夢物語ーヒーローとヴィランの章ー(非募)

…アタシに言ってんのか？
( おかしな声の掛け方に誰が誰に言ってるんだと振り返っては、此方を見つめる一人の見知らぬ女子の姿が目に入り。辺りをきょろきょろ見回してみるも、距離的に考えてどうやら自分に向けて言っているらしい。自身を指差しながら困惑した表情で首を傾げて問い、知り合いには居ないなぁと自分と相手の関連性を必死に考え。しかし他の同級生が進んでいるのを見て、時間も押しているしと彼女の手を取っては駆け足気味に。「あの先生遅れたらうるさそうだしとりあえず先着替えんぞー」許可無しに手を握った事に対して後付けの形で理由を述べていると、更衣室の前に着く。図らずも案内の形になってしまった事には微塵も気付かず、扉を開け中に入っては他の生徒同様着替え始め。 )


( / その「大丈夫」全然安心できない…！デクのお母さんの気持ちが分かった気がする……。早速手とか握っちゃった、手が早くてごめんね！ )

　　

(/おはよう！もうちょっと待っててくれ…ちょいとごたついてて…)

( / おはよう！？お、おはよう！ひいい、大丈夫？無理しなくていいよ、忙しい時は皆忙しいもんだから！(？)私打ち切られない限りいつまでも待てるし！でも久々に姿見れて安心した！頑張って！ )
　

(/くっ、連絡しようと思ってたのにあのくそ上司が……あれがやめたせいで引き継ぎとかばたついて…
ほんとごめんよ…もう、もう落ち着いたから！！
でも、まだいるかな……)

( / おかえりなさい！いろいろ大変だったんですね、お疲れ様です。のんびり気長に待ってましたよー、私も結構バタついてたや。落ち着いたようで良かった！ )

　

…お、おうともさ！
( 正しく光のような早さで気が付いたら更衣室まで案内され、着替えるのかと漸く理解すれば相手の隣にて遅刻しないためにいそいそと着替え始める。数分も掛からずに着替えが終われば「よし、終わり！そこの高速ガールは終わったかい？」と何故か相手に変なあだ名をつけ、靴紐を結び直しながら声をかけて )


(/いやはや、ほんとお待たせしました…この前の台風で川が氾濫しちゃったりと色々悲惨で…そっちは大丈夫だった？)

高速ガール？まあ確かに足の個性だけど、…おし！にしても初日からテストとか雄英もぶっ飛んでんなー。
( 着替える手を止め一時目をぱちくりさせるも相手の性格が掴めてきたのか再び手を動かしながら呟き。完了するなり腰に手を当て満足気に自分の姿を眺めては、相手見やりつつこれから行うテストの内容を想像し肩を竦める。同じ事を思っていたらしい他生徒が同調や疑問を口に出しコミュニケーションを取り始め、いまいち一致しなかった顔と名前に性格という要素が付け加えられ大分識別できる様に。 )


( / いえいえ、お気になさらないでください！氾濫！？うちは風と雨が酷いな程度だったから…ごめんねそんなに大変だったのにお菓子食べながらテレビ見てて……落ち着いたみたいでほんとに良かった！台風許すまじ！ )