Nobody 2017-11-19 03:10:28 |
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>>73 津原 映奈
そうか。一応は、定期的に携帯見とけよ。連絡がつかなくなったとなると、騒ぎ出すかもしれねぇから。
(“親を騙す”……その言葉を聞いた途端彼女の瞳がはっきりと興奮で輝いたのを見、思わず苦笑を漏らしたが。納得したらしい相手が携帯を開き、恐らく当の親から何か小言を送り付けられていたのだろう、穏和な彼女には珍しい一言を零してから静かにメールを打ち始めたのを、悠然と見守っていて。
両親が厳しい、必要なコミュニケーションを取らないのに妙なところにうるさいというのは、確かに事実なのだろう。プレッシャーをかけられているのも本当の事なのだろう。だが、両親は両親なりに彼女の身を案じているような気もするし、きっとこれは彼女なりの、今まで我慢していたからこそ急に訪れた遅咲きの反抗期なのだ。そんなことを思いながら、その状態にある彼女を独占して眺められる、あるいは影響できるかもしれない展開に内心低く笑っており──まさか己も影響されることになるとは、露ほども考えておらず。
やがて携帯から顔を上げた彼女が満足げに微笑めば、またどこか可笑しそうな声音で念のためと一言呈し。それからふと周囲を見渡し、窓の外がもう暗いのを確認すると、腕時計を見てからやおら立ち上がり、悪戯を企むような表情を浮かべ問いかけて。)
……もう七時か。それじゃ、そろそろ行く? ──俺の家。
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