耳を劈くような蝉の鳴き声
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤそう 、今年も『 夏 』 が 来た 。
まあ 、今日はそんな蝉の声も 聞こえないけれど 。
目的地は 決まってない 。
でも 何処か遠くに出掛けたくて
1人で 電車に乗り込んだ 、 夏休み 。
窓から見える 空の色は 、
夏色では無く灰色で 、窓にぶつかる水滴をわたしは じっと見つめていた 。
『 台風で みんな 飛んでけばいいのに 』
ぽつりと呟いた 言葉は
誰に届くことも無く 、電車の走る音に掻き消されて
____ … 突然 、わたしの世界が 暗転 。
( あれ 、蝉の鳴き声 。)
( もう 台風どっか行っちゃったの ? )
( んんん 、て言うか寝ちゃったんだ 、私 。)
( 多分 、もう 電車止まってる 。降りなきゃ 、何処まで来たんだろう 。終点かな )
寝不足だった訳では無いのに
やけに重たい瞼を開けて
そして 、
______ 絶 句 。
古びた 一車両だけの 電車の中 、扉は 全開で 停車中 。ホームは この電車に合わせたかの様に すごく短くて 、無人 。
台風 ? なんの事 ? とでも言いたげな夏空 。
都会では まあ見ない 、緑の多さ 。
ホームには 【 蝉時雨 】の文字と 改札だけ
( parallel world … / レス禁止 )