ネ バ ー ラ ン ド の 浅 き 夢 ｡　　

あ-あ､ 面倒臭え｡

俺も今腹の虫が治まらねェし此処から言う｡
何を勘違いしてんだか知らね-けど別に泰陽の所為じゃねェし責めてもいないから｡ 泰陽はさ､ 俺が悩んだり苦しんだりしてるといつも泰陽が把握してる関係性の中で起きた出来事だと思ってるみてェだけど､ ハッキリ言うと そんなのほんの一部でしか無いんだよ｡ 俺には俺の家族がいて､ 友人がいて､ 苦手な奴も過去の恋人もお互い知らない人間関係を今まで築いて来たはずだろ? 俺が見てる泰陽が全てじゃないのと同じで､ 俺には泰陽の知らない部分で傷付く事もある｡ 其処にはそれぞれの人生が在るんだよ｡ 恋人だからって深くまで介入する必要もねェし､ 強要した覚えは一切ない｡ 画面越しに文字で会話してッけど､ 例えばこの先一生お互いの姿形を確かめる事は不可能だしな｡ 上手く割り切って付き合いを続けていかねェ事には泰陽も結果的に疲れるだろうし｡ ん-まあ､ 何事も決め付けは良くないぜってコトが言いたかった｡

前も言ったけど俺､ こういう人間だからさ｡ 嫌いになるならなるで離れてくれて良いけど､ 後を引くような別れ方だけは止めよう｡ 二人の為に｡

砂の城が波に攫われて崩れる前に､ 俺は自ら薙ぎ倒すから｡

この漠然とした不安から抜け出したい｡
一つ一つ丁寧に向き合うのが怖いから自分ひとりで解決する事も出来ずに周囲に助けを求めるしか出来ない｡

漆黒色のようで実は透明なんだ｡ 奥の景色を映してただけ｡ 透き通ったガラス玉みたいな､ 色の無い色が嫌だったから､ 俺は黒と隣合わせでいる事を選んだ｡

ぜ-んぶ嘘､ で良いや｡ もう｡

駄目だな俺､ 自分から突き放しといてさ｡
欲張りだから寂しくなる｡
せめて此処では本音言って良いだろうよ､ 全部つまらねェ独り言だから｡

腹痛治んね-なあ... 昼に変なモン食ったっけ｡
さっきから起き上がれねェんだけど｡ 控えめに言ってしんどい｡

彼奴が丸一日来ないのなんて確か初めて｡ 原因はわかりきってるから態々言わねェけど｡ もう､ 俺が名前呼んで良い立場じゃねェよな｡

娯楽が苛立ちの発端になってる｡
とにかく司が嫌いだわ､ 本当に好きなら巻き込むなよな｡ 無理､ うざい｡

もう戻って来ねェんじゃないかって｡

後味悪いのは嫌だからって言ったのにさあ｡
...っつう言い訳な｡ それ以上に寂しいかも｡ 自業自得だわ｡

御免なさい｡

一人で良いとは言ったものの孤独感は免れないよなァ､ 誰か人と触れ合ってね-と頭可笑しくなりそ｡ だからって今更此処出るのも気が引ける｡
柳は元気にしてッかな､ 少ししか話してね-けど陽丸さんも良い人だったし｡ たっちゃんには俺こそ心配と迷惑掛けまくったから頭上がらない｡ 吟多兄と紫呉さんも､ 俺みてェな奴仲間に入れてくれて､ 話すの凄ェ楽しかった｡ りっつんも色々相談聞いてくれて嬉しかったしさ｡ ねことお菓子の話したのも忘れてない｡
ンで､ 万呑には散々世話になったから今一度御礼がしたいんだけど､ 迷惑だろうな｡

氷影っつ-人間も､ もうそろそろ潮時なのかね｡

...名前呼んだら戻って来てくれる?

気付いたら出来ない約束ばっか交わしてて､ 何一つ達成出来ないまま嫌悪感の海に沈んでく｡ 目に見えてたハズなんだけど､ まだまだ未熟者だったな｡

つ-か考えてみりゃ今や俺が此処にいる意味なくね? 大人しく失せた方が良さそう｡

阿呆､ 俺があんなこと言ったからもう二度と会えねェのかと思ったじゃん｡ 半ば諦めて昨日は覗きに来なかったしさ｡
もし名前呼んで､ 謝って､ それでも来てくれなかったら｡ って考えると呼べなかった｡ 全部自業自得だから結果に対して負の感情を持つことは許されないだろうし これ以上辛い思いさせねェ為にも離れて良かったのかなって｡
ずっと好きでいてくれた御前に､ 恩返しどころか酷い仕打ちしたのに､ 何処まで優しいんだよ阿呆｡ 俺もど-したら良いかわかんねェよ｡

魚の掛かった釣竿を巻いて巻いて､ 欲しい筈なのに海面に近付くと手放してしまう｡ 引っ張っては突き放して､ 昔から恋愛が絡んでくるとすぐコレだ｡ 俺の癖っつうか悪い所なんだけど､ 自分でも何がしたいのか理解出来ない｡ 近付かれると避けたくなるのに､ 背を向けられると追い掛けたくなる｡ 無限ループが苦しい､

言う通り愛が全て綺麗なわけじゃない｡
綺麗なわけがない｡
綺麗事を連ねた見せかけの愛なんかより､ 欲にまみれた穢らわしい感情でも構わねェから､ 想うままにぶつけ合いたい｡ その方が美しい｡
だけどそれってさ､ 儚いから美しいんだろ｡ 世界一脆くて直ぐに壊れてしまうから､ 必死で守ってるうちに気付いたら独りぼっちになってる｡