女装男子 2018-02-19 23:38:31 |
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えええ〜っ、本当に変な顔なんだって〜!
(相手に向き直されれば、恥ずかしそうに喚くも愛花の手に逆らうことはせず、その耳まで真っ赤で熱を持った顔のまま困ったように眉を下げ大きな愛花の目を見て。相手の約束の様な言葉と唇にのせられる細い指に、うん、と従順に小さく返事をすると、魔が差したように目の前にある並の女子よりよっぽど柔らかそうな唇に自分の少しカサつく唇を落とし。)
──ん、
(ちゅ、と唇に落ちてきた柔らかい感触に思わず目を硬く瞑ればそれを受け入れるようにそっと彼の頬を撫でて。幸せだなぁ、のなんて頭の片隅でぼんやりと考えれば胸のそこからふつふつと湧き上がってくる幸福感に身を委ね。ゆっくりと手を彼の頬から服に移動させてはぎゅ、とそのまま彼のコートを握って。)
愛花ちゃん大好き!
(頬を撫でられて同じように幸福感に浸っていたが、愛花の手が自分のコートを掴む感覚にキュンとして、そっと柔らかい唇から顔を離すとすぐに、腕を相手に回し力いっぱいギューッと力加減が下手なハグをし。その時に囁く愛の言葉にしては、色気も雰囲気もない上記の言葉を子供のように相手にぶつけ。)
!……ふは、俺も大好き。
(彼らしい真っ直ぐな言葉にきょとん、と大きな瞳を丸くしたあとに思わず吹き出してしまえば自分も同じ気持ちだと彼に伝えたあとぎゅう、と彼の背中に手を回して抱きしめ。少し苦しいくらいの力で抱きしめてくれる彼の力は、なんだか自分の愛情が比例しているようでなんだかとても愛おしい。「朔夜のことが大好きだよ」とまた改めて彼への気持ちを伝えれば柔らかい唇で彼の頬にちゅ、とキスをして。)
えへへ、俺って幸せ者だなぁ... ...じゃあ、帰ろっか?
(甘い言葉とキスも先程と違って顔が見えないからか、照れ笑いと腕にさらに力が入っただけで素直に受け止め、本当に幸せそうに少しいつもより低い甘い声で呟く。しばらく抱きついていたが、急いできた目的を思い出しやっと離した顔はいつも通りののほほんとした、少し充電完了といったような満足気な顔で。)
ん、帰ろ。
(ゆっくりと彼から離れては机の横にかけて合った自身のスクールバックを持ち上げれば肩にかけてへらりと笑って。充電が完了したと言わんばかりの彼に思わずくすくすと呆れたような笑みを零せば「あ、そういえば今日駅前のクレープ屋さんのタダ券貰ったんだ。一枚で二つ買えるらしいんだけど、行く?」とブレザーのポケットから小さなクーポン券取り出しては自慢げに口角を上げつつ首を傾げ。)
本当? 行きたい!
俺こういうお菓子のお店の貰えないんだよね。流石愛花ちゃんだよー!
(自身も使い込まれたエナメルバッグを肩にかけるとマフラーを巻いて首元から見えるジャージを隠し歩き始める、教室の扉を開けると愛花を先に通すように自然に半身分ずれて。廊下を歩きながら、先程までの雰囲気はどこへやら、クレープのことを聞くと嬉しそうに目を輝かせるも、クレープの購買層からはずれている自分に苦笑し、それを当たり前のようにもらっている相手にはしゃいだ様子で「愛花ちゃん可愛いからなー。」と愛しそうな目を向け。)
あはは、見た目は女子だから。
(ぱちん、とアイドル顔負けの完璧なウインクをしてみせては楽しげに笑顔を向けて。「し、か、も!この店カップルで行くとタピオカが半額になるんだぜ?これはもう使うしかない!」と彼の手をぎゅっと握ればへらりと気の抜けた笑顔を浮かべて彼を見上げて。いくら男とはいえ見た目は完全に女な為ただの男女カップルと言われても違和感がなく。)
愛花ちゃん見た目はすっごく可愛くて性格はすっごくかっこいいもんね。
(見た目は、という発言にウンウンと頷いたかと思うと、微妙にズレているものの心の底からの褒め言葉を自分のことのように自慢げに胸を張って口にし。タピオカ半額に手を握り嬉しそうな緩んだ笑顔を見せる相手に、自分も100点満点の笑みをにぱーっと返して「本当?早く行かなきゃ!」とはしゃいだ様子で手を握り返して結構な速度と力で引っ張る姿はさながら、散歩中にテンションの上がった子犬のようで。)
わ、ちょッ──!
(ぐい、と自身の手を引っ張る彼に一瞬驚いたような声を出したもののすぐにそれは呆れたような、だが楽しそうな笑顔に変わり。わんこみたいだ、とぼんやり思いながら彼について行けば「そんなに急がなくてもクレープもタピオカも逃げないから、」と一言を告げつつぱたぱたと尻尾を振っている幻覚が見えてしまうほどの彼を見て眉を下げて呆れたような笑顔を浮かべ。)
だってそんなお得なら売り切れちゃうかも... ...。
(相手の驚いた声と言葉にごめんね、と謝ってゆっくり歩くも、そのしょんぼりとした態度と裏腹の爛々と輝く目と不安そうに呟く言葉は今にも走りたくてうずうずしているのが丸わかりで。その証拠に歩きながらもチラチラ引っ張っている愛花を振り返り。)
──……もー、イイよ。走ろっか。
(今にも走り出したそうにこちらをちらちらと振り返ってくる彼にしょぼんと垂れた耳と同じくしょんぼり垂れた尻尾の幻覚を見つつも愛花は呆れたようにくすりと笑いを零しては上記を述べて。オレも大概朔夜に甘いんだよな、と思いつつも彼の手を引っ張って走り出せば少しだけ後ろを振り返って「ほら、早く。」と告げればにこりといたずらっぽく微笑んで。)
... ...うんっ!! あははっ。
(走り出した愛花に嬉しそうに走り出し大股で追いつくと今度は追い抜かずに手を繋いだまま隣に並んで走りながら笑って。駅に近づいて来れば短めの列ができたクレープ屋を見つけて速度を落とすと、「愛花ちゃん何味にするー?」と相手の気持ちなどつゆ知らずワクワクとガラスの内のたくさんのクレープの食品サンプルに目を輝かせ。)
んー……いちごかなぁ、
(自身が最も好きなスイーツであるいちごの名前をポツリと呟けば自分もショーケースを覗こ決めばイチゴとバニラアイスの載っているクレープに目を惹かれてそれを思わずじぃっと見つめてしまい。「美味しそぉ……」とぽつりと小さな声で呟けば朔夜は?とでも言うように彼を見上げて首を傾げ。)
...え、ああ、俺チョコバナナ!
愛花ちゃんいちご好きだよね〜。
(無防備にガラスのケースを見つめて呟く彼に、愛花ちゃん可愛いなあなどの呑気に見とれていたため返答が少し遅れ。それが少し照れくさく気取られないように彼の選んだ味の話題を振るも、隠し事や誤魔化しなどは一番の苦手分野、泳ぐ視線が虚しく。)
───ねぇ、見蕩れてた?
(珍しく自分の言葉に反応が遅かった彼に首をかしげた後にすぐにハッと思いつけばにやりと少し意地の悪い笑みを浮かべつつ彼の耳元に唇を近づけてそんなことを問いかけて。そうっと彼の耳元から唇を離せば少し色香の漂う微笑を浮かべて彼の鼻先を人差し指で軽くツン、と突いて。)
... ...うん。愛花ちゃんがすごっく可愛い顔するから。
(愛花の耳元での囁きは、列だから聞こえないようにしてくれたのかな、なんて見当はずれな考えにたどり着き、同じように相手の耳元に顔を近づけると見とれていたことを素直に肯定し。
相手が緩んだ顔でショーケースを見ていた時の表情を指摘するとすぐに上げた顔の表情はニコニコといつも通りの様子で。)
!──……知ってる。
(可愛いと言われ慣れているのは、自分でも自覚している。だが彼からそう言われると何だか気恥しくて、頬をピンク色に染めながら照れ隠しに上記を述べて。にこにこと朗らかに笑う彼の表情を見ては嗚呼好きだなぁなんて改めて考えては思わず頬を緩ませていて。「今度デートしよっか」なんて言葉を吐きつつにこりと笑えば遠出じゃなくてもお家デートとかでも良いなぁと思いつつ彼の答えを待つようにちらりと視線を送り。)
... ...うん、どこ行きたい?
(照れ隠しの返答には「俺が知ってるんだから当たり前かー!」などと呑気に頭を掻きながらえへへ、と笑って見せて。デートの誘いに当たり前のように愛花に問いかけて首を傾げるもその様子は少し困ったような反省したような、愛花の返答を聞く前に申し訳なさげに眉を下げると「俺、これも放課後デートってやつかと思ってた。」とへにょん、と力ない笑みを浮かべて。)
……これは放課後デートでしょ。
(くす、と彼のいじらしい言葉に思わず笑ってしまえばきゅんと高鳴る胸の鼓動を抑えつつ周りから見えないようにそっと彼と手を繋いで。「オレ、たまにはおうちデートとかも良いと思うけど」と首を傾げてはへらりと笑いつつもうすぐ自分たちの順番になりそうな列にまた視線を戻して。)
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