Nobody 2017-11-19 03:10:28 |
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>>77 津原 映奈
そう長くはかかんねぇよ。定期とか買う余裕ねぇから、学校のすぐ近くに家借りてるし。
(恐らくは念を押したそばから、娘の行動変化を訝るような言葉の類いが母親から送られてきたのだろう。それを見て顔を微かにしかめるもののすぐに返信を済ませた彼女が、軽やかに振り返って向けてきた可愛らしい言葉に、まるでデートみたいだなと内心苦笑いしながら平常通りの言葉を返す──家に泊めるわけだから間違ってはいないのだが。何はともあれ、彼女の気分がいつもよりやや高まっているのは事実だ。それは己が原因というより、今の今まで溜め込んできた鬱憤を、いつもとは違う、禁じられた行為──違法ではないが、万引きとは別の意味でそう軽々に出来ない真似をすることですっきりさせられるからだろう。どこか危なっかしい、不安定なその無邪気さが、しかし不思議と癖だった。……そこを刃物で突いてやりたい、火遊びを覚え始めたいちばん危ない隙に漬け込んで壊してしまいたい、そんな仄暗い欲望がふと浮かび上がってきたが無理やりに封じ込め。ふたり並んで出口を出ると、車道側に立って己の家へと向かいながら、ふと思いついて彼女に尋ね。)
……あ、でもそういや、夕飯は食ってないよな。どうする? その辺の店に入るんでもいいし、何なら俺自炊してるから、家でも多分何かしら出せるけど。
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