赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>帽子屋
(ふわりと鼻腔を擽る上品な紅茶の香り、簡易的なものであってもほっと心を落ち着かせるその優しい香りはこの世界でも同じなのだなと目を細めながら礼の意味を込めて再び軽い会釈を。此処を住まいにしている人物が一体何人居るのかは分からないが、家の住人の他に客人を招くにも十分なスペースがありそうな邸の規模からそれなりの数を予想していただけに、彼の答えには意外そうにぴくりと眉を上げた。新たに耳にしたこの国の住人の名前、そろそろ一番初めに出会った白い兎の彼が言っていたように"話の通じない相手"と出くわす事もあるのだろうかと頭の隅でそんな事を考えながら「てっきり、もっと大所帯だとばかり…これだけ大きな邸となると、管理も大変そうですね。」と相槌を打ち。温かい内にと、ティーカップを手に取ると湯気の立つ紅茶をひとくち喉へ流し込んで、改めてほっと一息ついた。そうしている間、視線はトルソーへ近づく彼の後ろ姿を追い掛けていたが、彼がそこから脱がせた物がこれから自分が試着するドレスなのだと理解すると一度カップを置きつつそれを注視する。元の世界での生活では、着物を着る機会であれば時々ありはしたものの、ドレスを着る機会となると滅多に無かった。それだけに、ドレスと言うだけでも目を惹かれがちではあるのだが、これまで目にした事の無い何とも美しく不思議なその色合いに思わず釘付けになり。深海とも夜空とも取れる深い青、ひとつひとつの煌きは小さくとも、見る角度や光の具合によって銘々に違った色合いをもって全体を美しく飾る貝殻と星の輝き。「綺麗――、」と、思わずそう呟いた。もっと的確な感想を述べようとしても、結局はこの一言に集約されてしまう。暫くの間じっとドレスを見詰めていた瞳は彼の声に反応してさっとその視線を見返し、渡されるドレスを受け取りつつ「分かりました。」と頷いて)
>侯爵夫人
ふふ、確かに。違いない。(他の調度品に居場所を押し出されるように部屋の隅で横倒しに倒れた白い招き猫に目を留めては、そろりと部屋の端に。家主に背を向ける形でしゃがみ込みながら「オレが生まれ育った国に、こういう文化はなかったからね。ジャッポネーゼなら見慣れているかもしれないけど」母国から海を隔てて遠く離れた極東の地を引き合いに出しつつ、周りの家財を少しだけ動かして人形を座らせるスペースを確保すると、何とも形容し難い表情の猫を引っ張り起こして満足気に一息。不思議の国の住人相手にイタリアがどうの日本がどうのと語るのはナンセンスだと気付けない程度には気が緩んでいるらしい。そのままその場に腰を降ろして相手に向き直り、家財と一緒に壁に寄り掛かりながら、すらすらと紡がれる言葉に楽しげに相槌を打っていたが、アルコールの話題に差し掛かると細めていた双眸を微かに開き。嬉々として瞳を輝かせながら、四つん這いでそろそろと屋敷の床を這って、彼の元に近寄る姿は、さながら褒美を前にした飼い犬の如く。期待に満ちた眼差しで、紫と翡翠をじっと見つめ)酒は飲めるし、大好きだ。ワインは赤より白の方が好きだな。ドクターには程々にするようにと口を酸っぱくして言われるんだが…、何かご馳走してくれるのか?
>吉隠
時々アリスが一緒に暮らすことも有るんだけど……、やっぱり城の方が暮らしやすいからさ。(人数が少ないと告げられると肩を竦め述べるのはここに住まう人物の少なさについてで。眉尻を僅かに下ろしながら「家は完璧な男所帯だから食事って言ってもインスタントだったり市販物だったり、料理が得意なのもいないから出来合いものばっかりだし。掃除だって毎日隅々まで__って訳にはいかないから。アタシだって城に住みたくなっちゃう」最初のボヤキはがっくしと肩を落としつつ、後者に向かうにつれて笑い飛ばすように明るさを持って綴り。「三月ウサギは変わり者でさ、あーだのこーだのって小煩いけど気にしないでね」ああ、そうだ。そう思い出したように口を開けば同居人に対しての補足情報を困ったものでも話すような口振りで添えて。動くわけでも無ければ、勿論感想を述べてくれる訳でもないトルソーが纏う姿を見ていてもいい案が浮かぶはずが無く、装飾をつけてはイメージと違うと取り外す煮詰まった際に起こす行動を何度か繰り返した現状で。アトリエから扉一つで繋がる自室に向かえば扉を閉める際に「急いでないからゆっくりで大丈夫、」ひらり、と指先を揺めかして手を振ってから一度アトリエをあとにして。)
>レオナルド
___(生まれ育った国、と言われてもそんな記憶は己には無い。ただ、馴染みやすく好んだ物を選んで収集しただけの事。然し逆を取れば彼の言葉を切欠に、己にとって見覚えが有ると言う事は記憶には無いその先が東洋の国に繋がっているのかもしれない。既に答えのないそれらから探る仮説である、加えてはこの仮説すら明日の朝にはもう消えているのかもしれない。つい、ぼんやりと思考を巡らせてしまったのは今となっては遠すぎるいつかを彼の言葉を切欠に懐かしんだからで。懐かしむとはまた少し違う不思議な感覚を振り払うように頭を一度右から左に動かして「お前の国はどんな所なのだ、……此処と同じで木々は悪戯し猫はお節介焼きか」煙草一本分を吸い終えたところで吸殻を灰皿に落とし興味深いと尋ねかけ。酒が話題に上がれば煌々と目を輝かすように傍に来た彼の頭を撫でつける様に手を動かして「なら丁度いい、ユニコーンから貰った白ワインを用意しよう。」まるで懐っこい犬のような動作に気分は愉快、くっくと笑いを噛み殺しつつ指先をちろちろと動かして彼の喉を数回撫でてから立ち上がり述べたとおりの白ワインと適当なグラス、摘みにと数種類のチーズを用意してワインを注いだグラスを手に持てば「ユニコーンのくれる酒は極上品だ。口に合えば良いが」乾杯の代わりに少しだけ掲げて)
>帽子屋
確かに城での生活は快適でしょうけど、此処での暮らしにはまた城とは違う良さがありそうですね。実際、城の外の事に関しては、初めに聞いていた話から受けた印象よりもずっと素敵だと思います。(肩を竦める彼の言葉に、確かにこれだけ大きな邸にたった3人となると、幾らか不便な事もあれば時には何となく物寂しさのようなものもあるのだろうかと予想しながら相槌を打つ。見知らぬ場所でまず初めに案内されたのが安全且つ生活を保証された場所であるとなれば、確かに城に住まうアリスが多いと言う事にも頷ける。もしこの邸を住まいに選んだとしたら、料理に掃除に洗濯に、毎日忙しく退屈さのない、そして弛む心配も無い生活を送る事になりそうだ。と、頭の中でふっと城とはまた別の暮らし方を想像し始めた所で聞こえた補足情報に、自分もひょっとすると似たようなものなのかもしれないとつい小さく苦笑いしながら「覚えておきます。」と頷いて。彼がアトリエを出て行くのを見送ると、皺にならないよう、ドレスをそっと近くのテーブルの上に置いてからコートを脱いだ。着替えをしている内に乱れてしまうのを予想して高い位置で結い上げていた髪を一度解く。最後にドレスを着たのは一体いつだっただろう、そう感じる程度には久しい機会。ゆっくりで良いとは言われたが、あまり待たせてはいけないと手際良く着替えを済ませると、手櫛でさっと髪を梳かしつつ視線を下ろして自身の胸元から足元までを見た。似合っている、と思いたいが彼の目にはどう映るだろうか。やや離れた場所にあった鏡に映る自身の姿をちらりと確認はしたが、まずは声を掛けなければと隣の部屋へ続く扉の前へ近づき、コンコンとノックをすると「お待たせしました。」と声をかけて)
(/本日はそろそろお暇する時間になりましたので、この辺りで一度切らせて頂けたらと…!とても素敵なドレスを着せて頂き、背後共々嬉しい限りです。また次回、お時間の合いました時に続きをさせて頂ければと思います!本日は素敵な時間をありがとうございました。)
>吉隠
(/本日も素敵なお時間を有難うございました!可愛らしくも凛と素敵な吉隠さんとの交流が楽しかったです…!ぜひまたお時間が合いましたら宜しくお願い致します…!)
>侯爵夫人
はは、まさか。草木は勝手に動いたりしないし、猫は自由気ままなだけさ。(故郷について問う声にはゆるりと口角を吊り上げ。薔薇は愛でるもので、猫は気紛れな生き物。不思議の国のように自我を持つ植物などそう存在するものではないのだと小さく呼気を零して「オレが育った国は海と空が綺麗だよ。どちらも青くて、すごく澄んでるんだ」高く澄み渡る空の濃い青と、地平線まで伸びる透明で柔らかな海の青。どちらも同じ青だけれど、似て非なるもの。されどその違いを言葉にして説明する学はなく、抽象的なイメージを伝えるのみに留まり。髪や喉元を撫ぜる指先に心地好さげにとろりと蒼眼を細めて「サンドイッチの次はワインだなんて、侯爵さんは太っ腹だな」と、酒と肴の準備に立ち上がった彼の動向をそわそわと落ち着きなく見守り。餌付けという単語がちろりと脳内を横切ったが、今は目の前のご馳走をいただくとしよう。器に注がれ、細やかな気泡を立てる薄く色付いた液体の何と美味しそうなこと。ツマミとして広げられた塩気のあるチーズもまた魅力的である。掲げられたグラスに、自分のそれを軽く宛がい「あなたとオレの出会いを祝して」乾杯の挨拶とした後は、手の内の果実酒で豪勢に喉を潤して、心底幸せそうに)~~ッ、Buono!
>レオナルド
それは味気ないな、花は指先で触れれば嫌がる様に姿を消すのが愛いと言うのに。(教えられる知らぬクニ、その存在は空想上のそれに他無くて。色味の違いを説かれても頭に浮かぶ青は一種類、複数の青など元のキャパに存在していない。蕩ける様に細められたその眼球に顔を寄せ「__それは、今見るこの色と同じか。」出会い頭、陽が透け煌めいた青も美しかったが今静かさを含んだ落ち着く青も美しい、ツウと指の腹でなぞる様に彼の目元に触れてから問い掛けを。美味しそうに姿を消すグラスの中身は見ていて清々しい物、カラカラと笑い声を上げては"飲め飲め"と煽る様に空いたグラスにワインを注ぎ、自らもグラスを傾けて「嗚呼、嗚呼、今宵は良い拾い物をした。誰かと飲むのは久しくてね」喉を焼く様な刺激を心地よく感じつつ、アリス相手に酒盛りが出来るとは。と時間を楽しみきゅうと瞳を細め上げ「聞き分けの良いアリスで良かった、お前が城を見せても信じぬ馬鹿者だったら匙を投げていたぞ」くっく、と喉を震わせながら空いたグラスに中身を注ぎながら既に懐かしさすら感じる出会った頃を思い浮かべて)
>侯爵夫人
んん…どうだろう。オレの瞳よりも、もう少し明るい青かな。(目元をなぞる指先の動きに少しばかり擽ったそうに瞬きを一つ。己の瞳の色は空や海の晴れやかな青よりも幾らか暗い色合いであり、どう説明したものかと首を捻るも結局は先程と大差ない返答に辿り着く。ふと、眉目麗しい相手の顏をじっと見つめたかと思いきや、彼の片眼を視線で指し示して「海の青色は侯爵さんの左目の方が近いような気がするな。綺麗な緑色に数滴だけ、青を混ぜたような色なんだ」と、グラスの中に注がれた淡い琥珀を揺らしながら、彼の瞳を真っ直ぐに見つめて微笑み。"ユニコーン"からの頂き物の白ワインの味もさることながら、家主が用意してくれた即席の肴もまた美味。ワインとチーズの相性の良さは折り紙つきである。「オレも。こうして何も考えずに飲み食いするのは久し振りで楽しいよ」皿の上に並ぶ多種のツマミを遠慮なく、摘まんで、グラスの中の芳香な果実の香りを楽しみ、とりとめのない会話に花を咲かせる。薔薇園での一幕を懐かしむ声に、グラスに口を付け。一口、二口と今度はゆっくりと果実酒を味わいながら、双眸を細めて。不思議で奇妙な宴は始まったばかり。住人と軽口混じりの談笑に耽る内に、夜も更けていくのだろう)はは、出来の悪い犬だとしても拾ったのはあなたなんだから最後まで責任をもってもらわないと。…まあ幸いオレは聞き分けのいいお利口さんだった訳だが。
(/色気より食い気…。食べて飲んで至れり尽くせり状態の愚息に背後は冷や汗を垂れ流すばかりです。酒盛りが盛り上がってきたところで名残惜しいのですが、本日もこの辺りでお暇させていただきます。次回、お時間が合いましたらこの続きからでも、場面変換でも主様のやりやすいシーンから開始させていただけたらと思います。それでは今日もお相手いただきありがとうございました!)
>レオナルド
(/昨夜は素敵なお時間を有難う御座いました…!共にお酒を呑めたことでとても楽しませて頂きました!またお時間が合いましたらいつでもお気軽にお越しくださいませ!)
>男女一名ずつアリスの交流受付開始 / 新規プロフは随時募集
これより交流の受付を開始いたします。
男女どちらでも、お暇のアリスは此処へ迷い込み下さいませ。
※現在登録アリスの男女比が偏っております為、新規登録アリスの場合は男性アリスを優遇気味にお待ちしております。
※レスが遅い事、もしかすると直ぐに落ちしてしまうかもしれないことをご了承ください。
■注意事項/世界観など■
http://www.saychat.jp/bbs/thread/626257/res/1
■提供キャラクター■(11/21更新/全員のイメージイラスト)
http://alice123.hanagasumi.net/jyuunin.html
■提供キャラクター、住処/仕事■
http://alice123.hanagasumi.net/maps.html
■優遇/冷遇■
http://www.saychat.jp/bbs/thread/626257/res/4
■特設ページ■(11/21更新/現在登録アリス全員済)
http://alice123.hanagasumi.net/index.html
■個人ページ■
http://www.saychat.jp/bbs/thread/626550/
(/こんにちは。お時間大丈夫でしょうか。前回>347で提案させていただいたシチュエーションに問題がなければ、いずれかの場面からお相手をお願いしたいと思います)
(/先日は夜分遅くまでのお相手をどうもありがとうございました。もしかすると、少し短時間気味になってしまうかもしれないのですが、宜しければまた前回の続きより交流をさせて頂けませんでしょうか?もしお相手をお願いできるようでしたら、続きのレスをお返しさせて頂けたらと思っているのですが…!)
>ステイシー
――……。(スーツのポケットに両手を突っ込んで少しばかりの猫背で庭園を歩く、悠々と風を切りながら口笛で適当な歌を奏でて。のんびりとした足取りで庭園を進む中で見つけたのは色こそ違えど己と同じ髪型のアリス、バチッと大袈裟な動きで瞬きを行ってから「アーリース!アリス!ご機嫌は如何、煩い太陽と一緒に散歩中ゥ?」ぎょろり、とした眼を大きく開きながら梟を真似るように頭を傾け初対面とは思えない図々しく馴れ馴れしいそんな雰囲気で声を掛け)
(/それではハンプティにて声を掛けさせて頂きます…!キャラクターチェンジも可能ですのでお気軽にお伝えくださいませ・・・!)
>エンリケ
(/先日は此方こそ有難うございました…!同じく長時間のお相手が若しかすると難しいかもしれないのですが、どうぞお相手して頂けると有り難いです…!お返事お待ちしておりますー!)
>ハンプティダンプティ
あなた達、おうたは歌えるのかしら(振り返る事のない背後で葉の擦れる音と通ったばかりの道が塞がれる気配を感じ、行くあてのなさを薔薇に任せるまま進めばすっかり城から離れ裏側に回り込むような形になっていて。ふと足を止め、それでも尚見上げるばかりの城をぼんやり眺めてから目線を薔薇へ落とし手近な一輪を撫でてみると可憐な笑い声で身を捩られ。片手でそうやって薔薇を撫でつつ歩みを再開させるとついさっきこの髪を崩してきた雑務から鋏でもくすねてきたらこの薔薇をいくつか持ち帰る事も出来ただろうかと思うままに話しかけ。アリスはそんな事も知らないのね、なんて声をかき消すような大声にぴたりと足を止めると出所を探して辺りを見回し、そうしてツートンカラーの髪を揺らす相手を見付けると「ご機嫌はいまいちだし仲良くしているのは太陽じゃなくて薔薇よ、ミスター」馴れ馴れしい態度など気にする素振りもなく、いまいちと口では言うものの軽い調子で応え)
(/ハンプティダンプティさんでのお声がけありがとうございます!反転眼球やツートンカラーの色彩が気になっていた方だったので嬉しいです。それでは、背後は失礼しますので、お相手のほど宜しくお願い致します)
>ユニコーン
…へえ(食べる物と寝る所、自分が必要とする物の内かなり大きなウエイトを占めるそのふたつの要素が揃ってさえいればそう極端に質は気にしない。それだけに、人の数が多くあれこれと声を掛けられる可能性も高そうな城と言う場所そのものにあまり良いイメージが無いのか、面倒臭そうだと言う先入観を抱きつつ相槌を打ち。とは言え、此処で相手の案内を振り切り、独りで何処か別の場所を目指そうとするにはエネルギーが足りないらしく気怠そうな足取りのまま相手の後ろを歩く。口の中に放り込んだチョコレートをころころと転がして溶かしつつ、ほっとするその甘さと香りを堪能していたところで思いがけず抱きつかれた事にはさすがに驚いたらしくぴくりと眉を上げ。嫌がるでも喜ぶでもなく相手を見詰めたままじっとしていたものの、独り占めだと言われれば何か納得したような素振りで徐にポケットの中へ再び手を突っ込み、どうやらチョコレートを欲しがっているのだと勘違いしたのか「ん。」と先程見つけたチョコレートの内のひとつを差し出して。元々非常に燃費の悪い体、昼食はしっかり摂ったと記憶していたが昼寝を経て既にまた腹を空かせ始めているらしく、だらりと力の抜けた腕を相手に引かせたまま「腹減った…菓子より飯が食いてぇ」と溜息混じりに呟いて。)
(/ありがとうございますー!ではお時間までお相手をお願いできましたら幸いです…!宜しくお願い致します。/蹴り可)
>ステイシー
___そりゃアそらァ!バラと仲が良いなんて珍しいコトも有るんだなア(告げた言葉はすべてが外れと言う様に訂正を行われると全てを外してしまったことにジーザスと唇を尖らせぷひゅるると貯めた息を吹き出して。とは言え次の瞬間には気にするそぶり無くHAHAHAと楽天的な笑い声を高らかと上げ、「今から何処か出かけんの?ああ、でも、出掛けたくても出かけらんねぇの?」ポケットに突っ込んで居た手を出せば人差し指を伸ばしてグルリグルリと円を描くように指先を動かし、尋ねかけたのは数秒前にもかかわらずすっかり意識は何処かへ飛んで。舌の根も乾かぬうちに興味が移動すれば「ソーダ、アリス。此れやるよう。来るときにメリーのをかっぱらって来たんだけど、動いてたらあっづくでよォ」首に巻くと言うよりも掛けていただけの意味をなさなかったマフラーを、丁度いい押し付け場所を見つけたとばかりに返事を聞くより先に彼女の首に巻き付けて「ンデ、なーんで機嫌が今一?飯でも食いっぱぐれかア?」ひひ、と笑い声に肩を揺らせば再びポケットの中に己の両手を強引に捻じ込んで)
>エンリケ
___(まさか、此処に来てチョコレートを渡されるとは。思い掛けなかった突拍子とも言えるその行動に瞳をぱちくりと瞬いてから込み上げる笑い声を抑え込んで受け取って。「優しいアリスの為に、女王陛下の元に行く前に厨房に連れて行ってあげる。其処に行けば美味しいご飯が食べれるし、話の最中にお腹がなったら恥ずかしいでしょ」受け取ったチョコレートは後で頂こうとポケットの中に確りとしまい込み、空腹を訴える彼へ提案のように言葉を続ければ「厨房にいるコックは見た目が恐いけど料理の腕は確かだから遠慮なく食べたい物を言ったら良いさ」住人の中でもより信頼を置いている人物がコックだからか何とも人任せのそんな言葉を続けて。慣れた道だからか、城への道はさして時間がかかる事無く扉の前まで到着するのに合わせて繋いでいた手を離し「おいで、こっち。」大きな背丈を持つ彼を見失う事はきっと無いが、それでも何が起こるかが分からないのがこの国である。視界の中にその姿を抑えつつ先を進めば手招いて、時折すれ違うメイドの姿にのんびりとした挨拶を行いつつ足を向けるのは先の言葉通りの厨房で。「ほら、此処が___残念、ライオンは席を外してるみたい。でも、美味しそうなスープとパンが有るから食べちゃおっか」居ると踏んでいたコックの姿が見えなければ肩を竦ませ困ったように前半を、遠慮なく厨房を漁れば作り置きされていたコーンスープを見つけ火にかけ温める傍らに、小さなクロワッサンが幾つも入る籠を持ってきて。「そこで手を洗って」と相手が世話を焼かれるほど幼いアリスじゃ無いと分かっていながらつい口が出て)
>ユニコーン
…そりゃ良い(欲しがっていると思ったから渡した。まさか自分が勘違いをしているなどとは思わず、こちらも相手も予想外であれば、ふたりの間に何とも言えない沈黙が一瞬流れて。しかし、そんな微妙な空気も続く彼の提案を聞いた瞬間あっと言う間に溶けてなくなってしまった。既にいつ腹の虫が鳴いてもおかしくない程度には空腹の状態、厨房へ連れて行ってやるというその提案を断る理由など何一つ見当たらず。ここに来て初めて口にした相手の言葉に対する前向きな返事、それほどまでに食べ物と言うものは絶大な威力をもつらしい。やがてそう時間をかける事もなく目的地へと到着すると、普段城に立ち入る機会など無い生活を送っていただけに、見慣れない城そのものの姿や中に入ってからの様子をしげしげと眺めた。壮大な城の構え、丁寧に作り込まれた内装、この国を治める女王の居城と言うだけあって自ずと醸し出される威厳――こんな場所に慣れない身としてはあまり居心地の良い場所ではなく、手招く相手の案内に素直に従って。厨房に入ってからも、一般家庭のキッチンなどとは比べ物にならない広さと設備、当然と言えば当然なのだがこんな場所で作る食事はさぞかし美味いのだろうと想像した。そしてその想像を裏付けたのは、厨房の中に漂う匂い。相手の言うライオンと言う名前は、先程話に出ていた見た目の怖いコックの事だろうかと、がらんとして静かな厨房内を見回しながら匂いの元を探っていたところで相手が持ってきた籠に目を遣ると「美味そうだな」と素直に一言。言われた通りに蛇口を捻って手を洗いつつ、ふと顔だけで相手の方を振り返ったかと思うと「…お前、案外世話焼きだな。そんな風に見えねぇけど」などと、悪意はないが些か失礼な言葉を口にして。)
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