地獄 2018-01-04 18:27:11 |
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_____春の眩しい日差し。
どうやら僕は大学の中庭のベンチで眠っていたらしい。何処か懐かしくて長い夢を観ていた様な気がした。ふと、腕時計に目をやると僕の取っていた講義は既に終わっている。全く、今日は付いてないな…なんて独り言をポツリと呟いて何処か上の空なこの気持ちに整理を付け立ち上がる。
暫く大学内をウロウロとしていると特に何もないのに急に足が止まり、目が自分の命令を聞こうとせず窓の外に動いた。目に映った景色に可笑しい所は無い。眩しい春の日差し、青々とした芝生、その真ん中にポツンと1本満開に咲く桜、その下に佇み涙を流す男性。きっとその後あの男性はこちらを見て驚いた顔をするんだ。ほら、こっちを見て驚いた顔をしただろう?
まって、
___涙を流す男性…?何故あの男性の行動が分かった?
きっとこれは何処かで見覚えのある…光景…。それもついさっき見た事のあるような…。何処だ、何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ。
分からない…分からない…。
でも何か、僕はあの人に何か用がある。言わなくちゃいけないことがあるような気がする。こんなのきっと映画の見すぎだって思うだろうかもしれないけど、僕は無性にあの人に言いたい事があるんだ。
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