喧騒に包まれた校内。
昼休みを報せる鐘が鳴ったのはつい先の事で。食堂に移動する生徒達の話し声が何処か遠くに聞こえる。
嗚呼、私も昼ご飯を食べなければ。午後の授業の間にきっと、お腹が鳴ってしまうだろう。そうは思っていても、足は全く動いてくれなかった。
自分を射殺さんとばかりに細められた藤色の瞳。大層整った顔の輪郭を撫ぜる様に汗が滴り落ちるのが目視出来た。
「 出て行け 」
そう口にした貴方は誰よりも苦しそうな、痛ましい表情を浮かべていて。本心では無い、その冷たい表情を見遣る事しか自分には出来なかった。
Prolog