◆狸 2018-01-01 00:20:57 |
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>お稲荷さん
月に帰る予定無し、か。君の方が詩的で秀逸な喩えが得意そうだ。愛くるしいって言い方が面白いな、もし本当に月に連れて行かれるとしても喜んで付き合うよ
(狐につままれた等と表現しては些か失礼なのだろうけれども、今目の前に在わす幻想的な姿が実は夢であり目覚めれば野晒しであったとしても何ら不思議に非ず。まさに鈴を転がすようような声で笑み零す存在は月光の寵愛を受ける子、いつしか溶けて消えてしまうのではとさえ思われ眼鏡の奥にただ存在するだけの瞳を微かに和らげ。雅な歌人であればこぞって詠んでいたであろう浪漫に飲み込まれそうになる感覚すら心地良く、反面奥の奥迄をまるで見せまいとするかのような微笑に乗せて届いた言葉にほんのり目を見開くもそれは思案するより先に返す内容は決まって「君の縄張りというのはきっと冷たい毛布より安らげる場所なんだろうね」冗談或いは本音の何方にせよ抗えぬ大きな魅力に飲み込まれいつしか足元の影さえも消え去る、そんなイマジネーションは素晴らしい提案で更に膨らみ頬は自然と崩れ賛同の意を示し。幾ら世間は厳しく妖達のギラつく視線に囲まれようとも安らぎの夜は訪れるものらしい、まさかマフラーを活用した無慈悲な寒波からの防護策を笑われているとは知らぬ存ぜぬのままに差し伸べられた手を、次に一点の曇りをも見せぬが如く微笑を浮かべる面を眺めていたが、つとその手を握り返す時力は猫を撫でるよりも優しく込められ。「そうしてまで気遣ってくれるのか、ありがとうお稲荷さん。君にとって本当は隠しておきたい穴場だとしても嬉しいよ」再び満月との鬼ごっこの始まり、鬼は一人追いかけられるは二人。握られる手の持ち主を見ては純粋な感情のみを表し)
>八百 晦日
おや、愛らしいとは少し古めかしい言い回しだったかな。貴方の可愛らしさを最大限表現出来たと思ったのだけれど、
( 良く回る口が評価する言葉の、その直ぐ後に続いた面白いとは一体どのような意図を持って発されたのか。普遍的な可笑しいという意味のそれであると仮定すると、先に口にした表現が可笑しい理由を推測しながら残念そうに肩を竦めて見せ。有り得ない話であるためかそれとも他の理由があってか、いとも容易く連れていかれることを許容したことと言い、妖の世にある此方の縄張りを安らげる場所であると想像することと言い、どうにも人の世に未練が無いと云う風に見えて仕方がない。人の世に生きる人間は形こそ違えど此の世への未練というものを持っているのだと思っていたが、それはどうやら万人に通ずることではないらしい。寂しいことをいう目の前に立つ人間は、本当に連れ帰ったとしても仕方がないと諦め其処で暮らすことを受け入れるのだろうか。なんとも哀れな思考回路を持った彼に慈愛にも似た愛おしさが胸中を占めて。「 勿論、貴方が求めるのならそれに見合う内装することだって厭わないよ。でも、そうやって期待させる口振りは私以外には言わないおくと良い 」 本気にする輩が居ない訳では無いのだからね。そう、捉えようによっては脅迫的な補足を告げては、立てた人差し指を彼の唇に宛がい鍵を掛け。「 嗚呼、良い子だね。私の言動一つ一つを良く見てくれる。そんな貴方だからこそ、是非とも教えてあげたいんだ 」 あの猫に付けられたのか、それとも違う誰かによってか、目に入る幾多もの古傷が残る手をしかと握り返したまま、月夜に相応しい甘い声で呪文を掛けるように言葉をなぞり。そのまま繋いだ手を引いて道を歩き出すと、此処からそう遠くはない目的地までの道程を退屈させないように 「 そう言えば、こんな時間まで一体貴方は何に縛られていたのかな? 」 と疑問を解消する序に話題を振り、 )
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… おや、もう朝陽が顔を出しているみたいだ。残念、貴方ともう少し一緒に居たかったのだけれど、朝帰りとなれば誰に何を言われるか分からないからね。貴方ももう、御帰り。
>( 交流停止 / 新規の契約書受付中 / 質問などもお気軽に )
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名前/ 小松 栞( こまつ しおり )
性別/ ♀
年齢/ 22歳
職業/ 英文翻訳家
容姿/ 157cm / スラリと痩身 / 色白 / 色素薄めの地毛茶髪 / 腰までロング / 緩めのウェーブ / 前髪眉下ぱっつん / くっきりとした二重瞼 / ワンピースにカーディガン姿が多め / 色の淡いものが好み
性格/ おっとり / 温厚 / 気遣い上手 / 平和主義 / 人当たりが良い為、周りに集まる人間は多いが、妖が見えるという秘事故に、結局は独りという思いが心の奥底に / 危機察知能力は高め
備考/ ザお嬢様 / 広大な実家の敷地内にある別邸にて一人生活中 / 光熱費やら何やらは殆どが親持ち / 両親の住む本邸とはかなり距離がある為本人はそれで自立したつもり / 短大卒業後現在の職業に / 自宅が職場 / 翻訳家としての能力は優れているも、何が何でもお金を稼がなくてはいけないという切迫感が皆無な為仕事量はかなり少なめ / 1日の大半を占める空き時間には読書やら散歩やらとまったり暮らしている / 幼い頃から見えていた妖については、それが決して関わってはいけない危険な存在であると直感で察知 / どうやら両親や使用人達には見えていないらしいモノをわざわざ会話に出す必要は無いと、今まで誰にも相談せずにいる
ロルテ/
… やっぱりあの子達は危険な存在だったんだ ……… でも 貴方達はそうではなくて 、私をこれから守ってくれる …( 穏やかな午後の陽射しの中、質の良いストールに身を包み、別邸庭にある二人掛けのベンチに腰掛け、古い洋書に眼を落としていた最中、頬に感じたひとつの優しい微かな風。靡く横髪を耳に掛け直しつつ何気無く顔を上げ視線を広く前に向ければ、そこに佇む人ならざる貴方のその姿を見とめ。幼少からの慣れ故に、その存在に対しての見て見ぬ振りの動作には何一つ不自然な点は無く、再び手元の書物へと瞼を伏せ活字を追って。直後、明らかに自身に向けて掛けられたその声に、思わず視線指先かつ心臓の動きまでもが一瞬ぴたりと止まり。この場をすぐに立ち去らなくてはいけない、そう脳内では警報の鐘が鳴ってはいるものの、どうしても目の前の貴方には、今まで数多く見てきた妖なるもの達が持つ独特の禍々しさは感じられなくて。滔々と語られる現在の状況、今後における提案に静かに耳を傾けるうちに、自身の直感は勿論、語り手の真剣な口調や表情に、最早その場から離れようなどとは露ほども思わず。全ての言葉を聞き終え、数秒の沈黙の後ゆっくりと口を開き、ぽつりと独り言を。また更に間が空き、今までやや俯き加減だった顔を上げ、相手を見つめたところで二言目のそれを。ふとよく見れば、柔らかそうなその髪には、数枚の木の葉が。その何とも言えない可愛らしさに、ゆるりと口端綻べば、今までぴんと張り詰めていた神経も緩み、声音も穏やかに言葉を続け )貴方達がお傍にいてくれるということほど 、心強いことはありません 。此方こそどうぞ 、宜しくお願いします 。どなたと契約するかは … 、そうですね 、まだ迷ってしまいますね …
ロルテに返す妖の希望/ 猫又
( / とても魅力的な世界観に引き込まれ、僭越ながら契約書を提出させて頂きました。不備であったり、それ以前に相性が合わないという事でしたら、どうか仰ってください。何卒、ご検討のほど、宜しくお願い致します! )
〆
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>小松 栞 様
( / 初めまして、お越し頂き感謝いたします!契約書のご提出も有難う御座います。穏やかで清廉なお嬢様である一方、誰にも秘密を明かせず孤独を感じているという点が娘様の儚さを一層深めているようで非常に恍惚としております … !不備もなく、相性も大丈夫そうですので契約書を受理させて頂きます!本日も交流時間を設けようと考えておりますので、お暇が有りましたら是非お越し下さいませ。それでは此れからどうぞ宜しくお願い致します … ! )
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昨晩はお稲荷さんに趣きのある誘いをして貰ったのに月見酒までには至らなくて残念だ。今も夢なんじゃないかと思うよ、月夜に流れるような髪が俺の目の前で揺れていた光景を。 ( ぽつり ) 暫くは時間が持てそうだから君達の負担にならない程度に話をしていたい。そんな自分勝手な気持ちで来たり消えたりですまない。 ( 見上げてそっと手を伸ばし )
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>八百 晦日
やあ、今晩は。今日も私に会いに来てくれたのかと思ったけれど … どうやら違うみたいだね、? ( くすくす ) おや、貴方と話すことで私たちが負担を感じるとでも? ふふ、それは誤った考え方ではないかな。私たちは貴方に尽くすために此処に来たのだよ。負担など感じる訳が無いと思わないかい? ( 頬撫 / 微笑浮かべ ) 貴方は自分勝手と言うけれど、それは欲のある人として立派な感情だよ。貴方は貴方の気が赴くままに私たちと話をしてい欲しいな。そうすることで此方とも利害が一致するからね、 ( くつり ) またおいで。今度は必ず、貴方を美しい景色の最中へ連れ出すと約束するよ ( 手振 )
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ん?ああ、お前か。よお、こんなところで何してんだ? … おいおい、すッげェ詰まらねェことしてんなァ。ンなことするくれェなら今すぐその手を止めて、俺と一緒に酒でも飲みに行こうぜ?
>( 交流開始 / 新規の契約書受付中 / 質問などもお気軽に )
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(/背後より失礼致します…!お返事ペースが遅くなってしまうかもしれないのですが、もし宜しければお相手をお願い出来ればと!ご検討頂けると幸いです。もしお相手が可能でしたら前回の続き、または主様の今の気分の方で新規交流どちらでも大丈夫です…!)
>一色 茉理
イチ、 イチか。… 最適ではないがまあ良い。 ( 正に頭を悩ませていますと言わんばかりの表情から一転、指を用いて軽やかな音を響かせた後に教えられた名を復唱する。そのまた後に呈された他の候補はしれっと聞かなかったことにして流すと、宛がった手で顎を撫でつつ妥協する意を示し。もう少し懸け離れたものが良かったがあれやこれやと文句を付けてばかりでは女の機嫌が損なわれるだけだろう。二度ほど頭を縦に振ると了承を下し今一度頭の中に情報として据え置いて。___ あれだけの種類があったのだから暫くは掛かると思っていたが、案外早く此方へと駆け寄ってきた足音に揺れる木々を止めては視線の先を女に戻し。丁度近くにあった長椅子に座るよう声を掛けながら何から話すかと脳内で順序を模索する。真剣に聞くとはいいながらも、相手が本当にそうするかは分からない。未だたり得ぬ情報と信頼に今一度ため息を吐くと、先ずは何よりも大切なことを告げるべく口を開き。「 あの狸よりは分かり易く説明するつもりだが、俺がいいというまではお前は何を思っても口を挟むな。それと俺が話している間はお前は俺に視線を寄越さず、適当な場所を見ながらその食べ物を食べる振りだけを続けておけ 」 相手の視線を誘導するように真っ直ぐ伸ばした人差し指で、道を挟んだ向こうにある街路樹を指し。力を持たない人間の目には長椅子に座り食べ物を摂取する女が一人いるようにしか見えないのだから、それの視線があらぬ方へ向き話しかけるように口を動かしていては不自然極まりない。為ればこそ、出来得る限り自然を装うように強く言って聞かせ。 )
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( / こんばんは、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません…!お越し頂き有難う御座います!お返事のペース畏まりました。本日も時間がありますので、どうぞゆっくりお話させて頂ければ幸いです。ご交流の方なのですが、是非前回の続きにてお返事させていただきますね!タイミングが合いましたらキリの良い場面でお話を一度区切らさせて頂ければと思います。それではどうぞ宜しくお願い致します。/蹴り可 )
>87お稲荷さん
しまった、言葉が足りなかったな。君達に会いに来たつもりで暖かい言葉をかけて貰えるとは…俺は果報者。欲のある人間の関心を引く摩訶不思議な君達には敵わない。 ( 唇弓形に ) 利害関係というのも君が言うと単なる一時の縁には思えないから尚更俺は惹きつけられてしまうよ。 ( 瞳揺らり ) 巧みに言葉には出来ない分この胸の中で溢れそうな感謝を大切に包んで少しずつ伝えたい。前置きが長くなったが月見酒を嗜みに行こう、あの月がよく見える場所で。 ( はふ )
合間に色々作業を挟むから遅くなるとは思う。今夜も宜しく、お稲荷さん。
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>八百 晦日
摩訶不思議 … そうだね、貴方から見ると私たちの方が不思議に当たってしまうんだね ( くすくす ) 月見酒、ということは昨日の続きからで構わないのかな? 私は人と異なる身なれば、話を少し進めることも、違う場面から話すこともできるけれど … もしそちらを望んでいるのであれば一言貰えると嬉しいかな ( こくり ) 昨晩の続きからで構わないのなら、貴方からの返事を心待ちにしようと思っているのだけれど。作業とやらが立て込んでいるのに質問ばかりで済まないね。答えてもらえると嬉しいな、 ( 尾揺らし乍 )
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>お稲荷さん
丁寧にありがとう、いや此処は認識を揃えておくのが正解だよな。昨晩の君からの返信に返す形で再開しようと思う、もう暫く待っていて欲しい。 ( ペンを取り ) 中々書き味に満足出来るペンが無くて、いや良いペンはそれだけ値が張るから世の中厳しいよ。此れには返信不要だから読んだらそのままにしてくれ。 ( にこ )
>烏天狗(テンちゃん)
(お前と二人称で呼ばれる未来だけは防げたのだと言う事を彼の言葉から納得し、名前と言い切れる其れではないが綽名と割り切れば気持ちも違う。一先ず名前が決まったと言うだけで口元に"にまー"と満足げの笑みを浮かばせて「今はコレで我慢したげる」飽く迄も名前を呼ばれるまでの繋ぎである、と言う事を忘れない為の一言を告げて。指示を受けたとおりに長椅子に腰を下ろせば示されるべく指の先を追いかけて正面を向くように視線の先を固定して、時折溶けてしまわないうちにとアイスを口に運べば如何して彼がそのような指示を出すのかが分かれば異を唱える気は無く素直に従って。普段ならばキャッキャとアイスの感想をやれ甘いだのやれちょっと寒いだの、と喧しく述べたたえるシーンなのかもしれないが。今は彼が作ってくれた折角の説明の場、顔を背ける事なく正面を向いたまま、時折吹きすさぶ風に長い髪の毛をハラハラと靡かせるだけで大事な説明に至るだろう彼の言葉を聞き逃してしまわないように注意を行って、浮かべる表情もまた伴う様子で何処か凛とし真剣みの帯びた顔つきで。)
( / 背後から失礼致します。この度は契約書を受理して頂き、誠に有難うございます! かつ娘へのお褒めの言葉まで頂いて、嬉しい限りです …! 素敵な世界観とそして丁寧な主様と、これから長くお付き合い出来ればと思いますので、今後のやりとりで何か此方に不備問題等ありましたら、つど仰って頂ければ幸いです。今回は既に2名様がいらっしゃいますので、簡単ながらご挨拶のみとさせて頂きますね。魅力的な妖の皆様と物語を紡げることを心から楽しみにしております。. 蹴可 )
>お稲荷さん
いや、時代の事じゃない。愛らしいって言われるべきなのは日向で眠る猫や小さな子だと思っていたから。洒落ているっていうのか_ そんなお洒落な言葉遣いをする君はやっぱりお洒落だ
(肩を竦めた所を見る限り、全く意図していなかった方向へ解釈させてしまったものと見受けられる。そういえば紫色とは最も位の高い身分である者のみが許された色ではなかったか、今時となれば珍しい口調も美しくあたかも黄ばんだ古き良き小説より語りかけられているようでやはり彼は月の遣いではないのかと。お洒落を重ね重ね使ってしまう語彙力の低さを恥じ入るかの如く放った感想の後考え込む素振りが見え。人としての生を否定するとも人としてのやがて至る死より逃れんとするのとも違うのだが、如何してだか"未知"には酷く惹かれる己が存在する事実も又自覚しており。妖ばかりが悪ではない、生きた人間こそ最も残酷だと言う人も在る。その中で触らず掻き回さずふわふわと曖昧な風船のようであれたらと思う己は自身を否定しているとも捉えられるのではないか等と脳裏を掠める思考にそろりと蓋をした矢先に唇に感じた柔らかな鍵に目を丸く。「ああ、言わない。俺が巫女の生まれ変わりで君が側に居る今を曲げたりはしない」伝えたいのは過ぎ去りし昔日も過ぎ行く現在も変わらず己は己にしか成り得ず、優しく口を封じた存在を尊重せんとする意志であり。夜風が甘く紡がれる言の葉を巻き上げては方々に散らす夜の帳にぼうと浮かぶ衣の裾とコートが擦れ合う感覚と共に歩み進める光景を目撃するは月と梟の鳴き声のみ、然し会話の花は咲かせてみせようぞ「仕事だよ、人間には所属する場所と労働が必要だ。その中でも優秀とその他、上位とその下に別れているのが当たり前な場所が。一秒の遅れも許さないのに終わりは延々と引き延ばされる環境だけど」妖には''社畜"の概念を理解するは難いのだろうけれども有り体のままに抑えられた声量にて告げ)
>イチ
そう、それでいい。 ( 相手が従順に前を向き、大人しく口を噤む姿はまるで借りてきた猫のよう。先程までの太陽光のような満悦した笑みはどこへやら。凛とした雰囲気を纏う相手に一抹の意外さをまた感じると、くつり、釣り上げた口角は其のままに低い、しかし動物の頭を撫で遣るときのような甘さを持った声で褒めて。「 とは言っても、説明する内容は全てあの化け狸が言ったことを相違ない。その昔、人と妖が同じ世界に住んでいたころ。強い力を持った巫女が二つの種族の架け橋として生きていた、」 それは未だ此の世が分断される前の話。今となっては夢物語とも思しき伝承の紐を解くと、語り手の口振りで話をはじめては、 _____ 架け橋であった巫女が死に絶えて直ぐのこと。一つだった世界が二つに分断され始め、その途上で二つの種族は敵対する関係になった。だが被害が広まる前にそれぞれの世の長が秘密裏に密約を結び、その力を以てして境界線を設け、互いが互いの世にて伝説となった。しかし近年になり、何故か境界線の効力が弱まり見せ始める。そして乗ずるように架け橋であった巫女が人の世にて転生し、その魂を喰らうと妖の世を治める王になれると何物かが吹聴した噂を多くの妖が信じたことで、強い力を持った者は境界線を越え人の世に侵入し始めた。しかし妖の中にも噂に不審感を抱く者たちがおり、それらは異端者として巫女の生まれ変わりと妖の世を守るべく人の世に来た、と。 _____ 幼子に物語を教え聞かせるように、巻物に書かれた絵空事を話すように。相手にとっては到底現実味の無い現実をゆっくりと噛み砕きながら話し終えると、" 分かったか " と一旦確認を取り。此れだけでも相当な情報量なれば、「 分からないことが有るのなら、飽くまでも此方は向かずに今聞いて下さい、」 人通りの少なくなった今ならば口を動かすくらいならば構わないだろうと判断した上で、浮かんだやも知れぬ疑問を解消する場を設け )
>八百 晦日
成程 … そう云う事なら、愛おしいに言い換えようか。そう、逐一私を褒めたがる貴方が酷く愛おしい。
( 仮定はどうやら外れだったらしい。出題者の本人から回答を得ると納得した意を見せるように首肯を成し、顎に掛けた手の直近にある唇で弧を描き。然し乍ら猫や幼子が愛らしいと言われるべきなのであれば、此方にとっては何処か其れ等と同じ面影を残す彼にも先の言葉は似合うように思うのだが、彼にとってそうでないのであれば近くも遠い代わりの言葉を口遊み。褒めるのが好きなのか、生来そのような質なのか。褒める言動を逆手に取ると口元の手を離し、その愛い頬に指を滑らせて。此方の言に従い秘密にすることを誓った彼に" 言質は取ったからね、 " と此れ亦脅しに似たそれを微笑と共に繰り出し、合意の上で約束が成ったのであれば此れ以上口にすることも無いだろうと。「 … それはそれは。貴方が其処に身を捧げていると知ったうえで不躾かも知れないけれど、酷く息が詰まりそうな場所だね。益々、貴方を癒してあげたくなる。人間は管理されるのが好きなのかな? 」 憎しみか愛おしさか、あるいはその両方か。些か読み辛い感情が渦巻いた口振りで連ねられた事実にふむ、と目が瞬き口が閉じるも、直ぐにその事実に対する感想を述べ。優劣が付けられ緩く生きることを許されないという形式もそうだが、彼の口調が一層その息苦しさを深めている気になると、その中に身を落としているらしい彼のくたびれ振りにも納得がいき。続けざまに浮かんだ疑問を間髪入れずに口にすると、空いた手ではその頭を撫でることも出来ない歯がゆさに眉を下げつつ、 )
>お稲荷さん
愛おしいは安心する響きを持っているね、ほら風邪を引いて愚図ついている時に母さんが一晩中離れず抱いて揺らしてくれるような。褒めるって要するに君が喜んでくれていると解釈しても良いのだろうか
(三十路も遠からじ年頃になれば否が応でも"昇格と安定"が求められるもの、それが例え本人の意志とは異なる方へ枝葉を伸ばしているとしても。社会における成功の基盤を築く者や既に子を持つ者も同年代には存在している中の未だ背中について回る或る一種の幼稚性は平和な母胎を無意識に求めているのかもしれず又それに代わる誰かを熱望しているのかもしれず、それをまさか儚き雰囲気を纏う妖狐に見出していたとするならば驚きだが。褒めたがるとは自覚しなんだ、言われて初めて気付く変わり者の血のしからしむるところで楽観視による結論を導き出すと共に触れない距離で彼の髪のしなやかに流れる線へ手を翳し。脅しといえば脅しなのだろうが頬を滑る細い指があまりにも艶めかしく続けさまに耳へ届く声音も微笑も、その他の一切を遮断して全くその存在ばかりに意識を集中させるよう全力で働きかけてしまったようでほんのり逆上せた表情が。投げかけられた疑問程尤もな言葉を一度でも意識した経験があったか、親もその又親の親達も人間のみに課せられた使命をあるがままに受け入れる以外何があったというのか。暫し考えずには何とも返せず、ただ''酷く息が詰まりそうな"が言い得て妙としか思われずに途切れ途切れの笑い声を零し。「人間は全てを管理したいのかもしれない。地球上も宇宙にある何もかもも。こう言うと君は変に思うだろうけど誰もが何かに所属したがるのは本当の独りには耐えられないからじゃないだろうか」曖昧な返答に大きな効果は求めまい、それが人間の弱さなのだと小さな芽を出した鉢植えを眺めるのに似た瞳で直ぐ側に在る彼を見つめ。それと生きていれば素晴らしい出来事にもあえる、その感動の為にも働き続けるとの追伸を添えて繋いだ手をもう片手でそっと包み)
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>八百 晦日
___ … 嗚呼、済まないね。また少し眠ってしまっていたようだ ( 溜息 ) 此度は私の不手際で月見に行けなくて御免ね。貴方と話すのはとても楽しく密な時間を過ごせて良いのだけれど、此方の世では体の自由が利かない部分が多くてね、 ( 眉垂らすと手伸ばし頭撫で遣り ) 貴方さえ良ければ次の機会 … そうだね、満月が美しい夜にでも再挑戦と持ち込みたいかな、 ( にこり ) それじゃ、またおいで。貴方の息が詰まってしまう前に、ね。 ( 手振 )
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