似たもの同士なんて思わないけど､似たもの同士だったら良かったのに.なんて､思う事はある.似てたらさ､きっともっと気持ちが解ったんだろうなぁ.解った所で､俺に出来る事なんてないけど共感はしてあげられるし､一緒に考えられるのにな.とか､また独り善がりを口にする.

フリィダム･ロリィタ / この曲を聴いてそう思った.言葉選びが綺麗.と言うか､こんな発想は俺には出来ないから､凄いなと思った歌詞と曲で惹き込まれていた.

同じゴールを選んで進んでいたのなら良かったのに." はず " でしかない､不確かな曖昧な言葉が心に刺さる.確かなモノは自分にしか分からないから､人は他の人を憶測でしか語れないんだ.だから､知りたい.そう感じるんじゃないかな.もっと細かく鮮明に同じ景色を見る為に.知りたいと言う欲に塗れる.

其れが､正しいのかも分からないままで.

まぁ､知りたい.其れが迷惑だって思う人も居るんだろうな.俺は気になったらある程度は聞いてしまう方だから､聞かれたくない人は隠しておくか､関わらない方が良いんだろうな.聞きすぎると責められている様で怖いとか言われるし.

一人で居るとどうしても脳内に嫌な事がチラつく.出来る事ならば､見たいモノしか見たくない.そんな我儘は出来ない立場だと言うのに.自分で蒔いた種ではないのにな.存在そのモノが種だと言われてしまったらどうしようも出来ない.仕方がないのだと､諦める事しか出来ない.もっと自分に力があったのなら違って居たのかなぁ.過去をどうこう言っても仕方が無いのだけれど.

泰陽-､
ちょっと話したいんだけど駄目か?(

え､丁度今､俺も氷影の所に行った.(
俺の方に来てくれてて吃驚.

ごめん､ 知らないうちにすれ違ってたわ｡(
手間だろうしどっちかｽﾙｰしてくれて良い｡

此処では独り言を量産して流されると思うから､俺が行く.大事な返事を流したくないからな.

嬉しいモノを嬉しいと､ハッキリ顔に出したいけど出ない.きっと今も真顔.

自分から誰かに興味を持つ事が今までなかったから､どう触れて良いのか分からない.何時も興味を持つ対象が動かないモノだったから､なんだか不思議な感覚.良く考えたら本当に俺の事に興味を持ってくれた人なんて一度もないな.当たり前か､俺が興味を持って居なかったのだから.

俺の目は壊れたカメラのレンズの様だ.
フォーカスする事しか出来なくて､背景を暈して現実からまた､目を逸らす.
文字にはモザイクを掛け､言葉にはノイズを掛ける.見られない様に､聞かれない様に.慎重に石橋を砕いて渡る､狡い人間.

若しも､脅迫をされて吐けと言われたら全てを吐き出してしまうかも知れない.其れが貴方の言葉なら.

こんな弱い意志なら､持たない方が楽なのかも知れないけど､俺なりの配慮なんだ.なんて､言葉を並べて自分勝手を押し付ける.最低だよな.

ぽつりぽつりと落ちる雨粒が俺は好き.
だけど､掌で其れを受け止める事は出来ない.触れた場所から赤く､痒みを覚える.

雨アレルギー.

出来るだけ嫌な事は考えない様にしている筈なのに､脳内から削除出来ない.一度記憶されてしまったモノは中々消せず､心を蝕んで行く.これ以上腐敗するモノなど俺にはないのに.

とうとう言われてしまうんだろうな､別れを.その時の準備と覚悟をして置かないと.でないと､俺の心が持ちそうにない.

その場限りでも良い､今夜は誰かと話していたい気分なんだ､誰か話さないか.って､言っても誰も来てくれないよな.そもそもちゃんとした友達とか居ないし.あの人は呼んだら迷惑だろうし.なんて､また踏み出せないままで居る.

もし､別れを告げられたら潔く身を引こう.
笑顔で言えるように､不自然じゃないように､頬の周りを解しておかないとな.

いつの間にか倒れてそのまま寝てしまっていた.寒い.誰か文句でも暇潰しでも良い､来てくれないか.其れか､誰か起きてる人の所へ行こうか.居るか分からないけど.
朦朧とする意識の中にまだ､埋もれたくはない.

自分の首に手を当て､思いっ切り絞める.痣が出来る程に強く何も考えずに唯々､力を込める.消えぬ傷に恋い焦がれて.

人間では無い扱いには慣れている.もういっその事､動物の方が良い.猫撫で声で鳴けば好いてくれるか？なんて､綺麗な声が出ない俺にはどうしようもない.動物に失礼だ.
それなら､首に巻いた鎖を両側から絞めてくれないか.この白い首が折れるまで.赤い首輪なんて俺には高望みで､似合わないモノだから.