遠野 千尋 2017-09-16 18:35:11 |
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>>313 拓斗
ん…わかった…。…隠れてお揃いしてるとか…普通に引かれるかと思った…ん…でもそれって…なんか…お前が俺のこと好きみたいだな…?…ふ、…なんて…熱で都合良く捉えそうになってるな…悪い…薬飲むよ。水もありがとな。
(料理を教わる約束をしてくれ、早く治そうと笑って頭を撫でてくれる彼にこくっと素直に頷く。しかし隠れてお揃いなんて気持ちの悪いことをしている自分に彼は軽蔑したり引いたりしなかった。優しい彼なら思っても言わないだけだろうか…でも天の邪鬼なことは照れ隠し、そうでないことは素直に口にする彼ならこれに関してならそんなことはしないか…と色々考えてしまえば熱に浮かされた頭では分からなくなってきて率直に彼の言葉をその言葉通りに受け取ることにしては、ふと思った。自分とお揃いの物が欲しくて、自分がお揃いしたいと思った事が嬉しい…それって…と笑み浮かべて問いかけるも、流石にそれは都合が良すぎるかと自分で言ってて可笑しくなり笑い漏らせば早く治さないと─“薬飲むよ”と返事を返して掌に置かれる薬を人差し指と親指、中指とでスッと掴み上げて口に運び、差し出されるコップを礼を告げながら受け取ると縁に口をつけて水を飲んで薬と一緒に飲み込んで。水も全て飲み干せば彼にコップを差し出して「…時間…平気か…?今日もお前の母ちゃん仕事か…?お前が帰ってこないと心配するよな…」そう言えば今何時だと思いながらも彼には家族がいるし、いつまでも自分の近くに居てもらうことは出来ないだろうと思えばホカホカと温かかった心にすきま風が入るが如く冷たくなっていくような気がして。帰さないと…彼を…彼を待つ家族の元へ。そう思うのに“もう帰って良いぞ”の言葉がなかなか口から出ようとはしなくて。でも遅くなれば遅くなるほど辺りも暗くなるし帰宅が遅くなる。ここから彼の家までは車ではすぐだが歩けば少しかかる事も分かっている…それなのに─「でも…もう少しくらいなら…居られる…よな…?」普段ならきっと言えているだろう言葉が出ずに普段なら言わない言葉が口をついて出てくる自分が嫌になる。彼はなんと言ってくれるだろう…困らせてしまっているだろうか…返答を待つように視線を向けて)
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