赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>1261
>ジョーカー
(友達に位置づけられていることには最早彼の勝手気儘な性格から考えるにどうにもならないのだろうと結論に至ると、口を出す気にもなれず笑みを浮かべる彼を不服そうな顔で見下ろすだけ。指折り数えながら挙げてくれたもの悲しくも“酒”以外は共感することできなくて「わからんな。」と渋い声を返すのみ。城に住んでいると知れば美しくきれいに違いない建物想像し、拒否反応の如く背筋がざわつくものの酒に強く惹かれるのであれば逡巡ののち薄く口開き「……機会があれば行かせてもらおう。」二つ返事で行くと答えたいくらいなのだが性格上それも無理なのであれば曖昧なこの返事が精一杯。案内してもらったハンプティの店にて彼が欲していた物と、三月兎への分を纏めて購入してから退店。ついでに、と迷いそうな森の中を帽子屋邸まで案内してもらえば別れを告げて相手に背中を向け)
>三月兎
……おい。兎。居るか。(帽子屋邸の扉前までやってくるとやや荒い手つきで扉を叩き。頼んでもいないのに赤の包装紙と黄色のリボンで飾られ、可愛らしくラッピングされた菓子箱を片手にしている状況から一刻も早く逃れたい、そんな焦りから彼が出てきてくれるまでの時間がやけに長く感じてしまい)
(/ありがとうございます!返信の遅さは私の方が心配しているくらいなのでお気になさらないでくださいね。そしてジークの絵を拝見させていただきました。私が考えていたよりも素敵に描いていただきとても嬉しいです。ありがとうございました。では早速投下します、よろしくお願いします。/蹴り推奨)
>白兎
"Merci beaucoup.(どうもありがとう。)"(日頃あちらこちらへ散漫になりがちな注意力を今は目の前の相手にのみ注ぎ、真っ直ぐに向けられる眼差しを合わせ鏡のようにじっと見詰め返しながら最後まで言葉に耳を傾けたのは、その言葉に込められた相手の思いを感じ取ったからこそ。幼いながらに告げられた言葉を確りと噛み締め、それからまず口にしたのは丁寧なお礼の言葉。次にふふふ、と綻ぶような笑みが浮かびふと伸ばした人差し指の先で相手の胸をトントンとつつけば「いつか、もしオルガが女王様になったら、白兎の言葉を思い出すンだ。きっと。それでね、またお礼を言いに行くの。アンタの所に。」と楽しそうに肩を揺らしてみせて。相手の答え次第では、すぐにでも外へ誘い出してしまうつもりだった。散歩か、昼寝か、はたまたそれ以外か、シャボン玉のようにプカプカと頭の中に浮かび出す候補の数々を見事に素通りした相手の答えには「もったいない」と唇を尖らせる。「アンタには、仕事だけじゃない、もっともっと色んなことして楽しむ為のモノがちゃんとついてるンだよ。耳も目も口も手も足も、それだけあったら、オルガは何通りも楽しいこと見つけられるのに。」そう言って相手の胸をつついていた指先をツイツイと動かせば、言葉の通り相手の耳や目や口、それから手や足を指差して)
(/いえいえ、こうしてお返事を頂く事が出来まして嬉しい限りです!ありがとうございました…!しばしのお相手を宜しくお願い致します。/蹴り推奨)
>ジーク
(偶然と言うべきか、運命と言うべきか、丁度数分ほど前にここ数日籠りきりだった作品が完成した所。一息を付くため、普段よりもいい茶葉をご褒美と厳選しそれを用意しながら中庭のお茶会会場へ向かおうとしていた所。扉に手を差し出しかけたそのタイミングで扉が叩かれると驚いた様子で耳先を僅かに揺らし「――驚いた、どうしたの」口元に口角を吊り上げるような笑みを蓄えて扉を開けばその声より想像していた人物が其処に居て、この邸に至っては兎と言えば己だけ。そんな己の事を名指しで指名されれば悪い気もせず「丁度、休憩するところなんだ。話をするならお茶を飲みながらに、――運が良いね、今日の紅茶は一級品だよ」後ろ手に扉を閉めれば彼の横に並び、普段と比べご機嫌なのは張り詰めていた集中力が途切れたばかりだからだろうか。眼をするりと細めれば、彼が何か用意が有って己を呼んだと言うのは二の次にポンポンとその背を軽く叩いてから誘導するように中庭へ足を進ませて。そんな中でも気にならずにはいられないのは、彼の雰囲気とは似つかわしくない何とも愛らしい菓子箱の存在で。普段なら真っ先にそこを突っ突いてしまうのかもしれないが、其れを堪え抑え込んでは「遊園地に行ってきたのかい」その菓子箱が先日まで行っていたスイーツショップの物だと推測をすると到着したお茶会会場にて、紅茶の用意をしつつ話しかけ)
>オルガ
___。(伝えたかったことは幼いアリスに確りと伝わったらしい。逸らされる事なく確りと交わすことのできた真摯たる目の色を見ればそれは自惚れじゃないと確りと伝わり、重ねられたお礼の言葉も嬉しいが、何より嬉しく胸に響いたのは続けられた発言で。少しだけ瞳を丸くするとその言葉の意味を今一度繰り返すように間を置いて「その日が来るのを待っている。」短い返事では有るが、本心のそれを落ち着き払う重みの残る声色にて伝え。空になったケーキ皿を隅に寄せて、気付けば説教を受ける様に続けられる彼女の言葉に耳を傾けて。指先の示す箇所を追いかける様に視線を動かしつつ、彼女が何を言いたいのかはわかるが何事にも得手不得手が有る様に、己にとっては自由を謳歌する事や羽目を外すことというのが不得手なのである。その思いからだろうか、片方の瞳を苦々しく細めると口角を落とし沈黙を作り「――……。」最初こそ正統的な持論を何か述べてこの場を収めようと頭を働かせたが、彼女の先の発言が思いのほか胸に突き刺さるとそんな言葉を続けることは出来ず「機会が有れば、」と歩み寄るような前向きの発言を添えて)
>白兎
(短い言葉の中に込められた思いは確りと胸に届いたらしく、にんまりと満足気な笑みと共に頷く姿がそれを物語った。女王になろうとなるまいと、自分が何らかの成長を遂げた暁には胸を張って相手の元へ自慢しにいくつもりでいる。女王云々の話よりも褒めて貰いたいと言う思いが先行するのは幼さ故か。ユラユラと床の上に届かぬ足を揺らしつつ相手の耳やら目やらを指差す最中、苦々しいその表情をもじっと見詰める瞳は既に"白兎に楽しいことを教える"と言うひとつの目標の誕生によって輝いていた。興味は無いと切り捨てられる事も、例えばどんなと興味を示される事も、そのどちらも予想はしていない。知らないのなら教えてあげたいと、ある種独り善がりな気持ちのままに拙い説教に及んだのだ。相手を指差していた手を引っ込める代わりに自分の口元へと添え、何か企むようにクスクスと笑えば「機会があれば、じゃないもン。機会はね、オルガが作るンだ。それなら良いでしょ。白兎が仕事をしなかったんじゃなくて、オルガが白兎に仕事をさせなかったって、そう思えば良いンだよ。」と提案してみて)
>三月兎
(まもなく開いた扉から銀色の耳が真っ先に見えれば間違いなく彼だろうと。聞けば丁度休憩を入れる予定だったらしく機嫌良さそうに揺れる耳や笑みに気づけば、手元のプレゼントを渡すタイミングとしてもまたベストだろうと「そうか。俺も喉が渇いていたところだ。」なんて、あたかも紅茶が目当てだと装って後を付いていこう。彼と会うのが二度目だからだろうか。それとも立て続けに個性的なこのクニの住人たちと出会った疲れのせいか。彼の美しさは変わらないはずなのに、あれだけ嫌悪しか感じなかったその容姿を見ても何とも感じない――それどころかどこか安らぐような気持ちさえ抱く自分がいる。茶会の会場に行くと大きめの椅子を探しながらも、手元の可愛らしい箱を遠回しに指摘されるような言葉に眉間にしわを寄せ、うぐ。と一瞬言葉に詰まってから「ジョーカーとか言うやつの付き添いだ。」どこか言い訳のように返せば紅茶を準備する相手の横にお構いなしに近づいていき「――やる。」ぐい、と赤の包装紙で包まれた其れを押しつけるようにして。中にはボンボンショコラが10個。どんな紅茶にも合うようにとハンプティが気を利かせてビターなものから、蜂蜜が練りこまれたとびきり甘いもの、ナッツ入りなどなど…選んでくれたらしい。彼の口に合うと良いのだが)
>オルガ
(まるで決定事項のようや言葉をストレートに向けられると、それを適当に流すことは出来ず返す言葉や反応の何が正しいのかを探ると言った間を作ることになってしまう。これまでに必要以上アリスと交流を図ろうとしなかったツケでも来ているのか、そう思う程に前向きな彼女の言葉は新鮮なものだった。仕事以外の何かを、その何かとは今は不明確でぼんやりとした朧なものだが、仕事の停滞すら逃げ道にさせない用意周到さは頭が下がるほど。耳先を少しだけピクリと震わせるように揺らしてから「__お前みたいやアリスは見たことが無いな」綴る言葉は否定ではない、彼女の申し出を拒否しないことが答えであると言うように続けて、小さく吐息のように息を付けば「アリスの誘いを断ることは国の規則に沿わない。お前が機会を作ってくれると言うならば、従おう。」今度は確りと、形無き言葉だが約束をするように明確な返事を行って。心の内、そんな誘いを受けるという己にとっては考えられない現状を戸惑いつつも嬉しく思うのだから仕方がないのかもしれない。気づけば苦々しく細められていた眼は形を戻して「今日やるべき事は終えた。お前が手を貸してくれたお陰で早くに済んだよ。」暗に潜めるのはこれからの時間を彼女に渡せるという旨、それを回りくどい言い回しながら伝えればそれ以上の野暮は謹んで)
>白兎
(ただ真っ直ぐに相手を見詰める瞳は、コテンコテンと左右に揺れる頭は、相手の作り出した間の後に告げられる筈の答えを楽しみに待つ心情をありありと表現していたが、決して言葉で急かしはしない。その代わりに、相手の見せる挙動のひとつひとつを興味津々に窺っている。やがてふんわりと柔らかそうな白い耳が微かに動くのを見た瞬間、漸く返って来た言葉を聞くなり目を閉じて得意げに笑ってみせれば「それってちょっと素敵だよ。初めて見たアリスなら、ちゃんと覚えて貰えるもン。もし白兎がこれから似たようなアリスを見つけても、それは"オルガみたいなアリス"ってことでしょ。」と、得意げな素振りの根拠となる発想を明かして。何だか回り道をするような承諾の言葉にウズウズと少しばかりじれったさのようなものを感じていたが、相手をここから連れ出して一緒に何か楽しいことをできるのならそれに越したことはない。「じゃあ、早く済んだ分の時間をオルガにちょうだい。」そう言ってヒョイと椅子から立ち上がれば斜め掛けの鞄の位置を整え、パッパと両手でスカートの皺を伸ばし、それから相手の真似でもしているつもりなのかピンと背を伸ばして見せる。それから目の前の相手にそっと手を差し伸べて「行こう、白兎」そんな誘いの言葉と共に、にっこりと微笑んで)
(/交流の最中に背後より失礼致します。遅い時間までのお相手をどうもありがとうございました…!とても温かく素敵なお時間を過ごさせて頂くことができ嬉しく思います。また次回は白兎さんとどこかへ出かけられるのを楽しみにしておりますので…!本日はそろそろ失礼致しますね、お相手感謝でした。おやすみなさいませ。)
>ジーク
(選ばれた紅茶は芳醇なストロベリーの香りが楽しめる物、茶葉に合わさるのは乾燥ストロベリーで気持ちを落ち着かせる特別なもの。そんな特別な紅茶を一人きりで味わうのは聊か味気ない、運が良かったのは彼ではなく自分だったのかもしれない。同行者を知ればその人物の性分を知るからこそ、きっと振り回されて流されるままに買う事になったのだろうと勝手な推測を行い、押し付ける様に渡された可愛らしいラッピングの其れを受けとり「へぇ、随分気が利く。」突っ返す事なんて無く、口を付くのは可愛げのない嫌味だがその表情には隠し切れない笑みが浮かび。用意できた紅茶を彼へ渡してから受け取ったラッピングを丁寧に開き、途端、ふわりと香る品の有る甘い香りに瞳を細めれば「センスは悪く無い、――ありがとう、頂くよ」"ふふ"と小さく息を零しては、例え流されてのことだとしても買ったチョコレートを己の元まで持って来てくれた彼の気持ちがより嬉しさを際立てている。早速一つ、一層甘い香りが漂う蜂蜜のそれを口に運ぶと濃厚な甘みに抱いた疲れが飛ぶようで。「こんな美味しいのを独り占めしたら悪いことが起きる、君もどうぞ」最初は尤もらしい言い分を添え、共に楽しめる様にと箱を間に置いて"あぁ、美味しい。"と呟くように口に残る余韻を楽しみ)
>オルガ
(/本日は遅い時間までのお相手を有難うございました!此方こそ可愛らしいオルガちゃんに白兎共々癒されておりました!ぜひまたお時間が合いましたらお越しくださいませ。お話しできるのを楽しみにしています…!)
>三月兎
(受け取ってもらえたなら、フゥ、と安堵の息が出てしまうのは突っ返されるんじゃないかという心配が多少なりともあったからで。紅茶を受け取ればラッピング解き始めている彼の傍からさり気なく距離を置く。チョコ選びはもちろんだが、これを手渡そうと画策していた間も柄にもなくあーでもないこーでもないと頭を悩ませていたのだ、ここへきて中を確認した彼の反応が厳しいものだったりなんかしたら精神的にきついものがある。今はただ手元のストロベリーの紅茶に存分に癒されようと適当な椅子に腰掛ければ一口飲んで、彼が一級品だと豪語するだけはある、その芳醇な香りと淡く下に広がる甘酸っぱさに普段は硬い表情を珍しく柔らかく変えつつ「中々だな。」と、彼に負けず劣らずの可愛げのない感想を洩らし。そこへ彼との間に置かれた箱を覗き込むようにやや前傾姿勢を取ると「それでは一つだけ戴こう。」ひょい、とナッツ入りのものを摘み上げては口に運んで味わいながらも、彼からの呟くような感想が思いの外己の心を喜びの気持ちで満たしてくれるものだからつい口元緩ませてしまい「…お前の口に合ったなら良かった。」と本音漏らし。彼の美味しそうな顔や感想を何度だって感じたくて。その後、己はチョコへは手をつけずに紅茶と彼の反応を楽しもう)
(/短時間でしたがお話させていただきありがとうございました。三月兎さんへお返しができてよかったです次回はまた続きか、新規交流にてお相手いただければと思います。春が近くなってるとはいえ、まだ寒さが続きますので体調など崩されませんよう。ご自愛ください。お相手ありがとうございました!おやすみなさい。)
>ジーク
(/昨夜は途中での寝落ちを失礼いたしました…!また、背後への暖かいお言葉まで有難う御座います。ぜひ、またお時間が合いましたらいつでもお越しくださいませ…!またジークさんとお話しできることを楽しみにしております!)
>新規常連問わず男女一名ずつのアリスを募集 / 新規プロフは随時募集
これより本日の交流受付を行わせて頂きます。
新規のアリスも積極的に募集しておりますので、お気軽にお声かけを頂けると嬉しいです。
何方か様とお話しできることを期待して長時間待機しておりますので、お気軽にお声がけ下さいませ。
相談、希望、質問だけでも大歓迎ですので、お気軽にお声掛下さいませ!
※もし前回からの交流希望の場合は前回のレス番号を(>No,〇〇)と表記して頂けると助かります。
■注意事項/世界観など■
http://www.saychat.jp/bbs/thread/626257/res/1
■提供キャラクター/住処/仕事■
提供:http://alice123.hanagasumi.net/jyuunin.html
住処/仕事:http://alice123.hanagasumi.net/maps.html
■優遇/冷遇■※2/11追加※
http://alice123.hanagasumi.net/yuuguu.html
■特設ページ■
http://alice123.hanagasumi.net/index.html
■個人ページ■
http://www.saychat.jp/bbs/thread/626550/
※プロフの変更、息子様娘様の詳細などありましたら此方へどうぞ
■イベント概要■
常時イベント:http://redrose.nari-kiri.com/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/event
もし宜しければ話のネタとしてイベントをお使いくださいませ。
■手紙■
http://www.saychat.jp/bbs/thread/626257/res/1508
(/今晩は、今日もお邪魔宜しいでしょうか?お時間の方大丈夫でしたら、>1550から引き続き蜥蜴のビルさんにお相手お願い致します。)
>ヨハンナ
(背に感じた彼女を確りと支えれば年頃の女性とは言え軽すぎる気がした、幼いアリスは別として他の女性を抱えて歩いたことが無いため比較には至らないが、それにしても華奢な見た目に添って軽すぎた。目元を細ませ眉間に皴を寄せれば独白のように呟かれたその一言に敢えて触れず「__お前、ちゃんと食ってんのか。軽すぎてガキ持ってんのかって感じだぜ」注意と言うべきか、叱咤と言うべきか、そんな小言を送った後に「此処で暮らすならちゃんと食えよ。こんなに軽いとマズイだろ」そもそも女性に対して体重の話題がタブーであると言う当たり前の常識もデリカシーも持ち合わせておらず、そんな言葉を続かせて暫し薔薇園を進み。暫くすれば到着した城の入り口を器用に開いてから背負っていた彼女の身体を下ろし「今日から此処で暮すことになるけど、先に部屋見に行くか。それとも何か食いに行く?」本来ならば部屋に案内するのが優先だが、先ほどまで背負っていた彼女の軽さがどうしても印象に残ってしまうとそんな質問を送り。その横で流れ作業の様に通りすがるメイドの一人に新しいアリスが来た旨を伝え、「もし困ったことが有ればメイドに頼め」と此処で暮らす際に大事な情報である其れを伝えて)
(/お越し頂き有難う御座います…!勿論です!それでは続きからと言うことでお返事を返させて頂きます…!どうぞ宜しくお願い致します。/蹴り可)
>蜥蜴のビル
軽すぎる?そんなこと言われたの初めてだわ
(他人の心地良い体温と、彼が一歩踏み締める毎に伝わる柔らかな振動が荒んだ心に余裕を与えてくれる。ここにきて漸くひと心地ついたそんな心境のなか、ぴとりと背中につけた耳から常よりも低く険の含んだ声色が注意を施すのを物珍しい気持ちで聞いて。振り返ってみれば孤児院で暮らしていた頃は周りもみんなひもじい思いを抱えていたし、路地裏にたむろしていた時期は仲間も自分も他人に、自分自身に構っている余裕なんてなかった。それでも、いやそれだからこそ人から気にかけて貰えるというのはなんと甘美な喜びだろうか。先程まで理解を超えた現象に頭を悩ませていたというのに、それだけの事で簡単に気分が高揚して。自然ににやけてくる口元からなるべく感情を乗せず、返事を返し。どうにもふわふわと語調が明るくなってしまう。流石に怒られているのにこんな調子ではまずいだろうとはわかっているのだけど弱い頭では堪える方法など捻り出せない。背中越しのおかげで表情が見られないのが唯一の救いであり、それを良いことに笑みを浮かべお小言を聞いていればふと、気になる事が。「食事出してもらえるの?」食事の確保、というのは自分の中でかなりウェイトを占めておりつい反応もまた過敏なものになってしまおう。城に到着して聞かれた問いにも「ご飯先で、」そう食い気味に答えては。)
(/遅くなってしまいすみません…!)
>ヨハンナ
(選ばれたのは部屋ではなく食事、一仕事終えた己も空きっ腹を訴えているから丁度良かった。食い気味に食事を選んだ様子から、骨の浮き出るガリガリの猫とは違い摂食障害を患っている訳では無さそうだと少なかれの安心を。"くく"と喉を鳴らすように小さく笑い声を零せば業と彼女の髪型を乱すように洗っていない未だ土の残る汚れた手でぐしゃぐしゃと撫で「此処の飯は美味いぜ。コックが料理上手だ、沢山食って少しは太れ太れ」乱すのに使った手を使い今度はパッパと軽く払う様に手払いの動きで手首を揺らし。とは言え、中途半端な時間であればそのコックが厨房にいるかは怪しく、一先ず其方へと歩みを再開させて。「寝る場所も食うもんもちゃんと有るから安心しろよ。着替えも此処で用意されてるもんなら一応あるけど、自分の好きなのが欲しい時は帽子屋の所で作って貰うか出店街に買いに行け。――女っつうのは服選ぶのが好きなんだろ」いきなり今までと違う場所で生活しろと言っても困惑が有るのも当然か、と改めて自覚したのは食べ物の話題に彼女が食いついたからで。偏見にまみれたそんな意見を述べると到着した厨房へ足を踏み入れて、其処を見渡すもそこに料理人の姿は見えず。ガシガシと己の後頭部を掻き毟ってから「運ねェなァ、――コックがいねぇ。」眉間に皴寄せ呟きの其れを、とは言え腹は減っている。舌打ちを一つ行ってから汚れる手を丁寧に洗い「俺は料理上手くねぇからな、不味くても美味そうに食えよ」なんて理不尽な命令を、壁に掛けられるエプロンを手に取ればそれを羽織り冷蔵庫の中身を漁って。動いた身体には肉が欲しい、こんな所でも女性を気遣えずに自分の食べたいものを漁って。先に伝えたとおり、料理下手だと言うのが嘘ではなく出来上がったのは形が歪な塩パンケーキと添えられるサラダに厚切りの焼いたベーコンにベーコンと共に焼いたウインナーが数本。軽く食べると言うよりもがっつりとしたボリュームのそれで、皿にのせたそれを二つ厨房内に簡易的に用意されるテーブルとイスの元に置けば「おら、食え。不味かったら黙って自分の好きなようにアレンジしろ。俺に気づかれないようにやれよ」ビシと爪の先を彼女に向ければまたも理不尽且つ難題を向け、リクエストを聞くことなく透明グラスに牛乳を入れてから戻ればガサツな動きでそれをテーブルの上に置き"頂きます"と食べる前の挨拶を、盗み見る様に彼女を見るのは人に自分の料理を食べさせることが無い上に、自分でさえ自分の手料理を食べる事が無いから浮かぶ心配で)
(/全然お気になさらないで下さいませ…!のんびりで大丈夫ですのでっ)
>蜥蜴のビル
(食い気味に答えたその勢いが失われた今、はしたない、というお上品な感性を常日頃持ち合わせ生きている訳ではないものの、流石に意地汚かったかなと顔を強ばらせ。気まずさに視線を他へとやっていれば、聞こえてきたのはしのばせた笑い声。笑ったりするんだなんて意外性を抱いてはぱしぱしと目を瞬こう。次いで頭を撫で回されるという初体験に一瞬ぽかんと口を開け。堪能する間もなくあっさりと離れていった大きな手が残していったのは、温かみと土汚れ。街中で食入るように見たワンシーンがまさか自分に回ってくるなんて思っておらず、じわりと胸中が満たされる感覚に、半分ほど相手の話を聞き逃し、それでも『太れ太れ』という言葉尻だけは捉えていて。弱いおつむがそれを額面通りに受け取って、一連の流れで得た嬉しさをそのまま放出するかのように「分かった、沢山食べる」、そう相好崩しながら答えよう。再び始まった案内に、今度は先程と違いその隣を歩きながら話を聞いては女の子は服を買うことが好き、というまるで常識のように語られた言葉に軽く衝撃を覚え隣を見上げて。服は常に支給されるものであり、買うという概念と結びついた試しがなかったからである。ショッピングが気にならないかと言われれば気になるものの、正直隠すべき場所が隠せたら何だっていいというのも本音であり。「そうなんだー」と、何とも生半可で心のこもっていない返しをしながら到着した厨房で、どうやら料理を作ってくれる人がいないことは理解して。期待していた分落ち込みは軽くなく、思わずお腹に手をやって。だがエプロンを掛けだした相手の放った言葉にその落ち込みも漏れなく安堵と歓喜に変わり、喜び勇んでテーブルへ着いて。食べられたら何でもいい、という言葉は作ってくれる彼にも普段その腕を奮っているだろうコックにも悪い事くらい察せられるため口にはしない。だが運ばれてきた料理におや?と眉を上げ、もっと酷いのかと思ったと危うく口走りそうになる言葉を飲み込んで「美味しそうよ?」そう口にしてみる。頂きます、手を合わせフォークを手に取るとまずはパンケーキを一口。数回の咀嚼の後顔を上げ、未だ自分の皿には手を着けていない彼に「面白い味だわ」と満面の笑みで言い放って、また自分と目の前のご飯との世界へ戻っていこう。)
>ヨハンナ
(普段はコックが手の凝った美味しい料理を作ってくれるのだから、今の己の作ったプレートの上を覗こうものならば形の不格好さを笑い、フォークに乗せて一口でも食べようものなら不慣れな味にまた笑うのだろう。幸運にも、彼女はまだ此処のコックの料理を味わっていないからこそ、見た目に対する前向きな感想をくれた。フォークでウインナーを刺せばパリと皮を破り肉汁の伝うそれを一齧り、耳に届いた味の感想に思わず盗み見ていた顔は確りと正面切って彼女に向き合い、そして真正面から浮かべる満面の笑みを瞳に写し。最初こそ不慣れな項目でもやれば出来るんだと得意げな感想でも胸張ってドヤァと告げようとしたが、そんな笑顔を目にしてしまえば途端に照れくささが込み上げてしまいそんな言葉は飲み込むこととなり。反射的に視線を逸らせば"そーかよ"とぶっきら棒な返事を一つ。告げられた言葉も見せられた表情も、満更でもない。カッカ、とフォークを走らせ勢いよく食事を行っては頬張るそれを飲み込んで、先ほどさして興味が無さそうに伝えられた服装に関する話題の反応を思い出し「……公園、そこの出店街なら。服だけじゃ無くて色んな食うもんも有るぜ」今の笑みを見れば彼女はもしかすると、服装を選ぶよりも己と一緒で色気よりも食い気なのかもしれない。そう思えば女性を相手しているとはいえ幾分か接しやすくなる。しん、とする沈黙は苦手なのかそんな風に話題を切り出して)
>蜥蜴のビル
(すっかり食事に専念するつもりであった自分の耳に、真意など知る由もなくやけにぶっきらぼうに響いた彼の言葉はいかに食い意地が張っていようと見過ごせるものではなく、「そーよ」と端的にしかし力を込めて口にして。言いたいことを伝えて満足すればそこから数分は一心不乱にフォークを口に運んで、咀嚼を繰り返し。面白い味、と形容したのを間違っているとは思わないがそれで言いたいことの全てが相手に伝わったのかと言われると否、と思われる。誰かが自分の為に作ってくれた食事というものはそれだけで価値があるものだと、あの場面どう言葉にしたら良かったのか頭の弱い自分では分からない。いつか説明出来たらいいのだけど、なんて次があるのかも分かりはしないのにぼんやりと胸中で呟いて。皿の上も綺麗になりつつあるなか、ぼそりと語られ始めたのは先程さらりと流した出店街の話題のようで。残り少ないサラダにカツカツとフォークを突き刺しながら耳を傾ければ、それは心躍る話だと目を輝かせ。いまお腹の中に食事を収めたばかりだというのに膨らむ想像から口内に唾が湧く。それをごくりと飲み干しては期待と好奇心から爛と輝く目線を投げながら、「一緒に行ってくれませんか?」そう口を開こうか。)
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