赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>赤の騎士
(先程から彼を前にして随分と幼い行動を取っている自覚はある。だが話をする内に緊張も無くなり、何より見栄も虚勢も張らなくていいのが心地良くてつい考えるより先に行動を取ってしまうのだ。そういえば、楽しんでばかりで仕事だとか給料だとかをつい忘れてしまっていた。掛けられた言葉に甘えさせて貰うことにして、隣の店に駆けて出して。だが、目の前の彼を出会ったばかりというならば、礼を行うべき人もまた出会ったばかりの相手であり好き嫌いなど把握しているわけもなく。ここで好物を聞くのはフェアなのかフェアじゃないのかと頭を悩ますも、どうせ買っていくならばと「騎士さんはビルさんの好きな物知ってる?」そう尋ねよう。だが自分のものを買う、というのはそれは最初の約束ではないと気が引けて、手をブンブン拒絶の意思を示し。しかしそれも下手に出られた言葉には言い返す術を持っておらず、ならばと選んだのは一つの赤いキャンディ。「あたしは馬鹿だから記憶力もあてにできないんだけど…、これを口にしてる間は騎士さんのこと考えてられるでしょ?」名案だろうと自慢気に口にして。いつもより美味しいと期待していた感想を越えてきた言葉に、例の如く嬉しそうに、しかし今回ばかりはむず痒そうな照れ臭そうな表情を浮かべ「それは良かった」なんて気取った返事を返して。)
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