匿名さん 2017-09-06 21:19:19 |
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… おい、お前大丈夫か
( ざわざわと騒がしい酒の席、気を許した仲間達との喧騒なら構わないのだがどうやら今回の席は人の寄せ集めらしく知らない顔が多数を占めていて。騒ぎの中心から離れた位置で独り、眉間に皺寄せ乍酒を飲んでいるとふと視界の端に口元に手を当てる相手の姿を捉え。相手の減っていないグラスの酒を見る限り、アルコールが苦手な人間なのだろうと予測できる、店員に水を注文した後に相手に声をかけ
そうだな、想像してたよりもすげェ静か
( ヘルメットを外して、長時間の移動でペタンと癖のついてしまった髪の毛をくしゃりと整えるように撫で乍ふうと一息吐き。この地区の様子は噂で聞き自分達が想像していたよりも平和に思える、この雰囲気が嵐の前の静けさで無い事を祈るばかりだが、何かと面倒に巻き込まれやすい自分達にはそれも難しいのだろうと思えて僅かに眉を下げ苦笑いを零し
( / 素敵な絡み文有難う御座います。拙いものの絡ませて頂きました。改めまして、宜しくお願いします )
…あぁ、問題ない
(喉元をじわじわと刺激していくアルコールに小さく咳き込み、そっとグラスを置けば一緒に来ていた友人に一声掛け風にでも当たろうかと辺りを見渡して探すものの数人を巻き込んで盛り上がっていているのが分かり思わず肩を竦め、この様子なら一人抜けようと気付かれまいと即座に判断して席を外そうとしていたところ不意に己を気遣うような声を掛けられ不思議そうに首を傾けて相手の方へと視線を向け、声の主だと理解しては小さく頷いてみせ)
いつもはこうなのかもな、何もなければ
(頻繁に訪れるというわけでもなく普段の街の様子が静かなものなのか、または賑わっているのかよく分からないものの相手の言葉の通りある程度想像していたより幾分か静かな街に口にはしないが内心同意して、何度か訪れたにも関わらずこれほどの静けさを感じた事がないのは偶然なのか運の無さなのか自分達に何か憑いているのか、万が一後者であれば自分ではないことを願い相手に一度視線を送りつつバイクから降り言うまでもない言葉は飲み込む事なく言葉にし)
(/ いえいえ、此方こそ素敵すぎる絡みをありがとうございます…!これからよろしくお願い致します。 )
大丈夫そうには見えねェな、ほら水
( 明らかに体調が悪そうなのにも関わらず見知らぬ自分に意地を張る意味がわからないというように既に刻まれていた眉間の皺を更に深くし。先程注文した水が届けば、それを相手に差し出し乍 " 飲め " と顎を使って示し。アルコールに弱いのに飲みの席に誘われた相手を気の毒そうに見遣りながら、自分はハイボールに静かに口を付け
俺達が来る時はいつも荒れてるからなあ、此処
( 余りにも貧乏神らしき自分達の存在にふはりと笑いを零して。言葉の後にちらりとこちらに向けられた弟からの視線がまさか不穏な物を擦り付ける事を意味するものだとは思いもよらずに、きょとりとした顔の後に微笑みを返し。「 気紛れに来てみたけど、気の知れた知り合いがいるわけでも無いし、BARで女でも探す? 」 意外と硬派な弟に提案が却下される事は承知済みでそれでも尋ねてみて
よく言われる…、悪い
( より深くなった眉間の皺に今のやり取りの何処かで相手を不快にさせてしまったのだろうかとやや意識を持っていかれつつ、ふと視界に入ったそれと相手に交互に目を配り物言いたげな眼差しを向けるものの幾ら初対面といえここで追い打ちを掛けるように酒は与えないかと視線を外して水を一口、二口と飲んでは暫く残っていた酸味が消え喉を潤していきホッと一息吐き何気無く相手を見て特に顔色に変化を見せない辺り己とは対照的なのだろうと見知らぬ相手にも関わらず納得でき、少し羨ましく思いじっとグラスを眺め )
やっぱ何か憑いてんのか
( 半分冗談のつもりが再び脳裏を過った言葉に勘弁してくれと言いたげに誰に言うわけでもないがぽつりと呟き、一気にドッと疲れが押し寄せてきた気になっていたところいつもの如く掛けられた言葉にもう何年もの付き合いではあるが未だに本気なのか冗談なのか分からず更に疲れが増せばため息一つ、当然行くつもりなどなかったものの相手が女に構おうが一人飲んでいればいいかと相手を待つ事もなくすたすたと歩き出して「女探しはお前一人でやってろ…」と決して女探しに付き合うわけではないという意思表示だけはしっかりとし)
気にすんな
( 当たり前の事をやっただけだと肩竦めて。喉に流れるしゅわしゅわとしたアルコールを感じると共に相手からの視線も感じて、ちらりと再び相手に視線を移し。「 何だよ、之も酒だからお前には飲めねェよ 」 無意識に好戦的に口角が上がってしまうのは己の悪い癖で。ふと携帯の画面に視線を寄越せば既に時刻は12時を回っており、さてどうやってこの場からさっさと退散しようかとくるりと周りを見渡して
憑いてるって … 、何、広斗幽霊とか信じてんの?
( 相手の言葉にきょとりと目を丸くして、次の瞬間ふはりと笑いを零し乍揶揄うように問い。神を全く信じないワケでは無い、祈ればある程度の効果を実際に齎すのかもしれないが生憎神に頼るような生活を送っていないのが事実で。いや、兄貴の時は祈った、結果的には実らなかったが。故に神よりも信じ難い幽霊やら呪いやらには否定的な意見を持っていて。 「 わお、珍しい。 」 そういった場に付き合う事自体が珍しい相手の気紛れな行動に口笛を落とし。顔の良い弟が居れば女が引っかかりやすいのでこれは幸とばかりに軽い足取りで相手の隣を歩き
( 少しばかりグラスの中身が気になってはいたものの、誰がどう見てもそれが酒であることは間違いなく、ましてや相手が旨そうに水を飲んでいるとは微塵にも思っていないため、視線と共に返ってきた言葉に 一瞬物言いたげな視線送りつつ意図してか否か何処か挑発的な様子に当然面白くはなく「 酒が飲めないんじゃない、相性が悪かっただけだ 」頭では理解しているがそんな強気な言葉を口にしては流石に無謀な真似はせず、未だ騒ぎの中心に居る友人へと視線をやりこのまま抜けてもバレないだろうかと思考巡らせて )
…お前に女の霊が憑いてればって思っただけ
( 独り言のつもりで呟いた言葉だが、普段バイクを走らせている時や辺りが賑わっていない限り相手に届くのは当然で、拾わなくていい事まで拾ってしまう相手だと今さらになって思い出し内心舌を打てば、腹いせにと投げ掛けるも実際にそうなれば共に行動している以上、巻添えを食らうのは目に見えていて面倒だ。対照的に普段通り、若しくはご機嫌な兄の姿などさほど気にも留めず静かに酒が飲めればいいかと変わらないペースで歩みを進めていき )
何だよその苦しい言い訳、
( 酷く苦しい言い逃れに意表を突かれたかのように一度グラスを持つ手を止めるが次の瞬間小さく鼻で笑い、冷たいとも取れてしまう言葉とは裏腹に口元にはゆらりと笑みを浮かべて。騒がしい輪の中へ投げかける視線や時折時計を確認する動作から相手が自身と同じ状況であることは察することができ、このまま誰にも何も言わず帰ることは出来るがそうすれば翌日に避難の嵐であることは容易に予想できる、ならばと相手に此方へと顔を寄せるように手で伝えては、何時もの低くやや掠れた声で 「 酒で体調悪くなったフリしろ、俺が介抱を理由に連れ出してやる 」 と囁き
その幽霊ちゃんには触れんのかな。ってか、お兄ちゃんをお前呼ばわりするんじゃありません
( 弟の邪悪な考えなどこれっぽっちも気にしたような素振りも見せずに、両手をわきわきとやや怪しい動きをさせながら上記を問いかけ。何度言ってもお前呼びを止めない弟に何時ものようにぴしりと注意をし。 「 此処とかいい雰囲気してんじゃん。いざ参らん、なんつって 」 歩いているうちに見つけたやや廃れ気味のBARの前で足を止め。けらけらと冗談を口にしながらカラカラとベルの鳴るドアを潜って
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