あるじ 2018-01-20 16:05:00 |
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祖父が学生向けの剣術道場を営む師範であるという事以外は平々凡々な高校生。これからも変わらぬ日常が続くと思っていた矢先───
「 こんのすけと申します! 」
なんて。狐の置物が喋るだなんて誰が思うだろうか。──自室の扉をそっと閉じてしまったのは致し方ないだろう。ちょっと待ってくださいィィ!!なんて悲鳴に近い声が聞こえたのは聞こえなかった事にしたい。
恐る恐る部屋に入ってみれば狐の置物は喋る喋る。特段何も聞いてはいないのだが、審神者だの刀剣男士だの。極めつけはこの話を聞いたら後戻りは出来ない、と。
ちょっと待てコラ。一方的に話し掛けられて嫌でも耳に入る話だと思ったらどういう意味だ。そう狐の置物に掴みかかろうとした矢先、自分の意識は暗転した。
気付けば離れと呼ばれる八畳程の部屋に寝かされていて、狐の置物─ことこんのすけはこの本丸と呼ばれる場所の説明や審神者としての説明を始めた。
要点を纏めると此処は黒本丸と呼ばれる場所である事、刀剣男士達は夜伽を強いられた者、レア刀を得る為に手折られた者、親兄弟を亡くし人間不信になった者、前任の気紛れとして暴力を振るわれた者まで居るという事。そして、新たな審神者を受け入れる気のある者は居ないだろうとの事。
詰んだよ、コレ。人生オワタ。そう思ってしまった私は悪くないだろう。とは言え帰れる訳でもないし。
持ち前の馬鹿力と霊力の高さ(こんのすけ曰く)で乗り越えなきゃ、なんて思った私は馬鹿だったのかもしれない。知識もなんにも無い、そんな人間の小娘が黒本丸で奮闘するお話。
私がこんのすけを通じて刀剣男士に告げた事。それは刀剣男士達に此方からは干渉しない代わりに離れ、及び必要最低限の場所の使用は許可してほしいという事。勿論私室及び広間には近付かないし、厨も離れに小さいものがあるから何ら問題は無い。食品は高いが政府から離れに送られるみたいだし。
資源は此方でどうにかするし、遠征等も強要はしない。食品が足りない等があれば猫経由で申し出ればいい、等々。
闇討は勘弁だが、其方から歩み寄る分には上記に当てはまらない。単なる暇潰しとして話し掛けて来ても良いし、鬱憤を晴らしに愚痴を吐いても構わない。本丸の浄化だけはさせて貰うがそれは許容して欲しい。そんな来る者拒まず去るもの追わずな審神者と心に闇を抱えた刀剣男士達の話。
簡単に言えば黒本丸に無理矢理連れて来られたけど無理強いする気は無い審神者になります。虐げるか仕えたいと思うかは貴方様の扱う男士次第という事で。心を開くまではこんのすけの代わりのお付の猫(二又尻尾の黒猫)も出しますので、そちらと話しても構いません。自分得なので無理矢理設定も御座いますが悪しからず…。
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