響きあう物語

麗奈のせいじゃないよ
時計を見間違えたわたしが悪いから

今日は麗奈といろんなとこ行って
いろんなことして
とても楽しかった
付き合ってくれて、ありがとう
（麗奈の顔を胸元に抱きしめて
髪をなでなでして）

んっ……お礼を言うのは私の方よ……
私の方こそ今日は、私に付き合ってくれてありがとう、久美子……（久美子の自分の胸に麗奈の頭を着けられて頭を撫でられると気持ち良さそうに目を瞑り久美子の胸の感触を肌に感じて

（しばらく無言で、麗奈を抱きしめて
やがて離れたくない気持ちを振り切って解放して）
じゃあ、わたしあっちだから
（２、３歩、後ろ歩きしながら小さく手を振って、にっこり笑って）
バイバイ、麗奈
また明日

ええ……さよなら、また明日久美子……（久美子の挨拶と気持ちに答えるように軽く右手を振り薄く微笑み久美子に別れの挨拶をして

（次の日の早朝─────）
ふわぁ～
この時間に起きるの久しぶりだから眠いわー
重いし
（大きなあくびをしながら、背中のユーフォのケースを少し恨めしそうに見て
まだ人気の少ない学校への道を歩いて）

（次の日の朝早く学校の登校道）
久美子、おはよう、久美子にしては、早いのね……（学校の登校道を歩いていると久美子を見つけると後ろから近づいて久美子に挨拶をして

おはよー、麗奈
麗奈もこの時間かなって思って
（声をかけられると、振り返って眠そうに笑って
挨拶を返して）
昨日は、お疲れさま
（並んで歩いて
さりげなく、そっと手を握って）

そうね……いつもこの時間に登校しているわよ……
でも良く解ったわよね……（久美子が眠たそうにわらったのを見て久美子が愛おしくなりクスって笑い
いいえ、昨日は、私の方こそ久美子を連れ回した感じになってごめんなさい……
門限の方は、大丈夫だった……？（久美子が手を握り締めてきたから自分も久美子の手を握り返して薄く微笑み門限は大丈夫だったか質問して

それは
通常運転の朝練の時間でしょ
春休みは朝練サボったから
眠くて
（フラついて、わざと麗奈にぴっとり身を寄せて）
まぁ大吉山はキツかったけれど
楽しかったよ
門限は・・・
次、部活以外で破ったらお小遣い全額カットだって
（あははー、と苦笑いして）

ほら、しっかりして、久美子……
今日は、始まったばかりよ……（久美子にぴっとり身を寄せられるとしかたがなさそうにため息を吐いて苦笑いを浮かべ久美子の手を握り締めて
それならば良かったわ……
それならば気をつけないといけないわよね……
久美子が門限に遅れないように私も気をつけてあげるわ……（自分も久美子の門限に気をつける事を伝えて

始まったばかりだから
勢いがつくのに時間がかかるんだよぉ
（さりげなく辺りを見回して）
・・・麗奈がキスしてくれたら
目が覚めるかも
（ﾁﾗｯと上目遣いに麗奈の顔を見て）

は～……しかたがないわね……ちゅっ……久美子、これで目が覚めた……？（わざとらしく軽くため息を吐くと久美子の頰を触りゆっくり久美子の頰にキスをすると恥ずかしそうに顔を赤らめてこれで大丈夫なのか久美子に質問をして

エヘヘ
ありがと、麗奈
（すごく嬉しそうに、にっこり笑って）

お返し
（小さく囁いて
顔を近づけると、そっと麗奈の頬にキスして）

んっ……こちらこそご馳走様……（久美子に頰にキスをされると顔を赤らめて頭を軽くさげてキスのお礼を述べると久美子の腕に抱き着いて久美子に甘えるように上目遣いで久美子を見つめ

ふぁ・・・
でも眠いものは眠いね
（ひとつ、大きなあくびをして
ふたり寄り添いながら、まだひと気のない校門をくぐって
玄関で上履きにはきかえて）
部室、もう開いてるかな？

しかたがないわね、久美子にしては、早起きした方だもの……（苦笑いを浮かべて久美子が頑張って早起きした事を褒めて
部室は、空いてないはずよ
いつも滝先生に部室の鍵を貰っているもの……（玄関で上履きに履き替えるといつも滝先生に部室の鍵を貰っている事を伝えて

わたし、この先一生、早起きだけは慣れる気がしないわ
じゃあ職員室だね
（眠そうな目をこすりながら職員室の前までやってきて）
麗奈はここで待ってて
わたしが鍵、もらってくるから

ふふ、しかたがないわよ
久美子は、そういうの苦手だもの……
でもたまには良いでしょう……
ええ、お願いね、久美子……（久美子に部室の鍵をお願いすると久美子が職員室に入って行くのを見送り

ツラいけれど、春休みも終わったし早起きがんばるよ
少しでもうまくなりたいし
それに・・・
なんでもない
鍵、もらってくるね
（にっこり笑って、挨拶をしながら職員室に入って
すぐに戻ってきて）
じゃ、行こっか
（指先で音楽室の鍵をくるくる回しながら）

それならば私が毎朝おこしに行ってあげましょうか……？
久美子は、ちゃくちゃくと上手くなっているわよ……
それに、何なの……？（キョトンと首を傾げて何が言いたいのか気になり久美子に聞き返して
ええ、部室に行きましょう……（久美子に甘えるように久美子の腕に抱き着いて上目遣いで見つめ部室に向かって歩き始めて