匿名さん 2017-09-28 12:34:33 |
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怜)ゆうき、探したよ。帰ろう。ゆうきがいないと寂しいよ。
怜はそう言った。雨のせいでまるで泣いているように見える。そして、実際に泣いている。
怜)帰って、一緒にスコーン食べよう。ゆう...き
怜は、ふら付いて、ゆうきにもたれた。
怜は、熱を出していた。大雨の中、傘も差さず、びしょ濡れのままゆうきを探していたのだ。無理もない。だけど、怜はゆうきの服の裾を絶対放さなかった。放したら、またどこに行ってしまうと思ったからだ。
怜)ゆうき、ここにいて。
怜)やだ...
怜は力なく言うが、手の力は強かった。
怜)絶対どこか行っちゃうでしょ。ゆうきがいないとやだ。寂しくて死んじゃう。
怜は、涙目で言う。
怜はムッとし、体を起こし、腕を掴むと思い切り引き寄せた。
怜)関係あるよ!僕は、ゆうきが好きなんだ。なにをするのもゆうきと一緒じゃなきゃ楽しくない。ゆうきと一緒じゃなきゃ、意味がない。ゆうきと一緒じゃなきゃ...僕は、何のためにこれ作ってるの!
怜は、引き出しから箱を取り出した。中を開けると、マフラーが入っていた。
怜)ゆうきには、紫色が似合うと思って、仕事の合間とか、ゆうきが居ない時にこれ作ってたんだ。もうすぐ、完成するんだ。ゆうきなら、喜んでくれる、絶対似合う、恥ずかしそうにしながらも首に巻いてくれる。そう思って、作ってたんだよ。関係ないなんて、言われたら誰の為にこれ作ってたのかわからないよ。
怜はそう言うと、その場に座り込み、泣き出した。
怜は、そう言われて、落ち込みながら椅子に座って、マフラーを編んだ。途中、苦しそうに咳をしたりしても、マフラーを編んだ。しばらくして、マフラーが出来た。
怜)よし、ゆうき。出来たよ。人になってくれる。
怜は、まだ顔が赤いが、笑って言った。
怜)ありがとう。
怜はそう言って、ゆうきの首にマフラーを巻いた。色が、勇気の青と合っている。
怜)よかった。とっても似合ってるよ。気に入ってくれた?
怜は首を傾げた。
怜は、顔をそらされたがニコッと笑った。
怜)そのしぐさ、嬉しいんだよね。よかった。気に入ってもらえて。
怜は笑ったが、そのままゆうきに倒れてしまったのだ。さっきよりも熱く、顔色も悪い。
怜)ゆうき、気に入ってくれて...あり...がと...
怜は、そう言うと、意識を手放した。
怜は、苦しそうにする。
怜)ゆうき、いない?お願いだからいなくならないでよ。
怜は、おぼつかない足で、ふらふらと部屋を出た。
怜)まさか、また外に出たんじゃ...
怜は、ゆうきが部屋にいるのを確認せずふらふらのまま外へ出てしまった。
怜)あ、君はさっきのいろは君だっけ?ゆうきがまた外に出たんじゃないかと思って。また探しに。
怜は、はぁはぁと苦しそうにしながら、言った。熱も上がって、顔色も余計に青白くなってしまっている。こんな中探していたら、どこかで倒れてしまう。しかし、怜は
怜)じゃあ、僕探すから。
ふらふらしながら、再び探し始めた。
怜)心配してくれてありがとう、でも探さないとダメだから。
怜は、そう言い探し始めた。
怜)まさか、山の方に行ったとか?
怜は、山を目指して歩き始めた。
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