漆黒の翼 2018-02-08 22:41:18 |
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………そうだったんですね(/初めて見る相手の柔らかい目に気づけばほんのりと頬を赤く染めては膝に少しだけ顔を埋めて「……ここ…落ち着きますね」と小さく述べて相手に寄り添うように体を預け日頃自分が思っていることを今だけは忘れられて。)
他の奴らは誰も知らない、クロと俺だけの場所
(くすりと笑った表情は鉄壁だと謳われている時の顔と程遠く。水面にきらきらと映る光を眺めながらおもむろに立ち上がり、赤いベリーを持ってきて)
………それはなんですか?(/相手の笑った顔を見ては「……綺麗…」と思わず呟き。相手の持ってきた初めて見る赤いものを見ては小さく首を傾げて。)
食え、美味いぞ
(まさか自分の顔のことだとは思わず、この赤いベリーのことだと思っていて。自分もはっきりとした名前はわからないものの食べると甘酸っぱく美味しいことを知っており、ヘタや葉を取って相手に渡し)
……いただきます(/相手に渡されたものを不思議そう見つめては口に含み初めての味に目を輝かせ「……美味しいですね」と述べて自然とほんの僅かではあるものの口角が上がり。)
…もしなにかあって俺がいなかったら、ここに来ると良い
(わずかに口角が上がった相手を見。セキュリティはほぼ完璧、看守の目も厳しいこの監獄だが、どこかで相手に危険が及ぶかもしれない。そういう時は迷わずここに来て欲しいとまたベリーを渡しながら伝えて、)
……ありがとうございます…その時はそうします(/相手がいない時なんて考えられないし考えたくもなかったがそういう時もあるのだろうと思い左記を述べ再び受け取ったベリーを口に含み。)
…そろそろ戻るぞ?
(ちらりと上を見上げれば太陽の光が真上から降り注がれていて。少し長居をしてしまったと考えながら「…夜はまた月が綺麗で見物でな」と相手に手を差し伸べて)
…はい(/いつもよりは長かったもののやはり相手とはこれ以上の時間はいられないかと心の中で寂しく感じ。相手から夜は月が綺麗と聞けば「……いつかは夜も来てみたいです」と薄く目を細めて述べて差し出された相手の手をそっと掴んで。)
クロがもう少し慣れてからにしような
(優しく相手の手を握り返し、行きと同じ場所に出れば今度は「クロは俺のあとを付いて来い」と励ます様に背中を叩き、相手を信頼して自分が先に行き、)
…わかりました(/少し残念そうに頷き、握り返された手を見て。先に進む相手の後ろ姿を見ては、『これで私が行かなかったらどうするのかな…』なんてぼんやりと考えるも、そしたらもう此処に連れてきてもらえないか、と自分の中で答えを出せば遅れながらもゆっくりと相手の後をついていき。)
…よし、来い
(先に通気口から監獄に戻れば周囲に誰もいないことをしっかりと確認し、立ち膝をついて相手に見えるように手を差し出して、)
今から戻るが、大丈夫だな?
(仮にも相手はここで収監されている身。監視の目が厳しくなってきたことをなんとなく察してそう尋ねて。「夜の時間に俺が来た時、褒美をやる」くしゃりと頭撫で終われば歩きだそうと)
……大丈夫です(/尋ねられたことに本当は大丈夫ではないけどと思いながらも頷くことしかできず。褒美と聞けば「…褒美…ですか?」と小さく首を傾げ、頭を撫でられては歩きだそうとする相手の手を両手でギュッと掴んで。)
少しの間だから、な
(片方の手で握られた手を包むようにして触れ。「絵を描くことは好きか?」暫く触れた後、そっと話せば思いついたように相手に問いかけつつ歩き出して。千里眼は見ることしかできず、看守の仕事故他の仕事もあることを恨んで、)
……少し…はい…(/少しならと思い小さく頷き、「……絵…描くの好きです。」問いかけられれば思いだすように少し考え一人の時間は描いていたなと思いだしコクリと頷き相手の隣を歩いて。)
よし、いい子だ
(絵を描くのが好き、それを確認できれば嬉しかったのか少しだけ眉を下げ。ぽすと触れるように頭を撫で。暫く歩き進めばそこは相手の監獄で、)
……じゃあまた夜…ですね(/相手の手が頭に乗れば少し嬉しくなりながら自分の監獄のほうについたのを見ればチラッと相手を見上げて左記を述べて。)
楽しみに待っていろ
(見上げられた相手の瞳をしっかり見つめ。数時間の別れになるがそれも相手にとってはきっと何時間にも感じられるのだろうなと少し不安を抱えつつも、安心させるように肩を叩いて監獄の鍵を開け)
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