Nobody 2017-11-19 03:10:28 |
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>>72 加我 佑哉
っ…、そうだよね。私ちょっと焦り過ぎてた。自分の事ばっかり考えて…、加我くんの事は置き去りにしちゃってた。
加我くんのしてくれた提案、凄く良いと思う。逃げてばかりじゃなくて、しっかり案を練らないといけないもんね。─勉強会で泊まるっていう事なら向こうもきっと怪しまないと思うし、それでいってみようかな。
(彼の主張を受けていく中で、家から逃げたいあまりに自分の欲ばかりを相手に押し付けてしまっていた事に気付き、一度小さな深呼吸をしてから冷静に言葉を紡いで。振り返ってみると、彼の言う事も尤もだ。ただ単に反抗心を剥き出しにして立ち向かったのでは、現実的に見てしまえば自分だけでなく彼にも危害がいくのは避けられない。それは一番してはならない事。焦りからか目先の衝動しか考えられず、周囲の迷惑を気に掛けられなかったと深く反省し。─そして彼が口にした、狡猾に騙すという言葉。言葉を聞いた瞬間に、万引きをしている時の自分と似たような感覚があって思わず目を輝かせ。してはいけない行為を、欺きながら隠す。相手の言葉の全てが自分の全てを引き込んでいくように、それだけ魅力に溢れたもののように聞こえて。その中の一つの提案を拾っては、鞄から携帯取り出してメール画面開き。すると噂をすればというべきか、母親から一通のメールが届いており、一瞬顔を曇らせ。内容を確認してみると『今日は帰りが遅いけど、何処にいるの?寄り道してる暇があるなら帰って勉強しなさい』とあり。独り言のように小さい声で文面に向かい「うるさいよ」と呟けば『今日は○子っていう友達の家で勉強会することになったの。そのまま○子の家に泊まらせて貰うから、今日は帰らないよ。伝えるのが遅くなってごめんなさい』と返信して携帯閉じ。○子は実在するクラスメイトであるが、クラスの中でも気弱で主張の少ない人柄であり、親が直接あちらに連絡をした時用に上手く切り抜けられるよう、なるべく使いやすい人物を選んで。○子には後で、詳しい事は隠して勉強会をしている口実を作る旨のみを伝えようと考えており。ふと携帯から相手に視線移し、決心したような笑み浮かべ)
…うん。私なりにだけど、上手く騙せたと思う。
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