遠野 千尋 2017-09-16 18:35:11 |
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>>340 拓斗
……既にお断りをしているはずですが…これは立派な脅し行為ですよ?…今はあなた方に従いますが…会う=見合いは成立なんて、ふざけた事は仰らないとは思いますが…流石にそこまで非常識な方ではないですよね?
(肩を叩かれ声をかけられるもとうとう自宅にまで来たかとあらかじめ予測はしていたため驚くことはなかったがあまりにも強引で手段を選ばないやり方に笑みは浮かべているものの物言いは少々刺々しいものになってしまい。自覚はあるものの悪目立ち過ぎる現状に仕方ないとばかりに素直に従うことにしつつも流石にお嬢様とやらに会う=見合いは成立で結婚なんていかにもなことはしないよな?と牽制しながら伝えては「逃げも隠れもしないのでどうぞそのお嬢様の所へ連れていくなりして下さい。これ以上の悪目立ちは懲り懲りだ」警察に銃を突きつけられた犯人のように両手を軽く挙げて連れていくなら連れていけと付け加えて)
(/付き人さん動かして下さって感謝です!寧ろ自宅に来て頂けた方が助かります。悪目立ちを嫌う千尋には効果抜群だったようです。おとなしく連行される意思を固めました。あ、なるほど…教えて下さってありがとうございます!一日恋人のフリをする羽目になったところを拓斗くんに見られちゃうって感じですね?…合ってますかね?)
>341 遠野
(付き人たちは相手からの問いかけに肯定も否定もせずに受け応えると相手を車に乗せて見合い相手のいる邸宅まで連れていき。邸宅には大きな門と庭がありその奥に大きな住居があって中に入ると付き人とは別のメイドが出てきて其処からはそのメイドが見合い相手のいる部屋まで案内して『どうぞ、こちらの部屋にお嬢様がいらっしゃいます。お帰りになる際は私どもがご案内いたします。』と頭を下げて部屋の扉を開けて。すると扉が開くや否や相手が入る前に見合い相手の女が相手に近づいてきて。『千尋さん!ごめんなさい、急にお呼び立てしてしまって。でも来てくれて嬉しいわ。さあ中に入って。美味しいお紅茶とスイーツを用意したのよ。…ふふ、それにしても本当にかっこいいわ。お写真を拝見したときからとても素敵な方だと思ったのだけれど、直接お会いしたらもっと貴方のこと気に入っちゃった。』若干言葉遣いに素が出てしまいながらも女性はにこやかに笑うと相手の手を取って部屋の奥に案内して。それを機にパタンと扉が閉ざされれば相手と女性の二人きり。女性は相手の手を離さずにうっとり見つめては豊満な胸を見せつけるように相手に身を寄せて)
(/先生を困らせてしまいすみません…。でも助かったと聞けて安心しました。はい、お見合い相手と先生のデート(嘘)を拓斗が目撃してしまう形で合ってます。あともしお見合い相手の下の名前に希望あれば決めちゃって大丈夫です。ではこのあたりで自分はお暇させて頂きますね!)
随分と強引ですね…俺はお断りしたはずですよ…?
(車で大きなお屋敷へと連れて来られ今はお嬢様と呼ばれる女性と対面していて。どうやら本当に彼女は自分を気に入っているようで手を取られ身を寄せてこようとする彼女から微妙に距離を取って。正直に強引だと口にして。自分が断りを入れているのを彼女は知らないのではないかと思えばちゃんと断ったことを彼女に伝えて。「家まで訪ねられるとは正直思っていませんでした…俺を気に入って下さったことは有り難いですが…やはりお断りさせて下さい。俺は今のところ結婚する気はありません」自分が今気になるのは保健室や家に来て屈託なく笑ったり照れたりしてくれる彼だけで、結婚するつもりはないことを彼女に告げて)
(/いえいえ、問題ありませんよー。千尋はハッキリしているのでお嬢様にもハッキリ言わせて頂きました。千尋の嫁は拓斗だけですので(笑)お嬢様はきっと上手いことデートに漕ぎ着けるのですね…。合っていて安心しました。了解しました、また何か決める際はお声がけしますし、して下さいませっ。此方も失礼致しますね。あなた様とお話出来てとても楽しかったですっ)
あら…そうなの?でも貴方の学校の校長先生からは良い返事が出来ると伺っていたのよ。
(相手からはっきりと結婚を断られればしゅんとした様子で俯きつつさり気なく開けられた距離を再び縮めると相手の服の裾を掴んで『私自分では限られた中でしか結婚相手を決められないの。親にこの中から決めろって…その枠内でしか。今までも無理矢理お見合いをさせられたけどピンと来なくて断ってきたわ。でも貴方は違った。千尋さんは写真を見たときからこの人だって思って、初めて自分からお見合いをしたいと思ったわ。貴方が無理なら私はこのあと妥協した男性と結婚することになる…。でもその覚悟は出来てるの。だから貴方に無理矢理結婚しろなんて言わない。ただ少しだけ私に夢を見させてくれないかしら?』見合い相手は俯かせていた顔を上げると切なげな表情を浮かべて、明日学校が休みの一日、自分と恋人のフリをして欲しいと続けて。『ね、お願い。いいでしょ?』と相手の手を両手で包むと少し強引であざといながらも必死な様子で上目遣いで相手を見詰めて。)
(その頃自分は家に帰ってきては布団に寝転がってスマホ画面とにらめっこしており、相手宛に送るメールを打っては消してを繰り返していて。メールをして何になるんだろうとただ迷惑だけなんじゃないのかと思いながら数時間思い悩み【明日、遠野ち行ってもいい?料理教わりたい】と可愛げのないそっけないメールを送ってはポイッとスマホを放り投げて仰向けに寝そべるとハァと息を吐き出して。そしてチラリとさっき投げたばかりのスマホに視線を送っていて)
あのタヌキ野郎…勝手なことしやがって…悪いが俺はあんたと結婚するつもりはない…ただあんたと出掛ければ穏便に済むんなら不本意だが出掛けても良い。と言うかこれも強制…だろ?
(彼女の言葉に憎々しげに舌打ちをしつつ全然言ってることが違うじゃないかと校長に怒りを露にしながらも彼女の話を聞く以上明日デートとやらをすれば穏便に見合いの話は白紙になるのだと理解すれば正直嫌だが致し方かないことなのかと腹を括ってはデートの件を了承して。というかせざる終えないといった方が正しい。掴まれた手をやんわり解きながら明日のデートの件だけは了承して。彼からのメールには音を消していたため気づかずにいて。「明日一日あんたのままごとに付き合ってやる…だから見合いの件は白紙に戻して貰うぞ?…俺には大事にしたい奴がいる…あんたには悪いがそいつ以外に興味はない。そいつを一番大事にしてやりたいんだ」彼女の提案を飲む代わりに見合いを白紙にすることを条件に出しつつも彼女の内面まで腐っていないことに賭けて素直に大事にしたい人がいることを伝えると長居は無用だとばかりに「…そろそろ帰らせて貰う…明日行きたい場所も時間もあんたが決めて良い。ただ家に来るなら事前に連絡くらいは入れて貰いたい」矢継ぎ早にそう伝えては長居は無用とばかりに付き人を呼んでは車で自宅まで送って貰って。家の鍵を開けて中に入ればスマホに届いていた彼からのメールに漸く気づけば【ごめんな、明日は予定があって難しい。今度ゆっくりいつにするか決めよう】短いながらも彼の気持ちを汲みたくて今度話し合おうとメールに書けば送信して)
(お見合い相手は相手の言葉にお礼を言って明日デートしてくれれば見合いは白紙にすることを約束し、また連絡すると伝えて相手を送り出して。その数時間後には相手の連絡先に【明日の朝10時、駅前の時計塔の前で待ち合わせしましょう。会うの楽しみにしているわ千尋】と既に恋人気分でいるのか相手の名前を呼び捨てにしてメールを送りつけていて。
一方その頃自分は布団に突っ伏しており、メールの着信にピクリと反応しておずおず画面を見ては表示される相手の名前にバッと飛び起きて布団の上に座り。頬が緩むもその内容を見た瞬間しゅんと肩を落としてため息を吐き。「…遠野も予定くらいあるよな。…でも予定ってなんだろ…やっぱりお見合いが上手くいってて…、いやでも今度ゆっくり決めようと言ってくれてるし…」ネガティブになりながらブツブツ独り言を零してはゆっくり返信ボタンを押して【分かった。次の登校日にでも保健室寄るよ。おやすみ】とまた可愛げないメールを送りつけ布団にパタンと倒れ込むとそのままもやもやと考えるうちに眠ってしまっていて。)
(翌日の朝の待ち合わせ時間、お見合い相手の女性は相手とデート出来る喜びに胸踊らせながらしっかりとおめかしして時間よりも少し早めに時計塔の下に向かってはキョロキョロ回りを見回し相手の姿を探していて。)
……俺はお前と過ごしたかったんだけどな…。ごめんな…拓斗。
(彼女のメールの後に彼からのメールの返事を見やればぽつりと本音を漏らして明日は文字通り予定もあるし風呂に入って寝ようとスマホを閉じては準備をして風呂に入り、そのまま就寝して──。翌朝、準備を整えて家を出るも既に待ち合わせ場所に着いていた彼女の姿を発見して。「……悪い、待たせたか?」彼との嫁期間は凄く楽しいのにたった一日だけの恋人のフリデートはあまり心踊るものではなく。これがなければ今彼と一日を過ごしていたのにと思いつつも約束は約束。気持ちを切り替えて予定時刻より早く着いたが彼女を待たせたことに変わりはないため素直に謝罪して)
『あ、千尋。ううん、今来たところよ。さ、今日は買い物に付き合ってほしいの。普段はこういうところはゆっくり来られないから。千尋には私に似合う服を選んで欲しくて。』
(見合い相手は相手の姿が見えるとパタパタと駆け寄り謝る相手に首を横に振って微笑み。そして早速相手の腕を掴むと身をピッタリと寄せて声色を弾ませて今日したいことを告げては、高級ブランドの店…ではなく一般の人が行きそうなお店が並ぶ通りに歩みを進めて。『そうだ、今日は私のこと下の名前で呼んでほしいの。恋人なんだし、いいわよね?』と少し強引なところは変わらないながら可愛らしい笑顔を浮かべて相手を見詰めて。)
(一方そのころ自分は遅めの起床をすると仕事帰りで眠っている母親の姿をぼんやり見てはおずおず身支度を整えて。今日はバイトも休み。特にすることもないが気分転換に街でも行こうかと思えば母親におにぎりを作ってテーブルに置いてから、コートとマフラーをしてつば付きニット帽を深めに被ると家を出て。)
女の服はあまりよくわからないんだが…どんなの選んでも文句は言うなよ?
(彼女のしたいことに付き合う一日なためどんな内容でも自分が出来る範囲でやらざる負えないため彼女の買い物がしたいし自分に服を選んでくれと言われれば了承するしかなくて。しかしあまり普段選ばない女物の服。センス云々が自分にあるのかもわからないため文句は言うなよ?と先に釘を打っておき。腕を取られぴったりくっつかれても内心は嫌だが約束は約束だと何度目か分からない妥当な理由で自分を納得させては名前で呼んでくれとお願いをされ「……琴音…で、良いんだろ?服選ぶならさっさと見に行くぞ」彼女の名前は何だったかと思い出しつつ口にしては手近にあったブティック店へ足を進めて)
『ふふ、よっぽど変でなければ大丈夫よ。千尋が選んでくれたことに意味があるんだもの。』
(見合い相手は名前を呼ばれて嬉しそうに頷くと服のセンスも気にしないと笑って、腕にギュッと絡みついたままブティック店にはいっていき。そして早速相手と共に店内を回ると気に入った清楚系のレースがあしらわれたライトブルーのワンピースと露出が高い黒のタイトなワンピースを手にして『千尋、私にはどっちが似合うかしら?』とありがちな男性からしたら困る・面倒くさいトップ3には入る質問をして可愛らしく首を傾げて。『あと此れを買ったらもう1つ行きたいお店があるの。』と二着のワンピースを自分の胸に交互にあてがいながら相手に視線を向けて微笑み。)
遠野…?
(きっちりした防寒具姿で街に出て、特に宛もなくフラフラしていれば、向かいの道路の前方に相手らしき人影が見えて。しかもその隣には綺麗な女性が腕を絡めて相手に笑いかけており。一件のブティックに入っていくのが見えてその時相手の横顔がはっきり見えては相手だと確信すると共にガツンと頭を鈍器で殴られたような感覚に陥り。やっぱり見合いをするという噂は本当だったんだと…美男美女でお似合いで、相手の隣に自分が並んでいる姿を想像しては滑稽に思えてきて。一人勝手に勘違いをして落ち込んでは小さくため息を吐いて、頭の中で相手へのお祝いの言葉を考えては目頭が熱くなる。今日はやっぱり家に帰ろうと帰路へつこうとするも、どうしても相手のことが気になってしまい。幸い今日の格好は顔も隠しやすい。尾行なんて良くないと分かっていながら帽子のツバと下げると遠く離れた場所から相手と見合い相手がお店から出てくるのを見張って。)
……どっちも似合うんじゃないか…?ああ…でもお前にこっちはまだ早いかもな。こっちで良いんじゃないか?
(彼女が与えた選択肢は2択。どちらのワンピースが似合うかというもの。一から選ぶより遥かに難易度が下がったことに内心ホッとしつつもどちらも似合うと答えたものの服を宛がう様子を見やれば何だか露出が高いものは彼女にはまだ早い気もしてもう片方のワンピースが良いのではないかと伝えて。そして続けられた彼女の言葉に「…行きたい店…?変な場所じゃないなら良いが…」行きたい場所の予測もつかずに変な場所じゃないなら良いと伝えて。彼が尾行していることには気づけずにこの後もだがどこに行くのか分からないこともあっては少々警戒していて)
『ふふ、千尋は優しいのね。じゃあこっちのワンピースにするわ。あとお前もいいけど折角だから琴音って呼んでほしいわ。』
(相手が選んだ清楚系のワンピースを嬉しそうに抱えてはちゃっかり名前呼びをお願いして、さっさとカードで支払いを済ませると相手の元へ戻ってきて、またまたちゃっかり服の入った紙袋を相手に渡し荷物持ちを任せて。『あら、変な場所ってどこのことかしら。でも如何わしいところではないから安心して。』そういうとまた相手の腕に自分の腕を絡ませると嬉しそうにブティックを出て、次の目的の場所へ足を向け。そしてたどり着いたのはジュエリーショップ。『さあ入るわよ。』にこっと微笑みを向けては店内へと相手の手を引き。)
>>352 拓斗
婚約指輪なら買わないからな。後ペアリングも。
(服を買い終えた彼女と来たのはジュエリーショップ。ここもどちらかと言えば変な場所の一つで。婚約指輪やペアリングなんぞ買われた日にはそのまま婚約まで漕ぎつけられるのがオチな気がして予め先手を打っておき。何のために彼女はジュエリーショップになんて来たのだろう。正直面倒事は御免被りたいところで。こんなことなら彼と一緒に料理をしていた方が何億倍も楽しいだろうなと思っていて。彼女は何をさせるために自分とこのような場所に来たのだろうと思いつつ彼女の動向を探っていて)
>353 遠野
『あら、察しがいいのね。千尋は。そうよ、今日買いに来たのはペアブローチ。でも私達のじゃないわ。』
(警戒する様子の相手を見て小さく笑いを零しつつ正解と頷くもそれは自分たちのものではなくて。『今度、友だちが結婚するの。そのお祝いのものを買いたくて来たのよ。』そう説明する間も相手にぴったりと寄り添って離れずにいて、店員に相手と居るところをお似合いですねと言われて嬉しそうにしており。『でも一応、今日私と千尋は恋人なんだからもうちょっとそれらしく振る舞ってほしいわ。…じゃないともう一日延長しちゃうかも。』ブローチを無事に購入すると相手の態度を気にしてか冗談めかして笑い。)
(その頃自分はしなければ良い尾行をしたせいで相手と見合い相手がジュエリーショップに入っていくのを目撃してしまい。当然のごとく盛大に勘違いして、もう相手と見合い相手の結婚は決まったんだと思い込み。もしかしたら違うかもしれないとい淡い期待も打ちのめされればショックで暫く呆然として。これ以上の尾行はやめようと思えば走ってその場から立ち去り家路について。)
そういうことか…変に身構えなくても良さそうだな…。琴音は嘘はつかさなそうだし…流石に増やすのは勘弁してくれ…わかったよ…らしくすれば良いんだろ?このブローチを彼女に包んでくれ。支払いはこれで。
(彼女の言葉に自分は変に構えすぎていたのかもしれないと思い直す。あまり長くはいないが彼女は嘘がつけない性格のような気がしていたのは確信に変わる。恋人として過ごす期間を一日増やすと告げられ流石に勘弁してくれと肩を竦める。漸く腹を括ることにしては友達に彼女が選んだデザインと似たブローチを指差して包んでくれとカードを店員へと渡して購入して。プレゼントというよりはどちらかと言えば選別や応援に近い感情で。彼女は自分と結婚出来ないことはもうわかっている。彼女の言葉通りならこれから自分の以外の親が決めた男と結婚をしなければならないのだろう。男なんて腐るほどいる、きっと彼女が好きになる男もいるだろう。何があるか分からないのが人生なのだ、それと楽しめと肩を押してやりたくなって。店員から可愛らしく包装されたブローチを手渡されている彼女を見やり「…次に行きたい場所は?」と尋ねて。彼の尾行も彼が傷つき走り去ったのも気づけなくて、このお出掛けが終われば彼の声が聞きたいなと思っていて)
『あら残念。……!いいの?嬉しい…!ありがとう千尋。大事にするわ。』
(一日延長は勘弁と言われて残念とクスクス笑いながら零して、名前を呼ばれたことにも満足そうな表情をしていて。そしてブローチを購入する相手を不思議そうに見ていれば、そのブローチが自分の手元に来た時、長い睫毛をパチパチさせて。そのブローチが相手からのプレゼントだと分かるとぱあと表情を綻ばせて大事そうにブローチの入った袋を胸に抱かえてお礼を言って。次に行きたいところを尋ねられるとまた嬉しそうに笑い『次はパンケーキが食べたいわ。』とご令嬢らしからぬチョイスをしてまた相手にぴったり寄り添い街へと歩き出して。
そして時刻は夜、今は見合い相手の家の門の前。一日恋人のフリもここで終わり。見合い相手は寂しそうにしていたが腹は括っているのか終始笑顔でいて。『千尋、最初は無理矢理連れてきたりしてごめんなさい。本当はちょっとだけ強引に婚姻結んじゃおうかって考えたのよ。…いまも少しだけ。でも千尋にはもう大切な人がいるみたいだから諦めるわ。千尋が選んでくれたワンピースと…コレ大切にするわね。私の将来の旦那様には内緒で。』途中少し我儘な部分を見せながらも最後はブローチの入った紙袋を見せてお茶目に笑い。『ねえ、千尋。最後に、名前呼んで頑張れって応援してくれないかしら。…あとキスも。』相手の片手をそっと掴むとちゃっかりキスも追加しつつ、少しだけ眉を下げて相手を見詰めて。)
……頑張れ琴音…お前ならきっと俺なんかより良い男と結婚出来るよ。何事も楽しめ…それがお前をより魅力的にしてくれるはずだ。
(プレゼントは喜んで貰えたようでその後も彼女の行きたい所へと付き合っては夕方どころか日も暮れて暗闇が辺りを包んでいて。彼女の屋敷の前に到着しては恋人の振りはもう終わり。彼女もそれをわかっているようで無理矢理連れてきたこてを詫びてからぽろりと溢れた本音にジト目を送ると自分のことは諦めるとちゃんと言ってくれて。ただ最後に名前を呼び応援の言葉…それだけじゃなくキスまで要求する彼女の姿にこれも彼女の魅力の一つになっていくのだろうと思えば笑み浮かべ頑張れと名前を呼んでは告げて。そして自分以上の男が現れると告げつつ何事も楽しめと彼女に伝えたかったことを伝えては流石にキスと言えども場所は選ばせて貰えばそっと手を取り指先に口づけて。「……元気でな…幸せになれよ」そう言葉を残して頭を撫でてあげてはヒラヒラ手を振って彼女に背を向けて歩いていき。事前に車で送ると彼女に言われたが断った。大体の自分の位置は把握しているためタクシーを読んで帰ろうと思ったこともあって。電話するには遅い時間。せめてメールだけでもとスマホを取り出せば【遅くに悪いな…。明日、放課後でも昼休みでも良いから時間があれば保健室へ来てくれないか?話したいこともあるし、料理教えてやるって言ったろ?その事も相談したい。】それだけ打ち込めば送信して。それからタクシー会社へ電話をかけてはすぐに来てくれたタクシーへ乗り込みそのまま自宅へと向かって)
『ありがとう千尋。…さようなら』
(彼女は相手の優しい言葉と口付けを貰うと少し寂しそうに微笑みながらも笑顔で相手を見送って、相手に言われたとおり前向きに何事も楽しもうと考えながら邸宅の扉の前で待っている執事の元へ足を向けて。)
(一方その頃自分は自宅であるアパートの布団に部屋の電気も付けずにひとり突っ伏して不貞腐れていて。依然勘違いしたまま、もう自分の相手への想いは終わりにしなければと落ち込んでいるとブウウと静かな部屋にメールの着信音が鳴り響き。枕に顔を突っ伏したまま手探りでスマホを手にとっては顔を横向かせて着信を確認する。するとそれは相手から。見合い相手と一緒にいると思っていたのでびっくりしては横になった状態のまま恐る恐るメールを開いて。その内容を見て乾いた笑いを零す。完全にネガティブ勘違い思考に走っているおバカな頭は相手の話したいことや相談したいことは、『見合い相手が出来たから嫁のお試し期間は終わりにして料理を教えるのもなしにしたい』という話だと自分勝手に思い込んで。そんな話だったら聞きたくない。そう思えばメールの返事はせずにスマホを投げ捨てそのまま枕を濡らしながら不貞寝して。
次の登校日の放課後、結局相手へのメールは返信していない。こんなことは子供のすること。分かっていても怖くて返信するタイミングを見失ってここまで来てしまい。かと言って保健室に顔を出す勇気も出ずに帰りのHRが終わるとトボトボ教室を出て。でも自然と足は保健室に向かっていて気付けば保健室の扉の前。ただ入る勇気はなくずっと保健室の前を行ったり来たりウロウロしていて。)
……やっぱりお前か…寒いだろ、こっち来い。
(結局メールの返事はなく昼休みに彼が保健室へ来ることはなくあっという間に放課後になって。メールの返信がないことを訝しみながらも彼も忙しかったり色々あるのだろうと思うことにして。そして少し前から保健室の外をウロウロ歩く影と気配にもしかしてと扉を開ければそこにいたのはやはり彼で。いつもならすんなり入って来るのに何か変だと思いつつ、笑み浮かべ普段と変わらない調子で声をかけてはその手を掴んで保健室の中へと引き入れて。「…どうした?拓斗…何かあったか?」表情もどこか強張っているようにも見える彼。体調が悪いのか何かあったのか気になっては頭をポンポンしながら尋ねて)
…!?
(寒い廊下をウロウロしていると突然保健室の扉が開いて相手が顔を出してはビクッと肩を震わせて、微かな抵抗をしながら手を引かれて保健室の中へと導かれて。温かい保健室、いつもと変わらない優しい笑顔と頭を撫でてくれる手。それに相手の様子から廊下でウロウロしているのを自分だと気付いてくれたことが分かり。そのどれもが自分を安心させてくれて嬉しいはずなのに、今日は心がキリキリと痛んで相手の顔をまともに見られずに微かに下唇を噛み締めて顔を俯かせて。相手の問いに中々答えられずに目を伏せていたがずっとこうしている訳にはいかないのは分かっていて、震える唇を微かに開いて声を発そうとする。しかしやはり核心を突くのが怖くて怖気づけば自分の手をギュッと握りしめて「…別に何もないし…」と漸く絞り出した声は掠れていてすねているの丸出しでひどいもの。こんな天邪鬼ここに居ても相手の邪魔にしかならないと勝手に思い少し視線を上げたところで保健室のデスク横に置かれる相手の鞄にお揃いのストラップがまだついているのが目に止まり。キュウと胸が苦しくなっては「…あれ、もう外したほうがいいんじゃないの。」とはっきり何かは言わずに思ってたよりも低い声が出たのに内心自分でも驚きながらスッと相手に背を向けては保健室から出ていこうとして。)
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