匿名さん 2017-06-29 17:59:32 |
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(しばし黙ってシャーロットとマイクのやり取りを眺めていたが、確信したことがある。シャーロットは変わり者だ、言葉を飾ることがない。出会い頭にお別れの話をするとは友人も少なそうだ。さらに彼女の口からさらさらと流れるように出てくる予測(この時は予測だと思っていた)は全て当たっていて、マイクも正解だと口にした。この状況からすれば予想できなくもない事実だが、勘のするどい人なのだろう等と思う。そうしているうちに目の前までシャーロットがやって来た。自分よりか背が高く少々見上げるような形になり、その鳶色の目と視線がかち合った。そして名前を名乗られる、ここまでならばなんの変哲もないやり取りだっただろう。そう、ここまでならば)
え……何?なんで……?マイク私のこともう話したの?
(アフガニスタンかイラクか……それは言うまでもなく2つの戦場を指す。その言葉が意味するものとは、軍人時代にどの戦場にいたかを問うもの、もっと言えば自分が元軍人であることを知っている前提があっての質問だった。シャーロットはジェーンが元軍人であるという事実を知っている。まだジェーンは自分のことを何も話していない。となれば、マイクがメールでも入れて自分のことを軽く紹介したのだろうか。呆気にとられた顔のままマイクの方を見てみれば「いいや」という一言と首をふる動作、しかし口元には楽しげな笑みが浮かんでいた。なんだ、何が面白いのだ。ジェーンは混乱した頭のままシャーロットへと視線を戻す)
アフガニスタンよ。でもなんで……
(挨拶のために差し出そうとした手を宙に浮かせたまま、まるでマジックでも見せられているかのように驚嘆の顔を浮かべつむ、ジェーンはシャーロットに問うてみるのだった)
(/もちろん!事件と推理の下りもやりましょう!ジェーンの「素晴らしい!」を響かせるのが楽しみです。きっちり知識があるのはBBC版のみなのですが、これを気に小説のネタも勉強してストーリー展開一緒に考えていければと思います!となれば、やはり一発目は緋色の研究でしょうか?)
スタンフォードは何も話してないわ。わたしが自分で知ったんだもの。
(つい数分前まで不機嫌そうにスタンフォードを言葉巧みにあしらっていたのにも関わらず、どういう訳か今は随分と機嫌良さげな表情を浮かべている。相手の薄いブルーの瞳が動揺に揺らめく様をまるで小さな子どもが素晴らしい宝物でも見つけたかのように嬉しそうに見つめて。実際のところ、これはシャーロットの悪癖の一つであった。推理をひけらしてしまうのだ。時には、相手が生涯秘密にすると誓った事でさえ暴いてしまう。探偵の仕事をするのにこれほどまで役に立つものはないが、友人をなくすには十分すぎる悪癖だった。)
ここに医者タイプの女性がいる。しかも杖をついているというのに姿勢が真っ直ぐだし身のこなしが軽いから軍人だ。となれば軍医でしょう。首筋に軍服でできたであろう僅かな日焼けの跡が見える。つまり彼女は熱帯地域にいた。憔悴している様子だから脚の傷は最近負ったものね。さらにルームメイトを探しているらしい。帰国したてって事。
我が国の軍医が近頃熱帯地域で負傷する地域といえば、アフガニスタンかイラクくらいしかない。
ね、単純なことでしょう?
(そこまで一気に言ってしまうときゅっと口の端を結んで笑って見せて。マイク・スタンフォードはこのような事はもうとっくに慣れっこで、面白そうに2人の様子を伺う余裕さえあった。しかしその後の流れは少々予想外だったようで。)
時々薬品の類を持ち込んでいじったりするけど構わないかしら? それからわたしは何時間も黙ったままでいることがあるけど怒ってるわけじゃないから気にしないで。放っておいたら元に戻るわ。食費と家賃は折半で、どう?
(つらつらと勝手に条件を持ち出してはマイペースに話を進める。シャーロットの中ではもう既に同居する方向で固まっていることを表していた。この急な展開にはスタンフォードも驚いたようで「もう決めるのか?」と口を挟み。そういう彼のほうをちらと一瞥し「それもそうね」と頷いてジェーンの方に向き直って)
貴女の方の条件を聞いていなかった。何かある?
(あくまで同居を進める方向を曲げないシャーロットには自分が口を挟んだ意図が伝わっていなかったのか、伝わっていて無視されているのか。スタンフォードは「シャーロット!」と苦く笑うが彼女の方は素知らぬ顔で。)
(/おおおそれはもう今から楽しみですね!笑
こちらも全巻読破しているわけではないので読破チャレンジしてみようかなあと目論んでおります!
そうですね、最初は緋色の研究モチーフの事件をやりたいですね。ある日レストレード警部が訪ねてきて、連れていかれた先には男性の遺体と「Rache」の文字。とりあえず事件のはじまりはこのようなものでいかがでしょうか。)
自分で知ったって……
(シャーロットが目を輝かせながら言った言葉が理解できず、思わずおうむ返しをする。だが、その意味はすぐに理解できた。先ほどからシャーロットが口にしていたのは直感や予測などと言う曖昧な憶測を並べたものではなかった。ずらりと並べられた事実から論理的にさらなる事実を暴いていく推理、それこそが今までシャーロットが口にしていたものだった。その推理を支えるずば抜けた観察眼も備えている。首筋の僅かな日焼け跡など、とるにも足らないことさえ彼女にとっては様々な事象に連なるヒントなのだ。これまでジェーンは自分の足に話題が及ぶことを嫌がっていた。同情されても足が良くなるわけでもなく、向けられるのは好奇の目、いちいちそれに言葉を返すのさえ億劫だった。だが同じく話題が足に及んだ同じような状況でも、ジェーンの心情は今までとまるっきり違っていた。シャーロットの目がキラキラと輝くのと同じく、美しい旋律のような推理にジェーンはすっかり魅力されたようにブルーの瞳を輝かせていた。そしてその胸の興奮をつい口に出してしまったのである)
お見事ね
(それは胸に浮かんだ言葉を素直に口に出した結果だった。そしてシャーロットは息つく間もなくフラットシェアの話を進めている。マイクは慌ててそれを止めようとするが問題はない。なぜならジェーンも、もうシャーロットと同居することを心に決めていたからだ。それは今まで出会ったことのないタイプの人間に対する好奇心か、それとも鮮やかな推理をもっと聞いてみたいと願ったからか、はたまた非科学的であるが運命だと感じたからか……いずれにしろジェーンはイエスの返事を出すつもりでいた。それにしてもシャーロットは本当に変わっている。普通名前も知らない相手とフラットシェアなどするだろうか?)
ごめんなさい、まだ名乗ってなかったわね。ジェーン・H・ワトスンよ。元軍医、あなたの言う通りね。今は臨時の医者。それでだけど、あなたの条件は問題なしよ。
(先ほどから相手に圧倒されるばかりで名乗っていなかったことを詫びながら自己紹介をし、続いて同居の条件を承諾する返事をする。シャーロットに続きジェーンまでもが早々に同居を決めたこの状況にマイクは驚いたようだったが、二人が良いのならともう口は挟まなかった。そしてシャーロットに問われたこちらからの条件を考えるためジェーンは部屋を見回してみた。二人の人間が住むには十分なスペース、壁紙も古くなく、照明の光量も十分だ。ただ、ジェーンはどうしてもこの部屋で許せないことがひとつだけあった)
私からの条件はまず、騒音は苦手なの。耳障りな音は止めて欲しいわね。あとこっちの方が大変そうだけど……ここらへん、ちゃんと片付けてくれる?
(ジェーンはひとつ目の条件を人差し指を立てつつ言ったあと、もうひとつの条件をその立てた指でそこら中に積まれた荷物を順に指しながら言った。書籍に書類、何が入っているか分からないケースに段ボール箱……手当たり次第置いてそのまま放置されたようなこの荒れ果てた部屋を、綺麗好きのジェーンはどうしても許すことができなかった。このままでは自分の荷物が置けそうにない。改めてシャーロットに目線を向けると答えを促すように少し首を傾げたのだった)
(/では緋色の事件から始めましょうか!事件の始まりもそちらで問題ありません。ジェーンが荷物をフラットに運びおえて数日も立たないうちに……という場面からが良さそうですね!被害者が男性ということは、犯人は恋人を何らかの形で奪われた男性、ですかね?)
……そう? 本当に?
(ジェーンの「お見事ね」という言葉に、それまで饒舌に言葉を並べ立てていたのが嘘のようにぴたりと押し黙る。その表情には驚きと動揺の入り混じった色が映っていて、まるで信じられないとでも言うように上記を呟くと、今度は少女のように僅かに頬を染めさっと顔を背けて。ジェーンの言葉は本当に予想外だった。自分の事を次々と見透かされれば、気味が悪いと顔をしかめる人が大半だし、怒る人も少なくない。他人の秘密を暴いてしまう事で起こる衝突など日常茶飯事。ジェーンの率直で好意的な言葉は頑なに他者と分かりあおうとしないシャーロットに不思議な変化をもたらそうとしていた。それが今後の彼女の人生を大きく左右するとは誰も、シャーロット自身さえもこの時は分からなかった。)
よろしくジェーン。
バイオリンは騒音のうちに入る? あー、部屋は…そうね、貴女の為なら善処するわ。
(ジェーンの指が指し示す先を目線だけで追いながらやや渋い表情で。いつも他人の意見を聞き入れないシャーロットが渋々ながらもジェーンの条件を承諾した事が面白かったのか、スタンフォードは非常に楽しそうににやにやと2人を眺めている。「シャーロット、一つ貸しだな」得意げにそういう彼をじろりと見やると澄ました顔で「まだわからないわ。一週間後が楽しみね」と言い。その同居相手が目の前にいるのも御構い無しの相変わらずの憎まれ口だがその表情は先ほどよりも随分機嫌が良さそうで。)
(/ そうですね!原作では宗教的なものがテーマでしたが現代にはあまり相応しくありませんので動機となる出来事は創作した方が良さそうですね。恋人を失うと言いますと医療ミスや交通事故、などでしょうか…うーん、難しいですねえ
ところでお互い知り合ったところですし、そろそろ場面転換してもよさそうですね! )
(/本体のみで失礼いたします。連絡遅くなってしまったのですが、本日はレス返の時間がなさそうです……申し訳ありません。明日必ずレス返させていただきます。その際区切りも良いところですので、こちらからは一旦〆レス回させていただきます。
また、緋色の事件の動機ですが、被害者と犯人が顔見知りであった方が良いかなと思います。ざっと思い付いたことですが……被害者が犯人の恋人を医療ミス(投与する薬を間違える)で殺してしまうもその事実を隠蔽、犯人は自暴自棄となるが医療ミスに気がつき復讐のため恋人に投与されたものと同じ薬を投与して被害者を殺してやろうと目論みキャブドライバーとなり被害者をさらう。しかし、死を望んでいた犯人は復讐を遂げるか恋人と同じ死に方をするかを天に任せた……みたいな粗筋はどうでしょう?原作からは離れてしまうのですが……)
えぇ、見事なものよ。私おかしなこと言った?
(先ほどまで捲し立てるように口から出ていた言葉は急に不器用な物言いになり、ジェーンは不思議そうにシャーロットを眺めたが、その理由はまたすぐに判明する。先ほどまで子供のように目を輝かせていたシャーロットは、今は少女のように顔を赤らめているのだ。どうやらシャーロットは褒められて照れているようで、その純粋な反応に思わずクスリと笑みを漏らしてしまう。誰にもできないような見事な推理を披露した直後に、誰しもが見せるような顔を浮かべたのだ。両者のギャップに、会ってまだ数分の人間であるにも関わらずジェーンはいとおしさを覚えて顔を綻ばせた。先ほどのたった一言が、これまで自分の推理を拒絶されてきたシャーロットにとってどれほどの影響があったか、ジェーンはまだ知らない)
奏者次第ね。心地よい音楽は好きよ、でも酷い演奏は……ね。それじゃ、私は引っ越しの手続きをしに行くわ。私の荷物が届くまでに片付いているといいけど
(シャーロットの物言いからバイオリンを弾くのかとさらに相手に興味が湧き、一応下手なバイオリンは聞きたくないことを伝えるが、ジェーンはシャーロットのバイオリンが悪いものではないだろうと予想している。これは紛れもなくジェーンの『直感』だ。だがらこそシャーロットが返事をする前に引っ越しの話を進め、同居する気でいることを暗に示しつつ、あとでまたハドソン夫人に挨拶せねばと考える。シャーロットとマイクのやりとりを眺めていれば、一週間後が楽しみとシャーロットは言うが、なぜか一週間後も自分はここにいるだろうという自信がジェーンにはあった。おそらくそれはシャーロットが自分の知らない未知の世界を運んでくるだろうという期待があったからだろう。それにシャーロットの機嫌も良いように見える、きっと彼女も一週間後にジェーンがまだいる可能性を考えているに違いない。その後シャーロットとマイクと短く雑談を交わせば善は急げと引っ越しの手続きをしに杖を着きながら221Bをあとにした)
〆
(/遅くなりまして大変申し訳ありません。一旦場面転換として〆レスとさせていただきました!)
(ジェーンと暮らし始めて数日が経った。居間に散らばっていた書類や切り抜き、得体の知れないガラクタたちは概ねシャーロットの寝室に放り込まれたが居間にもまだいくつか点在していた。ジェーンが来た初日はまだ綺麗だったのだ。しかしシャーロットが居間でなにやら作業をするとその周りに資料の山が出来上がるのでその結果じわじわと元の混沌とした部屋に戻りつつあり。今日も机の上で何やら作業に没頭していて。と言ってもはたから見れば呑気に煙草をふかしているようにしか見えないのだが。“禁煙する”と意気込んでいたはずのシャーロットの目の前には今、ありとあらゆる銘柄の煙草が並んでいた。)
ジェーン、見て!現場に落ちてたこの煙草の灰がどの銘柄の煙草だったのかやっと分かった!事件当日の雨で 現場には水溜りができていた。そこに僅かばかりだけど被害者の血も混じっていたのよ。そのせいで水溜りに落ちた煙草の灰が少し変色してしまったんだわ。おかげで銘柄の特定に手間取っちゃった。
(シャーロットは口にくわえていた煙草を右手に持って指でとんとんと弾きシャーレの中に灰を落とした。そこに水を加えると今度は小さな針で左手の指先を刺して。玉状に溢れてきた鮮血を灰の上に垂らすと白色だった灰が血液を吸着して暗い色へと変色した。現場で採取したサンプルの入った小瓶と比べると両者の色は酷似していて。)
この銘柄の煙草はロンドンでは買えない。恐らく犯人は最近ロンドンに引っ越して来たっていう被害者の友人でしょうね。
(灰皿にまだほとんど残っている煙草を押し付けて火を消すと満足そうにそう述べ。灰皿には灰を採取するためだけに火をつけた数十種のありとあらゆる煙草が詰まっていて。室内は紫雲が漂い、澄んだ空気とは程遠い最悪な状態と言える。シャーロットはそんな事は御構い無しで重要な事実が得られた事に上機嫌だった。絆創膏の切れ端で針でつついた傷を不器用に覆いながら相手のほうをちらりと見て。)
そういえば仕事をしているところを見るのは初めてだった? 信じられないかもしれないけど、これがわたしの仕事なの。
(/お忙しい中本体様のメッセージまでありがとうございました! レスはいつでも構いませんのでいつでもお時間ある時に書いていただければ幸いです。また、綺麗な〆をありがとうございました。あれから数日経過後の時間軸で、このあとレストレード警部がやってきてのちに緋色の研究と題される事件に巻き込まれるという流れでいかがでしょうか。
犯人の動機に関しても把握致しました! 犯人は被害者との運試しに勝って結果として被害者を殺害しその時に恋人に渡すはずだったもの(エンゲージリングやネックレスなど?)を現場に落としてしまってそれが解決に繋がる…という流れですと原作に近くなるかなあと思います! )
(シャーロットとの同居を決めたあの日からほどなくしてジェーンは221Bへと引っ越してきた。あれほどものに溢れかえっていた部屋だったが引っ越し当日はそこそこ綺麗に片付いていて安堵した覚えがある。だが案の定というべきか、こうなることは出会った時から分かっていたような気もするが、綺麗な部屋は数日ともたなかった。ジェーンが出かけて帰ってくる度に居間に一山ものが増え、それが片付けられないまま居住空間を圧迫していく。人のものに勝手に触るのは悪いと思いながらも少々片付けたりしていたのだが、シャーロットがものを広げる速度の方が圧倒的に早かった。だがそれらのものが、一体何をした後のものなのか、ジェーンには皆目検討もつかなかった。そして今日、職探しが成功しないまま帰宅すると、シャーロットは机の上に大量の煙草をならべ、それを吹かしているところだった。そこは昨日片付けたばかりだ。おまけに部屋は視界が悪くなるほど煙草の煙が充満している。ジェーンはカツカツと杖をついて移動するとまずは窓を開けやり部屋に新鮮な空気を取り込んで、その後シャーロットのいる机近くまで移動した)
シャーロット、あなたいい加減に……
(もう我慢の限界だと片付けを要求しようとしたところで、子供のようなキラキラの目をしたシャーロットがこちらを向いた。そして捲し立てるように目の前で起こったことを説明してくる。なるほど、確かに灰の色は血を吸い変色していてサンプルとして置かれた灰とほとんど同じ色をしている。机の上には他にいくつか煙草の灰と思われるものがあったがどれも違う色をしていた。煙草の銘柄によってこうも灰の色が異なるのかと感心する。そしてシャーロットはその知識からさらに一歩先、血を含んだことによる変色にまでたどり着いていたのだ)
あなたってほんとに凄いわね、素晴らしいわ
(シャーロットを叱るために話しかけようとしたはずがすっかりそんなことは忘れ鮮やかな推理にまた舌を巻く。そしてシャーロットはここ数日ジェーンが気になっていた疑問への答えを口にしようとしていた。"シャーロットは一体何者なのか"それはジェーンが出会った時から気になっていたことだった。片付けをする際にどんなものをシャーロットが持っているのか見る機会は多々あったが、関連性のない様々な物品からは何をしているのか割り出すことは出来なかった。そろそろ職業を聞いても良いだろうと思っていた頃合いだったので、この気に聞いてみることにする)
えぇ、初めてね。前から気になってたんだけど、あなたって何の仕事をしてるの?
(/また遅くなりまして申し訳ありませんでした。お言葉に甘えて時間とれる時にお返事させていただきました。そして開始ロルだしていただきありがとうございます。いよいよ事件スタートですね!今からワクワクしております。
そうですね、現場に落とすのはエンゲージリングが良いかなと思います。もしよろしければ被害者のふりをして犯人に連絡しロンドンの町で追いかけっこ……の部分もやりませんか?)
タネを明かせば簡単な事よ。取るに足らないように見える小さな事に注目してるだけ。
(照れ隠しなのか、目をそらすと少々はにかみながらそう言い。)
そうね。実はわたし顧問探偵なの。スコットランドヤードや私立探偵が難事件にぶつかってどうしようもなくなったときにわたしの元に依頼が来るってわけ。
(まるで普通の事のように抑揚もなくそう言うと相手がどんな反応するをするだろうかと様子を伺って。大抵の人はその聞きなれない単語を聞くと胡散臭いと言いたげな不信な目でシャーロットを見る。他人を寄せ付けないシャーロットは未だにスコットランドヤードの一部の警部たちからそのような無遠慮な視線を向けられていた。そうでなければ目障りだと思われているのが関の山だ。だからジェーンがどのような反応を見せようと想定内だった。しかしジェーンはどんな感情を持ったとしても221Bを出て行く事はないような気がしていた。何故だかは分からない。そう思った理由が分からず少々苛立ったがその正体を知りたいという興味が湧いて。)
(その時ドアをノックする音が聞こえ、シャーロットが「どうぞ」とドアの向こうに声をかけると続いて身なりのきちんとした男が入って来た。男は少々焦っている様子で、難しい表情を浮かべている。
「ちょうど良かった。この前の事件の犯人が分かったのよ」シャーロットのその言葉を彼は手で制止すると「空き家で変死体が見つかったんだ。すぐ来てくれないか」と絞り出すような低い声で述べて。
「助手が必要だわ」
「この前連れてた助手は?」
「ストレス性胃炎になって辞めた」
「……」
シャーロットがつっけんどんに答えると男は黙り込んでしまった。と、彼の視線はジェーンの方に移って。
「…ああ、お騒がせしてすみませんね。初めまして。スコットランドヤードのレストレードと申します」
警部がジェーンに挨拶する様子を静かに眺めていたシャーロットは突然何か思いついたようでさっと立ち上がると背もたれにかけてあったカーディガンを羽織り出かける準備をはじめて)
ジェーン、医者なら死体は見慣れてるはずね?
(そう言うと腹の中で何か悪巧みでもしているような顔ばせで相手を見て。その言葉の裏には言うまでもなく、“一緒に来い”という強い意思表示が見え隠れしている。)
(/いえいえ、大丈夫ですよ。のんびりシャーロットにお付き合いしていただければと思います!
追いかけっこ是非やりましょう…!楽しみです笑
その追いかけっこでは犯人を捉える事が出来なかったとして、その後の流れはどうしましょうか。BBC版ですと犯人が221Bまでやって来てシャーロックを連れて行きますが、復讐の目的を果たした犯人ならわざわざ来たりはしない気がします。ですので犯人が失くしたエンゲージリンクを探しに来ると踏んだシャーロットとジェーンが犯行現場付近で犯人のキャブを見つけ出すというのはいかがでしょうか。)
その誰もが見逃す小さな事を見つけ出せるのがあなたの長所よ、シャーロット。……まぁ片付けられないところは短所だけど
(自分の言葉に素直に照れる彼女にはやはり可愛いげがある。マイクと最初に会いに行った時にはルームシェアは数日と持たないだとか物騒な話を聞いていたが、彼女とお別れになることはまだまだなさそうだ。もっともそれはジェーンがまだシャーロットの推理をひけらかす癖をまざまざと目にしたことがないせいでもあるのだが……ひとしきり誉めた後に最後にちくりと言いたかったことをそえるも、ジェーンの興味はすぐにその後の話題へと移った。シャーロットの正体の話だ)
顧問探偵?つまりヤードや探偵を職とする人間があなたのところにきてお金を払って、事件を解決してもらうってこと?
(さすがにこの答えをジェーンは予想できなかったし、その答えすんなり受け入れることもなかった。驚きと懐疑が半分ずつと言ったところだろうか。確かにシャーロットの推理は素晴らしい、洞察力も観察力もしかり、世にも奇妙な事件だって解決してしまいそうだ。今まさに煙草の灰の銘柄を特定し、犯人を導き出したように。彼女の実力は本物だ、だがヤードが頼るとなると少し疑問がでてくる。彼らは公的機関だ、知識も優秀な人材もあふれているのとだろう。そんな彼らが一探偵を頼ると言うのだろうか。シャーロットの実力は十分、だがヤードレベルに干渉できることなのだろうか、いまいち自信はない。手放しで信じることができず疑問を投げ掛けたところに、ちょうどその答えがやってきた。突然の訪問者、そして彼は変死体が見つかったという『現場』にシャーロットを招こうとしている。彼の言葉をうまく消化できずにいると、今度はこちらを向いて挨拶をされた。彼はスコットランドヤードの人間だった。シャーロットは間違いなく顧問探偵だったのだ。呆気に取られた顔をシャーロットに向けたあとレストレードに視線を戻すとこちらも挨拶をせねばと口を慌てて開く)
あー、ジェーン・H・ワトスンです。シャーロットの同居人の
(他に言っておかなければならないことはないかと考えたが、現在臨時の医者しかやっていない自分には何も言うことはないだろう。そしてシャーロットが出かける準備をしながらこちらに話しかけてきた)
そうね、もちろん、死体は嫌というほど見てきたわ
(シャーロットが何を言いたいのかは彼女の顔をみてすぐに分かった。しかしなぜ自分を連れ出そうとしているのかは分からない。ジェーンは杖をつかなければ歩けない身、おそらく現場では足手まといになってしまう。ジェーンもそれは百も承知で本来ならば断るべき場面だっが、ジェーンは半分イエスの意味を持つ言葉をシャーロットに返した。それはシャーロットが戦場からロンドンに帰ってきたジェーンが一番欲していたもの、『非日常』という時間をシャーロットが持ってきてくれるという予感がしていたからだった)
(/そうですね、犯人が執着するもの=エンゲージリングをシャーロットがもっていて、だからシャーロットと犯人がかち合うことになる、という流れだと自然ですよね!エンゲージリングが古いのに綺麗に手入れされているから大事にされていたもの、だから犯人は必ず取り戻しにくるはず……みたいな感じで犯人と接触できそうです)
上等ね。もっと見せてあげるわ。さ、出かけましょ。
(にっ、と笑うと機嫌良さげに部屋を後にして。ジェーンの先ほどの褒め言葉が効いている事は言うまでもない。不意に立ち止まってジェーンの方へ振り返ると「…帰ったら片付ける」と小声で付け加えて。)
(その空き家には見るも無残な中年男の遺体が横たわっていた。高級そうな流行のスーツに身を包んだその男の形相は世にも恐ろしいもので形容し難い。そして目を引くのはすぐ側の壁の高い位置に書かれた「RACHA」という血文字だ。おそらく犯人が指で書いたものに違いない。シャーロットは部屋の入り口で突然しゃがみこむとルーペを取り出し埃だらけの床を丹念に調べ始めた。現場の巡査たちの冷ややかな視線も御構い無しで部屋中の床を丹念に調べる。それが終わると今度はシャーロットの目線より幾分高い位置に書かれた血文字をじっくりと観察し始めた。それに満足すると哀れな遺体の調査にやっと取り掛かったのだった。見開かれた瞳、血管の浮かぶ額…悪魔と出くわしショック死したかのようだ。左手薬指に指輪は無し。背格好は中肉中背で顔と手足にむくみが見られる。髪と服から煙草とアルコールの匂いがした。手のむくみを見ていたその時、シャーロットは彼の腕の下に何か光るものを見つけて。それはエンゲージリングだった。サイズ的に女性用で、よく手入れされているようだ。)
…床に血痕があったけど、被害者に外傷は無い。となると床の血痕と血文字は犯人の血のはずね?
(シャーロットは入り口で見張る巡査にそう話しかけながら指輪をスカートのポケットにそっと滑り込ませた。巡査はそれに気づかずつまらなさそうに答える。「既にサンプルをDNA鑑定に回してあります。過去のデータに引っかかるかもしれませんからね」その言葉にシャーロットは鼻で笑って。)
無駄骨に決まってる! 現場からも分かるように、当然この犯人に犯罪歴は無いわ。鑑定したところで犯人を起訴する裏付けくらいにはなるかもしれないけど、データベースにこのDNAを持つ人物はいるはずがない。
(挑発ともとれる相手を小馬鹿にした言葉を受けて、巡査は“素人に何が分かるんだ、勘だけで適当な事を喋るな”とじろりと睨み。シャーロットはそんな事は御構い無しで続ける。
「彼の持ち物は?」
「財布と時計だけです。財布の中身は抜かれていないようでした」
「携帯電話は無かったのね」
「…そういえば、そうですね」
そこでしばらく黙り込んでいたがぱっとジェーンの方に身体を向けて)
ジェーン、貴女の出番よ。医者的見地からはこの遺体をどうみる?
(/なるほど、かしこまりました! それですと自然ですね。
それでは背後は一旦ここで失礼いたしますね。また何かありましたらお呼びくださいませ!)
いいわね、ぜひ見てみたいわ
(死体を『ぜひ』みたいなど、不謹慎にも程がある言葉だが、シャーロットにのせられてついそんなことを口にしてしまった。手にしていた杖を持ち直すとシャーロットに続いて221Bを出ようとする。だがそこでシャーロットは小声で片付けをすることを口にし「約束よ?」とそれに一言返しておいた)
(杖をつきシャーロットに少し遅れて現場に入ったジェーンの目にまず飛び込んできたのは無惨な死体だった。戦場の死体は大概突然死がやってきたものばかりでその表情は無に近いが、目の前の死体は違っていた。苦しみもがき死んだのか顔は酷く歪んでいる。それだけでジェーンにとっては見たことのないものを見せられている気分だった。そして次に目に入ったのは壁に書かれた「RACHA」の文字だ。ダイイングメッセージかとも思ったが、被害者が死ぬ間際にかける距離ではないなと口をつぐんでおく。ジェーンはこの現場で特徴的であるこの2つにしか目がいかなかった。だからこそ、シャーロットが何をしているのか目を向けたときにやっと死体を調べようというところで、少し驚いていた。ジェーンは真っ先に死体に目を奪われたが、シャーロットはまず周囲の状況を調べていたようだ。そしてシャーロットがこっそりと、何かをポケットに滑り込ませるところを見てしまう。思わず一瞬眉をひそめた。なぜ何か見つけたことを周囲の人間に言わないのだろう、彼女なら真っ先になにか見つけたことを高らかに宣言しそうなのに。声をかけようか迷っていたところで、シャーロットは口を開き巡査と話を始めたが、ここである意味ジェーンは始めてシャーロットの本領発揮を目撃することになった。周囲の冷ややかな目などお構い無しにシャーロットはその鋭い観察眼と推理を発揮する。そこまでなら良いのだが、シャーロットは巡査達を煽るような言葉を発していて、周囲の目はさらに冷たく、鋭くなってしまっていた)
んんっ、シャーロット
(咳払いのあと一応咎めるように声をかけておくが効果はないらしく、シャーロットは意気揚々と巡査と話している。いや話しているというよりかは言葉を投げつけているという方が正しいか。だがその言葉は端から見ればやはり彼女の観察力の高さを現していて、こうも周りと衝突しながらもスコットランドヤードに呼ばれるのはこれまでいくつもの功績をあげたからだろうなと考えを巡らせた。犯人に犯罪履歴がないことを断言した点が気になったがそれを聞く前にシャーロットがこちらに体を向ける。そう言えば死体を見るために呼ばれたことをその時にようやく思い出し、意を決して死体へと近づいていった)
そうね…窒息死みたい。気絶して吐いたものが詰まってるわ。アルコールの匂いはするけどこの表情だと酔って吐いたわけじゃなさそうね。薬か何かかしら
(杖を支えにしながらぎこちなく死体の側にしゃがみ簡単に検死をするとまたぎこちなく立ち上がりシャーロットに見解を伝える。周囲の巡査達はそんなことはとっくに検察官が調査ずみだと馬鹿にするよう鼻をならし、シャーロットの連れてきた医者を見ていて、だがジェーンは何ができるでもなく、巡査達の目を気にしないようにしながらシャーロットの返事を待つことにした)
(/またまた返事遅れて申し訳ないです……できるだけ1日1レスしたいのですが時間取れない時もありまして……
血文字の件了解です!きちんとRACHEに見えてますよ(笑)ではこちらも本体失礼しますね!)
(/背後のみ失礼いたします! 大変申し訳ないのですが今日はちょっと書く時間が無さそうです…。明日には返信できるかと思いますので、少々お待ちいただければ幸いです。よろしくお願いいたします!)
(/ご丁寧にご連絡いただきありがとうございます!了解しました。お返事は探偵様のお時間取れるときで大丈夫ですので、ゆったりお待ちしております!)
窒息死! なるほど、薬によって意識を失って嘔吐したのね。
ああ、素晴らしいわジェーン!
実を言うと直接の死因は劇物によるものだと思っていたの。
でもミスリードだったんだわ。なるほど、窒息**。
( 相手の慣れた手つきと正確な情報を拾う能力はさすが医者と言うべきだろう。その検死の様子を興味深げに眺めていた。彼女の見解を聞くと周囲の冷ややかな視線も全く気に留めず遺体が横たわっている側では似つかわしくないほどの笑顔でぱちん、と手を鳴らして喜んで。上記を述べると意気揚々と言葉を続ける。)
犯人は赤ら顔で背の高い人物。少なくともドイツ人ではない。裕福でもない。犯行動機は私怨。ついでに、爪が伸びすぎてるわね。
(そこでレストレード警部から横槍が入れられた。彼はそれまで静かに部屋の隅で2人の様子を伺っていたが、シャーロットの口から唐突に発せられた結論に少々慌てたようだった。
「待て、“RACHE"はドイツ語で復讐という意味だろう? ドイツ人では?」
視界の端で彼の姿を捉えながら顎に手を添えて答えて。
「ドイツ人ならAをラテン文字で書く。犯人は捜査を撹乱しようとしてドイツ人を真似てみただけね。被害者の最後の目撃情報は?」
「ここから7km先の繁華街に居たようだ」
シャーロットはレストレードの言葉に不意に怪訝そうな表情をする。)
7km? 犯人はどうやってここまで連れてきたんだろう…。
ところで第一発見者は誰?
(遠巻きにシャーロットとジェーンを眺めていた1人の巡査が手を挙げた。
「僕です」
「その時の状況を詳しく教えてくださる?」
「僕は見回り中だったんですが、空き家に不審な光が見えたので変に思って入ったところ、遺体を発見したんです」
「そのとき周囲に誰かいた?」
「いいえ…遺体を見つけて応援を呼ぼうと外に出た時に扉の近くに酷い酔っ払いが1人いましたが。人通りの少ない場所ですから」
「信じられない! その人が犯人よ!」
シャーロットは唐突にそう呟いた。周りはきょとんとするばかりだ。
「被害者の名前とメールアドレスは分かってるわね?」
「ああ。でも何の意味が?」
「説明してる暇は無い。時間がないの」
犯人の名前とメールアドレスを記したメモを受け取るやいなや、「行きましょジェーン」と相手に告げて空き家を後にして。背後では検察官や巡査たちが顔を見合わせていることだろう。)
(空き家を出ると先ほど受け取ったばかりのメモをジェーンに渡す。
「ジェーン、このメールアドレスに“ノーザンバラード通りで待ってる”って送信してくれる?」
相手がメッセージを送りやすいようにと道の傍で立ち止まって腕を組むと片足のつま先でコツコツとアスファルトをたたいて。)
おおよそ見当はついたのだけど、最後のピースが足りないわ…。貴女の意見を聞かせて。犯人は突然空き家なんかに連れてこられて怪しい薬を飲まされたわけだけど、どうしてそんな怪しい薬を抵抗もなしに飲んだんだと思う? もし貴女が犯人だったら、なんて言って憎い相手に薬を飲ませる?
(/大変お待たせいたしました! ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします)
(/本体のみ失礼します。ご連絡遅くなってしまったのですが、本日中にレス返せそうになく……申し訳ないです。明日にはお返事書かせていただきますので、今しばらくお待ち下さい)
あー……ありがと、シャーロット
(シャーロットは自分の見解を聞いてキラキラとした笑顔を浮かべ自分を褒めて、それを聞けばジェーンも思わず同じように笑顔を浮かべそうになる。しかし、シャーロットとその同伴者である自分には先ほどから巡査達の冷たい視線が注がれており、ここで一緒に喜んでしまえばより一層それらの視線は鋭くなってしまうだろう。ここきてジェーンはなんとなく理解し始めていた、『誰かがシャーロットの手を引かなければならない』と。今まで過ごした数日とこの場所の出来事でシャーロットが社会と断絶していることはよくよく分かった。無理に社会に引き戻そうなどとは思わないが、シャーロットはもっと誰かと繋がりを持つべきだ。推理しているときのキラキラした顔もチャーミングな瞳も、どれもとても魅力的なのにその性格のために周りの人間に全てを拒絶されている。シャーロットに友人ができれば……それがジェーンの想いだった
そんなことを考えているうちに、シャーロットの推理は止まることを知らなかった。次々に提示されるこの事件の犯人像、正直ジェーンはなぜシャーロットが犯人像を特定できているのか、さっぱり分からなかった。口を挟んでその理由を聞く前にシャーロットは早々に現場を出ていこうとする。もう検証は終わりかとそこにも驚きながら「えぇ」と短く答えてシャーロットの後に続いて外へと出た)
え?ここに?私の端末から?
(杖をついて外に出た直後シャーロットからメモを渡されメッセージ送信を頼まれる。杖を脇にかかえ、端末を取り出すと訳もわからないままジェーンはシャーロットの言われた通りに文を作成する)
私にはひとつも分からないわ、ピースさえ見つかってない。えー、憎い相手に薬を飲ませる方法よね?アルコールで酔わせて酒に混ぜるとか、あとは銃で脅すとかかしら?その場合撃った方が早い気もするけど
(メールアドレスを打ち込み、続いてメッセージを打ち込みながらシャーロットの質問に答える。玄関前に酔った人間がいた話を思いだし、酔わせてしまえば簡単だと提案し、もうひとつの提案には物騒な一言も付け加えていたが、本人はいたって真面目に答えていた)
よし、送信完了。ところで、これ誰にメッセージ送ったの?
(/大変お待たせしました!毎度遅くて申し訳ないです…)
そうね。アルコール…銃…。
…銃! そうだわジェーン! あの現場からそんな事は分かっていなきゃならないのに、見落としていたわ。貴女ほど優秀な助手はいないわね。
( ジェーンの言葉で何か思いついたらしく、俯いて考えを巡らせていたがはっと顔をあげて。ジェーンの了承も何もなくさらっと相手を“助手”認定しているようだ。実際、真面目に考察に付き合ってくれるような人物は少ない。それはジェーンの素直な優しい性格によるものだとは分かっていたが、それだけではないような気がしていた。お互い正反対なように見えてある意味では似た者同士なのかもしれない。彼女が側にいると不思議と推理が捗るのだった。ジェーンがメッセージを送り終えるとノーザンバラード通りへと歩き始め )
これは被害者の端末に送ったの。あの現場からは財布なんかは出てきたけど携帯はでてこなかった。とすると何処かに忘れてきたか、犯人が持っている可能性が高い。わたしは犯人が持っている方にかけたってわけ。
警察の発表はまだだから事件はメディアでも流れていない。つまり犯人は確実に仕留めたという確証を持っていないの。そこへ待ち合わせのメールが届いたら? それは警察から被害者の近しい人に死亡した知らせが行っていないって事だから、“被害者がまだ生きているかもしれない”という結論に辿り着く。動揺した犯人はノーザンバラード通りまで来るはず。…他に質問はあるかな?
( 相手に合わせて歩きながらつらつらと推理を述べて。そうこうしているうちにノーザンバラード通りに到着し、通り沿いに窓の大きなカフェを見つけて「ここで待ちましょう」と扉を開けて。カラコロと小気味良いドアベルが鳴る。雰囲気の良い店内は張り込みには勿体無いような場所だ。窓際の席に腰掛けると外の通りが良く見えた。店員が注文を取りに来ると珈琲を注文し相手に「ジェーンは?」と聞いて。仲の良い友人同士がカフェでお喋りでもしに来たように見えるかもしれない。誰も殺人現場に行ったばかりで張り込み中だとは気付かないだろう。)
(/いえいえ!!大丈夫ですよ〜!!)
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