赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>ライオン
(動く薔薇は初めて見た。ましてや意思を持っているなど。驚き、興味が湧かないわけではなかったが、そもそもこの世界へ突然迷い込んだ時から奇妙なことは続いているのだ。ライオンの様子から察するに、きっとこんなことは日常茶飯事なのだろう。一々驚いていては疲弊するだけだ、と感情を沈め。「俺はこの世界でお前以外の知り合いが居ない。どうすればいいんだ」確かにひとりでこの場所を通るには骨が折れそうなことは分かるが、誰に助けを求めれば良いのかは分からずに問い掛けて。城に着くと、流石にその絢爛さには目を見張った。きっと娘を連れてくることができればさぞ喜んだだろう。そんなことを頭の片隅で考えながら、はぐれないようにとライオンの背を追いかけ。厨房へ入ると言われた通りしっかりと手を洗い、示された場所に腰掛けながら相手が料理を作る姿を眺め。「どこぞのバンドマンのような風貌だと思っていたが、エプロンを着るとすっかり雰囲気が変わるもんだな」先程の姿と違いスッキリとしたコック服に身を包み、てきぱきと手際よく動く姿はやはりその道のプロなのだと思わされる。時間が経つほどに漂ってくる香りにスン、と鼻をひくつかせながら台の下でそわそわと手を握ったり開いたりして、料理がサーブされるのを待ち。現れたオムライスとオニオンスープは、一人では決して食べないメニューだった。ほんのりと家庭の暖かさを感じさせるような、自分とは少し遠い距離にある食べ物のような気がしていた。「卵が柔らかくて…中のライスも赤いのか」表情を変えないままスプーンで卵を割ると、そこから現れたチキンライスの色を訝しげに見つめ。「遊園地の鳥?風見鶏でも飾ってあるのか」何に例えられたのか分からず相手の言葉にいい加減な答えをしてから、スプーンにのせた卵とライスをゆっくりと口へ放る。口一杯に広がる卵の甘味と、トマトのほんのりと優しい酸味。数回咀嚼して飲み込むと、一旦スプーンを置いて口許を押さえ。「これは…美味い、な」咄嗟に出た言葉はえらくつまらないもので、もっと言いようがあるだろうにそれ以上かける言葉が見つからなかった。オニオンスープを飲み物のように一口飲むと、今度はその温かさと広がるオニオンの風味に息を吐く。もうこれ以上の言葉を述べられる気もせず、再びスプーンを掴むと勢いよくオムライスを食べ進め)
>アーロン
俺は城に住んでねぇけど、毎日城に来てるからそん時に誘ってくれても良いぜ――後は一人で城内でもふら付いてみろ。そしたら構いたがりの住人がこぞって集まって来る(問い掛けられた質問は確かにと納得の行くもので、先ずは己の居場所を述べてから他の構いたがりを頭に浮かべ面白がるような表情、声色でそれを告げて。己のイメージを告げられれば嫌がる事無く牙を覗かせる様に笑い声を上げて、提供した料理のリアクションは何時だって心待ちになってしまう。自信は有る為、不安は無いが美味しいとその一言を貰うのは何度やっても飽きないもの。表情が見てわかる程大きく変化を遂げたわけじゃ無いが、それでも伝えられた"美味い"の一言に満足げに口角を持ち上げて"だろーッ"と食い気味の相槌を。夕食の準備を行う傍らにて簡単ながら数種類のフルーツをソーダ水に入れたフルーツカクテルを作りデザートとして用意すれば、ほとんど同じころに夕食の下準備は終わったようで作ったフルーツカクテルを彼の元へ差し出し「今度、遊園地に連れてってやるよ。そうすりゃ俺の言いたいことがわかるぜ」ヒュウ、と軽さを含んだ口笛を一つ。当の住人は引き籠りの気が有る為に中々城に来ることは考えられず、そうなれば己が行かないと紹介も出来ない。正面の簡易椅子にどかりと腰を下ろすと「あァ、後。此処での生活は自由だけど、遊んだり欲しいモノを買うのには金が必要だ。金はココの奴らの仕事を一日手伝えば報酬として確り出るから安心しろよ」企む様に笑みを浮かべれば「モチロン、俺も働き手は年がら年中募集中だ」ちゃっかりと己の仕事の宣伝を付け加えて)
(/大幅に遅れてしまい申し訳ないです…!)
>ライオン
城に住んでる奴も居るんだな。お前も居るなら良い。
(一先ず、頼るべき人物にはいつでも会えそうなこと、そしてライオンも普段此処に居るということを知ると、分かったと言うように頷き。料理の感想を上手く伝えることができず、かつて妻に"本当にそう思っているのか"とヒステリーを起こされたことを思いだして心配していたが、相手の笑顔と食い気味な返事できちんと伝わったのだと分かり安堵し、ほんの僅かに口許を緩め。ちょうどオムライスとスープを食べ終えたところへ出てきたデザートを見ると、その彩りの良い可愛らしさと、作り主である相手の顔を交互に見比べ。「お前は…顔に似合わないもんを作るんだな」料理の華やかさを褒めるつもりが嫌味のようになってしまったことにも気がつかず、なんの悪意も無いままポツリと呟くように告げ。「遊園地は行ったことがない。年を重ねた男でも楽しめるものか」鳥、の正体には興味があったが、テレビや本で見る遊園地という場所は、自分とはとても無縁に思える。僅かに眉を寄せながら尋ねると、フルーツカクテルを食べ進め。「遊びはよく分からないが、金は確かに必要だな。有り難い」相手が説明してくれるおかげで、此処での生活のイメージに徐々に輪郭がついてきた。何かを手に入れるには金が必要。そんな当たり前のことが、当たり前じゃないこの世界ではとても安心する。「残念ながら俺は料理が苦手だ。食材や機材を駄目にしてよく怒られた」付け足された言葉は、仕事を探さなければいけない己にとって有り難いものではあったが、料理をしようとして何度フライパンやオーブン、トースターを駄目にしたか分からない過去を思い出しては首を横に振り。「これだけ作れたら、料理もきっと楽しいんだろうな」フルーツカクテルを食べ終えると、スプーンを置き両手を合わせ。)
(/昨夜はせっかくのお返事に気がつけず…!また、慣れないスマートフォンからとのことでしたのに、長文を送ってしまい申し訳ありませんでした。また懲りずにお相手いただけると嬉しいです…!)
>アーロン
(/昨夜はお返事ペースが遅く申し訳ありませんでした…!またお時間が合いましたらどうぞいつでもお越しくださいませ。またお話しできることを楽しみにしております!)
>常連アリス女性一名、男性一名募集、新規アリス男女一名ずつ募集 / 新規プロフは随時募集
のんびりと本日の交流受付を行わせて頂きます。
何方か様とお話しできることを期待して待っておりますので、お気軽にお声がけ下さいませ。
交流枠を一先ず計四名までと作っておりますので、もしお時間の合ったアリスがいらっしゃいましたら遠慮なくお越しくださいませ。もしかすると後ほど枠の追加をするかもしれません(パラレルワールドにつき、交流住人の被りも問題ありませんので悪しからず。)
相談、希望、質問だけでも大歓迎ですので、お気軽にお声掛下さいませ!
※もし前回からの交流希望の場合は前回のレス番号を(>No,〇〇)と表記して頂けると助かります。※
■注意事項/世界観など■
http://www.saychat.jp/bbs/thread/626257/res/1
■提供キャラクター/住処/仕事■
提供:http://alice123.hanagasumi.net/jyuunin.html
住処/仕事:http://alice123.hanagasumi.net/maps.html
■優遇/冷遇■※2/11追加※
http://alice123.hanagasumi.net/yuuguu.html
■特設ページ■
http://alice123.hanagasumi.net/index.html
■個人ページ■
http://www.saychat.jp/bbs/thread/626550/
※プロフの変更、息子様娘様の詳細などありましたら此方へどうぞ
■イベント概要■
常時イベント:http://redrose.nari-kiri.com/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/event
もし宜しければ話のネタとしてイベントをお使いくださいませ。
■手紙■
http://www.saychat.jp/bbs/thread/626257/res/1508
(/御無沙汰しております。思うように時間が取れず顔を出せずじまいだったのですが、久々に覗いてみると丁度受付されているようでしたので声を掛けさせて頂きました。前回から随分時間が経ってしまいましたので、また新たな交流を始めさせて頂ければと思っております。お相手は大変恐縮ながら、お任せとさせて頂くことは可能でしょうか?素敵な方ばかりで決め兼ねてしまいまして…!)
>埜瀬
(/お久しぶりでございます…!お越し頂き有難う御座います。季節の変わり目に加え様々な代わり時期ですのでどうぞお体を第一にご自愛してくださいませ…!それでは新たな交流と言う事ですので、赤の騎士、芋虫、ドードー鳥、三月兎、オウムのいずれかでお迎えに上がろうかと思っております!希望が有りましたらお伝え頂けると有難いです…!)
>赤の女王
(/温かいお言葉を掛けて下さいましてありがとうございます…!主様におかれましても、どうか風邪など引かれませんようくれぐれもご自愛下さいませ。それでは早速ですが、前回お話をさせて頂いた悪魔さんと交流が深いということで、今回はドードー鳥さんにお迎えをお願いさせて頂けますでしょうか…!)
>埜瀬
(ご機嫌な足取りで森を抜け、慣れたように庭園を進む。そうしてやって来たのは赤の城、普段遊園地の管理を行っていればその場を開ける事は珍しく濃厚な薔薇の香りもまた久しく感じるもの。それではどうして城にやって来たのか、昨晩悪魔と共に断章を行った中で上がったのが己好みのアリスがいるぞと言う情報。そんな情報を与えられて大人しく遊園地居る事など出来るはずも無く約束も取り付けずにやって来たと言う始末、場内を進めば久しい己の姿に挨拶を重ねるメイドやトランプ兵に自らもまた同様の挨拶を重ね、先ず先にと厨房に寄ればまた友人の一人であるコックの元に立ち寄って紅茶と共にブランデーを、紅茶と共に頂ける数種類のミニケーキとクッキーの乗ったトレイを受け取りその場を後にし、アリスの住まう棟が近づいた際に"東洋のアリス、男性、髪が少し長く癖がついて、"と悪魔より教えられていたその情報を述べる事で部屋の場所を教えられ、ようやくたどり着いた彼の部屋を数度ノックすると「やぁ、アリス。デートの誘いに来たぞ__部屋を空けてくれ」扉が開く前にと身だしなみのチェック、被るハットを器用に一度被り直して。「手土産もちゃんとある、今日という日を俺と楽しく凄そうではないか!」口を付く言葉は大げさな言い回し、ある種職業病と言うべきか。扉の内にいない事を想定していないそんな雰囲気で語り掛け)
(/それではドードー鳥にて交流文を提出させて頂きます…!絡み辛ければ再度出しなおしますのでどうぞご遠慮なく…!それではどうぞ宜しくお願い致します!/蹴り推奨)
>ドードー鳥
(人間とは不思議なもので、例えどんなに頭が拒絶を望んでいたとしても身体は案外すんなりと慣れぬ暮らしを受け入れる。何気無い日々の中にさえ故のない憂鬱を感じずいられないのは元のクニでも不思議のクニでも同じ事だったのかも知れない。今日も今日とて鬱々とした思考は蔦の様に絡み付き、一歩部屋の外へ足を踏み出しさえすればこの室内とはまるで違う心地良い陽気が待っていると知っていても、今こうして腰掛けている木製の椅子に己を縛り付けるのだ。そう言えばあの日もこんな――ぼんやりと思い返したのは、いつか己を遊園地へと案内してくれた彼がこの部屋へやって来た日の事。あんな風に強引なきっかけが無ければ部屋の外にも出られやしないのだと自嘲気味に苦笑いした所で、突如聞こえたノックの音と何とも明るく賑やかな呼び声にびくりと細い肩を跳ね上げた。「またかよ…」思わず舌打ちして呟いたのは、つい今し方思い返していたあの日とあまりに似た今日この日の出来事に向けたものだろう。のろりと椅子から立ち上がり、気怠そうな足取りで近付いた部屋の扉を少しだけ、己の顔の半分が外に見える程度のその隙間から呼び声の主を確認し「煩い………誰、」と怪訝そうに眉を寄せて)
>埜瀬
嗚呼!よかった、紅茶が冷めてしまう所だったから。さあ、確りと開いてくれ(扉の先に人の気配を感じた後、警戒心を剥き出しにするように僅かばかり扉が開かれればその隙間より覗いた姿を一瞥し悪魔の言っていた意味を納得する。確かに、己にとって好みの顔つきだ。そんな胸中は表に出すことなく綺麗に隠し、にっこりと笑みを浮かべ愛想の良さを前面に出しつつ持ってきた紅茶とお茶菓子の乗るトレイをその隙間より見せる様に少し持ち上げて「先日は遊園地に来てくれたそうだね、挨拶をしてやれんで悪かったな。俺は遊園地の管理人、ドードー鳥と呼んでくれ」怪訝そうなその表情に応えるべく己の立場と名前を簡易的に紹介すれば「酒は飲めるか?紅茶に淹れると美味いブランデーも貰ってきたぞ。身体を内から温めようではないか」わはは、と楽しげに笑い声を上げながら綴る言葉は何とも調子のいい言葉ばかり。ふわりと香る紅茶の匂いだけは嘘偽りなく美味しそうなもので「厄介なこの国について疑問もいくつか浮かぶ頃だろう。そんなアリスに此処の先輩が何でも教えてやろう」先ず大事なのは彼の懐に入る事、そのためには悪友とのつながりを知られるのはマイナスにしか働かないだろうと悪魔との交友関係を潜めつつ口を付く調子のいい発言を継続し)
>ドードー鳥
(開いてくれ、と言われても扉の隙間を広げようとはせず様子を窺う姿は宛ら訪問販売員を追い返さんとする姿勢そのもの。まだ顔を合わせてほんの数十秒程しか経っていないが、少なくとも彼が明るくお喋り上手である事はよく分かった。中途半端なお喋りであれば暴言のひとつやふたつ吐いて黙らせた隙にさっさと扉を閉めてしまうのだが、次々に飛び出す言葉の数々に口を出すタイミングを上手く掴めない。以前やって来た彼然り今目の前にいる彼然り、己の中にある一定の基準を超えた積極性に対面すると得意の毒も引っ込んでしまうのが脆弱な心の持ち主であるが故の弱みだった。気が付けば、彼の自己紹介にも質問にも応えられぬままただ扉だけを躊躇いがちにゆっくりと開き、唯一好感をもつ事が出来た優しい紅茶の香りだけを来客を受け入れた口実にしてしまおうと頭の中で己に対する言い訳を拵えながら「…先に言っとくけど俺を含め、面白いものは何も無い。勝手に期待して勝手に幻滅するのだけは止めろ。」と求められてもいない忠告をひとつ。扉を離れて再び己の定位置である木製の椅子に腰掛け直すと、猫背気味のままちらりと彼の派手な装いを一瞥し「聞きてぇ事は色々ある、お察しの通りな…先輩名乗るなら俺が納得するまで問答に付き合えよ。」などと生意気な言葉を吐き)
>埜瀬
(最初こそ針のような警戒心が肌を刺すような空気感を感じさせたが、己の同居人とて似た様な物。当たりの強い反応には抵抗も無く慣れていた、暫しの葛藤が有ったのだろう漸くと開かれた扉のゆっくりとした動作がその葛藤をより強く感じさせて、ついちょっかいを出したくなる悪癖をぐっと抑え込み我慢して。部屋に入れば彼の忠告通り、派手なアレンジは見られずに、それでも綺麗に纏められた状態で。備え付けのテーブルにトレイを下せば小生意気なその言葉に"くつり"と喉を鳴らす軽い笑い声を一つ、「ああ!勿論だとも、――答えられる事、答えていい事、に限るがね。」最初は何処までも大盤振る舞いと言った口振りで期待を持たせ、後者には"シー"と息を漏らして秘密を貫かなければならない事も有ると言う意味を含ませた言葉を添えて。テーブルの下に組み込むように収納されている折り畳みの簡易椅子を"えっと、この辺に――"とぶつくさ呟きながら探してから開き、自らもそこに腰を下ろして「つもる疑問は有るだろうが、先ずは出会いに乾杯だ!」彼の返事を聞く事無く呑めるだろうと言う事を前提にブランデーを少しティーカップに注いでからソーサーに乗せた一つを彼に差し出して、渡した後にもう一つを己の手の内に持てばティーカップを少しだけ掲げて「ようこそ、我が国へ。……歓迎する」ニッコリ、と口角を吊り上げ眼をしゅるりと細める笑みを浮かばせて改めて歓迎の言葉を添えて紅茶を一口楽しんで)
>ドードー鳥
(/背後より失礼致します。大変申し訳無いのですが、次のレスに少しお時間を頂いてしまいそうな状況でして…もし時間を掛けても構わないと言う事であればきちんとお返事をさせて頂きたいのですが…!お待たせしてしまうのも失礼ですので主様のご都合次第では一旦退出させて頂きます。ご検討頂けますと幸いです…!)
>埜瀬
(/先ずはご丁寧なご連絡を有難う御座います…!久しぶりの交流ですので是非待たせて頂きたく、本日日付が変わる頃くらいまでは待機が出来ますので、のんびりと待機をさせて頂きます…!ですのでお返事ペースはお気になさらず…!)
>常連アリス女性一名、新規アリス男女一名ずつ募集 / 新規プロフは随時募集
計三名の枠を引き続き募集受付しております。
もしお時間の合う方がいらっしゃいましたらお気軽にお越しくださいませ。
>ドードー鳥
(己とは全く別の分野ではあるが、彼にもまたちょっかいを出すか出すまいかと言う葛藤が生まれている事には気が付いていなかった。その詰の甘さこそが、僅かな隙の如く生まれたガード緩みこそが、ある意味こうして出会った彼との交流を手伝っているのかも知れない。兎に角何かに付けて拒絶と言う手段に逃げてしまおうとする思考は毒を吐いて追い出せ、傷つけて追い出せ、閉じ篭れと喧しく己を捲し立てるが、何とかそれを抑え込んだのはせめてもの安らぎを齎してくれる紅茶の優しい香りだった。調子の良い大盤振る舞いと見せ掛けて伝えるべき事を伝えるのを忘れない、芝居がかった身振り手振り口振りの裏に年相応の冷静沈着さを見れば"油断ならない相手だ"と臆病者の本能がぴりりと警戒する。簡易椅子を用意する様子を注意深く観察しながら彼の人となりを探り出すつもりが、鮮やかなベリーピンクについつ目を惹かれてしまう。此処の住人はどうも目に新鮮な姿形をした者ばかりで、拒絶の裏側では己に無いその華やかさに惹きつけられている事には流石に気が付いてしまっていた。結局人間観察も失敗に終わる中、差し出されたティーカップから漂う紅茶とブランデーの芳香にはっとして瞬けば「――どうも」と素っ気なく呟く。元々口数の多い方では無いもののあれこれ余計な事を考えていた所為かすっかり言葉少なになっていた口に温かい紅茶を流し込み、ほっこりと体の内側から温まって行く心地良さに幾許かの余裕を取り戻した所で「歓迎されたって別に嬉しくも何ともない…本当に元の場所には帰れないのか?その為の方法がひとつも無いのか、探せばあるのか、それが知りたい…」と早速質問を投げ掛け
(/想定していたよりは早めに戻って来られましたので、お返事をさせて頂きます…!ゆっくりペースでの交流となってしまいそうですが、久々にこうして顔を出す事が出来ましたのでお言葉に甘えてお時間の許す範囲でお相手頂けますと幸いです。それでは改めまして宜しくお願い致します…!/蹴り推奨)
>埜瀬
――もしも本当に帰りたいなら、名前を忘れてはならない。(一息つく暖かい紅茶は帽子屋邸で飲むほど出来た仕上がりではないが決して悪くない、ふわりと香るブランデーの香りが有ればこそ繊細とは言い難い己の舌には十分上等な物に姿を変えるのだから。そんな紅茶の温かな余韻を楽しむ間を数秒、投げられた質問はアリスと言うこの理不尽な状況下の中で当然とも思え、"ふむ、"と業とらしい間を一つ置いた後に帰るべきその時に鍵となるその条件を教え、「この国で一日を繰り返す度に、元々この国に生まれたのではと言うような記憶違いが現れる。元の国で何をしていただとか、あの店のあれが好物だとか、――最後に名前が思い出せなくなれば、生涯をアリスとして過ごす以外の道が消える。」かちゃり、とティーカップをソーサーの上の戻し確りと彼の事を見据えれば嘘偽りないその条件を、おまけ。と言った風の軽さを含んだ雰囲気でパっと表情に笑みを浮かべると「数日前までいたアリスが姿を消した、なんてことはザラに有る。決して珍しくないのだ、お前が本気で帰りたいと願っていればいつかその道が再び開かれる事も無いとは言い切れないな」彼が本来求めていたのだろう此方の答えを敢えて軽口として綴るのは、暗にこの国の住人と言う立場から折角迷い込んで来た彼が元のクニに戻る事を防ぎたいと言う思いからで。「とは言え、何をきっかけにすれば元のクニに戻れるのか。と言う所までは俺に解かりかねる。この国の名前たる由縁、不思議が多くてね」最後には茶化すような付け足しを忘れずに。答えを終えて数秒ほどは彼のリアクションを見る為に沈黙を生んだが、中途半端な知識だけでは可哀想だと生んだ気持ちからか「部屋に籠っていてはその切欠すらも見失うぞ。迷い込むときも、帰る時も、薔薇園からと決まりがあるようだ」そんな沈黙を裂く様に落ち着いた声色でアドバイスのような一言をそろりと忍ばせて)
>ドードー鳥
…名前――、(まず初めに告げられた条件のひとつを耳にした時、不思議の国へ迷い込んだ時初めて出会った人物の言葉を思い出した。そうだ、彼もまた同じ事を言っていた。幸いにもまだ此処へ来て日の浅い己はたったひとつの名を覚えてはいるが、彼の言葉が正しいのなら恐らくこれから日毎に薄まっていく記憶の中ではそれもどうなってしまうか分からない。何とも皮肉な話である。不思議の国での己は"アリス"、此処ではある意味蔑ろにされてしまうと言っても過言では無い本当の名こそが、元の場所へ帰る最後の望みになると言うのだから。一先ず最後まで口を挟む事なく彼の答えに耳を傾けていたが、思った通り帰りたいと願った所でおいそれと帰してくれる場所ではないようだ。人は質問をする時既にその答えを自分の中で決めているとは言うが、全くその通りだ。確りと己を見据える眼差しに晒される居心地の悪さにそろりと視線は床の上へと逸れ、少しずつ微温くなってきた紅茶を一口喉へ流し込めば「不思議って言葉を盾にしただけの…つくづく身勝手な仕組みだな」とぼやく。ぼやいてはいるが、結局必死になって帰る為の手段を探す程のエネルギーは無いのである。帰りたいと言う意思よりも、諦めの気持ちの方がずっと強い。ティーカップと入れ替わりに、テーブルの上においていたオルゴールを手に取ればそれを掌の中で弄びつつ逸らしていた視線をちらと彼の方へ戻して「独りで居る方が楽。外に出たら、誰かと会わなきゃならない………苦手なんだ、誰かと過ごすのは」と素直に明かした上で「ま…籠ってても押し掛けて来る連中も居るけどな、アンタみたいに」そんな風に付け加えては溜息を吐き)
>埜瀬
(望んでいた帰るための方法ではなかった己の答えとは彼にとって喜ばしいものでは無かっただろう、案の定ため息を共にひっそりと毒を潜ませた意見を耳にすると益々城に住まう白黒兎や己の同居人を連想してしまい。「俺は構いたがりでね、ウチにもお前と同じで人との交流を苦手とする奴がいるんだが__今も構いすぎて家を出されたばかりなのだ。追い出されついでに城に来てみれば新しいアリスが迷い込んだと聞いてね。放っておく事が出来ないだろう」軽口のように綴る言葉は嘘八百、やれやれ、と肩をすくませて困ったかのような演技すら見せて真実を闇に隠してはまるで本当の出来事かのように述べる。「覚悟をしておくといい、俺は素っ気なくされると余計構い倒したくなるんだ」に、と笑みを浮かべては今度こそ本音を覗かせて押しかけるのはこれっきりでは無いという事を匂わせて。彼の手のうちに取られたそれへ、自然と目を向けると少しだけ頭を傾けて「それは__?」と疑問の声を。小さいサイズのそれに見覚えは無く「出店街か、羊の店で見つけたのか」ここと言えばの入手先を上げ、そもそも手の内のそれが何なのかという事すら分からずに尋ねかけて。「ウチの引きこもりはこの国一のデザイナーでね、一日中部屋に篭って紙に齧り付いているんだが森にあるスイーツショップの菓子を持っていけば部屋から出てくるのだ。……お前は何が好きだ、興味がある物でもいい。国のことをひとつ教えたんだ、お前のことをひとつ教えてくれ」突然追求するのでは無く、身近な話を乗せた上で他愛のなさを演出し問い掛ける。緩りと口元には弧を描いたまま返答を待って)
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