敵の幹部 2017-12-27 01:28:06 |
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❶金曜夜9時:ハリポタの世界観
時は1980年代、ヴォルデモート卿最盛期。
卿の率いる『死喰い人』たちは、魔法界を震撼させ、マグルたちを無差別に殺し、だれをも恐怖させる最凶の悪だった。
そんな彼らに真っ向から立ち向かったのが、ダンブルドア率いる『不死鳥の騎士団』だ。
マグルを保護し、混血や親マグル派の魔法族を助け、闇の輩に正義の杖を振るって対抗する彼らは、まさしく正義の味方だった。
その中に、かのジェームズ・ポッターやフランク・ロングボトムに勝るとも劣らぬ魔法力を持つ、美しい少女がひとり。
彼女もまた、騎士団の一戦力として『死喰い人』たちと戦っていた。
ところがある時、ヴォルデモート卿の側近の1人であり、まだ若い青年でありながら有能なため卿に信頼されているという、故にベラトリックスの嫉妬をやたら買っているらしい敵の男が、不意に彼女に告げたのだ。
一言、「好きだ」と。
──そこから、いったいどういうわけか、『死喰い人』と『不死鳥の騎士団団員』の奇妙な逢瀬が始まった。
そして皮肉なことに、死喰い人が『愛の守護魔法』で救う、あるいは救われるという奇妙な結末を迎えるのだ。
❷日曜朝8時30分:某▼▼キュアの世界観
最近の▼▼キュアは、どうも大人向けの仕様になっているようだ。
主人公の仲間のヒロインがやたらリアルでシビアな悲恋に心を引き裂かれた挙句チームを脱退してしまったり、敵の中ボスと女幹部が『コナン』のジンとベルモットよろしくアダルトな関係にあったりする。
チームを引っ張り悪と戦う主人公のヒロインと、第1話から登場し、腐れ縁の仲にある敵の幹部の青年もまた、同様の進展を迎える。
もともとその敵の幹部は、敵であるはずの彼女を何かと助ける素振りがあった。最初はただのからかいだったそれが、しかしいつしか本気になってしまったらしい。
──他の敵幹部の攻撃から、まさか私を庇うなんて。敵なのに。敵同士の筈なのに。
「あいつの助けはただの罠。あんたの信頼を得て、あたしたちが集めてる『ティアークリスタル』を横取りしようとしてるだけ。騙されないで!」
チームメイトのヒロインはそう言うけれど……本当にその通り?
ヒロインは苦悩する。苦悩するが、しかし▼▼キュアの放送期間は基本的に1年だ。最終話まで残り少ない。
自分たちを▼▼キュアにしてくれた妖精、ソーダやココアやカプチーノの滅ぼされた故郷を取り戻すまでに──答えを出さなければならない。
❸日曜朝9時:某仮面ライダー▼▼の世界観
いつの時代のライダーシリーズにも、ほとんど必ずヒロインが登場する。『カブト』ならひより、『電王』ならハナというように。
明るく陽気で爽やかな雰囲気と、しかし時折込められるシリアスだが感動的なシナリオによって評価の高い今作にもまた、主人公の妹がいて、登場頻度もそれなりに高い重要な役回りだ。
主人公とそのライダー仲間たちがいつもたむろする喫茶店でアルバイトを頑張りながら、毎話起こる怪事件のヒントを我知らず零したり、怪人に襲われたゲストキャラクターのアフターケアをしたりする。
ところが、この妹に──敵の幹部の怪人が恋をした。
それも引くほどガチだった。人間になる術をまだ持たないので怪人の姿のまま、夜中に彼女に逢いに行ったり、花を贈ったりする始末。
当然兄たる主人公は敵が妹を付け狙っていると(あながち間違いではないが)思い込み、俄然ブチ切れてぶっ飛ばしにかかるのだから、シリーズ中盤から怪人の恋と兄の怒髪天は“お約束”のギャグ要素になった。
だが怪人は、本気も本気だ。故に、どうにか人間に化ける術を習得すると、正体を偽って再び彼女に逢いに行く。それほどまでに本気だった。
──例え、ライダーが敵のボスを打ち倒せば消滅する身だとしても。彼女が、本気で好きだった。
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