偏る天秤(非募)

さて、今日はもう遅いし、帰るか。一人で帰れるか？
（自分の本音を話してくれた相手に少し安心して立ち上がって周りが暗くなってきたのを確認して少し心配するように声をかけて）

……も、もう少し……一緒にいたい、ダメか？
(立ち上がるとちょうど相手の服の裾が目の前にあり、確かにもう暗くなりかけており帰るべきなのは分かっているが、両親は共働きで忙しくほとんど家にいないため1人になることが多い。だが、今は1人になるのが寂しいのか気づけば相手の服の裾を掴んで上記をポツリと言って)

そ、そうか……なら、飯でも食いに行くか！俺腹が減ったわ。
（いつもは強気でいる相手が今日は寂しいのか裾を握ってくるいつもとは違う様子をみてしまい、少しドキッとするが誤魔化すように、腹が減ってることを気に飯を食いに行くことを１つ提案してみて）

……行く。
(相手の言葉を聞くともう少し一緒にいてくれるのだと理解しては内心喜んで、改めて涙を拭いては頷いて)

よっしゃ、じゃあ…近くのファミレスでもいいか？
（行くと答えた相手を見てはよしっと頷き、どこか食べれる場所とは言ってもファミレスしか思い浮かばず、そこを提案してみて）

どこでも…いい。
(相手の提案に頷いては歩き出して、学校帰りに誰かと、寄り道というのは初めてなのか店に着いてもなんだかソワソワしており)

あー、腹減った…さてと何を食うかな？ほら、お前も何か食べていいぞ、せっかくだし今日は俺が奢ってやるよ
（店について、店員に空いてる席に通されて座ってはすぐにメニュー表を開き何を食べるか迷いつつも、相手の方にもメニューを見せては気前よく奢ると言って）

……ぇ、いや、私がっ……おご──何でもない。じゃぁ……これ、
(こういう時は、割勘かこちらが奢るべきなのではと考えていたせいか、相手に奢る、と言われるとオドオドとしながらも、きっとここでこちらが言っても相手は引かないだろうなと心の中で解釈しては、サラダを頼み)

え、おまえこんなのでいいのか？もっと食えるだろ？
（メニュー表を指差してそれを見るとサラダだけだったので少しで驚きながらも苦笑いしながら聞いて）

もっとってどーいう意味!?
(相手の言葉を聞くと、まるで普段から自分が大食いみたいな言い方だったので、顔を赤くして上記を言うとすぐに顔を背けて「ぃ、今はそんなにお腹へってないから、これでいいんだっ！」と腕を組んで)

ほんとかー？あとで俺のをくれと言ってもやらねーからな？
（顔を赤くして反論する相手を見ては目を細めて疑うように言ったあと、店員を呼び決めたメニュー料理を注文するしていき）

だ、誰が言うか!!
(相手の言葉にさらに顔を赤くしては叫んでは、手元にあった水の入ったコップを一気に飲み干しては「……今日は、色々……ぁ、ありがと」と改めて小さな声でお礼を言って)

いいよ、お礼は。まだ何にもしてないしな、だけど、これから何かあったらすぐ言えよ？
（お礼を言う相手に少し照れ臭そうにしながらも、水を飲みそのコップを見つめながら少し真剣な顔になって伝えたあと、店員が注文していた料理を持ってきて「まってました！」と言って食べ始める）

……努力する。
(相手に、何でも言えと言われるとやはりまだどこか遠慮というより、巻き込みたくないという気持ちがあるのか、中途半端な答えを言っては、手を合わせて「いただきます」と小さく言うと食べ始めて)

おう、努力してくれよ。しかし、おめーとこうして一緒に飯を食べるとは想像もしてなかったぜ。
（努力するって言葉に、これが彼女の精一杯の答えだろうと思いつつ、ご飯を食べてるとふと思ったことを口に出して言い）

…そうか？
(モグモグと食べながら相手の言葉に疑問を思って問いかけて。確かに、幼いころは良くお互いの家を行き来して夕飯などを食べたことはあった。しかし、それも今思えば子どもだったから、という理由なのかもしれない、と思い)

そうだよ！はー・・食った食った・・！
（当時の頃を思い出して、どこか懐かしい気分になりつつも料理をあっという間に平らげて満足げにしながらお腹をさすり）

ごちそうさまでした。
(相手の食べる量とスピードに驚きつつもこちらも食べ終わり手を合わせて上記を言うと、ふと窓の外に女子高生数名が楽しそうに会話しながら帰っている様子を見つめて)

・・・ん？ああ、お前もやっぱ女子同士で仲良く帰りたいか？
（水を飲み一息してると彼女が外を見ているのでこっちもそれに合わすように視線を外にやると女子高生が仲良く歩いている姿があったため、あぁ・っと納得した様子で質問をして）

別に……あーやって、誰かを常に傍に置かなければ強がることもできないような奴らとは一緒になりたくない。
(相手の言葉を聞くと、一瞬目を細めて淡々と興味の無さそうな声で上記を言えば「……1人だって、平気だ」と自分に言い聞かせるような口調で呟き)