合って、おぞましい感覚が体中を駆けめぐり──)
きゃあぁーーーーーっ!!
いやぁーーーーーっ!!
(ベッドの上で体がびくんっと跳ねると精神はまだ覚醒しておらず、身体をよじるように左右に転げ回り恐怖の悲鳴をあげて)
……ゆ、ユーナちゃん
……っ!
(二度、三度と体を揺すられるとようやく目を開いて
恐怖に染まった怯える目でようやく相手を認識すると必死の勢いで彼女の首に両手を回すようにしがみつき、ガタガタと身を震わせて)
……すごく……すごく怖い夢を見て
…温かいよ、ユーナちゃん
(伝わってくる彼女の心音を聞いていると、早鐘のようにドキドキしていた自分の心臓の鼓動も少し落ち着いてきて
その心地よさにずっとこうしていたいと思って)
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