2017-10-29 18:11:20 |
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氷影がさ、不安になる時ってこんな気持ちでこんな感じなのかなぁ.全てが解らなくても何となくこんなんじゃないかって、感じる事は出来るよな.お互いに疑って疑って、其れでも生きて来たから直ぐには前を向けないのは分かっているのに、焦らなくて良いと自分で言っておきながら自分が焦ってる、そんな気がする.
信じていない訳じゃないのに、不安に思ってしまうこの気持ちが自分が、なんだか悔しいと感じる.やっぱり不安や悔しさを自分で埋めるのは難しくて、氷影にしか出来ない事だからさ、頼らせて.会いに来て全部忘れさせて欲しい.我儘な俺も全部、消し去って氷影への愛だけに浸らせて.
不安になってないって嘘だけど、どちらかと言えば心配になり過ぎてた.ちゃんと氷影は生きてるのだろうか、って.
こうして来てくれたから良かったよ.安心したからもう平気.独りで氷影を探してただけだしな.(
そりゃ、勝手死なれたら困るからな.きっと何かが反応したのかも知れない.自分でも分からないけど.
探して良いなら幾らでも探すよ、
俺は氷影が帰って来てくれるだけで救われる.
何でだよ、俺は心配したいから良いだろ.需要と供給が合致してるなら良いって言ってたじゃんよ.悟られない様にしたら見付けるからな、隠してる事とか全部吐かせてやる.
ちゃんと見付ける、今日もこうして帰って来てくれた氷影を見付けたよ.
謝らなくて良いよ.嗚呼、其の代わりに話さなければどんどん氷影がボロボロになる.その覚悟があるならな.どんな手を使ってでも俺は言わせるよ、
見付ける自信はある.
今度はお見送りだな、行ってらっしゃい.
氷影.
俺は綺麗な人間じゃないから、汚い事は得意なんだ.聞かれたくない核心を付くのは其れは凄く難しくて容易いモノ.聞き過ぎたら傷付ける、そう言ったのはそういう事なんだ.俺は気になって全てにおいて追求してしまう、其れは知らず知らずに人を苦しめる縄となる.そうして何人の人を苦しめただろうか、後から聞いた話しか無いけど其れはもう悲惨だったらしい、俺の所為で.
集めた情報で問い詰めるのは容易くても、答える側からしたら酷な事なんだろうなって、理解しているつもり.だけど、俺はもっともっと氷影を知りたい.そういう貪欲な生き物なんだ.例え其れが深い傷になろうと、抉る事になろうとお構いなしで良いのであれば.望むのであれば、俺はソレに応えよう.
どんな手段で、どんな情報網であれ、俺は聞き続けるよ.其れは聞かれる側からしたら拷問かも知れないけど、ずっと聞き続ける.毎日毎日、ノイローゼになる程に質問攻めにすると思う.そうなったら、どちらが折れるかの勝負になってしまうかも知れない.戦いは好まないけど、氷影の事で折れる気は更々ないからな.
俺の所為で壊れてしまえば良いのに.
そしたら、氷影の所為でも周りの所為でもなくなる.どんな事を背負って居るのか分からないけど、好きなだけ俺の所為にすれば良いよ.今更俺が悪者になったって誰も気付きやしないし、それで氷影が救えるのなら、この命を掛けて良かったと思えるのに.安い俺の命だけど何か出来るんだ、そう思えるのにって、結局は自分の事ばかりでごめんな.
俺は一度だって自分を我慢して犠牲になんて出来ていないんだよ、綺麗事で着飾った最悪な生き物だから許して欲しい.許しを乞う事すら許されてはいないのにな.願わずには居られないんだ、
氷影の幸せを、怒りや悲しみを共有したい.って.
言うのに何年、何十年と掛かっても俺は氷影に聞き続ける.心から話せる様になる迄、幾らでも待つ.どんなに氷影が不安に思って居ても変わらない気持ちで待ち続けて、いつか話してくれる事を夢見る.完全に安心させてあげられていない、其れはつまりまだ俺が未熟である故に起こる事.完全や絶対なんて言葉はなくて、存在しないのかも知れないけど、氷影にとって安心安全で絶対が見付かる様に俺はしたい.
好きになって、氷影と恋人同士になれてまだ日も浅い.そう簡単には心を開けない事くらい分かっているから、無理はしなくていい.どれだけ拒もうと俺は見て聞いて感じて氷影を受け止めたいから、何時でも受け止められる様にしておく.この身を焦がしてもこの命を捧げても、この世界が終わるその日まで、氷影を大切にする.なんの証拠も根拠もないけどこの言葉に偽りは存在しない.存在する時は俺の命が消えて、氷影を忘れてしまう時だ.そんなのは嫌だから必死で抗うよ.手放さない為に、
俺にはこんな事くらいしか出来ないから.
不思議な夢を見た.鮮明に事細かに覚えているから、後で纏めて書いて見よう.恐らく長くなる、上手く書けるかどうかは別としてこんな夢は初めてだ.
「 紫色の虎 」
何時も通りベッドに横になって、昨日は直ぐに眠気に襲われた.長文を書きながらウトウトしては次第に瞼が下がり、夢の世界へと旅立つ.
何時頃に寝てしまったのかは覚えていない.
夢の中に入ると真っ先に目に飛び込んで来たのは紫色の小さな虎.震え、怯えた目で此方を見ている.優しく手を伸ばそうとするが、よっぽど怖かったのか部屋の隅へと走って行きダンボール箱の後ろに身を隠してしまった.無理に覗くのは良くないかなと思いながらも、呼び掛けたり体勢を低くして何とか気を引こうとしてみたけれど、一向に出て来る気配がない.
そこで部屋のを見渡し、何か無いかと探して見たらテーブルの上にぽつりと生肉が置いてあるのに気が付いた.若しかしたらお腹を空かせているかも知れないと、生肉を手に小さな虎に近付いてみた.すると、匂いに釣られて姿を現した虎は先程見た時よりも若干大きくなっている.そんな気がしたが、その時は見落としていて、兎に角なにかをあげないと.その気持ちでいっぱいだった.
ムシャムシャと音を立てながら生肉を貪り食べる虎の姿に安堵をし、自分も床に座る.溜息混じりの声を発すれば食べていた筈の虎が目の前から消えた.何が起きたのか分からなかったが、また虎を探し始めた時ふ、と背後から何かの気配がある.そう感じて振り返ったら上から虎が降り掛かって来て、左腕でガードしてしまった.人の反射と言うものは意外にも早く、やりたくなくても手が出てしまっていて、正直自分でも驚くくらいに対応出来ている.
そうして驚いている間にも虎は自分を食べようとしているのか、噛み付いた腕を離そうとはしなかった.その姿は最初に見た子の虎なんて生優しく可愛いモノではなくて、立派な大きな虎の姿.自分よりも軽く背を越していて鋭く頑丈な牙がキラキラと光り、今にも食べられてしまうのではないかと言う所で今度は虎の背後から誰か人の様な影が降って来る.虎にも負けないくらい大きくて何処か冷たくて悲しい雰囲気を持った誰か.
起きてから氷影だったな.と、分かったけど気が動転した自分は、その時は誰だか分かっていない.ただ、蒼く綺麗な剣を持った人が虎の背中を一刺しする姿を目の前で瞬きもせず見蕩れていた.
って、言う所で起きた.
助けて貰っただけ.何も出来てない自分.
虚しい様な嬉しい様な不思議な夢.
紫色の虎は何をしたかったのか、何を訴えたかったのか.どうして俺なのか.何故、紫色だったのか.全てが夢だから謎.
何処か現実味があって、本当の世界かと疑う程に腕に痛みと高揚感が今も消えない.
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