勇者 2017-06-24 13:55:54 |
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お腹が空いていたわけじゃない、アルスはゆっくり食べて…。
(こういう時間も平和に感じられていい。肘をつきじっと目の前の相手を見つめては、一時でも魔王退治を忘れさせるようなホッとする感覚に包まれ)
そうか…ならお言葉に甘えさせてもらおう、思えばこうしてゆっくり過ごすのは久しぶりだな
(これまで魔王討伐という目的に向けてがむしゃらに進んできた日々で、こんな風に穏やかな時間を過ごせたのはいつ以来だっただろう…自分は少し余裕が無かったかもしれないとこれまでの自分自身を省みて彼女の気持ちを素直に受け取って)
…魔王を倒したら…穏やかに暮らせる。
(ふとこの旅のエンディングはどうなるのかと思い呟くも、相手は城で自分は村に帰り元の生活だろうなと当たり前なことを考え。無表情のまま「そしたら急ぐこともない…」と相手の未来を勝手に想像し)
ああ、そうだな…レイはこの旅が終わったらその後はどうするつもりなんだ?
(少しして此方も完食すれば食後のお茶でひと息つき、ふとこの旅の果てに彼女はまた元の村外れでひっそりと暮らす生活に戻ってしまうのだろうかと考えて、それはなんだか勿体無いように思えてまだ少し気が早いような気がしたが彼女の考えを聞いてみることにして)
終わったら?……元の生活に戻るだけ。
(魔王を倒せば彼は英雄、もう会うこともない。こんなに誰かと時間を共に過ごしたことが無い分、彼がいなくなった生活は少し怖い気もする。「静かな生活に戻るためにも、魔王を倒さないと」自分に言い聞かせるように)
そうか、そうだろうな…レイは多分そう答えるだろうと思っていた(言われるまでもなく何となく想像していた通りの答えにやはりなという気持ちが強く、それほど驚きも無ければショックもなく、ただ一度だけ深く頷いて「レイは欲がないんだな、仮に魔王を倒せばレイも英雄だ、自分の代で魔女の名誉を取り戻したいとか思ったりはしないのか?」英雄ともなれば不当な扱いも緩和されるかもしれない、そうすればひっそり隠れるように暮らす必要もなくなるのではないか、それでも彼女は静かな生活を選ぶのだろうかと純粋な疑問を抱いて)
仮に…じゃなくて、絶対に…倒さないと。
(あとは命尽きるまで静かにひっそり生きるだけ。英雄は人間がなるものであって、魔女の名誉はもういい。相手の顔を見つめたまま「アルスと魔王を倒す…今はそれだけでいい」残りのお茶を口に流し込み)
そうだな、先のことはその時になってから考えればいい、魔王を倒さないことにはその先もないんだからな…
(結局彼女の口からハッキリとした答えは得られなかったが、後のことを考えて悩むよりも今はハッキリと見えている目標へ向かって前進あるのみだと改めて自分の進むべき道を再確認し、そろそろ出発しようかと席を立とうとすると…)
盗賊『オラァ!てめぇら動くんじゃねぇぞ!』
(荒々しい声と共に乱暴に開かれた扉から見るからに悪人といった風貌の男が数人店内へとなだれ込んできて)
アルス…、どうする?
(立ちかけ「あまり手荒なことはしたくないけれど…」小声で問いかけ。
「必要なら…足を止める」気付かれないように数本自分の長い髪を抜き床に落とし、それらが意思を持った蛇のように動こうとすると「…待て」と呟き)
言われるまでもない、被害が出る前に止めるぞ
(武器を手にして興奮状態で今にも誰彼構わず襲いかかりそうな様子からしてどう考えても話してわかる相手では無いのは明白で、店内の客や店員へ危害が及ぶ前にどうにかしなければならない、迷うことなく素早い判断を下して腰の剣を抜き、彼女へと己の方針を告げて)
…わかった
(足下の蛇たちを盗賊のもとへ向かわせると、彼等の足に巻き付かせ一瞬の隙を作り。その間に近づき何人か掌底打ちを与えると床に転がせ、彼等の武器を拾い集めていき)
盗賊『う、うわっ、何だこいつら…いつの間にっ…』
(相手の放った蛇の群れに浮き足立ったところを盗賊は呆気なく打ちのめされ)
退け…俺は手加減できない
(彼女の仲間とみなされ、味方がやられた報復のためにターゲットを変えこちらに向けて纏めて複数人で襲いかかってくる盗賊に対し大柄の剣を片手で軽々と振り、一薙ぎで吹き飛ばせば、それで形勢の不利を悟ったのか敵の残党は気絶した味方を連れて逃げ去っていき)
…流石、…お疲れ様
(少し派手に暴れてしまったかと心配しつつ、怪我人がいないか確認して回り「よかった…アルスも怪我は無さそう」相手の腕や足も確認すると一息つき)
ああ、俺の方はなんともないが、少しやりすぎてしまった
(相手は器用に立ち回って周りに極力被害を出さないよう乗り切ったが、こちらはそうはいかず、盗賊を吹き飛ばした先にあった椅子や机が滅茶苦茶になっているのを見て参ったなと言わんばかりに頬を掻いたが、幸いにも一部始終を見守っていた客や店員には感謝されたのみで弁償は免れて)
あの場合だと…一番の最善策だったと思う、人に危害はなかったから
(お店の方に頭を下げ外に出ると相手に振り返り「もうすっかり暗い…」宿を探さないと、と再び歩き出し)
仕方ない、こんなことになるなんて流石に想定外だったからな
(本当ならこうして暗くなる前に早めに宿を見つけておきたかったところだが、今更愚痴っても仕方がない、それに人助けが出来たと思えばむしろこれはこれで良かったのかもしれないと前向きに考えて共に宿屋を探し歩き「とりあえずここへ入ってみよう」時間も遅いため空きがない可能性は否めないがひとまず目についた宿屋のドアを開けて中に入り)
…空いているといいけど
(宿屋に入り一晩泊まりたいと宿の者に伝えると一部屋だけしか空いていないとの回答に「…ここにする?」探し歩くには夜分遅くなるかと相手に尋ね)
俺はそれで構わない、レイさえそれでいいのならな
(二人で同じ部屋で夜を明かすことに何の問題もないといった様子で二つ返事でそう答えて、最終的には相手さえ問題ないならと、判断を委ねて)
私も問題ない…
(宿の者に泊まりたいと伝え、先に支払いを済ませると部屋に案内され。中に入ると隅に腰を下ろし「今日もお疲れ様…」)
ああ…ところで何でそんな隅にいるんだ?二人だと少し手狭なぐらいだが、そんな端に寄らないといけないって程じゃないと思うんだが
(部屋に入るやいなや、わざわざ部屋の隅を選んで座った彼女を見て、元々が一人用の部屋だからなのかそれほど広い部屋ではないが、かといってお互いにそこまで気を遣わないといけないような広さでもないというのにどうしたのだろうか?と疑問を抱き)
癖…
(部屋の隅や物陰を好んで座る猫のような癖は物心ついた頃からで、そういえば部屋を一緒にしたことが無かったのだからおかしく見えて当然かと。)
…俺には少し狭苦しいな
(癖、そう聞いてもあまりピンと来ず、彼女と同じ目線に立ってみたら何か違ったものが見えてくるのだろうかと考えて隅に座る彼女のすぐ隣に移動し、腰を下ろしては思ったままの感想を述べて軽く肩を竦めて)
アルスは…普通に椅子に座って…
(隣に座る彼、勇者が部屋の隅に屈む様子、外から見るのを想像すると少しおかしい。とくになにも考えず相手の肩に頭を乗せてみる、あたたかい。「……力が抜けてきた」)
言葉と行動が完全に真逆だな
(椅子に座ってと促しながらも脱力して肩に寄りかかってくる相手に、これではそもそも移動しようにも動けないだろうと苦笑して、とはいえ別にこの状況が嫌という訳ではなく動こうとはせず大人しくしていて「…ところで」それから少ししてふと思い出したように何やら話しを切りだして)
謝る必要はない…それで話しというのはさっきの盗賊のことだ、あれだけ手酷くやられてその上何の収穫も得られなかった…奴らが報復のためにこの街をまた狙うかもしれない
(ただ偶然立ち寄っただけでそれ以外に縁も所縁もないこの街だが、それでも盗賊という明らかな脅威に曝される可能性がある現状を見て見ぬフリするなんて己の正義感がそれを許さず、自分に出来ることがあるならしたい、魔王を倒すという本来の目的からは少し外れるが、それでもそのために力を貸して欲しいという話しをして)
…わかった
(彼らしい考え。正義を貫く姿勢に国王も彼を認めたのだろう、自分に出来ることは何でもしよう。話を聞くと頷き「盗賊をどうにかできなきゃ魔王は倒せない…」)
ありがとう、なら明日は朝一で聞き込みをして盗賊のアジトを突き止めよう
(王から命じられた魔王討伐の任とは無関係の己の個人的な寄り道に何の躊躇いもなく賛同し付き合うと言ってくれた彼女に素直な感謝の気持ちを告げ、志を共にしてくれる仲間として、より彼女を心強く感じられてなんだか絆も深まったような気もして)
それなら体力を回復させないと…アルスは布団で寝て
(彼の言葉に頷くと一人用の布団に視線を移し「明日も早いから。…私はここでいい」床に蹲るように横になり)
回復が必要なのはレイも同じだろう…こっちへ来い、詰めればギリギリ二人ぐらはい入れる
(体力の回復が必要という立場で言えば自分も相手もその点は変わりなく、何の下心もなく純粋に部屋の隅、それも床の上で寝るという彼女の身を案じ、ひとまず入った布団の端に寄って隣へと誘って)
少しだけな、だが一晩過ごす分には大した問題でもない
(多少は窮屈でも不思議と不快感などはなく、むしろ安心感の方が勝って。大した問題でもない、その言葉通り少しして小さく寝息を立て始めて)
(まもなく隣から寝息が聞こえ、暫く眠れずに相手の寝顔を見ているうちに漸く眠気が来たもの、いつのまに窓の外が微かに明るくなってることに気付き静かに布団から出て)
…もう起きてたのか、早起きだな
(相手よりも少しだけ遅れて目を覚まし、自分の隣で眠っていたはずの彼女の姿がないことに気付けば布団から身体を起こして室内を見渡し、その姿を見つければそう声をかけて)
おはよう…
(すぐに出掛けられる支度を終わらせ、声に振り返ると歩み寄り「まだ早朝すぎて街は起きていない…」窓を指差し静かに述べ)
ああ、おはよう…そうみたいだな
(しっかり休んですっかり気力は満ちていたが、行動を開始するには些か早いことを悟り壁に立てかけた剣を手にして立ち上がり「少し鍛練をしてくる、レイはどうする?ここで待っているか?」ドアの前まで行ったところで彼女を振り返って)
行く…盗賊たちも動いているかもしれない…
(それに標的を自分達にしているとしたら別行動は危険、と判断すれば彼の後を追い。)
盗賊なんかに遅れをとるつもりはない、が…油断はしないに越したことはないな
(昨日の盗賊が襲ってきたところで難なく撃退出来る自信はあったが、それでも念のため単独行動は慎んだ方がいいかもしれないと彼女の言葉に頷いて「…昨日改めて見ていて思ったんだがレイは身のこなしが素早い、何か特別な訓練をしていたりするのか?」廊下を並んで歩きながら、昨日盗賊を流れるような動きで仕留めた様子を思い返し、あれを自分の剣術にも取り入れることが出来ないかと思い、質問を投げかけ)
…特別な訓練はしていない、ただ相手に隙を与えることと足の早さだけ気を付けてる
(横顔を見つつ答えては「アルスは攻撃力と瞬発力が凄いから…その瞬発力に応用した業を身につければ、恐らくは広くない場所での戦闘も強くなれる…と思う」自分の意見を答えるとすぐ前を向き)
レイは色々とよく見ているんだな、早速今日の鍛練で意識してやってみよう
(客観的に自分を見る機会というのがこれまでに無かったため、彼女からのアドバイスが己の視野を広げてくれた気がして、早速これも鍛練のメニューに組み込んでいこうと思案しながら屋外までやってきて「…何か見ていて気付いたことがあればなんでも言ってくれ」剣を鞘から抜き、瞬発力を生かした素早い動きを心がけて素振りを始め、同時に見ている彼女へと意見を求めて)
…少し手伝う
(木葉を何枚か拾ってくると呪文を唱え蛙に化けさせ「すばしっこいし跳び跳ねるから大きい業だと倒しにくい…これを全て斬って」蛙を彼に向かわせると少し離れて見守り)
わかった、やってみよう
(これほどまで小さく素早く動く的を斬るという剣の修行をしてきた中でこれまでに考えたこともないような斬新な試みではあったが、彼女の言葉を聞けばなるほど理に適っていると納得して放たれたカエルに向けて剣を振り続けるがやはりというべきか最初のうちは中々捉えることが出来ず「なるほど…これは難しいな」そうしているうちに少しずつではあるがカエルの早い動きに対応出来るようになりはじめて)
流石…アルス
(大きく剣を奮う闘い方から少しの動きで適格に的を斬れるようになっていくのみ込みの早さに感心し。気がつけば周囲も明るくなってきたので蛙を元の木葉に戻し術をとき「そろそろ街も起きてきた…」)
まだまだ、もっと早くもっと正確にやれるようにならないと実戦では活用出来ない…また次も頼む
(後半はそれなりに追えるようになってはいたが、実戦で役立つものとするまでにはもう少し修行が必要そうだと謙虚に受け止め、この鍛練も継続をすればいずれは実を結ぶだろうと次回も彼女に協力してもらえるよう頼んで「ひとまず今日はここまでだな、出かける準備をしよう」そう言って部屋へと戻って行こうと踵を返して)
焦りは禁物…
(背中を追い掛けながら述べては、ふと足を止め「今なにか…聞こえたような…」今来た道を真っ直ぐ見つめるも「…気のせい、かも」と小走りに彼の元へ戻り)
…レイ、どうかしたのか?
(自分について来ていると思っていた彼女が少し遅れて追いかけてくるのに気付いて、何か問題でもあったのだろうかと足を止めて)
(/遅くなってしまってすみません!)
たぶん気のせい。
(魔物の気配はしないので風の悪戯だろうと思うようにして「朝御飯、食べないと」すぐに背中に追い付き)
そうか、それならいいが…
(気にならないと言えば嘘になるが、それでも彼女が何でもないというならそうなのだろうと思考をそこで断ち切って再び前を向いて歩き出し「これから激しい戦いになるかもしれないからな、しっかり英気を養っておこう」盗賊の本拠地へと乗り込むとすればそれなりに大変な戦いになるかもしれない、それに備えてしっかり食事をとって気力を満たしておかなければと考えて)
そうね…。
(盗賊ごときで不安になっていたら魔王はとても無理だろうと首を振り「…アルスの言う通り」少し表情を緩め)
そういえば、盗賊の本拠地に乗り込む前に寄っておきたいところはあるか?道具が不足していたりするならそれも買い足しておこう
(部屋に戻って朝食を食べ進めながら、道具やお金の管理を任せている相手へと思い出したように尋ねて、もし何か必要ならば聞き込みのついでに買い足せばいいだろうと考えていて)
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