─　恋色　─　　(　　非募　　)

　　…ただいま。遅くなっちゃった、ごめん。（　　扉ガチャリ、ちらッ　　）本当はもう少し様子見しようと思ってたんだけどしっかり反省してそうだったし、一緒にいたいって言われたの嬉しかったから戻ってきちゃった。つくづく俺チョロいなあ、って思うわ、ほんと。（　　はあ　　）でも。アンタのガサツで荒っぽいところ、割と好きだったりするんだよ。だから俺からも…──一緒にいてほしい、です。…ッてこれ恥ずすぎ、無理無理。今の無し。（　　首ぶんぶん　　）

全然帰って来ないから、何かあったんじゃねえかって思ってたけど。良かった…。(　　力抜けてしゃがみ込み　　／　　顔上げ　　) …おかえり、戻って来てくれてありがとうな。男に二言はねえから、直すとこしっかり直す。お前と一緒に居られなくなるとか、俺には耐えらんないからさ。(　　眉下げへらり　　)　つうか、嬉しかったんだ？へぇー、そっかそっか。そりゃあ何よりだわ。(　　頬ゆる　　) …此処だけの話、すっげぇ恥ずかったんだけど。やっぱ伝えたかったんだよなー。まっ、ほんとチョロ…じゃなくて、お前が優しい奴で良かった。──んっとにズルいよなー。不意打ちは反則だろ…。(　　顔赤　　／　　ぽそ　　)　…なあ、今のもっかい言って？それが無理なら、今すぐ腕ん中来なさい。(　　両手ガバッ　　)

　　アンタって結構心配性…？あぁもう、こんな所でへたり込むな。ごめんってば。（　　自身もしゃがみ込んでは相手に視線合わせ　　）…別に。まあ戻ってきた理由には外寒かったからって言うのもあるんだけどね。あんな寒い中ずっと突っ立ったままじゃ風邪ひいちゃうし。（　　むす　　）頬緩みすぎ、ムカつく。てか今チョロいって言おうとしたでしょ、アンタに言われるのうざいんだけど。（　　彼の頬両手で摘みむにー　　）ッは？嫌に決まってんじゃん。何であんな恥ずかしい台詞二回も言わなきゃいけないの？しかも二択でもう一つの選択肢もろくなのじゃないし…。──アンタが来れば良いでしょ、こっちに。（　　不機嫌そうな顔をしつつ控えめに両手広げ待機　　）

大事な奴が、出てったっきり帰って来なかったら普通心配するだろ。…そりゃ俺が悪かったけどさ。もし危ない目に合ってたらどうしよう、って。情けないけど、すげぇ怖かったんだよ。だからもう、俺から離れんの禁止な。(　　頬へとそっと触れて額同士こつん　　)　素直じゃねぇなー。けど風邪引かれんのはマジで困るし、温かいもんでも淹れてやりますかね…。何か好きなのある？(　　首傾げ　　)　いや、だって…ね？んなこと聞いたら俺まで嬉しくなるじゃんかよ。へっ？いやいや、そんなことは…ごめんって。俺が悪かった、謝るから。チョロいんじゃなくて優しいんだった。(　　彼の手とんとんすれば訂正して　　)　まぁ、正直想定内だわ。けどもう一つの方は譲らねぇかんな。…かなーり魅力的な誘いだけど、無理。お前抱き締めたいって衝動が抑えらんない。──悪いけど今回ばかりは折れてやれないから、大人しく観念しろって。ほら。(　　片手差し出して挑発的な笑み向け　　)

　　俺が危ない目にあった時は助けに来てくれるんじゃないの？格好良く登場してくれるの期待してるんだけどな。…はいはい、アンタも離れないよう見張っといて。俺、＂チョロい＂から上手いこと乗せられてフラフラどっか行っちゃうかもだし？（　　意地悪くにたァ…　　／　　根に持つタイプ　　）へぇ、淹れてくれるの？じゃあねー…ホットココアが良い。勿論マシュマロ付きで。（　　ぽすんとソファに腰掛け　　）こんなことで喜べるなんて凄いよね、アンタこそチョロいんじゃないの？…はい、良く出来ました。（　　徐々に引っ張る手緩めてはじっとその目を見詰めた後にフッと笑い　　）〜〜ッ、うっざ！折角俺が手広げてやったのに来ないとか意味わかんないんだけど。アンタがそういう態度取るならこっちだって負けないから。（　　頬膨らませては悔しそうに唸り　　）

あった時、じゃなくて。危ない目にあう前に登場して、お前の事しっかり守ってやりたいけどな。んで是非とも惚れ直させたいね。…お前が簡単に靡くような奴じゃねぇの知ってるし。ちゃーんと戻って来てくれるんだろ？まぁ…ほんとにフラフラどっか行っちまうようなら、こうやって繋ぎ止めてやるけど。(　　指先同士絡めぎゅっ　　／　　してやったり　　)　大事な奴の大切な身体なんでね、早く暖まって貰わないと。はいよ、んじゃ良い子にして待ってろよ。(　　頭撫でてやり早速取り掛かって　　)　お前が嬉しいと俺も嬉しくなんの。…って、何か自分でもちょっとチョロいんじゃねぇかって気がして来たけど。惚れた弱味だし、しょうがねぇわな。──けど子供扱いは頂けねぇな。(　　静かに見詰め返しつつ次第に深い笑みを溢して腰元緩く引き寄せ　　)　んな顔しても可愛いだけなんだけど…わーったよ、俺の負け。だから機嫌直せって、な？(　　ゆっくりと歩み寄り　　)

　　…そ、勝手にすれば。てか何その自信、どっから湧いてくるわけ？まだそういう出会いが無いだけで、アンタより良い男がいればいつでもそっちに乗り換える気あるから。（　　一瞬嬉しそうな表情を浮かべるもすぐに視線逸らせば普段の憎たらしい台詞をつらつらと吐き　　）早く作って、…隣来てよね。ソファ無駄にデカくて居心地悪いし、寒いから。（　　クッション抱き込みごにょごにょ　　）自分で言うのもあれだけど、どんだけ俺のこと好きなの？そこまで惚れ込まれるような要素、俺にあるとは思えないんだけど。──…ッ、手邪魔。その笑顔も気味悪いし。変なことしたら許さないから。（　　抵抗はしないものの視線だけは鋭く　　）一回断ったのに結局来るんじゃん、最初から素直にこっち来れば良かったのに。今日はもう無ーし。（　　軽々とした足取りで後退するとくるり背を向け　　）

自信なんかねぇよ、俺より良い男なんてそこら中に居るだろうし。お前相手に余裕なんかもねぇからさ、悟られないようにしてっけど必死なんだよ。ほんと格好悪いわー。(　　情けなく笑い　　)　…俺も早く隣行きたいし、ちゃちゃっと作るからさ。もうちょい待ってて。(　　ミルク温めつつカップを二つ取り出して柔らかい笑み溢し　　)　多分、お前が思ってるよりは好きだよ。何処が、って言われたらそれは教えらんないけどな。…叩かれるぐらいの覚悟はしてたから、安心したわ。心配しなくても何もしないって。ちょっと苛めてやろうかと思っただけ。(　　ゆったりと手下ろしつつ反対側の手で髪くしゃりと撫で　　)　そこは俺の優しさだって、優しさ。何だよ、ケーチ。──ま、お前の口から一緒にいたいって言葉聞けたし。今はそれだけで胸いっぱいだわ。(　　不満げに唇尖らせむっ　　／　　はにかみ　　)

　　何真に受けてんの、しんみりすんのやめてよ。あの台詞が俺の本心だとでも思ったっていうの？…ほんと、格好悪いよねアンタ。（　　背伸びして相手の首に手を回せばそっと片手で髪を撫で　　）待つの嫌いなんだよね。後何秒で出来る？（　　体育座りの体勢で膝に頬を乗せるとその様子をぼーっと見詰めて　　）教えらんないってどういうこと？好きな人本人に好きな理由伝えられないってどんな理由なのさ…。叩くって、どんだけ暴力的な人物扱いされてるわけ。流石にそこまではしないけど、…本当に苛めようと思ってただけ？（　　視線を徐々に降下させると暫し沈黙の時間が続き、その後ゆっくりおもてを上げては小さく首を傾げ　　）あ〜〜、煩い煩い！なんであの時あんなこと言ったかな、俺の馬鹿。（　　己のこめかみぐしぐし　　）

いや、流石に乗り換えるってのは嘘だって分かってるよ。あー、言い返す言葉見付かんないわ。ご覧の通りだよ。…ほんとにいいの？俺なんかでさ。(　　背中へと両手回して優しく抱き締めつつぽつり呟き　　)　そうだなー…ん？秒？秒は分かんないな、けどもうすぐだよ。(　　カップに粉末状のココア入れて温めたミルク注いでいき　　)　好きな人目の前にして言えねぇって、そんなん改めて告白するようなもんだろ？恥ず過ぎて無理。いやー…んなことはないけど。いきなり何すんの！みたいなさ。…本当にそれだけ。お前が嫌がるような事はしないから、俺。なんたって大事な恋人だしな。(　　得意げにニッと笑い　　)　俺はすっげぇ嬉しかったよ。冗談でああいう事言わないし、普段聞けない事だからな。まぁ…たまには言って欲しいって気持ちはあるけど。(　　頬ぽりっ　　)

　　アンタが良かったの。俺の我儘きいてくれるし俺のこと心配してくれるし、好いてくれるし。仕方無くアンタと付き合ってるわけじゃないから。俺が自ら望んだの。（　　溜息ぽつ、背中とんとん　　）あと30秒ね。いーち、にーぃ、…、（　　体勢崩しソファに寝転がっては目を閉じ数を順に数えて　　）守りたいとか格好つけた言葉は言えるのに理由は言えないの？ちゃんと聞いててあげるから言いなよ、ほら。（　　腕組み　　）…なんか意外。もっと強引に来るかと思ったけど。アンタなりに案外色々考えてんだね。（　　髪の先人差し指でくるくる　　）普段から言ってたら言葉の重み薄れるでしょ。それにこういうこと伝えるの慣れてないし。それとももっと日頃から愛の言葉連呼する恋人の方が良かった？（　　じっ　　）

　　いつ帰ってくる予定なのか聞いてないのに作っちゃった…、味悪くなる前に渡せるのかなコレ。（　　綺麗にラッピングされた小包眺めうむむ　　）まあ渡せなかった時は自分で食べるなり捨てるなりしよう。それまでおやすみ…。（　　ソファに寝転がると近くにあったクッション抱き締め眠りにつき　　）