勇者 2017-06-24 13:55:54 |
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野菜も食べた方がいい…。
(とくに怪しい気配も魔物の気配もない街に安心すると膝から力が抜けそうになり、ふいに相手に背中を叩かれては(疲れもあったので強く感じ)驚いて膝から転んでしまい。何もなかったように静かに立ち上がると「あと…アルスは果物も食べるべき。」と告げ足し)
確かにバランスのいい食事は大切だ、一理ある…って、おい、大丈夫か!?
(自分的にはそれほど力を込めたつもりは無かったのだが、それでも倒れてしまった相手を心配して慌てて手を差し伸べるも、それには脇目も振らず平気な顔で立ち上がってその上、己に対して説教紛いの言葉をぶつけてくるのを見て「平気みたいだな、でも一応その傷口の消毒はしておいた方がいい」と苦笑しつつも膝の小さな擦り傷を見逃さずに)
この程度、大丈夫…。
(相手の視線の先、自分の膝の擦り傷に気付き。軽く叩くと何もないように歩き出し「……アルスも疲れたでしょ、…早く食事して体を休めた方がいい。」)
そうか、そこまで言うなら俺も何も言わないが…
(言っても聞かなそうだなと、ため息を零すも見る限りそれほど騒ぐほどの傷でもないためこれ以上の追及は諦めて彼女の後に続いて歩き出して「それを言うならレイだってそうだろう、人の心配もいいが自分のことも大切にするべきだ」そう言って彼女の頭にポンと手を置いてから、あの店に入ろうと視線の先にある酒場兼レストランを指差して)
魔女よりも勇者様に何かあったら大変…
(どうも人に優しくされることに慣れず素直に受け入れられず。自分にもしものことがあってもアルスさえ無事であればいい、と相手の横顔を見つめ。頭に触れられれば一瞬硬直し、ゆっくり瞬きすると後ろに続き)
魔女だろうと勇者だろうとどちらも同じ命だ、その重さに差なんてありはしない
(事実として人間の多くが未だに魔女を差別的な目で見ていることは確かなことだが、自分からすればそのような線引きをすること自体が無意味でナンセンスだとさえ思えて、彼女の言葉にそう真っ向から対立意見を述べて「…と、人間の俺がそんなことを言っても説得力は無いのかもしれないが……とりあえずここに座ろう」虐げられてきた過去を持つ彼女には加害者側の自分たち人間の言葉は正しくは届かないのかもしれないと、仕方なく思える部分もあって自嘲気味に呟きつつも、とりあえず腰を落ち着けようと店内に入って席を彼女に勧めて)
……
(驚いて少し目を見開き言葉を失い、相手をじっと見つめ。勧められた席に座ると視線を落とし「…アルスみたいな人間は…初めて」と呟き)
それは遠回しに俺が変わり者だって言いたいのか?
(彼女の発言に悪気がないことは端からわかっていたが、ちょっとした悪戯心が芽生えて、メニューを見ながら穏やかな口調ながら敢えてそんな意地の悪い質問をして)
…そうかもしれない、魔王を倒そうと一人で立ち上がった人間だから。
(意地悪されていることにも気付かず有りの侭の言葉を受け取り返しては、じっと目の前の相手を見つめ。城を出て数日、行動をともにする中で相手に少しずつ興味を抱き始めている自分に気付いているものの上手く表現できず「変わり者の勇者様…の方が私はいいと思う…」メニューを見ながら小さく呟くように)
ハッキリ言うな…でも、それぐらい思い切りよく言ってくれた方がいっそ清々しい
(歯に衣着せぬ彼女の物言いに一瞬驚いたような表情見せるも、逆にその裏表の無さと迷いの無さが己には好意的に感じられて自然と口元を緩め、ありのままの彼女の台詞を正面から受け止めて「…それで、レイの方ははもう決まったか?」それからメニューから顔を上げて相手の方は注文は決まったかを問いかけて)
……野菜のスープとパン。
(決めた注文を伝えるとメニューを置き。微笑んでいる相手を見つめては此方も微笑むべきかと悩み。両手で両頬に触れては‘微笑む’というイメージをしながら目許と口許を緩ませ、自分なりに微笑んでみせ「アルスはよく笑う…私が笑うと…変?」)
…そんなことはない、いつも無表情なレイを見慣れているせいか不思議な感じだが、笑顔もよく似合う
(相手の注文を聞き、自分の分の注文も合わせてウェイトレスへと伝えてから彼女の方へ改めて向き直り、これまで共に旅をしてきた中で初めて見た相手の表情らしい表情に大げさながらも感動すら覚えて素直に思ったままそう絶賛して)
………
(照れるとはこういう感覚なのだろうか。無表情に戻るも頬が熱く、悟られまいと視線を逸らし。料理が運ばれてきては「…食べ終わったら宿を探さないと」と急いで食べ始め)
ん?ああ、そうだな…
(これまでの会話の流れからして少々不自然で無理があるように思える唐突な話題の転換、そして動揺しているようにも見える彼女の様子に違和感を覚えるも原因について何も思い当たる節がなく、自分の思い過ごしだろうと思い込むことにしてひとまず相槌を打って)
……御馳走様。
(動揺のせいか普段より早く食べ終えてしまい、相手が食べている様子を見つめ。時間が経つと落ち着きを取り戻して)
随分早いな、そんなにお腹が空いてたのか?
(自分もそれほどゆっくり食事をしているつもりは無かったが、いつの間に先に食べ終わっていた彼女に少し驚いて目を丸くして、それでも確かに朝から飲まず食わずでここまで歩き通しでやってきたことを考えればそれも無理もないのだろうか?とも思えてそう質問をしつつ、あまり待たせるのも忍びない気がして少しだけペースを上げて)
お腹が空いていたわけじゃない、アルスはゆっくり食べて…。
(こういう時間も平和に感じられていい。肘をつきじっと目の前の相手を見つめては、一時でも魔王退治を忘れさせるようなホッとする感覚に包まれ)
そうか…ならお言葉に甘えさせてもらおう、思えばこうしてゆっくり過ごすのは久しぶりだな
(これまで魔王討伐という目的に向けてがむしゃらに進んできた日々で、こんな風に穏やかな時間を過ごせたのはいつ以来だっただろう…自分は少し余裕が無かったかもしれないとこれまでの自分自身を省みて彼女の気持ちを素直に受け取って)
…魔王を倒したら…穏やかに暮らせる。
(ふとこの旅のエンディングはどうなるのかと思い呟くも、相手は城で自分は村に帰り元の生活だろうなと当たり前なことを考え。無表情のまま「そしたら急ぐこともない…」と相手の未来を勝手に想像し)
ああ、そうだな…レイはこの旅が終わったらその後はどうするつもりなんだ?
(少しして此方も完食すれば食後のお茶でひと息つき、ふとこの旅の果てに彼女はまた元の村外れでひっそりと暮らす生活に戻ってしまうのだろうかと考えて、それはなんだか勿体無いように思えてまだ少し気が早いような気がしたが彼女の考えを聞いてみることにして)
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