人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
通報 |
もっちろん!私がちゃーんと学校の勉強もしてるって所を見せ付けようじゃありませんか。
( “二頭追う者は一頭も得ず”そのことわざが頭を過ぎりはするもののこれで散々な結果を見せる事になればこれみよがしに嫌味を言われ、そうして森に来る事を今以上に制限されるに決まっている。時には引く事も大切だと言う事もわかるが相手が相手なのだ、全く効果を見い出せない事は明白でだからこそ今一度力強く頷き。後者は間違いなく自身の事であろう。「魔法使いさんの話をちゃんと聞くおしとやかな大人の女性に早くなれないかなー」ゆら、ゆら、と揺れる竿の糸を見詰めながらそう言う事ではないともとられる呟きを落としてからあからさまな溜め息を一つ、そんな矢先にあまり動きを見せなかった浮きがぽちゃんと水底へと沈めば漸くとばかりに引っ張り上げ、相変わらず小さ目ではあるものの一匹をゲット。それから時間までに結局もう一匹だけを釣り上げる結果となり「私の試練はここからだね。なんてったってこれを砕かなきゃならないんだから」最後に釣った骨魚をまじまじと見詰めては気合を入れるように「よし!」と音を吐き出して )
(/ それを聞いて安心しました!雨は強かったものの此方も被害はなく過ごせました。どうもありがとうございます*
いえいえ、そんな癒されるだなんて…!私もこうしてなりきりをさせてもらっている事、そうして主様とお話出来る事で癒されているのでお互い様という事にしたいです…! )
その言葉、忘れるなよ。そして結果が伴っていないようであれば、貴様の森への侵入を一月禁ずる
(相手が此方の提案に力強く頷いて乗ったならば、結果を期待していないからこそ、ニヤリと口角を持ち上げ、自分にとって都合の良い言葉を続け。「ハッ。一生を掛けたとしても、それは貴様には無理だろう」お淑やかな大人、との単語に自然と鼻で笑ってみせては、喧しく活動的で言う事を聞かないとの印象の強い相手には無縁だろうと、バッサリと言い切り。やがて相手も釣りを再開し時が経ち、最後の成果を見ては、釣竿をまた虚空に戻してから立ち上がり「結局大物も、己に課した目標の五匹も、どちらも達成出来なかったか」と、大して期待していなかった故に、事実を淡々となぞるように呟き。そして相手が最後に釣り上げた魚を見ながら「さて。面倒だが……そのままでは試しづらかろう」地面に置いていた杖を手に持ちトン、と一度地を叩く。すると細い木の根がシュルシュルと飛び出してきたかと思えば、魚に巻き付くかのように絡めとり、そのまま戻っていけば、先ほどまで威勢良くバタバタと暴れていた魚を地に縫い付けるかのように固定し、動きを封じ。「後はアレか、道具か。この中から適当にあるものを使え、足りなければ言え。用意してやる」今度は杖を右から左へとスライドさせるように一振りしたならば、まずはノコギリ、次にハンマー、金槌、チェーンソー、西洋の剣、東洋の刀、ピッケル、バール……横一列に並ぶようにして一つずつ、まるで今までそこにあったのに見えなくなっていたかのように道具達が次々と姿を現し始め。一通り準備が整え終われば「さぁ、やってみせろ」と、静かに相手の姿を見下ろしつつ述べる。ここまで手を回したのは、おそらくこれでも相手には傷一つ付ける事も出来ないであろうとの、自信の現れだろう)
(/そうでしたか、それなら良かったです!
そういって頂けて有り難いです、ありがとうございます!では背後はまた失礼致しますね。今後ともまた宜しくお願い致します!)
今回ばかりは自信があるんだよ、絶対に大丈夫だってね。
( 案の定そう来たかと思うがいつまでも相手の思い通りになんてなってたまるものかと言う反抗心がふつふつと湧き出てくれば今回ばかりはほんの少しだけある根拠で以て高らかにそう宣言し。お淑やかな大人の女性、自身を知っている人ならば相手じゃなくたって皆が皆声を揃えて正反対だと言うだろう。そしてそれは自分が一番良くわかっているのだ。「後10年もしたらいい感じになりますよー」長い年月も相手にとっては眠って朝、そんな短いものであろう、暗にちょっと待てと。そうこうしているうちに手にしていた骨魚は相手が生み出した魔法の根っこによって地面に磔の刑にされ抵抗の一つも許されない状況に。続けて次から次へと現れる道具達、相手をよく知らぬ者が見ればなんて優しいのだ、となるはずだがそうではない。これだけしても決して己にはヒビすら入れられないと自信故であろう。「──、」並べられた道具達をじぃと見詰めて数秒、取り敢えずハンマーを手に取ればグッと両手で握り締め勢いよく振り下ろし。「〜〜〜ッ!」真ん中命中、となりはするもののハンマーの柄を通してビリビリと両手に振動が伝わるだけ。簡単ではない事はわかっていたがかすり傷一つ付けられないとは。「これは骨が折れそうだね、魚の前に」やれやれと溜め息を吐き出しては物理的にもギャグにもとれる一言を落として )
(/ はい!こちらこそ今後ともよろしくお願いしますっ…! )
そうか。だが貴様がどう言おうと、結果が全てだ。前言撤回は認めんからな
(今回ばかりは、と言われても相手は常に根拠の無い自信に溢れている気がする。故に今までの経験からその言葉を本気にする事もなく軽く聞き流しつつ、口約束とは言え交わされた約束に念を押すように言葉を重ね。「ハッ、たった十年で何が変わると言うんだ?それにその頃には今のようにフラフラ出来る身では無かろう」十年、人間で言えば年齢だけで見れば相手は十分大人の仲間入りをしている頃だろう。しかし自分にとっては大した年月では無く、加えてどこかで働き出せばこの森へ来る暇も無くなるだろうとの予想を、その場で腕組をしつつ口に出し。やがて骨魚への準備は万全に整い、後は相手がその骨を砕けるか試した後、己の無力さを自覚するのみ。ハンマーを手にした相手の動きを瞳だけで追い、予想通り失敗に終われば、軽い冗談に対し「つまらん冗談はいい。……まぁ俺としては粉々に貴様の骨が折れてしまえと思わんでも無いが……で、それで終わりか?それともまだ続けるか?」ピクリとも表情を動かさないまま淡々と言葉を返しつつ、内心にて強く思う本音を真顔にてポロリ。そのまま他の道具に視線を向けた後、相手の様子を伺っては諦めるか、続行するかの二択を提示し)
( 今まで幾度となく根拠の無い自信をそれこそ自信満々にぶつけ続けた結果がこれだ、相手の考えが自らの導きによる自業自得と言っても過言では無いかもしれない現状は対策をせねばならないだろう。それにしても後十年──確かに何処かで働いてもしかしたら結婚して子供だって居るかもしれない。希望に満ち溢れた未来がたくさん浮かぶのにそのどれにだって相手が居ない事を思えば、チクリと刺すような痛みが胸の奥に広がり。「…その頃魔法使いさんは何してるかな?」聞くだけ野暮とわかっていながらも聞いてしまうのはゼロに遥かに近い可能性を諦めたくはないからで。真顔で吐き捨てられた最早暴言とも取れる言葉は一先ずスルー。問い掛けに「まさか!まだ一回目だよ!」と再び意気込めばハンマーからノコギリへと道具を変えギコギコと尻尾の部分を削ろうと試みて。されどそれも失敗。それから何度も何度も道具を変え、削る箇所を変え、時には覚えたての魔法を使ってみたりもしたが結局少しの線一つ付ける事が出来なければ「っ、な、で、こんな硬いの…っ!」ゼェハァと途切れる呼吸の中で絞り出した言葉と共に視線を相手に向けて「…降参します」もうキリが無いとわかったのかぽつり、心底残念そうな声色で諦めを認めて )
俺はその程度では変わらん。余程の事が無い限り、この森に居続けるだろう
(何か内心で考え事をする相手がそれ以上何も言わなければ、こちらもさらに言葉を続けはせず。次いで投げられ問いには、自分にとっては至極当たり前の返答を。この森は薬の研究するには適しており、相手や五月蝿い羽虫の妨害は時にあるにせよ、新たな新天地を探す程の障害とは認識しておらず。相手が魚の骨を砕く意思は衰えず続行を選択すれば、近くの木に寄りかかりつつ、無駄な努力をと内心でぼやきながらその姿を無言で眺め時を過ごし。やがて息を切らしながら漸く相手が諦めれば「貴様にしては往生際悪く粘ったほうだと褒めてやる」あの手この手、削る箇所を変え相手なりに工夫をこらした姿を見ては本当に褒めているのか否かな言葉を送り。寄りかかっていた木から離れてはトン、と再び杖で地を叩けば、魚に巻き付いていた根がシュルシュルと動きだし湖にある籠へと魚を放り込む。そして『行け』とお馴染みの転移の呪文らしからぬ言葉を発しては、魚を捕獲していた籠ごと館内にある水槽へと転移させてから、相手に再び向き直り。「貴様の、そして俺の用はこれで済んだ。ここからなら自力で帰れるな」確認、と言うよりは一方的な決めつけに近い発言をしては、くるりと相手に背を向け。それ以上引き留められる事がなければ、別れの挨拶も告げずにそのまま森の奥へと去って行くであろう)
(/楽しい時間をいつもありがとうございます!この辺りでキリが良いかと思い次の展開のご相談をと思いまして、再び背後から失礼致します。あ、勿論魔法使いに言い残した事等ありましたら、ひき止めて会話の続行も可能ですので…!
それで次の場面なのですが、ついでに今までの流れや背後会話を振り返って、未消化のイベントややりたい事を新たに纏めてみましたので、この中から選んだり組み合わせて頂いても構いませんし、その他案がありましたら、背後様と相談しつつ新たな話を楽しめればなと思っております。お時間がありましたら此方への返信も宜しくお願い致します!
案のあったイベント一覧
・町中にて占い師に出会う
・妖精とドールハウスの買い物や家具の作成
・妖精と約束の絵+お茶会
・妖精と写真撮影+幼い頃の夜ちゃんや家族写真の鑑賞
・妖精と深夜の森にて遭遇(+夜空を一緒に眺めたりキャンプの話し)
・ユニコーン捜索(何段階かを経て、血か涙を得れた後は新たな魔法習得イベント)
・森にて魔法使いの雑用+学校の試験の結果発表
・深夜の森にて魔法使いと再び遭遇(+お月見リベンジ)
・>119内の何か
・秋の季節イベント(焼き芋を妖精と、または森にて紅葉を楽しむ等)
・妖精、または魔法使いとの交流中に夜ちゃんが熱で倒れる
物語が進んでいずれ出来たらな事
・努力を認める、友好を高める、または何らかの取引を経て一度だけでも魔法使いの家に夜ちゃんの立ち入りが許可される
・怪しい魔法本を買った店に魔法使いと一緒に来店
・妖精と空中散歩、ならびに妖精の里へのご案内
・使い魔召喚
・数年後の二人の話し)
そっか、じゃあ魔法使いさんがずっとずっと此処に居られるように森伐採とかの工事は私がちゃーんと止めようではないか。
( 相手にとっての余程の事とは何か、パッと思い付いたのは人の手によって森林伐採が行われそれのせいで自然が減り、野生の生き物が居なくなり、住処を荒らされる事。そうならないように就職先は森を守る何かでも良いような気がしてきて。相変わらず美しいと言わざるを得ない魔法の素晴らしさ。傷一つ付ける事が出来なかった悔しさや悲しさはあるもののこれ以上の引き止めは無駄だと判断すれば「大丈夫、ちゃんと真っ直ぐ帰れるよ。ありがとう魔法使いさん」にこやかな笑みとお礼を一つ。此方を見はしないとわかっていながら背中にひらひらと片手を閃かせて )
(/ 此方こそ毎度毎度本当に楽しくて幸せを感じております!そして実は私も次の展開のご相談をしようかと思っていた所でした…!
どれもこれも魅力的で、もっともっと魔法使いさんとの交流を深め少しでも友好関係を築けるようにもしたいし、ジュリーと素敵なドールハウスも探したいし!ですがここは一先ず偶然街中で見付けた占いの館にて魔女占い師さんと出会いたいなと!それで何か一つ魔法を教えてもらい、それを魔法使いさんやジュリーに披露出来たらなと思うのですが。
因みに主様がやりたいイベントやお話はありませんか?* )
(/此方こそ、そう言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます!
私は次の展開の希望は、あれもこれもやりたい気持ちでいっぱいで選びきれなかったので、背後様に選んで頂けて良かったです!次は魔女の占い師ですね。魔法については、前回お話したように魔女は夜ちゃん相手にも相応の対価を求めるかと思いますので、うまく交渉出来れば、程度に考えて頂ければなと…!
そしてすみませんが先レス、占いの館を発見し入ってみる所までお願いしても宜しいでしょうか?
イメージとしては路地裏とか、大通りからは反れた場所にある、何らかの紋様が描かれているテント型のお店で、ちょっとその辺りだけ魔素が集まっていて魔力がある人にしか見えない、と言えばざっくり何となく想像がつくでしょうか?
因みに入ったらすぐ水晶と台があって対面出来るタイプのものを考えているので、内装や占い師については此方のロル内で説明しようかと!)
( テストも無事に終わり国語、数学、英語…と少しずつ返却されて残り二教科となった今日。なかなかの出来の紙を鞄に詰め込みルンルン気分で家路へと急ぐ途中、ふと何となしに視線をずらしたそこに帰り道とは全く逆に繋がる路地裏があればいつもは何も思わないはずなのに何故だか妙に気になり。「ちょっと寄り道してこっかな」足は自然とそちらに。やや小走りで壁と壁に挟まれた道をひたすらに進めば現れたのは不思議な紋様が描かれた小ぶりのテントで、これはひょっとするとひょっとするかもしれない。好奇心がムクムクと沸き上がればにぃんまりと口角持ち上げて更に足を早め。「…これって、」入口の前、ぴたりと足を止めたのはそのテントの周りだけを確かに魔素が飛び交っているから。見間違えるはずのないそれらはふわふわ、チリチリと淡い光を放ちながらまるで誘っているかのよう。ごくり、唾を飲み込み伸ばした手を入口へとかければ静かに中の様子を伺い「──お邪魔しまーす…」小声で一声。続いてその身を全てテントの中へと入れると辺りをきょろりと見回して )
(/ そうだったのですね!それでしたら選んで良かったです…!そして交渉するのもまた楽しそうです…!上手い事いったらどんな魔法を教えてもらえるのかも今から楽しみで*
そして詳しい説明をどうもありがとうございます…!一先ずテントの中へと入りましたのでこの先どうぞよろしくお願い致します…! )
(相手が中へと一歩踏み込めば、天幕の内側は薄暗く、しかし辺りに漂う魔素がキラキラと輝きを放っているからか、まるで夜空の中に迷い混んだかのような景色が広がっており。そんな中で両端には銀色のアンティーク調の背の高い燭台が一つずつ置かれ、蝋燭の先に灯る炎がゆらゆらと揺らめいており、室内には香を焚いているかのような嗅ぎ慣れぬ甘い香りを感じるだろう。そして中央には薄紫色の長いテーブルクロスが敷かれた上に、透き通った水晶玉が一つ。その奥には腰まで伸ばされた艶のある銀色の真っ直ぐな髪の上に、白いリボンとレースが巻き付き装飾が施された鍔の広い黒のとんがり帽子を頭から被り、その下から覗く肌は青白く、瞳はややたれ下がった金色の光を宿し、表情は顔の半分を覆うかのような黒のフェイスベールによって伺う事は出来ず。細い首筋には色とりどりの宝石が嵌め込まれた三日月のネックレスを下げ、服装は胸元を大胆に開けた漆黒のマーメイドドレスを身に纏い、両腕には黒のレース地のロングローブを。まるで本の中から抜け出してきたかのような魔女の姿をしたその女性は、来客に気付きパチンと両手を叩き金色の瞳を丸め驚きを露にした後に、ニッコリと穏やかな微笑みを浮かべては、のんびりとした口調にて落ち着いたアルト声を天幕内に響かせ、目線にて目の前に置かれた席を指し示し)あら?……あらあらあらぁ、こんな場所で人間のお客様なんて珍しいわねぇ、久しぶりの新人さんかしら?いらっしゃいませ、魔の道を歩む迷える見習いさん。ラナの占いの館へようこそ。何か悩みごとがあるなら、さぁ遠慮せずそこの椅子にお掛けになって?
(/先レスありがとうございます!私もこれからどう話が進んでいくのか楽しみです!では背後はこれにて失礼致しますね…!)
( まるで星が散りばめられたかのような天幕の内側も、異国情緒漂う嗅ぎ慣れぬ香りも、不気味さを助長させるような蝋燭の炎の揺らめきも、この狭い空間に閉じ込められている何もかもがそれこそ異世界に迷い込んでしまったのかと錯覚させる。そうして極め付けは目の前の水晶玉と御伽噺か何かから抜け出て来たかのような魔女。現段階では魔女の格好をした女性。そんな相手が己の事を見習い、人間のお客さんと呼ぶのだから何か特別な人なのだろう、それは格好と何より飛び交う魔素で大凡の判断は出来て。「これはラッキーかもしれない。ラッキー以外の何者でもない」口角は先程と同じように持ち上がる。促されるままに目前の椅子へと腰を下ろせばやや前のめりの格好でとんがり帽子の下の顔を見つめ「私は悩みを抱える魔女見習いです!名前は夜、一番初めに覚えた魔法は浮遊魔法で、今は治癒魔法を取得しようと頑張ってる所。──ラナさんは魔女だよね?」マシンガントーク宛らの自己紹介を。続けて悩みと言うよりは確信めいた問い掛けをしつつ期待に満ち溢れた色をキラキラと瞳に宿して )
(/ はい!私も失礼します…!また何かありましたらお声を掛けさせて下さい…! )
うふふ、すっごく元気良い挨拶をありがとう、夜さん。えぇその通りよ。けど、私の名前って最近の若い子達は知らないのかしらぁ?『先見』とか『天眼』、後はたまーに『道楽』とも呼ばれてはいるのだけれど……失礼だけど、貴女のお師匠様のお名前を伺っても構わないかしらぁ?(威勢の良い自己紹介には、フェイスベールに覆われた口許に右手を宛がい、クスクスと思わず笑い声を奏で。しかし自分が魔女であると確認するかのようには、きょとんと目を丸くし。この道に入り永い時を生きていれば、新人とは言え古参の部類に入る自分を知らないとはと内心首を傾げ。通り名を幾つか例に上げるも、これも時代の流れと言うものなのかなと、僅かに眉をハの字に下げ心を痛めつつ、相手が教えを乞う師の名を問いかけ)……っと、話が反れてしまってごめんなさいねぇ。それで、夜さんのお悩みは何かしらぁ?(ついつい自分の気持ちが赴くままマイペースに言葉を続けてしまったが、相手はお客様であり、本題は何がしかの悩みを解決する道標探し。ゆるい口調にて謝りの言葉を口にしては、首をこてん、と左に傾げつつ相手がこの占いの館に入った理由を訊ね)
え、えーっと…勉強不足です…。
( 通り名はたくさん出されたがそのどれもを聞いた事がなければ申し訳ない気持ちがふつふつと湧き上がり、ぽり、と人差し指で頬を掻けば控え目に「ごめんなさい」の謝罪を続けて。魔女見習いとはよく言ったものだ、実際魔法使いに弟子にしてもらった記憶も無ければそれ以上に名前だって教えてもらっていないのだ。勝手に師匠と呼んだってそれはただの自己満足であり「名前は──、魔法使いさん、かな」考えはするが勿論浮かばなければ自身が勝手に呼んでいる呼び名を一応伝えて。話が本題に入れば前のめりになっていた体を元の位置に、続いて足を閉じピッと姿勢を正す。「実を言うとね、ここを見付けたのは本当に偶然なの。でも悩みはちゃんとあるよ。師匠が全然魔法を教えてくれないの。それどころか私の顔を見る度に嫌そうな顔するし暴言は吐くし…後は…治癒魔法がうまくいかない」頭に悩みを思い浮かべて出てきたのは魔法使いの態度、それから治癒魔法の出来栄えの良さで、結局纏まってはいないがどうですか、と言うようにじぃと見つめて )
あらあらぁ、謝らなくても大丈夫よぉ?でも……そう、名前すら教えて貰っていないのねぇ
(勉強不足だと謝られてはすぅっと、垂れ下がった金色の瞳を細める。本当にそうだろうか?名のある魔女の中には、注意するべき人物もいる。自分はその中には入ってはいないはずだが、一部では煙たがられている。加えて真名とは言わずとも通り名さえ弟子に名乗らない魔女が居るだろうか。もしくは、名無しの魔女に教えを乞うているのだろうか。だがどれも違う気がする。そして目の前の彼女は偽りか、もしくは真実を隠して話しているのではと、疑惑が浮かぶ。ぽわぽわと緩い笑みを浮かべたまま、見定めるように相手の話に耳を傾け。「んー……お師匠様の考えが読めないのは困っちゃうわよねぇ。頑張っても頑張ってもなかなか認められないのは辛いし、優しい言葉さえ掛けて貰えないともなれば疲れちゃうわよねぇ。努力してないわけじゃないんだから、もっと褒めてくれてもいいのにって感じるし。──でもよそ様の師弟関係に口を出すのはあんまり良くないのよねぇ。勝手に魔法を教えちゃうとぉ弟子を奪うつもりかーとかぁ、自分の教え方に不満があるなら破門だーとかぁ、それはそれでぇトラブルの元になっちゃうのよねぇ……。だからぁ、ワタクシが視れるとしたら、そのお師匠様の夜さんに対する気持ちの一欠片くらいかしらぁ?」悩みの内容は、教え方への不信感や暴言等、自分も経験した事のある話であり、気持ちはよく分かる。ここで自分が魔法の知恵を分けてもいいが、その些細な親切心が過去に争いの種となった出来事を、間延びした何とも軽い声音で語り。加えて相手から感じる魔素は幼い人間だからこそか、微々たるもの。術者の実力に合わせて学ばせているならば、コントロールの重要な治癒は難度が高いのも可笑しな話では無い。魔法とは一朝一夕で習得出来るものでは無いのだから。なので今自分の手が貸せるとしたら、その師と呼ぶ人物の心を少し覗くくらいだろうか。言い終わればどうする?と問いかけるように首をまた傾げてみせ)
そうなんだよ!もしさ、他の魔法使いに会った時に皆魔法使いさんじゃんか?名前、呼びたいんだよ。
( 相手の居ない場所でいくら文句を並べた所で結局どうにもならないと言う事はわかっているが積み重なった不満は溢れ出るもの。そのうちの一つにはやはり名前の拘りがあり。怒りよりも寂しさが勝っていれば後半は声のトーンが僅かに落ち「多分魔法使いさんからしたらまだまだなんだと思う。煩い子供とか嫌いだし、私が魔法を教えてもらう事になったのも本当に運が良かっただけなんだよね。何もかもが妖精のおかげって言うか──」どれもこれもを肯定してくれる相手に話すのは心が安らぐしヤル気も出る。魔法を教えてもらうきっかけになった出来事を掻い摘んで話しては続いて出された占いの提案に「……どっかで野垂れ**、とかだと思うんだけど」とまるで見えているかの如くジト目で水晶玉を見詰めて。そもそも師弟関係とは何なのだ。水晶玉にやっていた視線を再び持ち上げ相手へと向け直せば「一応お願いしてみようかな」と続けた後に「ラナさんって誰か弟子とってるの?もしさ、魔法使いさんがいーよって言えば私にも魔法教えてくれる?」と未だ諦めていない提案を持ち掛けて )
そうよねぇ、名前呼びたいわよねぇ……んー……ねぇ夜さん。そのお師匠様の得意な魔法や特徴とか、何処に住んでいるとか教えて貰えれば、もしかしたら通り名くらいは教えてあげられるかもしれないけど、どうかしらぁ?(どこかの誰かが人間を弟子に取った、なんて珍しい話は風の精霊の噂話でもここ最近聞いた事が無い。三流魔女であれば自分が知らない可能性もあるが、少しでも名があれば分かるかもしれない。相手が師匠と呼ぶ人物に興味が湧いては、唇を突き出すように唸り、チラリと相手に視線を向けては問いを投げ掛け。「あらぁ、妖精ともお知り合いだなんて、なかなか幸運ねぇ貴女」掻い摘まんだ経緯には、人間が妖精に会うのも珍しいとばかりにパチパチと瞬きをゆっくりと繰り返し。「うふふっ、なかなか過激なお師匠様なのねぇ。それじゃあ、ワタクシがその方を知る為にも、その方の人物像、それから何が原因なのか知る為に貴女方の過去と、現在、改善する為に何が必要なのか、それと未来も視てみようかしらぁ」相手の言い方に両手の指先を口許に添えながらクスクスと可笑しそうに笑い。占いを試してみようと相手が選択しては、ゆるい口調はそのままに、僅かに背筋を正し。料金の話はしないまま話を進めては、使用するのは水晶玉では無く、いつの間にか手にしていたタロットカードのようで。それを両手を使いシャッフルし始め。「ワタクシの弟子は、たぁっくさん居るわよぉ?そうねぇ……貴女のお師匠様がぁ、治癒以外の魔法もワタクシに教わったら?とへそを曲げたりしないのであればぁ、対価次第では教えてあげてもいいかもしれないわねぇ」弟子や魔法の伝授の話を受けては、穏やかな笑みを浮かべたまま、問いには上記の言葉で答えてみせ)
本当!?えっとね、得意な魔法は…わからないけど浮遊魔法は呪文唱えなくても出来るし、転移魔法で私を家まで飛ばす事も。それから──何も無い所から物とか出せちゃう!後は特徴だよね?森に住んでるみたいなんだけど、いっつもフード被ってて容姿はいまいちよくわからないんだよねぇ。でも使い魔はフクロウだよ。わかる?
( 同じ魔法を使う者同士ならば知り合いで無かったとしても一方的に知っている可能性はあるもしれない、此処に来て希望が思いもよらぬ場所から降り注いで来れば少しでも何かが相手の知識に触れるようにと一つ一つを丁寧に思い出しつつ閃く事を願うばかりで。やはり妖精と出会えた事は幸運であったようだ。ならば「ジュリーって言ってね凄く凄く可愛い妖精なんだよ。今度一緒に買い物する約束したの。私の大好きな友達」再び姿勢をやや前に倒し“友達”である事を伝えるのは相手を驚かそうとしているからか純粋に妖精に大きな好意を持っているからか。何はともあれ水晶玉ではなくいつの間にか相手の手元にあったタロットカードによる占いが始まればゴクリと大袈裟に唾を飲み込み「よろしくお願いしますっ!」料金の事は頭に無いのか普段よりも少しばかり緊張感漂う面持ちで結果を待ち。魔女に治癒魔法のやり方を教わった所でへそを曲げる事はきっとないだろう。だが結果的にそちらへ行けと言われるのがオチな気がすればここは保留が一番、「取り敢えず聞くだけ聞いてみる」と言う曖昧な言葉でこの話は終わらせて )
そうねぇ……それだけじゃ、はっきりとは分からないけれどぉ、視る時のヒントくらいには成りそうかしらぁ
(相手の言葉にフムフムと首を何度か頷き相槌を打つも、魔法を使う者であれば、転移はさておきその他は自分からすれば出来て当たり前、容姿や使い魔も特別変わった点も無し。自分のように特化した分野が無い輩なのか、幅広く手を伸ばした器用貧乏タイプか。問いにははっきり特定は出来なかったと緩く首を左右に振り。「うふふっ、とっても仲良しなのねぇ」人を惑わすのが好きな妖精、しかし中には職人の手伝い等を買って出て友好的な存在も居れば、大きく驚きはしないものの、片手を自分の頬に添えては微笑ましそうに瞳を細め感想を溢し。魔法を教える話は一旦持ち帰る事となれば、「それがいいと思うわ。ワタクシはたまーにこの辺りに店を出しているからぁ、縁があればその時に、対価を持ってまたいらっしゃいな」占いで生計を立てている見では無ければ、気紛れに人の町や他の種族の村等に出現させるこの館。加えて己も人よりも長寿であり、その時間の感覚が相手とズレているとの意識も薄ければ、その"たまに"がどれ程の期間かは曖昧なまま、のんびりとした口調で答え。やがて自分の魔力を一枚一枚に込めながらのシャッフルが終えたならば、上から順々にカードをテーブルの上にセットするように並べ始め、六芒星の形を作り。「それじゃ始めるわねぇ。まずは人物像から。カードが示すのは……隠者の逆位置。世俗から身を引いた人物。無愛想で偏食家、貴女が言うように口も悪いみたいねぇ。友人も今は使い魔の梟さんだけみたい。面倒事や喧騒を嫌い静かな環境で答えを探求するのが好きな、典型的な……あらぁ、魔女では無く男性の、それもお耳の長いエルフの魔法使いなのねぇ。ワタクシは直接の面識は無いけれど、彼の──『薬師』の名と彼が作った薬の数々には見覚えがあるわぁ」その内の一枚が風も無いのにふわりと浮き上がり、逆位置の表面が相手の目の前に示される。そこには森と湖の背景の中、よれよれの黒いローブのフードを目深に被り、先端が渦を巻いた樫の木の杖を持つ、猫背気味な魔法使いの姿と傍らには梟が一羽描かれており。金色の瞳は相手の目をじっと見据えるように視線を注いでは、そこから読み取った事柄を淀みなく読み上げていき)
ジュリーにはお世話になっております。
( 浮かぶのは妖精の楽しげに笑う顔、美味しそうにお菓子を食べる姿、そうして自らを心配して眉を下げ時には叱ってくれる慈愛に満ちた表情で、それらを思い出して胸の奥にほんわかとした温かみを宿してはどこかお巫山戯も掛かったような口調とゆるりと頭を下げる仕草で以て言葉を続けて。相手が指し示す“たまに”の感覚にズレが生じる事はこれだけ魔法使いと共に過ごして来ても忘れてしまう。それよりも今は対価だ。「ラナさんが欲しいものは何?私が持って来れそうな物だったら幾らでもだよ!あ、お金は良心的な──今回の占いの料金、聞いたっけ?」魔女ならば人間の住む世界の物を欲しがるのではないかという勝手な想像で前者を、そうして後者は、はたと思い出したようでぎこちなくひくりと口角を震わせつつの問い掛けで締め。まるで流れるように並べられていくカードを真剣な面持ちで見詰める事数分、そのうちの一枚が宙へ浮かび表面に映し出されたその姿に確かな見覚えがあれば勢い良く頭を上げ相手を真っ直ぐに見詰め「そう!これ!この人が魔法使いさん!」力強く何度も何度も頷いてから「薬師──聞いた事なかった。それが魔法使いさんの通り名みたいなやつって事だよね?でもだったら魔法使いさんが得意な魔法はもしかして治癒?あ、魔法を使わないでそれこそ畑で育てた薬草とかに今は力を入れてるのかな…」何はともあれ“魔法使いさん”などと言う勝手に付けた名前ではない別の呼び名を知れた事は大きな前進であり。「どうすればもっと仲良くなれるかな?」相手に向けていた視線を再びカードに落としその金色の瞳を食い入るように見詰めては、欲が出るというもの、ぽつり、今の距離感を縮める方法を何か…と言葉落として )
ワタクシが欲しいものは貴女の若さと命──なーんて言ったらぁ、素直に貴女の全てを差し出してくれるのかしらぁ?(妖精の話を聞いていた穏やかな表情から一転、長き時を経てもなお満たされない、相手の若々しい肌を、艶のある黒髪を、生命力に溢れた気持ちと瞳を、美への欲求を強く追い求めるように狂気的な色を瞳に宿し細めては相手を凝視し、不意に身を乗り出し一気に顔を鼻先まで近付けては、魔女は平坦な声音にて望みを告げる。が、それもまたコロリと崩しては体を引っ込め椅子に座り直し元の、のほほんとした雰囲気と明るい冗談にて空気を上書きし。「魔女相手に幾らでもなんて駄目よぉ?絵本にもよく描かれているでしょ、お姫様が悪い魔女に騙されるお話。……うふふ、気付くのが遅いわねぇ。占いの対価はぁ、終わった後で貴女が決めて頂戴。ワタクシの占いにお客様はどれくらいの物を支払う価値があると判断してくれるのか、または何かを払う価値なんて無いと思うのか。それを知るのが、見るのがワタクシの楽しみの一つでもあるの」善人ばかりでは無い魔女達を知らないからなのだろうが、あまりにも隙のある無防備な言葉には、軽い例え話と共に注意を呼び掛け。此方から何も提示しなかったとは言え最初の確認を怠り、後から高額な請求をされていても可笑しくなかった相手。その相手が自分で良かったわね、と言葉にどこか滲ませつつ、明確な対価は示さず。悩む姿を見て己が楽しむのも対価の一つとも言える後払い形式であると説明し。「治癒と言うよりは、正確には薬学ね。怪我や病に作用するものもあれば、香水や虫除け、植物の成長を急激に促す薬。他にも栄養剤だとか、体を小さくしたり大きくしたり、中には一定時間若返らせたり老いさせる薬とかもあったはずだわ。新作が出る度に、なかなか面白い発想をする子ねぇっていつも思ってたのよねぇ」属性以外にも治癒、黒魔術、変身、占星術等の分類のある魔法の中の一つだと述べては、一つ語る毎に指を折り数えながら商品として出回る品々について話。「それを示す為にはぁ、仲良くなれない原因は何か、過去と現在を見直してみる必要があるわぁ」関係の改善策を求められては、慌てないでと促すようにのんびりとした口調にて述べたならば、それに呼応するかのように新たなカードが一枚浮き上がり)
過去、愚者の逆位置。彼は完結した、悪く言えば閉ざされた世界から、自由を求め旅立った経験があるようね。けれど気持ちばかりが先行して、失敗も多かったみたい。それが今の性格の原因の一つのようねぇ
(描かれているのは野の道を旅の荷物を背負い、真新しい鮮やかな黒のローブを纏い決意に満ちた瞳で前を向く金髪の、そして長い耳が特徴的な青年の姿。「そして貴女への第一印象も悪かったみたい。貴女の性格は積極的で前向き、何より真っ直ぐな部分もあれば、他者の意見よりも自分がやりたい事を優先し、時に準備不足で物事を成そうとする傾向があるみたいねぇ。それが時々過去の自分と重なって苛立ってしまうみたい。それから……あらぁ、話に出ていたのはこの子かしらぁ。貴女は小さな友人、妖精のお友達を傷付けてしまった経験がおありのようねぇ。合っているかしらぁ?」話している途中で一時、カードの中の青年の姿は片手には分厚い本を、もう片手には木の棒を持ち鞄を肩から下げたローブ姿の相手の姿へと変化し、言い終わる頃にはまた元の絵柄へと戻り。過去の透視をする中で不意に見えた映像が気になれば、マイペースに話を脱線しては純粋な好奇心から問いを投げ掛け)
トピック検索 |