悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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…おはよう、
(相手が目を覚まし、はじめにその瞳に映ったのは自分の姿。それが嬉しくて、微笑みを零しながらそう答えて。身体を起こせば長い髪がさらりと背中へ流れ、青く透き通った瞳を庭へとやると「今日は雨だ、」とぽつりと呟いて。庭に出られない日、いつも一人で退屈していた。屋敷の中にいるとつい書斎に入り浸りがちで、雨の日はあまり気持ちの良い思い出もない。しかし今日は、どんよりとした気持ちにもならず、しとしとと庭を濡らす雨が気持ちよくさえ感じることができて寝間着のまま縁側の方へと歩いて行き空を見上げて)
──…雨の日は、嫌いだったんだ。
……どうして、?
(静かに天から降り注いでは庭を濡らしていく雨を見つめる相手の背中をぼんやりと見つめながら上記と問いかけてはするりと布団から抜けては着ていたものを軽く治しながら彼の隣へと場所を落ち着かせ。「お花たちはとても喜んでるのに」といつもよりも生き生きとしているように見える植物たちへ目をやれば雨粒に飾られてきらきらと光る花たちに目を細めては薄く笑みを浮かべ。)
──…それも、そうだ。
(降り注ぐ雨を見つめていたものの、相手の言葉に驚いたように振り向いて。今までそんな風に考えたこともなかった、再び庭に視線を戻すと心なしか相手の言う通りに見えて少し表情和らげるとそう言って。外へと手を伸ばせば指先を濡らす雫、しばらくの間そうして雨の降る庭を瞳に映していて)
誰かにとって嫌なものでも、他の誰かにとっては救いになるかもしれない。
(曇天の空からしとしとと降り注ぐ雨を見上げながらポツリと呟いた後になんちゃって、と笑って。彼を真似るように自分も外へと手を伸ばせばぱらぱらと自分の手を湿らす雨に「冷たい」と楽しそうにくすくすと笑って。いつもの晴天の方が好きだけれど、今日みたいな雨の日でも彼と一緒ならばいつもよりも雨が好きになれるな、なんて思いながら鈴は自分の腕を濡らす雨を暫く楽しそうに眺めていて。)
…何だか、私みたいだね。
人間には疎まれるけれど…でも、鈴にとっては大切な存在、だろう?
(ふとそんな思いが頭を過れば悪戯めいた笑みを浮かべながらわざと相手の恥ずかしがるような言葉を選びつつ相手に同意を求めるように首を傾げて見せ。くすくすと笑いながら視界の端に雨の庭を映し、気持ちよさそうに伸びをして。雨の日は憂鬱だというのは、勝手に自分が決めつけていただけだったのかもしれない。今日は書斎には足を運ぶまいと心に決めながら)
!……そうよ、とっても大切な存在。
(彼から告げられた言葉に一瞬きょとんと目を大きく開いたものの、すぐにふにゃりと笑えば彼の言葉を否定するはずもなくそのまま肯定して。じわりと赤みを帯びた頬は少女らしい薄紅色で、少し恥ずかしくも彼が自分の気持ちをちゃんとわかってくれていることに嬉しそうに笑う姿は何処と無くいじらしく。「分かってもらえてよかった」と告げつつも先程まで雨に濡らしていた手を引っ込めては楽しげにひらひらと水気を払い。)
…ほら、顔を洗っておいで。朝食にしよう。
(相手を困らせようと思って言った言葉だったにも関わらず思い掛けず相手が綺麗に笑うものだから、不意を突かれて此方の方が恥ずかしくなってしまったようで。薄く、親しい人でなければその変化にすら気付かないほどに薄くその真白な頬に朱が射し、返す言葉もなくそう言ってすぐに顔を背けてしまい自分は寝巻きの上から羽織を羽織って))
ふふ、はぁい。
(彼の様子に思わずくすくすと笑ったものののんびりと返事をすればぺたぺたと顔を洗いに歩き出し。──ぱしゃり、と水音を立てながらそうっと手のひらに溜めた水で顔を濡らしたものの、顔を濡らした水が想像していたよりも冷たくて「ひゃ、」と小さな悲鳴をあげて。ひやりと刺すような冷たさの水を我慢しつつ顔を洗い終えた鈴は、彼の元へ戻ろうとすっかり冷えきってしまった両頬を両手で包みながらまた雨の降る縁側を眺めながら部屋へと向かい、)
(相手が顔を洗いに行っている間に朝食の支度を済ませておこうと思っていたのに、彼は其処に佇んだまま絶え間なく地面に降り注ぐ雨と厚い雲をぼんやりとその瞳に映しており。そうしているうちにこんな雨の日、一人で書斎に篭っていた昔を思い出せば何故かどうしようもなく寂しい気持ちに襲われ、静寂の中雨の降り注ぐ音しか聞こえずに目を伏せて)
遅くなりました…!
──碧?
(ぼんやりとその場に立ち竦む彼の後ろ姿を見つけては、不思議そうに目を丸くさせながらも鈴はその背中に声をかけて。後ろから彼の顔を覗き込んでは「どうかしたの、?」と首を傾げながら微笑んで。耳を通り抜ける雨の音と庭に出来た水溜まりをちらりと一瞥したものの彼が少し寂しげに見える理由が分からずに「だいじょーぶだよ」とへらりと笑顔を見せて。)
(/いえいえ!大丈夫ですよ〜!)
(降りしきる雨の中、一人になった時のことを考えるとどうしようもなく不安になる。所詮は鬼と人間、種族の違う者同士が添い遂げられるとも限らない。鬼にこんな感情はない筈なのだ、誰か一人に側にいて欲しいだなんて。不意に聞こえた相手の声、鈴の音、何を考えるよりも前に相手を抱き竦めていて。相手の背に腕を回したまま、ぽつりと呟いた声は雨に紛れて空気に溶けてしまいそうな程にささやかな囁き。)
…鬼がこんな感情、抱くべきじゃない。
……どうしたの?
(ぽん、ぽん、と一定のリズムで彼の今にも消えてしまいそうな彼の背中をやさしくたたきながら、鈴はゆったりと上記を問いかけて。このしとしとと降りしきる冷たい雨のせいで、気持ちが滅入ってしまっているのだろうか。自分の存在を確かめるかのように抱きしめる彼は、いつになく弱気で、それでいて散る桜のように儚げで。「私は、鬼だからとか人間だからとか、種族の違いで感情が制限されるなんてそんなのあっちゃいけないと思うけどな。」彼が今何を考えているかは分からない。それでも、色んな感情が巡るというのは決して悪いことではないと、鈴は小さな小さな手で彼を抱きしめながらそっと微笑んで。)
──鈴、
ごめん、こんなに長く留守にしてしまって…何の言い訳もできない、本当にごめん。
もし、もしもこの返事に気がついて、またやりとりをしてくれる気になったら、反応してくれると嬉しい。
4ヶ月も待たせたのは私の方なのに、我儘ばかりでごめん。
暫く、此処で待っているね。
……驚いた。まだ私を覚えていてくれたの?
もうきっと忘れちゃってるんだとばっかり思ってた。
ずっとずっと、貴方とまたお話したいと思ってたの。またあえて凄く嬉しい!
きっと色々な事情があるだろうし、気にしないでね。私は全然平気だから!
だから、私はまた碧とお話がしたいな。
君がこんなに早く気づいてくれるなんて予想外だった。
寂しい思いをさせたのに──…ありがとう。
せっかくだから、良かったら話を一新させて続けようか。
鈴の希望があれば何でも聞く、やってみたいことがあれば教えてくれると嬉しい。
待っていてくれてありがとう、鈴。
たまにね、来てるかなぁって覗きに来てたの。
でも本当に碧が来ててびっくりしちゃった!だけどそれ以上にとっても嬉しかったよ。
ええと……そうだなぁ。
さっき会ったお姉さんがくれた紙には『だんだんと2人がお互いへの気持ちを理解して、少し他人行儀になってしまったり逆に距離感が更に近くなってしまったらとても可愛いと思います!』って書いてあるけど、こういうことかな?
ふふ、改めてまたよろしくね!
…なるほど、お互いにとってお互いが特別な存在であることを実感する、ということだね。
それをストーリー展開の中でどう表現したら良いのか悩むけど、例えば鈴に危害が加わりそうな状況ではじめて怒りの感情をあらわにする、或いは鈴を守ろうとするあまりに力を暴走させてしまう、とか。
相手のために感情を露わにすることって、本当に相手を思っていないと出来ない事だと思うから。
あとは、なんだろう。
何か他に具体的な案はある?
こちらこそありがとう、また鈴と話せて嬉しい。
これからもよろしくね。
いいえ、他に具体的な案はないの。ごめんなさい。
でもその案はとっても素敵だと思う!誰かのことで感情を揺さぶられるって、よほどその人のことを大切に思っているんだなぁってすごく伝わってくるもの!
それに、きっと貴方の一族が私が此処にいるのを見たら良く思わない方もいるかもしれないし、遅かれ早かれ私がそういう状況に陥ることになってしまうと思うしね。
そうだね、じゃあその設定でいこうか。
私といる所を鬼の一族の数人に見つかって、心を壊した抜け殻にされそうになる。それに私が怒り、一族の思う壺に、怒りの感情が強すぎる余り鬼に支配されてしまう。私が鬼に身を売ることを良しとしない鈴の必死の行動で、意識を取り戻す。
というような感じかな。簡単な流れとしては。
またストーリーが進み次第、適宜好きに展開させて行こう。
もしこれで良ければ、そのまま始めようか。
うん、その流れとっても素敵で良いと思う!
それでお願いします!
最初は、お願いしても良いかな?
ちょっと久しぶりだからどんな感じかわかんなくなっちゃって…あはは、もしかしたら文章が纏まってないかもしれないけど許してね。
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