▼ ──貴方が目を覚ました場所は古びた木造建築校舎の一教室。机は隅に山のような状態で積まれ、椅子はそこら中に散乱し、床には赤黒い液体がこびり付いている。窓硝子は所々割れていて、歩く度に軋む床は今にも底が抜けそうだ。断線しているのか電気はつかず、外からの光を取り入れようにも太陽は分厚い黒雲で完全に覆われている。そのうえ濃い霧のせいで視界は悪い。ふと目に入った黒板にはお世辞にも上手いとは言えない字で「 ようこそ僕等の秘密基地へ 」と書かれている。
「 …%○☆▽×〒&#。 」
背後から甲高い少年の声。肩を震わせ乍恐る恐る後ろを振り返ると其所には皺一つ無い学ラン、大きめの学生帽を深く被り外套を羽織った美少年が蝋燭片手に微笑み立っていた。
「 シーッ、暫く喋っちゃ駄目だからね。 」