響きあう物語

願いがかなって良かったねぇ～
（握られた麗奈の手をにぎにぎしながら、器用に片手で端末を操作して
ぴっ、と送信すると部屋が暗くなり派手な照明が回り始めて、大音量のエレキギターとドラムの音が響きわたって）
いえーい
サビしか知らないけれど
歌うぜー！
（マイクを持って立ちあがって
叫ぶと、きーーーんっとすごいハウリングの音が鳴って）

っ!?頑張って、久美子……（久美子が叫ぶと、きーーーんっとすごいハウリングの音が鳴るとうるさそうに軽く耳を両手でふさぐとすぐに曲に合わせて手拍子を叩いて

（でたらめな節回しで、勢いでＡパートを歌って）
いえぇぇぇぇっ！
麗奈、ノッてる～？！
（間奏の間にマイクを麗奈に突きつけて）

い、いえ～～い！（久美子のハイテンションに戸惑いながら久美子のテンションをさげたら駄目だと思い精一杯に右手を上げて久美子のテンションに答えて

れーなっ
いーシャウトだゼッ！
（さらにテンションを上げて最後まで歌いきって）
はぁ～～～～
気持ち良かったぁ～
（少し声を枯らせながら、脱力したように麗奈の隣に座りこんで
大きく息をついて）

くすっ……久美子たらかなり発散していたわよね……（愛おしそうにくすって笑うと間違えて自分のドリンクを久美子に渡して
では次は、これを歌おうかしら……？（一昔前流行った英語の曲を入れるとスピーカーから曲が流れてくるとマイクを構えて

いやー
ぜんぶ、はきだしたね～
あ、ありがと
（麗奈からグラスを受け取って）
へぇ
こんな洒落た歌、歌うんだ？
なんか麗奈らしいね
（ちょっと感心しながら、中身を確かめもせずにグラスを口に着けて）
うえっ、苦っ？！
なにこれ、コーヒーじゃん～
（渋い顔をしながらぶーぶー文句を言って）

ごめんなさい、私のを間違えて渡したみたいね…
………♪～～（久美子に謝ると英語の曲のバラードの恋愛ソングを目の前にいる久美子に向けて思いを込めて歌い

なんかわざとらしー
（じとー、っと疑いの視線を送りながら
口直しにミルクティを飲んで）
麗奈って、やっぱり音楽のセンスあるんだろうね
歌も上手だなぁ
（うっとりと、麗奈の美声に聞き惚れて
ただし歌詞の意味は分かっていなくて）

ふ～……久しぶりに歌ったけれども意外と歌えるものね………（歌い終わるとマイクを置いてコーヒーを飲んで一息を付いて
次は、またデュエットでも歌う……？（端末で歌う曲を選んで

うんうん
麗奈、すごかったよ！
ちょっと感動しちゃった
（本気でそう思って）
いーよ
・・・んー
じゃあ、これなんてどうかな？
麗奈、知ってる？
（女子アイドルグループの二人組ユニットのヒット曲を見せて）

ありがとう、久美子にそう言ってもらえると嬉しいわ……（恥ずかしそうに顔を赤らめて照れ笑いを浮かべ

その曲ならば私も知っているわ……
確か今一番の人気のアイドルグループの曲よね……（端末の表示された曲を覗き見て

あれ？
照れてるの？
（横顔をじっと見て）
ヤバい
めちゃめちゃ可愛い・・・
急にドキドキしてきた
（頬を紅潮させて
胸をぎゅっとおさえて）

照れてないわよ……（顔を赤らめて照れを誤魔化すように久美子から視線をそらして
どうしたの、久美子……？（久美子が胸をぎゅっとおさえたのを見て久美子の顔を覗き込み不思議そうに首を傾げて

な、なんでもない
（麗奈と目が合うと
慌てて、フイと目を逸らせて）
じゃあ、この曲入れるね
（ピッ、送信して
テーブルのマイクを取ろうとすると手を滑らせてしまって）
あっ！
（慌てて掴もうとして、ソファに麗奈を押し倒してしまって）
・・・麗奈
（ドキドキしながら
じっと見つめて）

久美子……（久美子にソファに押し倒される感じになると久美子の顔が間近になったので恥ずかしそうに目を瞑ると自然とキスをせがむポーズになると久美子を求めるように久美子の名前を自然と呟き

（麗奈が目を閉じたので
こ、これって
キスしてくれ、ってことだよねー？！
目の前の麗奈が可愛すぎて
真っ赤になってテンパって
心臓の音がすごくおっきくドキドキして
こちらも目を閉じて、ゆっくり顔を近づけて・・・）
♪～～～～～
（その時いきなり部屋の電話が鳴って）

っ!?久美子、電話が鳴っているわよ……（電話の音に気がついて不機嫌そうに目を開けて電話が鳴っていることを指摘して

うわわ
びっくりしたっ
（電話の音と麗奈の声で我に返って）
あ、はい
延長なしで

10分前だって
早いね
（電話を切って
アハハー、と苦笑いして）

本当に早いわね……（不機嫌そうにじと～と冷めた目で久美子を見つめながらソファに座るとコーヒーを一口飲んで