名も無き者 2017-11-02 08:35:32 |
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とある田舎町では毎年冬になると、春の訪れを祝う祀りがひらかれている。
その祀りは何百年も前から続き町の守り神と言われる、鬼を奉る祀りでもあった。
そんな、ある年の祀りの日に1人の少年が森に迷い込んだ。少年はひどく疲れ雪が薄く積もった石階段に腰掛けた。
そこで私と出会った。こんな真冬に薄い着物で素足の私をみて、キミは驚いていたね。
でも、私の正体を知ったところでキミは私が冗談を言っているのだろうと言って、怖がりもせず笑顔で話してくれた。
キミは都会から来て、しばらくすれば帰らなくえはならないと言った。だから、約束を交わしたんだ。
「また、会いにくるよ!来年もその次も!」
『そうかい、期待せずに待っているよ』
「期待してよー!じゃぁ、約束のゆびきり!」
『何?』
「ゆ・び・き・り!ほら右手の小指と小指を…」
キミと約束を交わした。私の氷のように冷たい指にキミは一瞬驚いた顔をしたっけ。
また会いに来る、そう言い残してキミは年を越して数日後に帰っていった。私は、キミとの約束を忘れなかった。人と戯れたことが嬉しくて早くキミが来ないかと1日1日がすごく長く感じた。
でも、キミは来なかった。その年も次の年も、キミが再びこの町に来ることも、祀りに来ることもなくなった。
それから、10年の月日が流れた。人にとっての10年は長くとも私にとっては一瞬。また、祀りの季節。白い雪がチラチラと降る中、提灯に灯が灯る。
そこに、キミの姿はあるだろうか──
妖怪×人間×NL
切なく美しい、そんな話しにしたいです。
募集/10年ぶりにきた青年(高校生)
規則/セイチャ規則守る、裏行為禁止、絵文字や顔文字などは禁止、ロル200~(長文歓迎)小説風でも大丈夫です、中級者以上、長期・設定等話し合える方歓迎、無言7日でリセ(それ以上来れない時は一言お願いします)
(/募集板で参加希望したものです。改めてよろしくお願いします。早速ですが、いくつかお聞きしたいことが。
こちらのキャラに対して何かご希望はありますか?
10年後に久しぶりに田舎に帰ってきたときに主様のキャラに対しての記憶はあるのでしょうか?)
(/この度はお声がけくださりありがとうございます。そうですね、青年への希望としては特に細かいものはないのですが、あまりチャラい感じは苦手ですね、でもそのくらいです。
青年の軽い設定として考えているのは、田舎町に祖母の家があり、10年ぶりに祀りが開かれる冬休みに訪れるという形です。記憶に関しては、青年は覚えていません。しかし、2人の出会いの中で少しずつ思い出していく、という流れがいいかな、と思うのですがどうでしょうか?
逆に、こちらに求めるキャライメージなどはありますか?)
(ご丁寧にありがとうございます。了解しました。それでは、自分なりに作成してみますね。
設定の件、了解しました。そうですね…少し独占役が強めな妖怪さんだと嬉しいです。)
「私はね、この辺り一帯の主なんだ。ずっと、忘れてしまうくらいの時をここで生きてる」
名前/椿(つばき)
年齢/見た目は25歳前後
性別/女
容姿/淡い群青色の着物を着ており裾は少し引きずる長さで扇形。袖も長いが、引きずるほどではない。また、袖や裾には黄金色に縁取られた椿の華が描かれている。帯は、椿のように濃い紅色で無地。身長は大体160cmほど。肌は健康的な白さだが、人間よりは白い。髪は銀色でストレート、長さは腰のあたりまである。前髪はセンター分けで、分け目はM字で長さは胸のあたりまである。額の右側と左側に小さな角が生えている。目の色は着物の同じグラデーションになった群青色で、力を発揮するときや、妖怪の気配に身を包むと目は紅色に変わる。目元は少し切れ長でシャープな顔立ち。素足でいる。
性格/長い間生きているためか見た目の年齢にはんして年長者的な言動が多い。たまに人をからかってはその反応をみて楽しんでいる。青年に他の妖や小物が近づくと面白くないのか普段より相手に近づいたりと、少々独占的なところがある。
備考/青年の祖母が暮らす田舎町に住む主。本来の姿は大きな2本の角と、2本の尻尾をもつそれはそれは大きな白銀色の毛をもつ狗神。だが、町の諸説や言い伝えから人々からは守り神の「鬼」ということで知らており、毎年冬の年末あたりに春告と春の訪れを祝う祀りでは山にある社へと供物などが捧げられる。普段は人間の姿でいることが多いが、かつては町を災害から守るためにその真の姿を表した時があったそうだが、それも遥か遠い昔であり、基本は人間の姿の方が楽だがほれでも妖怪などと類は一緒なので見えるものにしか見えない。
約10年ぶりにやってきた青年に記憶がないことを少し悲しむも前と変わらず接している。
(/遅くなりましたが、こちらのpf上げておきます。何かあればお願いします。)
「約束だよ、椿ちゃん。来年もまた遊ぼう!」
「あんたは…あんたは誰なんだ?なんで俺はあんたを覚えてないんだ…?」
名前/西宮 鏡磨(ニシミヤ キョウマ)
年齢/17
容姿/黒い髪は耳にかかるくらいまで伸びていて、ところどころ跳ねている癖っ毛。髪と同じ色の瞳は吊り目がち。身長176cmの筋肉質で肌色も健康的。服装は普段はジーパンやパーカーなど落ち着いた服装で、色も黒やグレーなどの落ち着いたものでまとめている。普段はコンタクトレンズを着用しているが、たまに黒縁のメガネをかけている時がある。
性格/昔は元気よくやんちゃな性格だった。しかし、成長してみると、昔とは真逆で、かなり落ち着いた性格となっている。案外世話焼きな性格で、困っている人は放っておかない。
備考/田舎に祖母を持つ青年。その田舎に里帰りしている間に、妖怪と知り合う。その妖怪とまた来年も遊ぼうと誓ったが、数週間後に事故にあい頭部を打つ。その衝撃で相手のことを完全に忘れてしまうが、出会うと心の中で懐かしさを覚える。
(/ステキな妖怪様ありがとうございます。不備などありません。そして、待たせしました。この数日間時間が取れませんでした。申し訳ございませんでした。こちらのプロフができました。至らぬところがあればご指摘ください。)
(/素敵なpfありがとうございます。不備ないです。さっそくですが、始めていきたいと思います。開始は祀りが始まる夕方くらいからにしたいと思います。)
また、祀りか…
(積もるほどではないが、チラチラと雪が降り始め、日も傾き始めた夕刻。森の社へと続く石階段の両側には灯篭が置かれ、淡い光を灯している。出店や、皆が鬼と崇める自分の姿をイメージした飾りなどが売られており、町人もちらほらと出てきている。そんな様子を眺めながら人がいない社の階段に腰掛けて呟いては、妖怪の自分にとっては寒さなど感じはしないが、眼下に見える距離からは豆粒ほどの大きさしかない人間の姿も妖怪の視力ではきちんとその様子が見え、人間は暖かい格好をしている、その中に小さな子供がかけているのを見かける。その瞬間、ふと記憶が蘇り、今年もきっとあの少年は来ないのだろう、といつきか交わしたあの言葉を思い出してはどこか寂しそうな表情で。人間にとって、1年、10年は長く感じる時の流れかもしれないが、妖怪である自分にとっては瞬きの間に過ぎない、過ぎないはずだった。だが、なぜかあの時からとても長く感じてしまう。心なんてないはずなのに、胸のあたりが苦しいと感じてしまう。キュッと胸元を押さえては、曇り空を見上げて)
(/許可ありがとうございます。それではよろしくお願いします。)
さぁむっ…!
(10年ぶりの祖母の田舎町。春の訪れを祝う祀りなどと言っているがそれすら怪しくなるほどの寒さで、さらに日も傾いてきて寒さは一層増し始め、ちらちらと降る雪に肩をすくめながら歩いていて。目的は森の奥のお社。いつもは祖母が歩いてお供え物を持って行っていたのだが、歳も歳なので、今年からは自分が持っていくことになり。祖母から手渡されたのは小瓶に入った酒と、数個の大福。早く持って行って祖母の家のコタツで暖まろうと足が早まり、やっとのことでお社に着くと、そこには人と言い難いなにかが居て。目の前のそのなにかに視線が釘付けになり、やがて寄ると「君は…だれ?」と問いかけて。)
君は……やっと、来てくれたんだね。待っていたよ
(人間が1人石階段へと足を踏み入れた。石階段は言わばこちらとの境界線であり、自身にとっては結界。普通の人間が石階段を境に何かを感じることはないが、妖力が強い人間が通るときっと空気の違いに気づくかもしれない。そして、ここは自身のテリトリーでもあるので、そこに何かが入れば自ずとこちらも気配で分かるが、今回入ってきた人間にも、いつものように祀りの参加者かと思っていたが、なぜか身の覚えのある気配で振り向くとそこには紛れもなくこちらが見えているのであろう人間だが、その人間の気配と匂い、見た目も声も前とは変わっているが、それでも分かるものがある。するといつの間にか素足のままの足が動いており相手に飛びつくように抱きついては上記を言って)
(社の石段へと一歩踏み出すと、なにかの空気が変わるような気がして。肌にピリピリと感じるこの空気は相手から伝わっているものだろうか。目の前の存在から目を離せず、眺めていると突然に飛びつくように抱きついてくると「わ、ちょっ…」とバランスを崩しながらなんとか受け止めて。ふと気になったのは先ほどの相手の言葉。『待っていた』。初めて会ったはずなのに、なぜそのような言葉を投げかけてくるのか。そのことも含めて改めて問いかけようと「君は…だれ?」と首を傾げて。)
…やはり、時の流れは人の記憶も心も変えてしまうんだな。
(相手の言葉を聞くと、相手からそっと離れて。たった一年後の約束でさえ、人間は移りゆく時間の中でいつしか忘れてしまう。それが、10年ともなればこちらの存在すら記憶が薄れていってもおかしくなはいのだろう。それでも、たとえ自身の記憶も約束も薄れてしまっても、構わない。「私は…この辺りの主でな。いわゆる、妖という類のものだ」とゆっくり、ゆっくりと階段を登りながら前記を言うと相手の方には振り向かずただ振り続ける雪を見ながら「…名もあるだ、椿という。君は……鏡磨だろう?」と振り向いてから確かめるように首を傾げて)
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