半獣と人間の禁断の恋

怜）離れたくないからじゃ、ダメ？
怜は、そう言った。その時、ゆうきの体に何かが這っているような小さい生き物を見つけた。
怜）(そういえば、ノミやダニとかって害になるんじゃ)ゆうき、ちょっとごめん。
怜は、いつもカバンに入れている櫛とウェットティッシュで、全体的に、ゆうきの首や腕、肌の見えているところを、綺麗に拭いたり、梳いたりした。
怜）どう、すっきりしたでしょ。あと、苦しいとかそんな感じもなくなったと思わない？

………………ぐるるるる…ぎゃん！！(威嚇して)

怜）わっ！
怜は驚いて、尻もちをついた。
怜）ごめん、嫌だった？でも、ノミとかダニって害虫だって聞いたから、意識が朦朧としたり、元気がなくなったりするのはそうなんじゃないかと思って。

……………………ぐるるるる……(ガリガリと掻き毟って)

怜）駄目だよ、傷が出来ちゃう。まだ、気持ち悪いとことか無い？
怜は、ゆうきに聞いた。怜は、本当に心配そうな顔でゆうきを見つめる。

………………背中、痒い……(掻き毟って)

怜）わかった。えっと、あった。
怜は公園のお手洗いに入った。
怜）悪いけど、脱がすよ。
怜は服を脱がした。
怜）結構汚れてるね。櫛で梳くから、じっとしてて。
怜は、櫛でゆっくり梳いていった。
怜）どうかな？

………………………………変態。(ふいっ)

怜）背中痒いって言うから、道端でやったらあれだし、ここでやったんだけど。それど、どうかな？すっきりした？

……………………すっきりした。ありがとう……(見つめ)

怜）良かった。時間もそろそろ日にち変わりそうだし、家に帰ろうか。何か飲もう。僕は、アッサムティー飲むけど、ゆうきは、何が飲みたい？
怜は、ゆうきと手を繋いで、家路を歩いた。

……………………何も…別に気を使わなくていい。(俯いて)

怜）そうか。
怜は、しゅんと落ち込む。
怜）あの、さ、ゆうき。僕にしてほしくないこととかあったら言ってね。さっきから抱きしめたり、キスしたりしてるけど、嫌だったらやめるからさ。それとも、僕自体が嫌？

…………………………人間は嫌い……前からそう言ってる。(見つめ)

怜）じゃあ、僕のこと、嫌い、な...ん...だね。僕は、半獣じゃなくて、人間だ...から。
怜は、そう言って俯いた。面と向かって言われてかなりショックだったようだ。

…………………………(見つめ)

怜）(やっぱり、ゆうきは僕自体が嫌なのかも。何で気づかなかったかな。なのに、何で、ゆうきは手を繋いでくれるんだろう。それも離さないって感じで強く、全然痛くないけど...)ねぇ、ゆうき。人間嫌いなのになんで、人間の僕と手を繋いでくれるの？嫌なら振りほどいていいのに。

………………………………っ……(ゆうきの周りで水が回り始め)

怜）ゆうき！(まさか、また暴走！)

……………………わおーーん…！！(暴走を始めてしまい)